備忘録:アシナガバチの巣を駆除した話

①朝の巣
②夜の巣
③取れた巣

 実家の母がアシナガバチに刺されてしまい、巣を駆除しました。その顛末記。ハチや巣の写真があるので苦手な方は、ご注意ください。


最初にハチが目撃されたのは5月です。巣は500円玉くらいの大きさで、ハチもシラスくらいのサイズだったので、放っておきました。それがだんだん成長し数も増え、巣も大きくなっていきました。

普段は巣の側で植木に水をやっていても向ってくることもなく、何となく共存していたのですが、その日はハチも気が立っていたのかもしれません。運悪く黒い服を着た母が巣の近くに置いたプランターからオクラを収穫しようとした時、急に身を起こして敵認定されてしまったのか、背中を三ヶ所も刺されてしまいました。幸い、蜂毒アレルギーはなかった模様ですが、痛そう。涙、涙。

こうなったからには、ハチの巣を駆除せねばなりません。なんと言っても母が、そのあたりに近づけないくらい怖がっています。父は「アシナガバチくらいで大げさだ」と相変わらずのモラハラっぷりなので、無視して私主導で駆除作戦実行です。

①    最初の偵察

まずは、蜂の種類を見極めます。

危険度★    ミツバチ、クマバチ  

危険度★★   アシナガバチ

危険度★★★  スズメバチ   ← 相手にしてはいけません  

危険度★★★★ オオスズメバチ ← 遭遇しないことを祈っています

オオスズメバチには過去に遭遇したことがあって……大学生の時に林でメンチカツサンドを食べていたら、奴がサンドイッチに止まったんです! 親指くらいの大きさがあって、恐怖のあまり記憶が飛んでいるのですが、たぶん、そうっとサンドイッチをベンチに置いて逃げました。怖かったよう。『利蜜師物語』に出てくる銀蜂のモデルです。

スズメバチだったら業者にお願い一択です。

そっと様子を見に行くと、アシナガバチで間違いなさそうでも、いつの間にかコウナゴくらいのサイズになっている! 巣もだいぶ成長していている! フェンスの所に出来たので巣は基本のシャワーヘッド型ではなく、楕円形で長径が15cmくらい。巣の表面にハチがウヨウヨしている。(※写真①)これは……数も多いし、巣もかなり大きい。今はハチも攻撃性の高い時期だし、サポートメンバーは望めず一人で作業するとなると、ちょっと荷が重いかな、どうしようかなあ。

考えながら、ネットでアシナガバチの生態や、ハチの巣駆除の手順などを検索すると、どうやら彼らは昼行性で、夜はほとんど動かないらしい。夜目も効かず、光をめがけて飛んできても明かりを消すとパタッと落ちるとか。これは良いことを聞いた。

②    2回目の偵察

夜にもう一度様子を見に行きました。街灯のわずかな明かりだけで、巣の全貌ははっきりしないけれど、静まりかえっています。これ、いけるんじゃないか?

巣が出来たのが駐車場に面したフェンスということもあって、足場は有利です(殺虫剤で狙いやすい位置に巣が有り、反撃された時に逃げやすい)。そこでフラッシュを炊いて巣の写真を撮ってみることにしました。明かりで起きたハチが反撃してきても、ダッシュで暗い方に逃げれば、追ってこられない筈、たぶん。退路確認後に、思い切ってフラッシュをたいて写真を撮りました。(※写真②)

うんともすんとも言いません。(ほんとにハチいた?)と首を捻りながら家に入って画像を確認したら、キャー、巣の表面にアシナガバチが一杯。
どうやら、夜になると極端に活動量が落ちるというのは本当のようです。駆除に適した時間帯は日没後、二、三時間とのこと。よし、明日の夜に決行だ!

③    準備
 会社の昼休みにドラッグストアで買った物はアース製薬の「反撃させないハチ無力化処方」という言葉が心強い「ハチアブスーパージェット 455mL」と「ハチアブマグナムジェット550mL」。なんで2本買ったかというと、マグナムは45秒、スーパーは35秒で全量が噴射されるから。万一狙いを外したり、ハチの反撃にあった時、ワタワタしているうちにガス欠という最悪の事態だけは避けたかったからです。

他に家にあったもので準備したのは、高枝ばさみ(無力化した巣を切り取る時用)、蚊よけスプレー(夜に偵察している数分間で四カ所も蚊に食われたから……)、菜箸、丈夫な袋(日本茶の入っていたアルミの袋)。
 最初は使おうと思ったけれどやめた物は、白いレインコートです。はじめはハチに襲われない白い物を身に着け、フード被って襟元を止めれば完璧(普段からメガネなので)と思ったけれど、せっかく夜目が効かないアシナガバチを相手にするのに、白を来たらかえって目立たない? と考え止めました。

④    いざ、出陣
 日没後2,3時間のゴールデンタイムに、いざハチの巣退治へ! ここで迷ったのが、「スーパージェット」を使い、「マグナムジェット」を予備に置いておくか、はたまた逆か? いざという時、間を置かず噴射できるよう、両法ともパッケージをはいでスーパージェットの誤噴射防止用のピンを外しておきます。

 結局「マグナムジェット」を使ったのは、強力噴射ができるバズーカタイプというのが強そうだったからと、水鉄砲みたいな形が面白かったから。
 反撃された場合の退路を確認し、そこに予備の「スーパージェット」を置いてから、「マグナムジェット」を手に風上から忍び足で巣に近づきます。3~4メートルの距離から噴射を推奨されているけれど、もうちょっとだけ近づいて、周囲に人通りがないことを確認してから、噴射!

 結論としては、「マグナムジェット」が強力すぎて、一瞬で勝負はつきました。どうやら今回の事例では「マグナムジェット」はオーバースペックだったようです。軒下や木の上など、もっと距離があって狙いがつけにくいところ向けなのかも。

⑤    後始末
念の為にもう一度、殺虫剤をかけた上で高枝ばさみで巣(※写真③)を切り取り、落ちたハチの死骸と共に袋の中へ。

 これにて、無事に巣の駆除が終わりました。