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J2 第3節 徳島 vs 東京V

・試合前情報

 前節からは右サイドバックを川上エドオジョンから藤田に変更。対するヴェルディは表記上ではミラーフォーメーション。ヴェルディの監督は浦和でACL制覇した堀さん。物腰柔らかそうで好感が持てます。浦和では不遇だったが、そんなに能力に問題あるという印象はない。こういう方は選手の主張を受け入れて過ぎてしまう優しさが、問題になることが多い気がしますね。ちなみに、Jリーグ主審研究家の私が評価するに岡部主審にはあまりいい印象を持っていない。笛が軽くなったり重くなったりで選手が困惑する場面を多く作る主審というイメージがある。
 試合前ポヤトス談話は、「ここまでいい流れで来ている。勝てていればもっとよかった。激しいプレイをして、相手に簡単にプレイさせない」とのこと。

・前半

 笛が鳴って一番最初のプレスからして素晴らしいなと思える徳島前線の連動性。藤尾がボールを追いかけに行って、2列目が等間隔で一列に並ぶ様は機能美を感じた。藤尾は出場時間中、手を抜くことなくボールを追いかける素晴らしさがある。FWだからゴール前だけに集中したいという気持ちもあるだろうけど、チームの決まり事もしっかりこなすというのは非常に好感を持つ。以下、時系列に沿って印象に残ったプレイを。

6分 西谷の突破。何度も言ってると思うが、J2では比類する者なき突破
          力。揺るぎない自信が伝わってくる。お父さんとご兄弟のスカジャンに
          も揺るぎない信念を感じた。
12分   内田のインターセプトがファウルに。ファウルかどうかわからなかっ            た。ファウルじゃないんじゃないかという疑問を持っている。
15分 ハイプレス成功
16分 ハイプレス連続成功。渡井の決定機。
26分   渡井がワンツーからの抜け出し。素晴らしいワンツー。
31分    CKから内田のゴール!
36分   東京V深澤にビューティフルゴールを食らう。
41分   新井のポスト直撃シュート。
45分  藤尾が抜け出し、キーパーと1対1も相手GKのセーブでゴールならず。

 先制に成功するも直後に同点ゴールを許し1-1の前半。よかった点としては前述した通り、ハイプレスを機能させている点。また、個人間の連携も徐々に向上しており、渡井を決定機に絡ませられているのはチーム力向上の証だと思う。前節、櫻井はもっとボールを蹴った方がいいと思っていたが、今節は積極的にボールを受け、前にボールを蹴るということが出来ていた。彼の成長によってもっとチームは良くなっていくと感じる。
 今節の対戦相手である東京ヴェルディは足元がうまそうな選手が多いと感じた。攻撃時は4-3-3で前に人をかけるが、守備時は4-4-2で前からボールを追うもののそこまで執着せずにミドルゾーンくらいまで下がってくれる印象。徳島の失点シーンは、徳島側から見た右サイドバックの裏をつく攻撃を狙っていたのだと思う。26分あたりから3度くらい徳島を左に寄せて右サイドバックの裏に蹴るということをトライしていたように見えた。この辺りはさすがACL優勝監督といったところか。
 前半はこのまま1-1で終了。決定機は徳島4に対し、東京V1。一度の決定機を決められてしまったわけだが、攻撃面でも守備面でも良い内容だった。

・後半

 両チームとも後半の交代はなし。前半を圧倒された東京Vがどのような修正を試みてくるか楽しみにしていたが、特に何か変えたようには見えなかった。ということは徳島ペースでゲームは進むわけですが、前半同様時系列で追って、あとで細部を語ります。

47分 藤尾選手が足を出したところに相手が足を当ててファウルに。微妙で
            すが、私はファウルじゃないと思いました。
51分 藤尾のディフェンスは本当に素晴らしい。
53分   櫻井、スーパーミドル未遂。決定機。
54分 櫻井イエロー。これにイエロー出したら収拾つかん。
60分 安部、櫻井out、カカ、長谷川in
             ポヤトスさんはおそらく櫻井の退場を恐れて交代したと思うが、結果
             的にこれが裏目に。でも、カカの投入は事前に決まってたとは思う。
67分     藤尾out、バケンガin
69分    FKから新井の決定機。
71分  ここまで裏に蹴るなんてしてこなかったヴェルディがカカの裏に蹴り
             出す。
73分     ヴェルディもう一回同じことをしてくる。これは狙われてると確信。
78分  カカ退場。ここまで軽く審判批判してきたけど、この判定ばかりは
             ぐうの音も出ないくらいDOGSOだと思う。このプレイは後述。
81分      渡井、白井out、石尾、オリオラサンデーin
84分  東京V石浦の決定機。覚悟しました。が、わずかに外れてくれた。

 試合はこのまま1-1で終了。後半もカカの退場までは思い通りに試合を進めていたと思う。特に守備面は素晴らしく、全員に2度追い、3度追いの意識があるのは非常に現代的でいい。攻撃面も試合を追うごとに良くなってきており、特にパススピードが速いのは今後の可能性を感じさせる。

・スタッツ

・決定機数

徳島                                                   東京V

(前半)
'16 渡井             '36 深澤 GOAL
'31 内田 GOAL
'41 新井
'45 藤尾
(後半)
'53 櫻井                                             '84 石浦
'69 新井
(合計)                                               (合計)
6                                                          2

決定機数は6対2で内容通り圧倒できていた。あとはスコアを動かすことだけが必要。

・ポヤトス談話(試合後)

退場まではいい試合だった。ゴールを決めることが大事。私がピッチに入ってゴールすることはできないので、ピッチの外で責任を持って仕事をしたい。

・カカの退場問題

 個人的に審判に細々不満を呈していたが、この判定に関しては全くもって正しい。問題は何故これが起こったか。カカはリーグ戦では開幕から先発に名を連ねることなくコンディション不良なのかと思っていたが、この試合を見る限りそうではないだろう。フィジカル的な問題は感じなかった。60分に交代で入ってから、一人だけラインを崩すようなポジショニングをしているのが気になっていた。70分あたりから東京Vがカカの裏を狙うようなボールを使い出しているが、退場シーンは3度目のトライの結果。ポジショニングの悪さと身体の向きの悪さによって起きた退場と言える。当日は風が強かったということだが、東京Vも含めてカカ以外のCBでは問題が起きていない。前でボールを取るためのポジショニングだったというなら少し前目のポジションでも問題はないが、ボールが蹴られてから落下点に入るまでに数回ターンをしなくてはいけないのは、ボールに対する身体の向きが悪い。またはボールを直接クリアできなくても自分の右側にいる選手が走ろうとしているのを見ていれば、コースを塞ぐことはできた距離感だと思う。ミスの種類としては比較的単純だが、これを外国籍選手がやってしまうのは辛い。強力な外国籍FWを有するチームとの戦いではカカは必要になるはずなので、腐らずにチーム戦術への適応を図ってもらいたいところ。

・次節

 次節はホーム熊本戦。前節大宮に勝っているとのことなので相手は乗っていることだろう。ちょっとデータを見たらフォーメーションが3-3-1-3になっていた。初めて聞くんですけど、3-3-1-3なんて。どういうサッカーするか楽しみですね。
 今のところ、徳島は3分で勝ててはいないものの内容に問題を感じたことは1試合もない。むしろ、多くの主力選手が抜けた中でもこれだけのクオリティを保てたことに驚きを感じている。ポヤトス監督のチーム作りはチームの決め事はあるものの、細部までは詳細に作り込まずにファイナルサード付近は選手の感性に任せているような印象を受ける。若手の成長に賭けている部分もあるのだろう。実際に前節から今節にかけての櫻井の変化、成長を見るに、3ヶ月後にはどうなっているか楽しみになる。勝利はさらにチームを成長させるだろうから、まずひとつ勝ちたい。






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