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友人たちとの微妙な関係 ~仲良しだけどちょっと苦しい~

こんにちは、黒都茶々と申します。
現在は定職(not研究職)についておりますが、かつて大学院の博士課程というものに在籍しておりました。
前回はなんだか苦しい博士後期課程生き抜くおまじないを紹介しましたが、今回もそれに関連した話題として博士課程学生の友人関係について紹介したいと思います。

もちろん、友人はいた方が絶対にいい

前回、博士課程の学生同士で友達になると良いよ、と書きましたが、この結論は絶対で変わらない、ということはまず言っておきたいです。絶対友達いた方がいいです! 自分のことを友人に話すというのは結構良いストレス解消になりますし、言葉にすることで自分の置かれた状況を客観的に見ることもできます。

私は先生との関係でストレスを感じている時期が多かったのですが、先生とのやりとりの状況を友達に話していく中で、「私あんまり先生に話しかけに行っていないなぁ」と感じたりして、ちょっと行動を変えていくことができました。(変に完ぺき主義なところがあるので、自分で、不完全だな、とか、イマイチだな、と思っている結果や原稿を先生に提出するのがすごく嫌いだったんですよね。)

あとは、もっと戦略的なこと言うと、学振の書類なんかは、友達のものや友達のラボで保存されているものをシェアしてもらうことで、断然有利になります。私のラボは学振採択者がかなり多かったので、ラボの先輩の遺産を見るだけで勉強になったのですが、あまり博士課程在籍の実績がないラボに所属していた友人は、友達関係手あたり次第に声かけまくって書類入手していました。そんくらいのガッツが必要ですな。

とはいえ、仲良しこよしとはいかない。

友達を作るのは大事なんですが、当然知り合いの学生全員と仲良くなれるはずはないですし、人間同士の相性があります。それは当たり前のこととして脇に置いておいて、その他の部分でも博士課程の学生同士の友人関係ってのはちょっと難しい部分もあるのです。(会社の同期とかでも同じかもしれないけど。)

ケース1:お互いの研究の進捗状況、論文の進み具合が気になる。

同じ研究者の卵として、例え分野や扱っている道具が異なっていても、進捗状況が超気になります。相手の研究が上手くいってなければこちらもどう励まそうと必死になるし、上手くいっていればいっていたで妬ましや~、という気分になります。(性格悪いな)

自分がオーバードクター決定(卒業できないことが決定)みたいなタイミングで、同期が学位発表の練習してる話(つまり卒業できるということ)とか聞くと、いいな~としか思えません。その人が遊びまわったりしてるの知ってたりすると、くそ、なんであいつが、としか思えません。逆に、先生との関係でメンタルズタボロの友人に、「私来週から海外の国際学会でポスター発表してくるよ」なんて伝えにくすぎる。

研究も論文も先生との関係も、その人だけの能力で変わるわけではないんですが、どうにも気にしてしまうのですよねぇ。

ケース2:めちゃアドバイスされてしまう

私は自分がされて嫌だったので、他の友達にはできるだけしないようにこころがけていたんですが、愚痴を言っていただけのつもりなのに友人から本気のアドバイスをされてしまう場合はちょっと困るんですよね。

その友人は、私のけんか相手の教授の飲み会仲間だったのですが、彼女曰く「その先生(私の敵)はそんなにひどい人には見えない」とのこと。ま、外面だけはいい先生だったし、飲み会で研究指導するわけじゃないから、単なる酒飲みだと悪い面が出るはずもないですよ。さすがに教授本人と話し合えとは言われなかったものの、もう一人別の飲み会仲間(別ラボ助教)に相談した方が良いのではないか、と猛烈プッシュをしてきたんですね、その友人が。

私は正直、その別ラボ助教のことも信用していなかったので、「そんな相談はしねぇよ」とリジェクトしたんですが、それについて「問題を解決する姿勢が見えない」と非難(?)されてしまったのですな。結局、この友人と絶縁するのも厭わず「外野が口出しすんじゃねえ」と私が怒り、相手も納得したのかそれ以降特に口出しはされず、今ではそこそこな友人をやっています。

まぁ、今になって思えば、ちょっとでも研究の難しさや先生との関係のややこしさを知ってしまうと、知り合いが似たような環境にいるときに「自分と同じ解決法を取って解決をするべきなのでは?」と口出ししたくなっちゃうんでしょうね。しかし、研究の進捗も先生のスタイルも学生の考え方も千差万別ですので、愚痴を言われたら「大変だったね」って受け取っておくぐらいが丁度よい距離感でございますよ。ホントに。

非研究職に就職して、博士時代の友人と程よい距離を保てるようになった

上にずらずら書いてきたことは、もしかしたら他の博士学生にはあまり当てはまらないのかもしれないです。マイペースな人も多い研究界ですから、そんな雑念に囚われてしまう私みたいな人は最初から向いていなかったのかも。

というわけで公務員になった私ですが、多分、ポスドクになっていた未来より、今の方が元博士課程学生だった友人たちとは良い関係を築けているかな、と感じます。きっと、ポスドクになっていたら、誰がどこのパーマネントの職についたとか、結構気になっていたんだろうなと思うんですよ。自分より業績がいい人とも悪い人とも、多分友好な関係を築けなかったんじゃないかな、と思うので、今、たまに飲み会に行ったりSNSで近況報告する程度の緩い付き合いが継続できているのはありがたいことだなと思う。

以上、「友人たちとの微妙な関係 ~仲良しだけどちょっと苦しい~」をお届けしました。友達だけどね、ライバルなんだよね。

次回は、「大学の先生たち① ~先生たちはただの研究者である~」をお届けします。肩書だけは立派なおこちゃまばっかりだよ、とだけ言っておきます。

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