Peavey 6505MH Japan Editionをレビューしてみる

どうも、紅ケンタです。

最近寒すぎて、家でエレキギターを触っているか機材をいじっている時間が多くなっている。去年にラック型のプリアンプやら真空管アンプをかなり購入したが、その中からかなり使用頻度が高い、自分好みの音がするPeavey 6505MH Japan Editionについてレビューします!


購入したきっかけ

前回の記事にあった「90年代のギターサウンドを手にしたい!」と思ってMarshall DSL20Hを購入したのと全く同じ理由です。

もともとはPeavey 5150の中古を買おうかを考えていたが、いろいろと調べていくと契約の関係で5150の名前を変えたのが6505ってやつで、更にそれを小型化にしたのが6505MHとのこと。

実際、youtubeで海外の方が5150と6505MHの比較をしている動画があったが全く同じにしか聞こえないレベルだった…

しかも更に良かったのが、小型化するにあたってチャンネル数やコントロールノブが削られるといったスペックダウンが図られることがよくあるのだが、5150→6505MHに関しては削られていないどころかリバーブが追加されたりノイズが軽減される等でむしろパワーアップしていたのです。「え、もうこれでいいじゃん!」と思い、あえて
横幅70cm、重量20kgもする本家5150を購入しないといけない理由が自分の中では薄まりました。(部屋さえもっと広ければ欲しいけどね)
そんなワケで、購入に至りました。

外観について

正面。フルサイズの5150や6505と比べ半分横幅が小さくなっているのに、ツマミが1個追加されています。(追加されたのはリバーブ)
背面。5150や6505と比べ端子類が一気に増えています。USB端子やライン録音用の端子があるなど、凄く現代的になっています。
ツマミ類。5150から使っている、丸いタイプではなく針があるタイプ。個人的にはこっちの方が値がどこにあるかが直感で見やすくて好きです。
フットスイッチ。スイッチは「チャンネル切替」と「FX LOOP ON/OFF」の2つでごく普通です。
※所持していないため画像はAmazonより

音について


試奏の環境はギターはARIA PRO II Magna、キャビネットシミュレーターにPalmer PDI-03を使っています。冒頭でも触れた通り、Peavey 5150の小型版なので当然音の傾向はPeavey 5150そのものだが、Japan Editionに関しては音質向上のモディファイがされています。

「プリ管セクションをECC83に統一、さらに内部回路に用いられているコンデンサーもアップグレード」というモディファイのようで、結果として「中域をしっかりと押し出し、タイトでファットに仕上げられたもうワンランク上のブラウンサウンドを実現」…とある。

なるほど、わからん。しかし弾いてみると…!

中域が非常に気持ちが良く、延々と弾いてしまうくらい自分にとってこれがドンピシャだった。しかも更に良いのが、自分が所持しているPalmer PDI-03との相性もかなり良い。PDI-03側のトグルがDEEP、BRIGHTにしてある状態が個人的に一番良く聞こえ、あとは6505MH側で微調整するといった使い方をしています。

イコライザーについて

このEQだが、めちゃくちゃに優秀です。パラメータはBASS、MIDDLE、TREBLE、RESONANCE、PRECENSEだが、例えばこれらを全て5にしたら
もう完成した音が出せちゃいます。歪ませた時に出てくる音はもちろんブラウンサウンドで、おそらく開発側がオール5でこのアンプの一番良い音が出せるよう設計されたんじゃないかなと思いました。このセッティングで完成しちゃっているので、これで延々と弾いちゃうことだって全然あります。

もう一つ更に良い点として、その効き具合です。言語化が難しいが、すごく素直でつまみの位置がちゃんとイメージ通りの音になってくれるですよ。前回の記事にしたMarshall DSL20HだとBASSを上げると高域が一気に落ちてこもり気味な音になるといったことがあったが、6505MHはそんなことは全然起きず足したい部分だけが足される&削りたい部分だけが削れる、といった具合で素直です。

これらの点を取り上げている記事は見かけないけども、この優しい仕様こそまさにエレキギター初心者にオススメすべきなんじゃないかなと思うんですよね。

RHYTHMチャンネルについて

GAINノブとBRIGHTスイッチとCRUNCHスイッチがあります。それぞれの印象を解説します。

  • GAINノブ
    CRUNCHスイッチをOFFにした状態で話を進めると1〜3がクリーンで、4〜6がクランチ気味で、7〜10がオーバードライブという具合です。

  • BRIGHTスイッチ
    文字通り、押すと高域が強調され明るめの音が出ます。OFFにすると少しこもった印象を受ける音になりがちなので、自分は常時ONにしちゃっています。

  • CRUNCHスイッチ
    押すとドライブ量が一気に足されます。CRUNCHといっても、コイツはドンシャリ系の歪み方をするのでどちらかというとディストーションペダルをONにしているような感覚が強いです。

このチャンネルだけでも音作りの幅が広く、CRUNCH-ON&GAIN-MAXにすればLEADチャンネル並みのディストーションサウンドになります。しかもLEADチャンネルとも音が異なり、こちらの方が低域と中域が強めです。ソロパートを弾くときはむしろRHYTHMチャンネルの方がむしろ向いているんじゃないかと思います。

少し気になる点として、昔ながらのクランチや高域がジャキジャキとしたサウンドは苦手かなという印象を受けます。全く作れないというワケではなく、マスターボリューム側をMAXにした時の歪みが思った通りのクランチ&ジャキジャキになってくれるが…Palmer PDI-03といった、後段の機材でボリュームを下げているから出来るのであって、キャビネットだと別途クランチが出せるペダルを追加するかアッテネーターを用意するといった工夫があります。

LEADチャンネルについて

ここのコントロールはGAINのみです。3でもう十分すぎるくらいにめちゃくちゃに歪むので、自分の場合はもうほぼ3でしか使っていないです。音としてはブラウンサウンドとドンシャリサウンドがもう大のお得意で、アンプシミュレーター等で5150のモデルにした音を聴いたことがある方なら分かるかもしれませんがアレをめちゃくちゃに生々しく&リッチにした感じです。

噂話として、エディさんは5150ではこのLEADチャンネルを全然使っていないらしく、タッピングする時ぐらいにしか使っていないんだとか。真相は分からないが、バッキングの歪みもRHYTHMチャンネルでも作れるし、なんならあっちの方が低中域が強めなので全然その可能性がある話だと思います。

Peavey 5150との違いについて

変更というより、追加された要素がほとんどになります。

・デジタルリバーブが追加されている
これはすごいありがたいです。6505MHに限った話ではないが、ギターの音の存在感を少し上げたい時にはやっぱりリバーブが欠かせないかなと。マスターボリュームやPRECENSEとかで強調するのも良いが、他のオケの邪魔をしてしまう場合もあることを考えると存在感を上げる選択肢としてリバーブが使えるかどうかは全然違うように思えますね。

1W、5W、20Wのマルチワット対応

インピーダンスの選択以外に、ワット数の選択も可能となっているトグル。

キャビネットを繋ぐときに、近所迷惑にならないレベルの音量を選択できます。私はキャビネットシミュレーター派なのでその心配はないが、音として考えた場合に個人的には20Wの音の方が扱いやすい感じがあります。

USB経由でPCに音を送り込むことも可能
PCとしてはオーディインターフェースという扱いになります。これはまだ使ったことないです。

キャビネットシミュレーターが搭載されている
「MIKE SIMULATOR DIRECT INTERFACE」、略してMSDIと呼ばれている物でステレオミニジャックまたはXLR端子でラインに送ることが可能です。ON/OFFボタンがあり、シミュレーターを切って社外製のものと繋ぐこともできます。ただ肝心の音ですが、こもってて凄く使いづらいです。TREBLEとPRECENSEをMAXにしてやっと使えるかどうかといった具合。

最初見た時は「凄く便利な端子じゃん!」と思ったんだがなぁ…

このアンプの良さが全く伝わらなくなるので、ラインで音を取りたい場合は素直に別途キャビネットシミュレーターを買うことをオススメします。

真空管が変更されている
Peavey 5150にはプリアンプには12AX7、パワーアンプには6L6GCが使われていましたが、本機ではプリアンプにECC83S、パワーアンプにはEL84が使われています。でも5150らしさ・このアンプに求める物はしっかりとあるので全然気にならないですね。

良い点と気になる点

自分にとってはほぼ完璧のアンプで、主観では気になる点は少なめですw

良い点

  • EQの効きが思った以上の働きをしてくれる
    全て5でも良い音なのに、更にEQが美味しいところの足し引きがとても上手なのでEQは本当に優秀です。

  • ドライブ量が十分すぎる
    LEAD CHのゲインが3もあったらめちゃくちゃに歪みます。

  • 横幅が35cm、重量が7.5kgととても軽量
    フルサイズのアンプヘッドの横幅が約70cmなのでちょうど半分のダウンサイジングで、重量も約20kgから7.5kgと半分以下に軽量化しています。7.5kgなら何かあった時に修理屋さんまで運ぶのに苦ではないですね。更に、個人的に大事なのはサイズが半分になったことで、その空き分で別のアンプが置けるという点でも重宝しています。

  • Palmer PDI-03との相性が良い
    5150とPDI-03の組み合わせはエディ・ヴァン・ヘイレンのレコーディング環境としても知られていて、それの再現したいという意味でもPDI-03を購入しました。左トグルをDEEP、右トグルをBRIGHTとした時が5150系列の美味しい部分を一番引き出す尚且つすごくクリアで、何故これと組合せたのかが凄い納得しました。こりゃ確かに重宝したくなるサウンド…!!

これがそのPalmer PDI-03。セッティングでほぼこれで固定で使用してる。

気になる点

  • 内蔵のキャビネットシミュレーター、「MSDI」が使いづらい
    ここだけが本当に惜しくて、前述の通りこもった音しか聞こえないです。幸い、シミュレーターをOFFにすることは可能なのでUSB経由でその音をPCに送ってDAW上で好きなキャビネットをかけられます。宅録に使いたい場合は素直に社外製のキャビネットシミュレーターを買いましょう!

  • 苦手な音も一部ある
    具体的には昔ながらのクランチサウンドやジャキジャキ感のあるハーフトーンは少し苦手な印象があります。作れないワケではないが、マスターボリューム側をMAXにしないと作れないといった不便さがある。これらを得意とするペダル側で補強してしましょう。

まとめ

ブラウンサウンドとかEVHが好きかどうかは全く関係なく、初めて真空管アンプを購入する人でも別のアンプを探している方でも凄いオススメしたい1台!難しいことを考えず、直感に任せてお手軽に気持ち良い音が出せちゃうヤツです。弾く側も聴く側も、人間にとって気持ちの良いツボを上手く押してくれてるような気持ちよさがあります。

ただどこの楽器屋さんもどこもアンプヘッドを置かなくなっちゃっている上に、本機は更に置いてあること自体が珍しいアンプなので試奏が難しいのが難点…こういった背景から良さが埋もれやすいということもあり、こうやって音と文面にて少しでもこのアンプの良さが伝わればと思っています。

仕様

■タイプ:ヘッド
■実効出力:20W/5W/1W
■チャンネル数:2(RHYTHM/LEAD)
■プリ管:3 x ECC83S
■パワー管:2 x EL84
■付属:フットスイッチ、ソフトカバー
■サイズ(cm):W35.6cm H18.5cm D19.7cm
■重量(kg):7.55kg

■コントロール:
<RHYTHMセクション>
・チャンネルセレクトボタン
・PRE-GAINノブ
・BRIGHTスイッチ
・CRUNCHスイッチ
・POST-GAINノブ

<LEADセクション>
・PRE-GAINノブ
・POST-GAINノブ

<EQUALIZATIONセクション>
・3バンドEQ(LOW、MID、HIGH)

<POWER AMPセクション>
・RESONANCEノブ
・PRESENCEノブ
・REVERBノブ

■背面:
・20W/5W/1W切替トグル
・16Ω/8Ω切替トグル
・キャビネット接続用の標準ジャック
・MSDI:XLR端子、ステレオ標準ミニジャック
・GROUND/LIFTボタン ※押すことでノイズが軽減される可能性がある
・SEND/RETURN搭載
・フットスイッチ用ジャック:FX LOOPのON/OFF、チャンネル切替

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