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研究室で生き残るためにやるべきこと ~記録・健康維持・ラボの外の友達作り~

こんにちは、黒都茶々と申します。
現在は定職(not研究職)についておりますが、かつて大学院の博士課程というものに在籍しておりました。

前回は「オーバードクターとはなにか」というタイトルで、なかなか卒業できない博士課程の学生の事情についてお伝えしましたが、今回はそんな苦しい環境の中で生き抜いていく方法について、個人的意見をベースに紹介したいと思います。

なんだかとても苦しい博士学生生活を生き残るためには、とにかく健康が大切です。院生っていうのは、「体は資本ですよ」っていうのは分かっているようで理解できない若い人々ではあるのですが、もう中年に差し掛かろうとしている私から言えるのは「とりあえず健康に生きろ!」ということです。タイトルには記録、健康維持、友達作りと書かせていただきましたが、一番大事なのは健康維持で、記録と友達作りは健康を維持する手段みたいなものかな。

健康維持

戦うためには健康なボディが必要です。そのためには、健康的な食事(決まった時間)と適度な運動と睡眠が大切です。とにかくがむしゃらに実験して論文読むのもいいんですが、健康を害しないように戦略的にやりましょう。うっかり風邪をひいて1週間休むくらいなら、毎日朝9時までにラボに行って、夜8時までにはラボを去る、夜12時までには就寝する、みたいな時間割を自分で作ってリズミカルに生きていくのがよろしいと思います。研究って一夜漬けのテスト勉強みたいなことは基本的に意味ないですからね。

体が元気だと、気力も湧いてきます。博士の研究してるときって、研究の進捗状況やディスカッションで結構メンタル落ち込むことがあります。そういうときは、学食で(いつもと比べれば)豪華なご飯食べて、帰りにコンビニスイーツ買って、家でまったり過ごしてさっさと寝るのが吉ですよ。1日で回復しなかったら、3日くらいやるといいと思います。社会人だって有給休暇あるんだから。働いているわけでもない学生が休んだって悪いこたないぞ。

先生との戦いで体力メンタルぼろぼろになった先輩とかいましたけど、うーん、やっぱり自分の健康第一でそこは割り切ってお休み取るなりサボるなりした方が良かったと思いますよ。自分の体力気力を削った分、事態が好転するっていうならそうしたらいいと思いますが、大体そういうものではないというのを心に刻むべき。私が今頑張ったら、先生も納得してくれるはず、なんてのは大きな間違い。自分が頑張っても先生はなにも感じないよ。そんなハートフルな奴いないから。

記録

研究室にいたとき、私は何時から何時までラボにいたのか手帳にメモしていました。始めたきっかけは、なんか裁判でも起こしたときに、自分はこれだけ真面目にラボ通ってましたぜ、っていうのを証明したいなぁと思っていたからなんですが(今思うと、どんな案件で訴訟起こすのか謎だし、そんな暇あるんだったらさっさと卒業しろよって感じなんですが)、結果的に、自分がこれだけ真面目にラボ通ったんだな、という自信に繋がったのでそれは良かったかなと思います。

いろいろなスタイルのラボがありますが、うちはかなり自由放任系で、コアタイムもないし実験内容も学生に委ねられてる状況だったので、自分のことを自分でコントロールする必要があったのです。こういう環境で実験が上手くいかなかったり進捗が悪かったりすると、「あれ、私全然頑張れてないからこんなにうまくいかないの?」みたいな気分になってしまうのですが、ラボにいた時間をメモっておくと、「うーん、私毎日がんばってんじゃん」という満足感と自信を得ることができます。

あとは、これと同じような感覚で、論文の先生とのやりとりとかもメモしておくと、「自分頑張ってる~」というお気楽な気分になれるのでお勧め。論文の添削がクソみたいに遅い先生もいるから、いつ提出したのかはメモしておくといいと思います。

逆に、「もっと頑張れるのに頑張れていないわたし…!」とプレッシャーになってしまうタイプの人には向かないかもしれないですね。

友達作り

なに青臭いこと言ってるの、と思います。ええ、自分でそう思います。友達100人もいらないわ、親友2人いれば十分、と思っている私。高校時代、友達関係が面倒すぎて大学入った瞬間にメアド変更して連絡取れないようにした私。ホント友達いらんわ、と思ってサークルの勧誘にすら一つも行かなかった私。

そんな私ですら、「友達めっちゃ大事」と心の底から思う程度に、院生時代は友達に助けられました。ラボの状況を愚痴れる友人、ホント大事ですよ。

ラボの先輩後輩に愚痴るのもいいんですが、いかんせん相手の教授やらを知っているがために、愚痴を言いつつも問題解決の方向に話が行ってしまう。問題解決、いいんですよ、必要です。でも、ただ単に愚痴を聞いてほしい時だってあるんです。あと、全然関係ない話とかもしたいんです。

ラボに所属してしまうと、意識的にラボの外に繋がりを持とうと思わないと、繋がれません。私の代は奇跡的に博士後期課程進学者がかなり多かったことと、リーディング大学院関係で他の学部の人と知り合う機会が多かったこともあって、博士という環境に居ながらめちゃくちゃたくさん友達を作ることができました。本当にね、この友達がいなくて研究に追われているだけだったら私こんなにいろいろ頑張れなかったです。

友人に、感謝。

以上、「研究室で生き残るためにやるべきこと ~記録・健康維持・ラボの外の友達作り~ 」をお届けしました。真面目に論文読んで研究するのは当たり前なんですが、それ以外で私が生き残れた理由を考えてみました。

私の同期はいろいろ不運も重なって潰れたんですけど、友達いなかったっていうのも理由の一つだったんだろうなぁと思っている今日この頃。

次回は、「友人たちとの微妙な関係 ~仲良しだけどちょっと苦しい~」をお届けします。友達は絶対必要だけど、100%超仲良しというわけではないのです。研究内容や置かれた環境によって、ちょっとだけ気を遣ったり気まずい思いをしてしまう難しさもあるんですよ。

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