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大事な人に大事なことをきちんと伝えられる人でありたい
きっかけは、推しが大事な投稿をしたこと
先日、私の推しがこんな投稿をした。
We’re very sorry to announce that we have to push our upcoming Summer tour dates to 2022. All tickets will be honored and new dates will be announced in the coming weeks. This pains us so much as we truly cannot wait to be back onstage and performing for you all again. pic.twitter.com/MRAzMcwzzp
— Goo Goo Dolls (@googoodolls) April 21, 2021
バッファロー出身の現在二人組バンド、Goo Goo Dollsが2021年ツアーの延期を知らせる動画である。動画の最後に、Robbyが「Be safe, Be well, Get shot」と言い、Johnが「Get shot!」と被せる。当然ながらSARS-CoV2ワクチンのことである。私は15年もファンであった推しからこのような言葉が聞けて、感激のあまり座り込んだ。
もちろん今までも著名人がワクチンの接種を公開することはあり、その啓蒙活動に素晴らしさと有難さを覚えることはあった。シュワルツネッガー、ショーン・ペン、ドリー・パートン(ワクチン接種のためオープンショルダーの服!)、マライア・キャリー、マーク・ジェイコブス・・ほかにもたくさんの著名人がSARS-CoV2ワクチンを接種してメッセージを表明している。
Today was a good day. I have never been happier to wait in a line. If you’re eligible, join me and sign up to get your vaccine. Come with me if you want to live! pic.twitter.com/xJi86qQNcm
— Arnold (@Schwarzenegger) January 20, 2021
映画のセリフをパロって投稿するシュワルツネッガー
しかし今回、自分の推しが言った言葉はマリアナ海溝より深く深く胸に刺さった。人は自分の好きな人の言葉は飲み込みやすい。それに加えて、ファンを大事に思っているというメッセージが伝わったから、刺さったのだ。
相手を大事に思うということ
私は医療従事者で、SARS-CoV2についても比較的かかわりがあるほうである。論文も必要があれば読むし、この病気の恐ろしさもわかる、そして現在ワクチンがひとつの希望の光となっていることは世界各国からの報告でも自明である。(なお、ワクチンについてのFAQは下記のこびナビがほぼ網羅しているので、知りたいことがあれば参考にしてほしい。)
しかしながら、ものすごくたくさんの人に、ワクチンを疑問視した声をもらう。国産が出るまで待ちたい、そもそもインフルエンザのワクチンを打ったことがないのにコロナのワクチンはいらない、コロナは風邪、なんとなく怖い、1年でできたワクチンなど信用できない、副反応が不安、など、理由はそれぞれである。
できるかぎり誠実にエビデンスを話して、受けるメリットは大きいということを説明しても、「打ちたくない理由」を乗り越えられないこともしばしばであり、壁を感じていた。が、先述した投稿を見て、自分に大事なものが足りない、ということに気が付いてしまった。それは『あなたのことをとても大事に思っている』という意思表示を先に伝えることだ。
自分が話す相手は、基本的には自分にかかわりのある、大事な人である。しかし通常はその気持ちは言葉にも態度にもさほど乗せない。いきなりそんなことをしたら、だいたいの人は引いてしまう。でもこの話題に関しては別だ。「大事。また元気で会いたい。無事でいて」という思いが伝わっているのといないのでは、ワクチンの意味合いなど180度変わってしまうのだ。
ありがとうのスピーチ
イギリスのボリス・ジョンソン首相は昨年Covid-19にかかり、退院した後にスピーチをした。
ありがとう、これだけの人がCovid-19の対応に関わってくれていることを知っている、ありがとう、というこの「thanksスピーチ」は見たこともある人が多いだろう。首相から国民、世界への強いメッセージだ。
Covid-19が流行して、人と人とのつながりは、たくさん分断された。日々自分のことで手いっぱいになる。分断して孤立すると、得られる情報も偏る。他人のことなど、どうでもよくなりかけてしまう。
だからこそ、今あるツールは全て使って、人とのつながりを維持して、私もありがとう、あなたのことを思っている、という気持ちを伝えて、第三者になり続けないようにしたいと思った。電話でもチャットでもLINEでもZOOMでもいい、病院に行くなら受診もそのひとつにしてもらっていい。
SARS-CoV2が人間の思い遣りあいを試しているとは思わないが、しかしこの厄介なウイルスに、人間がお互いを思い遣り、守るところを見せつけてやりたいという気持ちでいる。