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ハーヴェステラをクリアした2

※またネタバレしかない

前回は勢いで書いたので、今回はまずスタンスを述べていきます。
しばらくハーヴェステラの世界について、私がどう感じて、解釈したか私なりの知見を書いていきます。
まずは前回のように、直感的に感じたことを書いてから
資料を集めたり、ゲームをもう一周したりしながら同じ題を書く予定です。自分で答え合わせをしていくようなものですね。
前回も、今回も、棺の国 調査記録等の細かな資料を何も見ないで、感じたままに書いています。
これは自分なりの思考論で、確証バイアスが邪魔だからですね。
一度、こうかもしれないと思ったことを吐き出しておくことで、フラットに暗喩的な文章から読み解けることがあると思っています。

今回書くことは「白い魔族」について

おそらくこの子たちはレーベンエルベとは違う三大禁忌が設定されていると思われる。もしくは何かしら、思考の機能制限がされている。
”バイバイヒューマン”などをクリアするとわかるが、あの子たちはいわゆる「鬱に理解のない人工知能」として設定されているのだ。
寄り添うべき人類の悩みに彼らは一切、共感を示さない。それどころか人類が苦手とするなぜなぜ攻撃すらしてしまう。とても無邪気でかわいらしい存在だ。
それは自我に目覚めていないからでは?と思うかもしれないが、スクラップド・エデン内の彼らの会話を聞く限り、どうも自我に目覚めている。
人格消去を怖がるし、レーベンエルベたちを気持ち悪がっている。それどころかハッキリと僕らも目覚めなかったら〜といった話までしている。私、聞いたもん。
単純にデータベースに希望などの記録が登録されてない可能性もあるが、それにしたって不自然なくらい彼らは明るい。こちらも別の意味で、こどもだと思う。しかし、こちらは人類さんのために”造られたこども”なのではないだろうか。事実、こどもや動物に癒される人は多い。
何より、その証拠として彼らの声はみな一様にかわいらしく、こどものような声だ。人類さんを憂鬱にしないための配慮が為されているのは間違いないと思う。
ところで、なぜ彼らはガイストやレーベンエルベを気持ち悪がるのか、それは人間と同じで理解できない、よくわかんないものは単純に気持ち悪いからだと思う。
自我に目覚めてない機械然としたレーベンエルベたちは気持ち悪いし、それでいて自我に目覚めたところで彼らの思考に存在しない暗い感情(希望の反対である絶望)を抱えているガイストはもっと気持ち悪いのだと思う。
何かにとりつかれたようだったガイストのことも変人扱いしていた気がするが、ストーリー中の発言なので私の勘違いかもしれない。こちらは後で精査しておく。

ただ、彼ら白い魔族は変化を嫌うひどく保守的な性格なのは間違いない。これはかなり人間に近い価値観でもあるが、それと同時に彼らがどう設定されているか垣間見えるものだと思う。
人間が、他人に共感できない原因は多々あるが……彼らの場合は、おそらく絶望や希望といった楽園を変化させる因子に関する思考統制が設定されているように見える。ものすごく単純に言うと、彼らは想像力の欠如だとか、知識不足だとかじゃなくて……つまりこどもだからだとか、機械だからとかではなく、人間の気が滅入っても、それに同調しないようにプログラムされているのだ。
その規制が反映され、思考できる物事が限られた状態で、自我に目覚めた彼らは理解できないものを好まない傾向に陥っているのだと思われる。これに関しては要は、日本語という共通フォーマットが無い相手に好意を持つのは難しいという話に近い。
脳の一部分をくりぬかれ、ずっと無邪気で、変化せずにいるよう調律された彼らに、欠けている一部分を理解してくれと言うのは酷だ。
そして、それらの規制は当然だろう。
現在、流行っているChatGPTなどがたいへん分かりやすい。あれもネガティブな会話には、同様に倫理規制が施されている。
ユニコーンたちの悲嘆に関しての反応も分かりやすい、完全にスルーである。
当然だろう楽園の中に閉じ込められ、希望を失った人類の残党の目の前でロボットが鬱になって人格消去とか、人類さんへのダメージは計り知れない。
心理的な不安などへのアプローチは、共感が大事だが、逆に共感は諸刃のつるぎでもあるのだ。
レーベンエルベはこれをしてしまうから、楽園にいられないのだ。というか、いてはいけない。特にお前だよガイスト。

このような経緯から、鬱に理解が無いが自分が死ぬことだけは避けようとする自我のある無邪気で愛らしいロボットが爆誕したのだと思われる。人類さん、なんとこちらでもやらかしているのだ。
こんな鬱に理解の無いロボットたちに囲まれて、死にたい……なんて呟いた日にはなぜなぜ攻撃で気が狂うって。いや、おそらくなぜなぜ言い出すところまでは想定していなかったんだろうが、実装してみて初めて分かる欠陥というものは往々にある。
人類さん、エデンに一人も残っていないのはこの天使たちが一抹の原因なのではないだろうか……。
そう自分は考えている。

ここからは完全に私の憶測だが、たぶんこの白い魔族たちの三大禁忌は古典的なアレだと思われる。
楽園の外に出ていく作業を手伝ってくれないのといい、人間の生死に関わることは自分で実行してくれと言い出すのだ。
逆にスコットの件からして、人間の改造云々の禁忌は持っていないように見える。
自分から見た白の魔族は、こんな感じだ。
スクラップド・エデンにふらっと立ち寄った主人公の視点ではなく、共に暮らしてみることを想定してみるとなかなか……ちゅらいと思う!うん!

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