UTAU音源制作を始めるにあたって

初心者向けUTAU音源制作講座は有識者の手によって質の高い記事が既に複数存在するので自分が書くまでもない。

というわけでここではUTAU音源制作を始めるにあたって、ある程度意識しておいた方が良さそうなことを並べてみた。

一応、本記事は今からUTAU音源制作を始める或いはやってみたい初心者向けではあるが、初心者にUTAUを布教したい人や始めてみたが思った通りにいかない人にも使えそうな用に書くつもり。

あくまで1ユーザーとしての意見であることを念頭に置いてほしい。

⒈収録形式や音階数はそこまで深く気にするな

音源制作者(中の人)の最終目標がどこであろうと、とりあえず最初は深く気にしなくていい。単独音だろうが連続音だろうが気になるものをやればいい。
音階数も録りたいだけ録ればいい。1音階でもいいし、自信があるなら6音階でもいいんじゃないか?

大事なのは数をこなすこと。
数をこなして収録や処理のコツを掴むこと。

なんでもそうだが、最初から上手くいかないものなので、結局納得いくものを作るためには継続して練度を上げるしかない。

そういう意味で最も手早く、シンプルに作れて数をこなしやすい単独音1音階が初心者に勧められるのだ。
UTAU音源制作の過程及び基本構造を理解する上でうってつけなのである。
(特に音痴は一定の音程を保つことがまず鬼門となるので1音階をおすすめする。多少ズレてもなんとかなる。)

逆に言えば、十分な根気と仕組みさえ頭に入っていれば最初から連続音やCVVCでも問題ない。
あとは自分の肺活量や音程維持力と相談しよう。

⒉一度でいいから音源制作の全過程を自分でこなそう

コレは本当にやっておけ。

依頼するつもりなら尚更やっておけ。

たまにTLでノイズ除去師や原音設定師の嘆きが聞こえてくるので書いておいた。

「依頼するからいいや〜」の気持ちで適当に録音したものを投げるのはやめよう。

今後依頼する予定でも、一度自分で全ての過程をこなしておけば、収録する際の注意点と依頼する相手の労力が自ずとわかるようになる。

それに原音設定をかじっておいた方が、自分で調声する際に必要な知識を同時に得られるので超お得。

⒊音源の目的・コンセプトはある程度決めておけ

この項はある程度音源制作に慣れてきて、配布を視野に入れた段階から心がけると良い。

一口にUTAU音源と言えど、収録形式や音階数などの特徴を始め様々な個性がある。
それぞれいいところもあれば、当然そうでない部分もある。

最近はAI進出もあり、よりリアルな歌い方が求められつつある一方、デフォ子や初期の重音テトのような元来のロボ感溢れる単独音も愛され続けている。
創作性重視なキャラの場合、ワザと独特な発音にすることで個性を引き立たせる事もある。
架空言語で歌う音源やマルチリンガル音源、中の人が存在しない音源も存在する。
とにかくなんでもアリなのだ。

なんでもアリだが、その分ユーザーの数だけ好みの違いがあるのも事実だ。

なので、Aさんが好きな音源がBさんに刺さるとは限らない。
だがBさんにもウケるように音源を作ったら、独自のキャラ性が壊れてしまうかもしれない。
万人受けを狙うのは、難しい。
結果的に作りたいものからかけ離れたら、本末転倒である。

だからこそ、自分の作る音源に「目的」や「コンセプト」をある程度持たせておいた方がいい。

調声ガチ勢に使って欲しいのか?
性能よりキャラ性を全面に押したいのか?
アイドル系なのか実力派系なのか、はたまたネタ系に走るのか。

そうすれば、一定の層に刺さらなくてもダメージを回避できるし、自分のやりたい活動に専念できる。

…ちなみにこんなことを言っている筆者は、単独音しか配布していなかったユーザーに多音階連続音(特殊音素&VC音素切り出し済み)を作らせたことがある。
結果的にいい音源となったので良し。

⒋自分が愛せる音源を作ろう

前項と多少被るあたりまえの話だが、自分が愛せる音源を作ろう。

誰かに使ってもらいたい気持ちが優先して自分が好きになれない音源を作ってもしょうがない。

最終的には自己満足の世界なので、自分が納得出来ればそれでいいのだ。

技術的に粗末でも、声が万人受けしなくても、キャラが誰にも刺さらなくても、自分が愛せるなら大勝利なのだ。

それから、長期的に見て自分が使いやすい音源にするのも大事だ。

⒌最後に

ここまで読んでくれてありがとう。

最後に、これから音源を作りたい人やグレードアップしたい人にオススメの記事をいくつか紹介する。
どれもためになるのでぜひとも読んで欲しい。


山本プー様の記事

スマホで音源を録る方法。
最近のスマホのマイクは性能がいいので、手元にマイクが無いけどとりあえず作ってみたい!という人はぜひ試して欲しい。
ただしノイズには気をつけよう。


巽様のブログ

様々な録音リストが配布されている。
また少し変わった録音方法や特殊発声についても書かれているため、いろいろ試したい方はぜひ。


八歌様の記事

自作の音源が鳴らない…そんな時はこれを読もう。
だいたいのトラブルはこれで解決出来るはず。
それでも無理な場合は「UTAUQA」を利用しよう。匿名で質問できるのでオススメ。


まいこ様のブログ

一生使える最強のブログ。
特にUTAUに慣れてきて難しいことに挑戦したくなった辺りからお世話になりまくる。
役立つプラグインも配布されているのでオススメ。

デルタ様のブログ

いろいろあるが、特に日本語話者向けの英語音源録音リストが配布されているのが特徴。
他にもCVVC向けの記事が充実しているが、特に原音設定のやり方はまいこ様と異なる点があるので注目。
原音設定は宗教なのだ。


これらを全部頭に入れるのはさすがに大変だが、何度もUTAUを触るうちに勝手に身体が覚えるので心配はいらない。

長々と書いたが、結局大事なのは「作りたいものを作ろう」ということである。

改めてここまで読んでくれてありがとう。

UTAUの世界へようこそ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?