【葬送の】既知の世界観の更なる話【フリーレン】

いつだってアニメを見るときは1クール遅れる紅月シオンです
今回はタイトルの通りフリーレンの話をしたいと思います

葬送のフリーレンとは

皆さんはドラクエなどでエンディングの先を考えたことはありますか?
魔王や悪の原因が亡くなり、全てが平和になった後で彼らがどのように暮らすのか、考えたことはありますか?
多分そこまで考える人はなかなかいないと思います
ゲームや小説、漫画は異なる世界に読者、プレイヤーを連れ込み異なる体験をさせるのが目的です
その為それらが終われば新たな結末を見られるまで繰り返す、もしくは大事な思い出として保管、そうでないのならリユース&マネーと言ったところでしょう

葬送のフリーレンはよくある剣と魔法のハイファンタジーな世界観でありながら、勇者一行が魔王を打ち帰還するところから物語は始まります
そう、本来ならエンディングである部分から物語がスタートするのです
そしてそこから先は主人公にしてエルフ、勇者パーティの魔法使いであるフリーレンが物語の主役となりこの物語が紡がれていきます

勇者ヒンメルの人となり

勇者とは勇気ある者であり、誰よりも先を行くものの称号
フリーレンに出てくるヒンメルもまたその枠から外れることのない勇者です
違いがあるとすれば彼はいい意味で人間的というところでしょうか
自分のイケメンっぷりを自画自賛し銅像を作る際にも18時間も悩ませて職人をキレさせる困ったところもありますが、仲間との旅を楽しみ、フリーレンが集めた魔法を楽しみ、そもそも銅像も人間とエルフの寿命差を考えた時いつか一人になるフリーレンを思っての事

そんな彼は約束した50年後に流星がもっと綺麗に見れる場所、そこに行くためにずっとフリーレンを待ってました
そして勇者パーティは最後に1週間の旅を経て流星を見上げたのち、ヒンメルは亡くなります

しかしフリーレンは涙を流すことも無く、表情も乏しいためあらぬ誤解を受けますがそれもそのはず
フリーレンはヒンメルの事を何も知らなかったのです
10年も一緒に旅して?と思うかもしれませんが、エルフや後に出てくる魔族に同じパーティのドワーフ・アイゼンは何百年、エルフに至っては1000年は確実に生きる長命種
普通の子供と訓練を受けた大人が走る速さがまるで違うように、人間とエルフで感じる時間差も大きく違うのです
ともすればヒンメルと共に旅した時間はフリーレンにとってほんの微かな時間であり、取るに足らないものだったのかもしれませんがヒンメルからすれば魔王討伐の旅は「くだらなくて楽しいもの」と言えるくらい大事なものでもあったのです

フリーレンの新たな旅の目的

ヒンメルの葬送の後にフリーレンは趣味の魔法集めと並行して人を知るためにあちこちを旅してまわりました
本人曰く「なるべく関わるようにしている」との事
しかしその途中で生臭坊主ことハイターが拾った少女フェルン
アイゼンの元弟子であるシュタルクと共に魂の眠る地を目指すことになります
その旅路はかつて勇者パーティが旅した魔王城のすぐ近く
回顧と共にフリーレンはその場所を目指すようです

この作品が面白いのはやはり、終わりから始まる新たな旅と後継者たち
そして伝わっている勇者伝説の真相などでしょう
終わりの場所が似ているがゆえに向かう先は必然的に旅路の再現
だからこそたくさんの思い出が読者に開示される
そうして俺たちはヒンメルたちの旅を、人となりをさらに知り
後継者たちの成長を見守り、笑える勇者伝説を知る
それは何処か懐かしいようで新しい物語なのだと思います

それでは今回はここまで、また次回会いましょう


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