カレーの王子様とコロナ禍

我が家にはTodllerが一人いる。生まれたてのホヤホヤした頃とは別人のようにどっしりとしてきた子供は、毎日のように自分のやりたいことを実現しようとして様々に動き回り、要求を人に伝えようと必死で多くの単語を覚えてくる。イヤイヤを適度に使い分けながら親に指図する姿はさながら小さな王子様である。

我が家は共働きで、お互いの両親も遠方のため、子供は早いうちから保育園に通っている。まったく予想しなかったことだが、昨年のCovid-19の流行で、育児をしながらの仕事は大変にハードモードになった。子供に発熱などの症状が出れば保育園に行けないのは仕方がないが、仕事も発熱の間ずっと穴を開けるわけにはいかない。熱・咳・下痢などの症状で病児保育にはよく通ったが、Covid-19の流行でお世話になっていた病児保育が閉まったので、電車と徒歩で1時間かけて少し遠い病児保育に子供を預けなければならず、帰りもお迎えに間に合うように仕事をしなくてはならない。なんとか夫婦で分業してやりくりをするが、どちらかが倒れたら破綻するので、夜は限りなく早めに就寝する。そんな生活をしていると、少しの隙間も生活には存在しなかった。

秋頃から、そんな生活も少しずつ楽になってきた。子供が成長したこと、(コロナウイルスを除いて)一通り感染症にかかりきったであろうことが大きく、それに支えられて少しずつ余裕がでてきたからだ。ちょっとだけ人と会ったり、オンライン飲みをして、日常のペースが掴めてきた。楽になってきたが、なんとなく寂しい気もする。

今日は私は泊りの仕事で子供には会えない。今日は大好物のカレー(ごはん120g)を平らげたようで、家族から食事中の動画を送ってもらった私はひとりでカップ焼きそばをすすりながらそれを見る。王子よ、コロナウイルスのせいで奇妙なことも多いけれど、君がおいしそうにカレーを食べれば、国は平和だ。