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J2第4節 徳島vs熊本 in ポカスタ

・試合前情報

1週間非常に楽しみにしていた試合。熊本の3-3-1-3とはいかなるフォーメーションでどういう試合をするのか。徳島は前節からFWを藤尾からバケンガに変更。桜井、藤尾はオリンピック代表の練習に参加した影響があったかも知れない。
試合前ポヤトス談話「引き分けが続いているが、自分たちのプレイを継続しようと選手たちに伝えた。相手のハイプレスをかわせるかが試合の鍵」

・前半

熊本は守備時は5-1-3-1のような形で、前にたくさん選手が残るような配置。最初は5バックなので守備的かと思ったが、ボールを奪った瞬間に縦にボールを蹴り込み、ボールを拾えなかった場合はそのままプレスに行くというどこかで聞いたような、翼を授けられたような戦い方。間違いなくデュエル、球際の勝負が重要。徳島としては、パスワークで崩すかドリブルで一人剥がすかでチャンスが作れそうな予感。

'7分  西谷が内側のレーンで受け、バケンガへパス。いい攻撃。
'9分  渡井がバイタルで受ける。
'11分 徳島カウンター。渡井が運び、西谷へパス。西谷のクロスが再び渡井
    へ。決定機。
'30分 右サイドからのクロスをバケンガがGOAL。
'42分 熊本がスローインからPA内に侵入し、伊東がGOAL。
'45分 前半終了。

前半1-1。徳島の決定機2に対し、熊本は1。徳島が若干優勢に試合を進めたものの、ひとつのチャンスを決められてしまった。こういう失点の仕方は勿体無い。前半気になったことは、いつもに比べて攻守に出足が悪かった。試合数の問題や気温の問題で体が重かったかもしれない。特に櫻井の出来が気になった。ハーフタイムのデータでは敵陣パス数が9本しかなく、熊本の河原の27本と比べると圧倒的に少ない。熊本が櫻井に対するケアをケアを厚くしていたという面もあるが、ボールを受ける位置が低すぎるのとパスが後方に偏ってしまっていた。彼が前向きにボールを受けて、西谷、渡井がゴール前で受ける形でないと攻撃は停滞してしまう。バケンガがポストプレーをして中盤を助けられたらよかったかもしれないが、中盤のデュエルを制することができれば、あっという間にゴール前まで運べるということから考えて、ポヤトス監督はこの試合では決定力を優先したのかもしれない。先制点の形はまさに狙い通りではないかなと思う。ただ、結局前半で作れた決定機が2つというのは計算外だっただろう。

・後半

'46分 熊本 高橋GOAL。比較的高い位置からのアーリークロス。
'49分 渡井がバイタルで受け、藤田にパス。藤田からバケンガへクロス。
           バケンガが押し込みGOAL。
'53分 渡井と西谷がゴール前までボールを運ぶ。この役割を桜井にして欲し
     い。
'57分  熊本がプレスを強めてきた印象。
'64分  浜下out、杉森in
'69分  バケンガout、藤尾in
'70分  徳島は少し足が止まりだしたような印象。
'70分  熊本 杉山の決定機
'72分  熊本 伊東、高橋out、
           土信田、粟飯原in(こんな珍しい苗字の人が二人同時inとは・・・)
'74分  熊本 杉山に再び決定機を作られる。
'78分  徳島 渡井、白井、藤田out、児玉、坪井、川上in
           熊本 竹本、阿部out、藤田、田辺in
'80分 徳島 安部足がつり始める。
'83分 藤尾の競合いのこぼれ球をこだまがダイレクトボレー。決定機。
'85分 熊本 土信田が抜け出しシュート。長谷川がセーブ。決定機。
'88分 熊本 坂本out、東山in
'93分 藤尾がゴール前でヘディングも枠に収められず。決定機。
'94分 徳島 安部完全に足がつる。怪我でないことを願うばかり。
'96分 2-2で試合終了。

ポヤトス試合後談話
「両チームともいい試合をしたと思う。後半開始時点でチームをうまく調整できなかった。自分に怒りを感じている。選手交代は選手の疲労を考えて行った。今後も継続していくことが大事だと思う。」


・試合後所感


内容という点では完敗といっていいほど、相手の土俵で戦ってしまった。こういう相手には球際で負け始めると怒涛のようにゴールに迫られ続けることになるので、非常に厄介。ポヤトス監督も疲労した選手を入れ替えることでペースを取り戻そうとしたが、全体的な疲労感を拭うことができなかった。カウンターを受け続けた影響で、CB安部が最後までピッチにいることができなかった。思えば、開幕戦も金沢に後半から中盤の守備をマンツーマンに変更されてから攻撃が停滞したように思う。プレー強度やデュエルに強みがあるチームに対する対策は急務かもしれない。
ただ最初に試合を見た時は相当やられたような印象だったが、試合を見直してみて決定機数などを計測するとスタッツ的にはほぼ互角だった。選手のコンディション問題もあっただろうが、この試合に関しては相手の特徴に対して相性のいいメンバーをぶつけていたら試合を優位に進められていたかもしれない。私見では、やはり藤尾を先発させてポストプレーで櫻井を助ける役割をさせた方がよかったように思う。後半60分あたりでバケンガと交代という順番の方が今節は効果的だったように思う。それでもバケンガが2得点して結果を残しているわけなので完璧な用兵作かと問われると心許ない。全体的な疲労度を下げられたかもしれないなという程度。
開幕してからこれで4連続引き分けとなった。これまでは内容的に上回りながらの引き分けだったが、今節は初めて内容で上回られての引き分け。選手のコンディションや相手の対策など様々な要因はあるだろう。経験の浅い選手も多い。まだまだ安定した戦い方には及ばないが、今節の櫻井のように課題を肌で感じてもらって成長してもらうというプロセスを今季は何度も繰り返す必要があるだろう。ここまでのどの試合も勝てていれば最高なのだが、弱肉強食のプロサッカーリーグにおいては勝ち点が何より大事なので今は最低限でも勝ち点を積めていることを評価したい。


・スタッツ

決定機
徳島                  熊本
'11  渡井                    '42 伊東 GOAL
'30 バケンガ  GOAL                                           '46 高橋 GOAL
'49 バケンガ  GOAL                                           '70 杉山
'83 児玉                                                               '74  杉山
'93 藤尾                                                               '85 土信田


・次節

次節は3月19日AWAY大宮戦。前節は栃木と1-1の引き分け。相手も未だ未勝利ということなので、妙な事にプレッシャーを感じずにプレイしてもらいたい。試合開始時間が13時と少し早いので、見る側のコンディション調整も重要。前日の深酒などはもってのほか。

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