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野沢温泉マルシェ特別企画☆「北信女子モヤハレトーク」運動・食・社会をテーマにトーク&ディスカッション

2024年8月25日にSUNDAY KIDS SPORTS PARK✖野沢温泉マルシェ・特別企画として、野沢温泉村に関わる4人の女性たちとともに「北信女子モヤハレトーク」(トークセッション)を行ってまいりました。今回はその様子をお伝えします♪

SUNDAY KIDS SPORTS PARK✖️野沢温泉マルシェは『運動・食・社会』をテーマに、子供の運動遊び・マイスポ動物診断、親子で性格・適職診断、野沢温泉村とブレインインパクトの調停式、村内外からの飲食店の出店や発酵ワークショップ、コミュニティがつくる健康革命のトークショーなどなど、盛りだくさんのイベントでした。

その中で、暮すroom’sは「モヤハレの木」を貼りだし、トークショーが始まる前の2時間ほど会場に来ている方々にお声がけをし、日常のモヤモヤを書き出してもらいました。
「最近、モヤっとしていることはありませんか?」と聞くと「全然ありません」という羨ましい男性の方も。
なかなかモヤモヤが出てこない方も、たとえ話をしていくと色々と出てくるようで、だんだんとモヤハレの木に付箋がつき、にぎやかになってきました。


モヤハレの木(奥)に「最近モヤっとしたこと」を付箋に書いて、貼り付けてもらいました

イベントでは、会場にお越しの皆様のモヤモヤを共有しながら地元の女性4名とディスカッションを行いました。

【トークゲスト】

  • 小田切美幸 野沢温泉村出身 野沢温泉マウンテンリゾート観光局代表理事

  • 来栖佳香 子育てのためUターン 行政保健師

  • 伊藤奈央子 野沢温泉村移住5年 オンラインビジネス事業運営

  • 片桐希衣 野沢温泉村出身 飯山市在住 脳セラピスト、mama salon Pono主宰

【ファシリテーター】
成澤由美子 暮らすroom’s構成団体 株式会社エルズグランドケアアカデミー

それぞれ気になった「モヤモヤ」は?

小田切美幸さん(以下、小田切):
野沢温泉で生まれてずっとスキー競技をしてきました。一度、野沢温泉村を出たのですが、子育てをするなら野沢温泉村がいいなと思い、仕事のご縁もあり帰って来て20数年たちます。

面白かったモヤモヤは「宿題なくして」「夏休み帳いらない」など子供らしいなぁと思いました。
ほかでは、お金関係や制度関係が気になり「産休手当が入るのが遅い」「児童手当は毎月入金してほしい」など国の制度に関して使う側を考えてほしいというモヤモヤが共感できました。
あと、野沢温泉村ならではと思うのですが「世帯ではなく個人」という内容がすごく共感しました。「私は私、個人で見て欲しい」と思うのですが、自分が何かしたら家族に迷惑がかかる。という潜在的に考えてしまったり「あの家庭はああだからこうなんだろ」と人から言われるなど「世帯ではなく個人」という少ないワードですが、すごく詰まっていると思いました。

成澤由美子(以下、成澤):小田切さんの場合は観光に携わっているので、観光地ならではのモヤモヤは何かありますか?

小田切:「子供が具合悪い時に休むのは私」というモヤモヤがありました。野沢温泉村は観光立村と言っていて、繁忙期は夏休み・冬休み・年末年始なのですが、その時に行政施設が休みというのは村が目指す観光立村と言っているところと、一番親が忙しい時に保育園や学校が休みというのは、相反するところがあるな。と思いました。観光立村だからこそ、行政スタイルを少し変えていけるようになったらいいなと思いましたね。

成澤:観光地で働く女性が子供を預ける先問題というのは、ほかの観光地でもよくモヤモヤに出るポイントです。ぜひ野沢温泉村で解決できるといいですね。

来栖佳香さん(以下、来栖):高校卒業と同時に大学進学のため上京し、その後、就職しました。友達も増え遊ぶ場所もたくさんあり、野沢から出て刺激のある10年間を過ごしていました。
その間に結婚、出産を経験し、都心での子育てに孤立感を感じました。
ママ友って意外と近くに居ない、病院を選ぶにも自分で探さなきゃいけない、隣の家の人の顔がわからないなど、環境が大変だなと思いました。
自分が過ごした環境はどうだろうと思い出すと、学校から帰ってきたら挨拶してくれる人が居たり、飴をくれるおばちゃんが居たり、地域で困った時に助けてくれるお兄さん、お姉さんが居るし、地域の子供会でキャンプに行くなど、恵まれた環境に居たなと思い、子育ては地元でしたいと主人を説得して帰ってきました。
野沢に帰ってくる前に、長野県内の別のところに5年間住んでいたのですが、同じ長野県内でも野沢みたいに親密になれる地域ってなかなかないと感じました。
また、野沢温泉は水がきれいで美味しく、そのおかげか、我が子たちは肌が弱かったのですがよくなったと思います。また喘息も発作も出にくくなったなど、夫も肌で感じていて、野沢での子育てを一緒に頑張ってくれています。
ただ、野沢温泉に帰ってきて困ったことは、「病院が選択できない」というところです。夜、緊急でかかりたくても総合病院まで40分〜1時間程かかる、行ったところで専門医が居ないなどと行った医療弱者と言われる環境を感じました。

成澤:若い女性が一度県外に出ると戻ってこない状況は増えているのですが、Uターンでここが足りないな。などありますか?
来栖さんは戻ってくる理由として「子育ての場所は地元でしたい」とのことですが旦那さんのご意見はどうですか?

来栖:野沢に強引に連れてきて千葉県出身の夫は田舎の生活を想像できなかったと思うのですが、一緒に来て楽しんでくれていると思っています。

成澤:旦那さんが来ても暮らしていけるという地域性はどんどんアピールしていただきたいなと思うところです。
野沢温泉村は、地元の方と結婚してお嫁さんという立場の方が多いと思うのですが、子育てのサポートなどの状況はいかがでしょうか?

来栖:野沢温泉村の強みは、同級会などが開かれ年をとっても地元の友人たちとの絆が強く、また村外からのお嫁さんも多いのですが、その横のつながりから人脈が広がり、新たなつながりが生まれ、お互いに協力しあっています。お嫁さんのコミュニティとしては成り立っているのではないかなと思います。

成澤:地域で子育てがしやすい環境をもっとアピールできたらいいですね

伊藤奈央子さん(以下、伊藤):東京から移住して5年目です。仕事はオンラインビジネスをしています。
野沢に住んで最初に困ったことがあって。それは、東京から来て、車を持っていなかったことでした。野沢温泉村の良いところは歩いて回れる環境なので、お友達の家や外食に歩いて行けるなど、村内である程度用事が済むのですが、やっぱり生活をするにあたって仕事や買い物に行くのに困ったのでレンタカー屋があったらいいなと思います。
交通の便が良くなり、車がなくても遊びに来れる環境なので移住する前は気が付かなかったのですが、実際移住してみると車がないと住みにくい。と思いました。

出産後モヤっとしたのは、ちょうど出産一時金が上がった時期なのですが、「産院も費用を値上げしたので負担額は変わらない」と言われ、モヤっとしました。


成澤:今回、気になったモヤモヤありますか?

伊藤:(小田切)美幸さんも話していた「世帯ではなく個人として見て欲しい」という意見です。
入籍してから個人事業主として働いていて、旦那さんは企業につとめているので住民税の負担が違うはずなのにまとめられてモヤっとしました。

成澤:「どこのお嫁さん?」や「結婚して働かなくてもいいじゃん」と言われたり、子育てに集中するのも大事なことなのですが、もっと個人を尊重されてもいいかなと思いますよね。

伊藤:起業する女性が増えているからこそ、個人で見て欲しいと思います。

片桐希衣さん(以下、片桐):野沢温泉村出身で結婚を機に飯山市に引っ越しました。
産後、仕事復帰する際に子供に何かあった時、仕事を休むのは母親になるので、自分で起業した方が融通がきくと思い、人の役に立ちたいとセラピストの道を選びました。

成澤:子供のために自分の働き方を変えるという選択をしているので、すごく勇気がいると思います。収入の面の不安定さとかは女性の起業に関わる問題だと思うのですが何か思うことありますか?

片桐:勤めて会社に行って仕事しているだけだと、周りのつながりもなかったと思うし、環境も変わらなかったと思います。今は環境を変えたことにより、出会える人も多く行動してよかったと思いますが、収入面を考えるとまだまだ大変な部分はあるかなと思います。

成澤:女性が我慢しないで働ける環境を考えていきたいなと思います。

モヤハレの木には様々なモヤモヤが


野沢温泉村の食育


成澤:さて、本日のテーマですが、『食と運動と社会の繋がり』です。
食に関しては「学校の給食が美味しい」という意見がありました。
学校給食について何か意見はありますか?

小田切:小学校では給食の試食会があります。栄養士さんから食材のこだわりや郷土料理を使ったメニュー、成長期に必要な栄養素やカロリーなど説明があり、地域の食材を使っているなど、村として一生懸命取り組んでくれているなと思います。こども園のおやつもなるべく手作りにしてくれているので安心ですね。

伊藤:我が子は来月からこども園に入園するのですが、牛乳を飲むことが強制であることについて疑問です。

成澤:今、食の多様性もあり、いろいろな問題があって動物性の食材を食べられない子供も居ます、昔は残して怒られたりしましたね。今後変わって行くと思いますが、それも地域差があると思います。今後もそういう問題点などお話しできる機会があればいいですよね。

来栖:こども園でも給食の試食会があって、栄養士さんから食材について説明会があります。自校給食なので暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たくいただく。というのを意識して作ってくださっているので、野沢温泉村の給食は自慢できるところだと思います。私たちが小さい頃も美味しかったです。

小田切:人気のあった給食は自宅でも作れるように保育園でレシピをもらえるので子供も喜びます。

運動できる環境を楽しんで

成澤:次のテーマは、『運動と子育て』ですが、野沢温泉の運動環境についてはいかがですか?

小田切:スキーのコーチをしているので、成長期の子供の運動については他のコーチ陣と一緒にいつも考えています。
野沢温泉のこども園では年長の冬にスキー教室があります。年長までにスキーを滑れるようにさせたい(必然的に運動をさせなければならなくなる)、という親の努力が良さでもあり、経験者でない方にはプレッシャーもあるのではないかと思います。滑れないといけない、というよりは雪国の自然を楽しんで欲しいですね。

成澤:環境的に野沢温泉村は運動しやすいと思いますが、大人の運動不足はどうですか?

小田切:私は子供のトレーニングに付き合っていたり、伊藤さんはトレランの大会に出場したり、村内を走る人も結構います。最近では村の公民館でトレーニングを開催しています。お母さんたちも社会と触れ合えるし元気になっていいですよね。

成澤:産後や閉経した後、骨も筋肉も弱くなって行くので女性の健康問題に寄り添うイベントなどあればいいなと思いますね。

年齢、性差関係なくつながることができたらもっと住みやすく

成澤:最後に『社会との繋がり』についてです。
暮らすroom’sとしても目標に掲げてプロジェクトを進めています。どうやって人に依存して行くか、心から頼れる人、何かあった時に頼れる人がいる環境を目標に、今後こうあって欲しい、こうして行きたいなど、ご意見いただけますか。

伊藤:出産して外に出られるようになるまで、孤独というか社会から遮断されたような気持ちがあったので、産後直後に乳児も気軽にいける飲食店やコミュニティの場所があったらいいなと思います。
児童館はあるのですが人があまり来なくて、子供がいる・いない関係なく様々な人と会えるような場所を産前から知っていればよかったなと。子供が産まれてからママたちのコミュニティでいろいろと知るのですが産前から知っていれば孤独感がなかったのかな、と思います。

来栖:女性の社会というところでは野沢温泉村で子育てしていて、すごく純朴でとても優しい子が多いと思うのですが、ネットリテラシーとか性教育とか受け入れてないと都内に出た時に少し危ないのかなぁと感じていて、村として教育できるところがあると、知識があるだけでも安心できていいかなぁと思います。

成澤:都内だと夜、子供だけで歩くのは危ないと思うのですが、長野だと大丈夫かという安心してしまう。良いところと悪いところを複合して教育していくというのはいいことだと思います。

小田切:野沢温泉では「男性が表に立って女性が裏で」という風潮があり、これから女性が社会で表立ってくることによって、男女平等という言葉自体がもはや時代遅れなのではと思います。まだまだ年代によっては、理解いただけない場合もありますが、女性が元気な村は成功するからお前頑張れ!という言葉を言われたことがあり、嬉しかったです。

成澤:女性が減る村は消滅すると言われていますね。

片桐:私も子育て中、両親も幼馴染も近くに居なくて孤独を感じていました。1日が終わった時、「私、今日誰とも喋ってない」という日がありました。
飯山市はママをサポートする無料制度があり、子供を預けながらヨガをしたり、子供から離れてリラックスできたのでよかったです。リフレッシュできるところがないと疲れるし、(誰とも会わなかったら)孤立しちゃいますよね。

成澤:私もセラピストなので「暮らすroom’s」で子育ての相談など開催しています。
自治体がやっている相談窓口などは行きづらく、気軽なカフェやハードルを下げた場所で活動ができるといいなぁと思っています。
地域のセラピストさんや保健師さんたちが参加してできたらいいなと思っています。


左から、成澤由美子、小田切美幸さん、来栖佳香さん、片桐希衣さん、伊藤奈央子さん

野沢温泉村は食も運動環境も豊かで観光業も盛んです。昔から女性が元気に働いている村で、近年は移住者や外国人の定住も増え、仕事内容も多様化しています。親族に頼れない核家族も地域のコミュニティと助け合い、小さな村だからこそその繋がりは深いと思います。
野沢温泉村の外湯文化やお祭り、地域での活動が観光資源です。そこに関わる地元の人たちが住みやすい地域づくりがこれからの課題だと思います。
このイベントをきっかけに野沢温泉村でのよりよい暮らしを考え、話す活動が増えて行くといいなと思いました。


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