11/7 朗読劇Spiral感想

Be withプロデュース様主催の朗読劇Spiralを観劇しました。キャストは汐谷文康さんと狩野翔さん。1日に3回公演がある2人芝居朗読劇で、基本は同じストーリーをなぞりつつ3回とも結末が違う、また1日目と2日目で役をチェンジして演じられるという構成のお芝居です。
クッソ長くなったので日ごとに分けた。

雑感的に感想を書きます。書き殴り形式で行くので芝居を観てないと意味がわからんと思います
汐谷君のファンなので汐谷君ひいき気味になります。ただ、狩野さんもよく知った方ではあります。そういう人間の感想です。

登場人物に関して
・汐谷レイス(1日目)
一言でいえば今までの汐谷君のイメージに近い雰囲気の役。森の奥の村で一人静かに暮らしている線の細い美青年…。あまりにハマっていて1部登場時びっくりした。レイスが脚本上はじめて出てくる瞬間にレイス登場のテーマと言わんばかりの綺麗なMが入るのですが、その音があまりにハマっていて背景に少女漫画のいい感じのふわふわを幻視しました。
汐谷君得意の繊細なお芝居が生きる生きる。突然現れたエリクサーにやや警戒する感じ、それでもお腹を空かせたエリクサーに食事を提供する優しさ。
村で静かに俗世を捨てて清らかに生きているって雰囲気がめちゃくちゃにぴったりだった。狩野さんエリクサーの男くさい人懐こさ、誰のうちにでもするっと入ってきそうな感じと相まって、世界観の濃度がぐっと濃くなったなと思います…。
7人の勇者の物語を得てエリクサーへの態度が砕けると少し男の子って感じの雰囲気になったのもすごくよかった。紅茶をいれてもらうシーンでの「待たないっ」の茶目っ気とか、エリクサーの細かさにうんざりした感じとか。
狩野さんレイスは馴染んでもどこか一線があるような雰囲気を感じていたのですが、汐谷さんレイスはもう友達!って感じのお茶目さでした。すたすたすたすたーーー!も好き。
あとエリクサーが穴に落ちたところの「大丈夫ですか!?」ってガチ心配してるシーンは人柄の良さがにじみ出ていると思います。
あと冒頭のレイスの父としての登場の老獪感が好き。フォアレでも感じたけど、汐谷君が年かさの男性演じると、賢いけど処世は少し苦手そうな雰囲気がでるなあと思いました。

で、1部。細かい言い回しは覚えていないんですけど「清らかで透明で上質な魂」というエリクサーの表現にもうそれな!!そりゃ欲しいよな!と強く頷きたくなった。ついでに無垢ですね。狩野さんの1部エリクサーは悪魔としての欲望が強めに見えてて、エリクサーを追い詰めるときが楽し気だったのでちょっと、こう、ぞくっとしましたね…。
1部ラストに関しては2パターン解釈をしていて(後述)そのうえでどっちかなあと思ってるんだけど、汐谷君がレイスの場合だとどっちでもいいなあと思っている。なんていうか、観てて一番背徳感があった気がする汐谷君1部レイス。

2部の汐谷君レイスはとにかく気の毒だった…。一番エリクサーの主人公感が強くかつSFチックな本だったんだけど、運命に翻弄される少年の未来はいかに!!という感覚というか…。お母さんが死んでしまうシーンを徐々に思い出すところ、その瞬間の恐怖とショックの表現が繊細かつ悲痛で「レイスは悪くない!」と全力でかばいたくなる感じ。そしてエリクサーが示した希望に縋る雰囲気も、そうとてもヒロインでした。
2部の汐谷君レイスはヒロイン。推しキャラがヒロインになって主人公お前マジでがんばってくれってなる作品のヒロイン。アフタートークで狩野さんが狩野エリクサーは次のタイムトラベルも失敗しますって言ってたんだけど(笑)そこは頑張ってくれ。

3部汐谷君レイスはね…もう本当に楽しそうに汐谷君が演じていた上に、アフタートークでも楽しかった楽しかった言い続けていたのでにっこにこしてしまったんですわ…。キラキラした目で煽る煽る。追い詰める追い詰める。きゃっきゃ笑いながら拷問するタイプの無邪気系狂キャラという感じで、脚本に感謝を捧げてしまったのが正直なところ…。汐谷君の悪役系を初めて観ることができたし、何より本人が楽しそうだったのがね。
汐谷君が2日目のアフトの何部が好き?的な話でも楽しかったから3部!みたいに言ってて、またこういう芝居を観られたらいいなあと思いました。

全体通して汐谷君は共通プロローグ部分の芝居をその後の話によってあんまり変えている感じはせず、素直にそのシーンを楽しめたなあという感じ。役と部に限らず、7人の勇者物語のシーンのラストのカギを回すモーションと表情が性癖。魔女の絵本の詩の読み上げの一気に声の圧をあげて盛り上げていく感じも好き。あと汐谷君にあの衣装を選んでくださってありがとうございます。胸元フリフリ。王子様じゃん。胸元の茶畑(アフト狩野さんより)。ポーの一族とか風と木の唄の雰囲気を感じてしまった。
動きとか舞台上でやるにあたってそうなったのかな、と思いつつも、左脚を痛めた状態で右手に杖をもってかつ右足と杖が一緒に出てるとことかちょっと不器用なのがいいなーと思いました。手張りとかモーション自然につけるのあまり得意ではないけどめちゃくちゃ頑張っているのが…好きです…
でも芝居がかった動きはめちゃくちゃうまいし絵になるの…

・狩野さんエリクサー(1日目)
汐谷君のエリクサーがハリウッド映画の正統派主人公だとしたら、狩野さんのエリクサーはここ10年くらいの漫画のストレートなだけじゃないちょっとひねたところがあるけど情には厚い系の主人公だな、という印象。アフタートークで「タイバニの虎徹さん」と狩野さんが表現していたけどめちゃくちゃぴったりのイメージだった。
そして狩野さんの芝居そのものの感想になるんだけど、とにかくすべてを自然にさらっとこなす。手張りや動き、よろけ、セリフの「~~でした、残念!」とか「恋愛かもーーーーんぬ」とか、脚本上のちょっと独特な部分もすごく聴いててするっと入ってきて単純にエリクサーハマってるなあと思いました。汐谷君がその辺の自然さに関してはおそらく苦手分野なので特に際立ちかつ、おたがい支えあってばっちりハマっていた…。
裏がないわけじゃないけど、観ていてするっと人の内に入ってくるような感じ。人と仲良くなるのもめちゃくちゃ早いんだろうな…人間関係的な部分は大分器用そうに感じた。

1部
強欲悪魔が綺麗な少年に、人間装って手を出したって図に見えました。絵本の内容が汎用性のある暗喩になっているのは後から気が付いたんだけど。
狩野さんは悪魔としての正体をカミングアウトするところをかなり楽しそうに演じていたので、レイスが喰われる、感を強く感じました。レイスの悲劇ごと状況を楽しんでいる感じ。復讐の手伝いも、再生も自分が魂をおいしくいただくためのスパイスにしている的な。直前で逃がしたのは本当にくやしかったんだろうな…と。
このシーンの狩野さんが一番黒が似合っていた気がする。私が「悪魔」と言われて想像する悪魔に一番雰囲気が近かった。もっと言うならグラブルのベリアル。最終的に魂を貰うための罠として願いをかなえている感じ…。なのでここでのレイスは、2つめの願いがかなった時点でうまく逃げだしたんだろうな、と思ってます。

2部
いわゆる「タイバニの虎徹さん」感が一番あったし、狩野さんエリクサーの点で観るならこれが一番好き。狩野さんエリクサーの情に厚そうな部分と、汐谷君レイスの悲劇性とはかなさぴったりはまっていた。狩野さんの芝居はめちゃくちゃ説得力があるので、ラストの真相がわかるシーンの臨場感とレイスへの説得の染み込みがすごかったです。2部のエリクサーが一番素直に観てて大丈夫(裏がない)なので、一番いい話だったな…で終われる。

3部
狩野さんエリクサーの3部が一番そうきたか音頭でした個人的には。裏があってもおかしくない雰囲気は常に滲んでいたなあと狩野さんエリクサーには思っていたので、ここでこう出してきたかと。狩野さんの芝居の器用さと自然さはこう働くのか的な気づきもあったり。
ラストのレイスに追い詰められるシーンでは、自分もうまくやっているつもりだったのに実はさらに上にいるやばいのに追い詰められていた悪党感があり、汐谷君レイスがきゃっきゃしていたのもありで、翌日の汐谷君エリクサーは可哀そうなことになりそうだなあと思ってました。まあこれはいい意味で裏切られたのですが後述します。
悔しそうな芝居ってのはいいもんだ・・・。

狩野さんのエリクサーは結構イメージ通りのはまり役という感じだったので、公演初日だったのもありめちゃくちゃ安心してみていられました…。キャラクターの起伏でいえば多分一番ギャップがあったのは1部のエリクサーだったから、最初にそれを見たことで心構えができたのもある。
あと冒頭の猫を捕まえようとするシーンで狩野さんは客席の1人を猫役にしていましたと3部のアフタートークで仰ってたんですが、多分3部で猫役だったの私だと思います…。めちゃくちゃ目を合わされたのでめちゃくちゃきょどって固まってたんですが、あれはやばいですね…
実況しますと
「ん?これ私近辺猫役にしてるか・・・?ん?なんか、めっちゃ目が合う、え?は?かっこい、動くな変に反応して雰囲気を壊すな、え、これ私みてる?は?」でした。
心臓バックバクでした。多分すでに心に決めた推しがいなければ完全に落ちていたと思います。引力がすごい。



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