福島のおばちゃん

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最近の記事

「澤」令和6年11月号(68頁)

二ッ目の荷物おほきや炎天下 二席つづく押入れ噺玉の汗 虹二重いまいちど目に焼付くる 秋の潮チークくるつとつけくれぬ 歯をみせて踊りたるフラ赤のまま 宇都宮の落語会へ向かう途中、信号待ちをしている師匠を発見。その横には大きな荷物を地面に置いて項垂れている二ツ目さんが。汗が見えるようだった。そして、その師匠はジャンケンに負けて、二席つづけて聴かせてくれたが、二席とも暑苦しい押入れの噺。 ハワイのダブルレインボーは幸せの象徴。 久米島フラフェスティバルに出演した時のこと。ホテルで

    • 「澤」令和6年10月号(69頁)

      軽井沢の乗馬クラブ。スポーツ少年団の子供たちがたくさん来ていた。 東京の大学の馬術部の学生より、いろいろ教わる。 胡瓜が次から次へと生るので、皆、自宅で胡瓜漬を作るのだ。 夏になると、系列の乗馬クラブの会員さんも軽井沢で乗馬を楽しむため、馬房が足りなくて、軽井沢の練習馬たちは放牧場で夜を明かしていた。 仕事の後のソーダ水は最高だ。 軽井沢の馬房満杯夏休 夏の雲馬術部生よりならひたる それぞれの自家製なるよ胡瓜漬 放牧場にのこしたる馬夏の夜 厨仕事を終へし二人やソーダ水 典子

      • 「澤」令和6年9月号(78頁)

        ラジオから流れてきた「Oh My Little Girl」に心打たれてしまった。 ラジオから聴きたい曲がたくさんある。 雨の日に家に入ろうとすると、ドアにかたつむりが張り付いていた。 桂竹千代さんに教わった、白河の安珍堂へ行く。 尾崎忌の嗄れし節ラジオより 乞ふ曲は昭和ばかりよ春の星 わがドアを我が物顔や蝸牛 蜘蛛の囲や施錠されたる安珍堂 濃紫陽花安珍ふかく眠りたり 典子

        • 「澤」令和6年8月号(187頁)

          ご当地落語の縁で岩沼を吟行先に選んだ。 金蛇水神社、岩沼駅、竹駒神社。竹駒神社まで行ったのに、うっかり、武隈の松を見るのを忘れてしまい、仕方がないので、仙台大会の当日に東北本線を途中下車して、汗だくになりながら武隈の松を詠んだ。 仙台大会は、自分にとっての初めての対面句会、その日に武隈の松を詠めたことが嬉しい。 岩沼の空はおほきよ揚雲雀 財布もて蛇紋石撫づ花は葉に 駅前の翁像撫づ白日傘 武隈の松は甘しや幹の蟻 典子

          「澤」令和6年7月号(60頁)

          毎年、春になるとスーパーに目光が出回る。 今年は、目光の唐揚を頻繁に作った。 フラ・シスターの「またね」と振る手牡丹雪 がさがさの目光の肌海のいろ 目光の口開けたれば舌長し 目光の顎に血のあと猛猛し 息災をよろこび合ひぬチューリップ 典子

          「澤」令和6年7月号(60頁)

          「澤」令和6年6月号(52頁)

          光シリーズ。 刺激的な臘梅の香、宅配員のエネルギー、きらきらした草の芽、ロッカーに残る先生のズボン、光る砂を吐く蜆。 臘梅を嗅げばちらつく火影なり 宅配員の半袖まぶし牡丹雪 ものの芽やスポットライト浴びてをる 退職せし先生のズボン初ざくら 吐きし砂光放てる蜆かな 典子

          「澤」令和6年6月号(52頁)

          「澤」令和5年2月号(64頁)

          推しのファンミーティングが楽しい。 中学校の家庭科室でシャツを染めた。 英語を口ずさむのも楽しい。 リズム崩すをばちやんのターンzoom秋 衣装にてあをに染めたり文化祭 ボーナスやお気持ちくれと夫の言ふ クリスマスソング英語なれども口ずさむ フラダンサー鳴らすウリウリ降誕祭 典子

          「澤」令和5年2月号(64頁)

          「澤」令和5年1月号(88頁)

          御神輿の乗った軽トラに、天狗もいて驚く。 推しの作った米を買った。 秋は芸能祭などで踊る。 秋祭神輿のかげに天狗ゐて 洗ふ手に水やはらかし今年米 フラダンサーの動かす空気秋澄めり フィニッシュに歓声受けて文化の日 紅葉山ハワイアンデュオ追ひかけて 典子

          「澤」令和5年1月号(88頁)

          「澤」令和4年12月号(67頁)

          ラジオネームを騙ってしまった。 それでも、秋祭はやってくる。 蟷螂の顔が瞬時にわれを向き 別人よそほふラヂオネームや野分だつ ふと動く蛙グレーよそぞろ寒 まづ班に注連縄くばる秋祭 典子

          「澤」令和4年12月号(67頁)

          「澤」令和4年11月号(45頁)

          由比ヶ浜のライブ、LauLaの「Fakateretere」が大好きだ。 いわきのパーティーでカウアイ島の方からアンスリウムをいただく。 仙台の花座で、三遊亭好楽一門会。 推しのファンミーティング。 川を渡ってくる阿武急。 海の家ウクレレの弦釣り糸ぞ カウアイ島のアンスリウムや夏惜しむ 大喜利に挙ぐる手はやし涼新た 秋の夜やZoomの君をひとりじめ 十五夜の単線の灯が向かふより 典子

          「澤」令和4年11月号(45頁)

          「澤」令和4年10月号(71頁)

          リトルサム号の睫毛、黒くてきれいだった。 本当は白衣で運んでいたけど、サンドレスの気分。 アラブ種のまつ毛太きよ夏の雲 蟬しぐれ厩舎のわきを出勤す サービスのカレー運ぶやサンドレス ヘナ染めせし吾が髪にほふ秋暑し 典子

          「澤」令和4年10月号(71頁)

          「澤」令和4年7月号(73頁)

          蜘蛛が身近になった。 指はいつも綺麗でいたい。 脚あげて蜘蛛のダンスや春暖炉 円になり食ぶる弁当花吹雪 花水木門より出づる馬運車よ 青楓茶碗もつ指きれいに揃ひ 典子

          「澤」令和4年7月号(73頁)

          「澤」令和4年6月号(46頁)

          演劇の面白さにハマってきた。 そして、かわいがってくれた伯父を思う。 芝居みて女優きぶんや春時雨 演劇鑑賞会のメールチェックす春日背に 外出日の洗濯一気初かはづ 駐車場の蒲公英われを見守りぬ そら豆にマカロニサラダ華やげる 典子

          「澤」令和4年6月号(46頁)

          「澤」令和4年5月号(50頁)

          この雪には困った。 花見山に春が来る。 近所を散歩するおじさんが美しかった。 根雪なる轍くづすやがつんがつん 二時四十六分に止りし時計雪の果 ぱつぱつと花卉の枝切り雪解風 カート押し散歩する爺風光る ほたるいかをかめばやはきよ酢味噌和へ 典子

          「澤」令和4年5月号(50頁)

          「澤」令和4年4月号(71頁)

          夫には悪いが、大師匠の点数が良かったと聞き喜ぶ。 東風吹くやひいきの彼に祝儀はづむ 高騰せしガソリン入るる春寒し バレンタインデー余りしチョコを夫にあげ 湯に放ちふたりで覗く若布かな 典子

          「澤」令和4年4月号(71頁)

          「澤」令和4年3月号(74頁)

          雪が多かった。 おでん煮る特にちくわぶ真ん中に 凍空や美化清掃の旗立つる たちわうじやうの車押したりスノーブーツ ざくつざくつざくつざくつ雪を掻く 典子

          「澤」令和4年3月号(74頁)