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博士の学位を持っていて良かったなと思うこと

 こんにちは、黒都茶々と申します。
 私は現在は定職(not研究職)についておりますが、かつて大学院の博士課程というものに在籍しておりました。これまでは博士課程在籍中の話を主にお伝えしていましたが、今回は就職後の話をしようかなと思います。

 まず私について軽く自己紹介しておきますと、博士後期課程を満期退学後、2年間かけて論文を書いて学位を取りました。就活をしていた博士2年~3年の時には学位を持っている状態ではありませんでした。(面接でも、学位は多分取れないので、満期退学にしかならないと人事には伝えていた。)ですので、学位を持っていることが就活で有利に働いた、ということはありませんでした。

 もしかしたら、職種などによっては、学位を取得していることが、採用で有利に働いたりすることもあるかもしれませんが、少なくとも私の所属していた生物系ではなかったですね。他の専攻のことについては、私にはちょっとわからないですねぇ。

 そんな私が、博士の学位を持っていて良かったと思うことの1つめは、「自分が満足する」ということで、2つめは、「博士であることをアピールできる場もある(ほとんどない)」ということです。あんまり大したことなくてびっくりしますね。だから、学位は足の裏の米粒って言われるんですよねぇ(しみじみ)。

1:自分が満足できる

 なんのひねりもなくてすみません。本当にこのままなんですが、学位を取ったということで、自分が満足しました。区切りがついたというか、すっきりしました。言葉にするとしょうもない気もしますが、自己肯定感を高める上で結構重要だと私は思っています。

 全ての満期退学者に当てはまることとは思いませんが、満期退学した人も、もちろん博士課程進学を決めた当時は「学位を取るぞ」と思っていたはずです。なので、やはり学位を取得するということは一つの到達点であると思うのです。

 私は、満期修了してからの2年間、「満期退学した、学位がない人」だったんですが、経歴を自分で話すときに、「博士課程行ったんですけど、学位は取ってないんですよ」と言っていて、そのたびになにか言い訳をしているような気分になっていました。

 声に出さない言い訳としては、「博士から研究テーマ変えたから結果が少なくて」「論文にできるデータはあるんですが論文書くのが間に合わなくて」「先生との調整が上手くいかなくて」「安定な仕事をしたいと思って」などなどいろいろあったのですが、全部言い訳! そして、言い訳を考えた後に必ず「でも退学を選んだのは私です」と止めを刺して、ちょっと苦しくなっていました。こんなことを考えながら自己を肯定できる人がいたら、結構な神経極太系だと思います。そういう人はどこででも生きていける。

 そんなマインドが、学位を取ったことで、晴れて「私は学位を持っています」と声高らかに言うことができるようになったことで救われたような気がしました。今の仕事じゃ大して意味ないんですが、学位を取れたことで、苦しかった5年間が認めて貰えたような気分になったのです。なので、学位を取って、私はすごく満足しました。一銭にもならないけど、自分の心の整理をつけるという意味で、とても大切だったと思います。

2:博士であることをアピールできる場もある(ほとんどない)

 …ま、ほとんどないですけどね。(仕事によりけりだとは思うけど。)

 私の職場は、学位があってもなくても給料は全く同じですし、仕事内容も変わらないです。(満期退学で学位なしの時代にはありがたかったけれど。)

 また、仕事の内容が、博士でやっていた研究と関連することは全くありません。ですので、普段の仕事では全く博士であることは役に立ちません。

 ただ、名刺を出したときに「博士」と書いてあると、同じ博士の人には響くようで、仕事のカウンターパートの人にあいさつするときなんかは受けが非常にいいです。博士というだけで、ちょっとだけ親近感を持ってもらえて、印象が強くなるのかもしれません。

 だからといって、会話が多少弾むだけで、特になにか有益なことに繋がるということはありませんが。

 まぁ、まだ私は体験したことはないのですが、海外の打ち合わせや会議の場では重宝されるという噂は聞きました。日本だと、博士持ってたって持ってなくたって何も変わらないんですが、海外では、ドクターということが会議で話ができる資格(最低条件)みたいに捉えられてる場面もあるみたいです。

 イギリスでポスドクやってた先輩に聞いたんですが、肩書(ミスターとかミズとか)の選択肢の一つに「ドクター」っていうのがあるらしいですよ。男とか女とかを超えた資格・ドクター。かっこいいですね。

 以上、「博士の学位を持っていて良かったなと思うこと」をお届けしました。あんまりぱっとしなくてごめんなさい。でも、日本での博士の扱いなんて、この程度ですよ。ホント。

次回は、なんの話を更新しようかしらね。迷い中です。

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