見出し画像

J1第3節 鹿島 VS 柏 in カシマ

・試合前情報

 鹿島は三竿が先発復帰して前節までボランチだった樋口がサイドに。さらに右サイドバックを常本から広瀬に変更。荒木はベンチスタート。土居荒木を同時にサイドで使うよりは樋口をサイドにしたほうがいいという私の意見を岩政監督代行が聞いてくれたということでしょう。まぁそんなはずはないことは私自身がよく知ってます。今季は広瀬が守備での貢献を見せており、常本と遜色ない。そうなると、攻撃的な技術は圧倒的に広瀬が優位なのでこの選択は理解できる。
 柏は3-3-2-2。ここ2シーズンはカウンターでやられている印象もあるし、ドウグラスは強烈なので注意が必要。
 

・前半

開幕戦のガンバ戦はパトリックが前半に退場したことで、2節川崎戦は序盤に失点したことで、チームとしての狙いが見え辛くなってしまった感がある。11対11の試合で、0-0の展開が続いた時に本来的な実力が見えるはず。昨季序盤は、プレスの意識というものが感じられなかった上田がしっかり前から追うようになったのは素晴らしい変化だが、これをザーゴの時代からやれていればという気はするが、本人の成長ということだろう。好意的に捉えたい。24分に関川がインターセプトしてすぐにFWに蹴り込むシーンがあったが、これは開幕戦から何度かトライしているパターンなのでチームとしての狙いなのだろう。相手のDFが整わないうちに前にというのは共感するし、継続して欲しい。一方で、後ろから繋ぐとか引いた相手を崩すということに関しては去年からの課題。決定機は前半2つ。1つ目は樋口がコンビネーションから抜け出しシュート。2つ目はCKキックから鈴木優磨のヘディング。柏の決定機は細谷が43分と45分に迎えている。決定機数、内容ともに互角の前半。

・後半

 柏は後半開始から中村慶太を投入。その効果かどうかはわかりかねるが、マテウス・サヴィオのシュートがポストに当たる決定機。その後は膠着。55分に鹿島は土居、広瀬out、荒木、常本in。56分に柏 細谷の抜け出しをミンテがナイスな対応。58分、ピトゥカから鈴木へスルーパスが出るも、鈴木のダッシュがつかず決定機に繋げられなかった。この試合を通して、鈴木優磨のコンディションには疑問があったが、この大チャンスで走りきれなかった点からしてもどこか痛めているのだろう。鹿島は60分に三竿out,仲間in。64分に荒木のシュートが相手DFに当たって先制。荒木は本当に持ってる子。後半唯一の決定機をゴールに結びつける。同点を狙う柏は72分に細谷が抜け出しシュートを打つも、スンテのセーブに阻まれる。85分に上田、樋口out,エヴェ、中村in。試合はこのまま1-0で終了。

・スタッツ

決定機
鹿島                  柏
'34 樋口                 '43 細谷
'35 鈴木                 '45 細谷
'64 荒木                 '46 マテウス・サヴィオ
                    '72 細谷

・所感

チーム全体、個人の走行距離やスプリント数を見ても特に問題を感じない。しかし、決定機数は鹿島3に対し柏4。柏の決定機4のうち3つは細谷が迎えている。細谷は身体が大きく素晴らしい選手だと思ったが、3度も同じ選手に決定機を作られるとなるとチーム戦術の問題が大きい。単純にCBの裏を狙われてるのだろうが、CBに到るまでのどこかで寄せが甘い。前からボールを追うことでこの問題が起きているというのであれば失点のリスク数よりも得点というリターン数を求めて、もっと積極的にゴール前に迫るべきだと思うが、せっかく前でボールをとっても後ろへ戻すシーンが散見される。そして例年の如く、引いた相手を崩すのは苦手なのは変わらないから決定機数が3にとどまるのは当然とも言える。解説の柱谷兄が縦ポンを推奨していたが、私も同感である。鈴木優磨と上田絢世というJリーグ屈指の高さを誇る二人を擁しておきながら、わざわざ遅いサッカーを指向するのは単純に勿体無い。こういう戦い方に関して、岩政監督代行に広い裁量が与えられているのなら一つの実験として良いと思うのだが、もし電話会議でのヴァイラー監督の指示なのだとしたら今季は苦しむかもしれない。ヴァイラー監督は湘南戦から指揮を執る予定とのことで、ルヴァンカップを含めて岩政監督代行が指揮を執るのはあと2試合ということになる。岩政コーチはJ1チームを率いることとJ1チームを相手にする難しさを感じていることと思うが、これを是非糧にして欲しい。チームが勝つために現実的な策を取らざるを得ないこともあるだろうが、それこそがここ数年のチームの低迷に繋がっている。高い理想を描いて、実現する方策を探って欲しい。

・目についた選手

 鹿島では仲間のプレイが良かった。プレイが良かったというよりはその姿勢。常に走る、常に足を出すというチームへの貢献を示すプレイは極めてプロフェッショナルだった。様々なチームを渡り歩きながらプロとして生き残る術を徹底している姿は、鹿島の若手は手本にしてもらいたいと思う。
 柏の細谷選手は3度の決定機を迎えた他、ドリブル突破も出来て非常に将来性の高い選手だと感じた。鹿島としても2度目の対戦時にはさらに成長しているだろうし警戒が必要だろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?