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【トンデモ体験記①】ハサル液…「コロナに効く」「癌が治る」という薬機法への挑戦? そんな謎液を入手した私はどうしたか

【はじめに】
どうも、ライターの黒猫ドラネコです。

長引くコロナ禍で、色んな胡散臭い商品が百花繚乱にめいっぱいリリースされまくっている昨今。
ネットにはびこる怪しい案件を常に観察している私としては、ツイッターで偉そうに批判してばかりではなく、自分の身をもってそのトンデモを体験し、お伝えすることがたまにはあってもいいかなと思う。

……さて、フォローしてくださっている皆さんはご存知だとは思うが、表題の通り、今夜わたしがいただくのは、こちら。

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ハサル液


え、ご存知ない?

High
Acid
Special
Alkali
Liquid

で HASAL液よ。

「Liquid」と「液」が重複しとるやないかい!

そんなツッコミをみんな必死で堪えていることは分かるよ。
Mt.FUJISANみたいな感じだから許してあげてほしい。国土が誇る霊峰の鮮やかな冠雪を溶かす程にホットなこの案件に注目していこう。


■| 謎の液体を配るA氏 

一応おさらいすると、こちらの謎の液体をツイッター上で配っている人がいるのだ。なんと無償で。これがまたすごくて、この謎の液体を飲んだり体に塗ったりして使うことによって「コロナに効く」とか「癌が治った人がいる」と、病気に効果があるとか言い張っている。DMでやりとりをして、自分で空のスプレー容器を用意して送り、液体を充填してもらって着払いで送ってもらう流れのようだ。

主に配っているのはAKI氏というアカウント(もう隠すのめんどくせ)

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こちらのAKI氏ことハサル配りの快投リキッドさんは「飲める消毒液」「鼻にシュッシュしろ」のような感じの投稿をしていらっしゃる。ここまで自信満々満足でやられてしまうと、薬機法は何のためにあるのか、医療とは何か、もしかしてこの現代社会に生きる私達の方がいつしか何か大切なものを見失ってしまっていたのではないか、ということまでは考えさせられ ない。

AKI氏こと痛快お配り液長さんによると、そもそもハサル液の出所はご自身ではなく、『ハサル総合先端技術研究所』なる組織らしい。無償配布も指示を受けてやっているわけでなくご自分の意思で、同所の理事長(?)とは長い付き合いだが組織とは無関係だとか言うからちょっとよく分からない。

冒頭でも貼ったハサル液の説明のスクショは、研究所との関係も深そうで同様の液を製造していると思われる『株式会社ハサル』のホームページから。そちらによると、

「強酸性と強アルカリ性、それぞれの性質を持つイオン水」

…うーむ。アシュラ男爵みたいなもんか(違う)

いや、分かってる分かってる。

中和するだろ!!!


そんな魂の叫びは無用だ。AKI氏ことe.k.i オクバリさんは常々「科学では説明ができない」というようなことも仰っていてちっとも要領を得ない。これから、私達とハサル液とは互いの理解が難しいまま長い長い旅路をともに進んで行くことになる。
ごめん、ちょっといいこと書こうとして自分でも何言ってるか分からなくなった。

■| ハサル液に群がる人々

で、私からだけでなく方々から散々ツッコミを受けた今日にいたっても、このAKI氏こと液体配布大明神さんは、ハサル液には感謝のDMが殺到しているということを示すために、ご自身に来たDMやらツイートを公開し続けていて「魔法水」「コロナ患者が治っている」「末期がんが治った人がいる」などの戯れ言がいつまでも絶えることなく飛び交っている。

この大ウソつき野郎! なめてんじゃねえぞ!(液はなめているらしいけどな)
と、言ってしまうのは簡単だが、いくら無償で安全だと言い張っているとはいえ、どこぞの誰かがネット上で配っている謎の液体を何の疑いもせず自分の体に使う人も実際に多数いるという事実には驚嘆するばかりだ。正気の沙汰とは思えない。

ちょっとびっくりしたのは、「猫の鳴き方がおかしかったから口内にシュッシュしたら治って、次からシュッシュを期待して寄ってくるようになりました」などという感謝の声。猫がそんなもん望むわけねえだろ……マタタビ入ってんかよ…… 動物虐待にもなり得るから笑い事じゃねえんだけどさ……。

そんなちょっとアレな人達の感謝と歓喜に溢れて「セクシーコマンドー外伝すごいよ!ハサルさん」状態に、AKI氏こと液おくばりびともヒートアップしているようで、「既に日本国内では6万人に配られている」とか「インドネシアに送ってコロナを終息させた」とか、「地下鉄サリン事件の際にはサリンを無毒化するほどの活躍を見せた」などと、どこまでが妄想でどこからが空想か分からないようなことを宣っている始末。

誰かが決めたルールに縛られたくねえのかどうかは知らんが「薬機法? 知るかバカ、そんなことより液お配りだ!」みたいなヤケクソの感じすら覚えるほどのちょっとアレな人達の大騒ぎに、良識ある皆さんが一生懸命にツッコミを入れているところに「今年は薪が少ないと思っていたところじゃ。これで年が越せるわい」とばかりにこの私も参戦したという流れだ。

無認可の物質を持ち出してなんらかの治療効果や効能を提示した時点でアウト・デラックスのはずなんだけど、AKI氏ことプロ液配れいヤーがあまりにも私らのツッコミを「よしよし(むかつく顔の絵文字)」みたいに軽快にあしらってくださるもんで、私なんかもうAKI氏ことヘンナエキ・オクバリーナさん(呼称をコロコロ変えると面白いのではないかという浅はかさを恥じてきたのでそろそろ止めます)になんと訴訟までチラつかされてしまっている。こわーい。

だから、こっちもイラつきの裏で「おうおう。生きのいい新キャラが現れたものよ」などと大いにニヤニヤしつつ、かくして深夜の快活クラブで「揚げたてアツアツ神ポテト」なんかの誘惑に耐えながら、お金にもならないこんな体験記を書く羽目になったのよ、ええ。

■| もうハサル液しか見えない

こうなったら俄然興味をそそられる。もうハサル液のことしか考えられない日々が続く。「このところ黒猫ドラネコはハサル液のことしかツイートしてねえな」と思った方もいただろう。知るか。

ああ、ハサル液。ドミニカからきた中日ドラゴンズの外国人助っ人みたいな名前の謎の液体……。欲しい……ハサル液と地位と名誉と永遠の命が欲しい……。

と、いうことで!

一日千秋の思いで待ち続けた結果、ついに、あるルート(明かせません。ごめんなさい)から手に入れたぞ! 自腹で! ざまあみろ!

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これが念願のハサル液だ! やったね黒猫ちゃん!
さあ、せっかくなので実験開始だ。何からやってやろうか……。その模様は、ちょっと長くなってしまったので(悪ふざけばかりしているからだという声は真摯に受け止め)その②に綴るとしよう。


はたしてハサル液とは何なのか。
そして、人類は新型コロナウイルスの強襲を経て2021年末に突如現れたこのトンデモ案件に対し、薬機法という名の武器を手にとり気力尽きることなく戦い抜くことができるのであろうか……。

ハサルを点眼し、刮目せよ!(注意。絶対やっちゃダメです)


―< 続く >―


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