11/8 朗読劇Spiral感想

2日目感想です。
キャストチェンジして汐谷君がエリクサー、狩野さんがレイス。
1日目で芝居の内容が一通り頭に入ったのもあり、大分純粋に役者の芝居を意識したり、物語の込み入った部分を楽しむことができました。

とりあえず役ごとの感想
・汐谷君エリクサー
まず白状しておくと、めっちゃくちゃに好き…かっこよかったです…。衣装が至るとことにベルトが付いたゴツめの上着で、前髪もあげてて、ついでにいうと多分大分顔の彫りが男っぽくごつめになるようにメイクもこれは多分汐谷君が自分で施してたんですけど、めっちゃ好きでした…かっこいい…。
そして汐谷君から溢れる善のオーラで洋画の好青年~!!みたいな雰囲気になっていました。いやめちゃくちゃよかった。
繊細な芝居が得意な反面、「かしこまり~」とか「残念!」とかちょっとコミカルな部分が若干ぎこちなくてそこからまた好青年感が溢れててすごくよかったです。後述しますが、後半のストーリー変更部分でエリクサーが化けるところもそれによって際立ったり意外性が出てたりしていました。ありがとう…演じる人でこうも印象が変わるのかっていうのもはっきり感じられました。もう一度言っとくありがとう。

1部汐谷君エリクサー
前述のとおり登場から結構なダメージを受けてて、そして穴に落ちる部分では1日目になかったセリフとかもあってもうしばらく推し最高しか考えてなかったんですが。
とりあえずまず、実直そうなエリクサーだなというのが大きかったです。いい意味で自己中心的な主人公感があるというか。まっすぐすぎてちょっと鈍感そうというか。
なのでエリクサーが悪魔の正体を現す部分は結構淡々とした印象があって逆に驚きました。レイスの魂を手にする行為を、悪魔の職務の一環としてとらえているというか。レイスの魂は確かに上玉で逃がしたくはなかったんだろうけど、いいとこまでいったのにすんでのところで仕事を完遂できなくてチッ面倒な、みたいな雰囲気を感じました。狩野さん1部エリクサーでけっこうずる賢そうな雰囲気だったとの、3部汐谷君レイスからもうちょっと高笑いしそうな雰囲気になるだろうなと想像していたので、ほほーとおもいました。でも冷たい雰囲気の演技初めて観たかもしれない…いや人外の芝居って最高ですね…

2部汐谷君エリクサー
主人公~~~~!!!!圧倒的主人公~~~!!内心ちょっと一番気が狂った回かもしれない…。「今の俺を信じるな、未来を変えた俺を信じてくれ」的なセリフ(うろ覚え)の圧倒的主人公感…。信じます…。
汐谷君、眼がとても強い役者さんなので、必死な演技がめちゃくちゃいいんですよ…。アフタートークで汐谷君エリクサーは次のタイムトラベルでレイスと母親を救えます、メモ書いとくのでって汐谷君が言ってたのでそういう賢いところがあるエリクサーです。
このお芝居、脚本自体の好みに加えて、推しがどっちを演じているかで好きな回が変わるっていう恐ろしい本だとここで気が付きました…。お察しかと思いますが全体を通すと一番お気に入りだった回はここです

3部汐谷君エリクサー
狩野さんの芝居も相まってレイスとエリクサーの関係性が一番砕けていたのがこの回だったかなと感じたんですが、この回はめちゃくちゃいい意味で期待を裏切られました。初日の記憶から、多分2日目3部のエリクサーはいいようにレイスに操られてとても可哀そうに見えそう、って思ってたんですけど。
母殺し、父殺し、村長殺しを暴かれて「役目が終わったから殺した、何が悪い!」って叫ぶエリクサーの圧。一気に感情が爆発してその場のレイス有利の空気がエリクサーに変わる感じがすごかったです。そのあとのエリクサーとレイスのガチンコで正面からぶつかり合っているような緊張感。めちゃくちゃかっこよかった…。レイスがどこか余裕のある雰囲気を残しつつ圧倒的な圧を出していたのもあって、なんか紅と蒼のぶつかり合いみたいな…。お互いに高めあってると感じる芝居でした。すごくいいものをみた。

まとめると、いや汐谷君の大地本当に観たいな!!!!!!ってなる芝居でした。そう私はギャップに弱い女。
あと、狩野さんとのこういう芝居をやる相性がいいなと思いました。どうも相思相愛ですね。3部のアフタートーク。何を見せられたんだあれ。また観たいです。汐谷君のねこちゃんは大分足元まできてました。目線で猫ちゃんの位置をそれぞれ表現するの面白いですね


・狩野さんレイス
背徳的ぃ!!って思いました。狩野さん黒似合うね…。レイスは初対面の静かな敬語美青年からはじまり、それが少し砕け、悪魔になり、復讐者になり、支配者になるんですけど、狩野さんの多彩さでそれをやるとえらいことになっていました。端的にいうとちょっとエロチシズムを感じる場面も多々ありました。表情とか。動作とか。
アフタートークで演出さんに前半部分の芝居はあまり変えないでと言われていたことが判明したんですが、狩野さんは特に2部で明確に変えていました。個人的にはそういう芝居をする方がいることを期待していたので楽しかったです。えぐい役を狩野さんがやるとマジでえぐいな…という感想も抱きました。緩急のつけ方が抜群にお上手なのでこっちの感情もぐわんぐわんにされる。1部と3部の「父親には内緒なんだ」で人差し指を口元にあげるところはひええと思った。

1部狩野さんレイス
重ねてになるんだけど、狩野さんの儚げで清らかそうな演技が多少の背徳的な雰囲気をはらみますね…。ほりしょりラブレターの時のエロい顔して眼鏡加えてる写真を思い出しました。君はペットとかも思い出してました。
レイスの父親として登場したときはほんと多彩だなーと観てました。足の引きずり方、声の低め方、しゃべるトーン。からの穴に落ちるシーンでレイスのままちゃんと遊んだりとか。
ただ、紅茶をいれてもらうシーンの「待たないっ!」とか、父親には内緒なんだのくだりの手ぶりとか。要所要所でめちゃくちゃぐっさりささるやり方をしてくる。ずっと常に何かを隠しているような感じがあって、最後までは掴ませないような雰囲気というか。狩野さんの芝居奥が深すぎてこれは虜になるなあと思いました…。

2部狩野さんレイス
本人も仰ってたんですが、割と登場時からはっきり変えていました。お父さんとしての登場時も大分雰囲気が違いました。はっきり感じたのは紅茶をのんで「甘い」というところ。2部では事実を口にした程度のテンション。(1部、3部では甘さに喜びとそれを相手に伝える意思があった感じ)。
その他にも穴に落ちた後の心配の仕方とか、紅茶をいれるシーン、美術館に先に歩いていくシーン。憎むべき相手に親し気に接する演技っていう二重芝居を表現していたのは本当にすごいなと。
私も狩野さんの怒る演技はかなり好きなんですが、それがはっきり発露する後半はめちゃくちゃよかったです。汐谷君エリクサーの必死に思い出して真実を話す芝居との相乗効果もすごかったです。
いややっぱりこのおふたりのSpiralでは2日目2部が一番好き…。

3部狩野さんレイス
ああ…責められたいってこういう気持ちかあ…って一瞬思うような芝居でした。責め立て方と煽りの緩急がやばい。「ほうら、あんたのその手、感触が残っているだろう…思い出してよエリクサー」とか…。
甘い毒って表現したくなる感じの、まとわりつきながら責め立てる雰囲気。初日で展開をしってこりゃあすごいことになるだろうなとは思ってたんですが案の定でした。徐々にエリクサーが思い出すのを煽りながら爆発したエリクサーの更に上位に立っている感じ…圧倒的余裕と強さ。
これ以上表現する語彙がないんですがすごかったです。あのシーンはエリクサーとのやり取りごとずっと見ていたかった…
赤い照明からの完全暗転エンドは本当にかっこいいんですけどめちゃくちゃにあってました。1日目の汐谷君レイスとは狂気の方向性もめちゃくちゃ好きなんですが。1日目の汐谷君レイスが鮮血の様な紅で、2日目の狩野さんレイスがどろどろ流れる黒がかった血の紅のイメージで勝手に捉えています。


1日目でストーリーを把握して余裕があったのもあってかだいぶ狂う余裕がでてきている気がしました。他、ストーリー上のおおって思ったとことか細かい好きなとことかあるんですがそれはまた別記事にて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?