(知人向け)滞在ターン限界のペナルティについて

 リアルが忙しくて人狼考察を書く余裕がなく、そっちが落ち着いたら今度はまさかのニコニコ停止で動画が見れなくなるとは……何が起きるかわからないものだな。

 さて本題、2434FDの666ターンオーバー即氏問題について。
 引っかかった人間の恨み節と言われたらそれまでだが、流石に問題が多いように感じられたので、何がどう問題なのか、きっちり分析して言語化を試みてみようと思う。
 何のことかわからない人はブラウザバックして、どうぞ。


 問題点をざっくり分けると、だいたい以下の3点にまとめられると思われる。

1.ダンジョンのサイズ感(特に後半)とゲームスピードが噛み合っていない
2.ターンオーバー危機の発生頻度が非常に高い
3.1プレイ時間が長く、その分ゲームオーバーのペナルティが重い


1.ダンジョンのサイズ感(特に後半)とゲームスピードが噛み合っていない

 本作は、風来のシレンと、タクティカルダンジョンの影響を受けているという話だった。
 両作とも、一定ターン経過で即終了という仕様が組み込まれているため、その流れを汲む本作も、同じような仕様が用意されたものと思われる。しかし、この2作品と本作では、ゲーム性が大きく異なっており、結果、この滞在限界ペナルティが極端に重いものとなっているように感じられる。

 まず、初代シレンを参考にすると、1928行動の発生で強制失敗となる。ターン数ではないのでわかりにくいが、大体1900ターン程度が滞在限界というところか。また、満腹度の消耗は10行動で1であり、HPの自然回復も、確か1行動で1/150だったはず。緩やかだ。
 そしてタクティカルダンジョン、未プレイなので詳しくは知らないが、こちらは1フロアが14x14という非常に小規模なダンジョンで、滞在限界も100ターンととても短い、ユニークなゲームデザインとなっている。
 本作は、その中間的な規模とゲームスピードを目指しているようで、滞在限界は666ターン、満腹度は3歩で1減少と、シレンの約3倍は早い調整になっている。HP回復に至っては、1歩で1/34程度? と、シレンの4-5倍も早い。

 だが、問題は1フロアの広さだ。
 序盤は比較的小さめというか、滞在限界に見合った広さに思えるが、先に進むほどどんどん大きくなっていき、粘って稼ぐつもりがなくても滞在限界に追われがちになっていく。
 私は95Fで滞在限界に引っかかったが、このときは粘っていたどころか、まだ探索できていない箇所すら残っていた。1フロアを普通に回る時間すらないというのは、いくらなんでも広すぎるし時間がシビアすぎる。最悪、全力で探しても、ちょっとルート取りが悪かったら、階段を見つけることすらできないまま時間切れという可能性すらありえなくもない。
 今回の私は、一応途中で階段自体はちらりと見かけていたが、滞在限界の警告が出て、階段に向かおうとしたところで道を一つ間違え、それが致命傷となって階段にたどり着けず、盤石の態勢から一転即氏を食らって終了した。最後まで階段を画面に捉えることすらできないほど、全く届かない絶望的な遠さだった。
 クリアは目前、戦力は完璧という状況からのこれは、正直投げたくなるのも人情では。

 それはさておき。
 シレンは約1900ターンも動けるが、フロアを1周するのにさほどターン数はかからない。敵の湧きは64ターンに1体と緩やかで、満腹度の縛りもあるため、ハラヘラズなどのよほど強力な満腹度対策がない限り、粘って稼ぎ続ける行為はリスクのほうが大きく、滞在限界に追われるという状況はそう滅多に発生しないはず。一通り探索したら、さっさと次の階に向かうというのが基本だろう。ミニマップも存在するため、一度探索が完了すれば、階段までの道と距離もひと目で把握できる。万一滞在限界が迫っても、警告が出てから移動すれば階段まで十分間に合うはず。
 対するタクティカルダンジョンは、100ターンと滞在限界がシビアだが、フロアも非常に狭く、常にフロア全体が視界に収まるため、階段の位置と、そこまでの移動に必要なターン数の把握も容易と思われる。そこまでミニマムな調整なら、滞在限界との兼ね合いを常に考えながら動くのも、ゲーム性の一部と捉えても良さそうだ。

 だが本作は、後半のフロアが広すぎて単純に時間が足りない。ミニマップも存在しないため、警告が出て階段に向かおうとしたところで、階段の位置を記憶ミスしたり、一つ道を間違えただけで致命傷になりかねない。実際なった。
 ゲームが進み、どんなにレベルが上がったところで、それで移動速度まで成長するわけではない。深部に進むほどフロアが広くなる仕様は、滞在限界で即終了という現状と噛み合わせが良くないように感じられる。

 シレンとの違いを他にも上げれば、本作は斜め移動が存在しない。
 そのため移動の効率が悪く、3倍のゲームスピード以上にターン数の浪費が激しくなる。
 戦闘時間も相対的に長い。敵1体との戦闘は、シンプルに接敵して殴り合う場合は概ね3-4ターン程度で、シレン等と同程度のように思えるが、約3倍のゲームスピードであることを考慮すると、シレンに換算したら1戦闘で毎回10ターン以上殴り合っているのに等しい。位置取りのために移動しようとしたら、そのために消費するターン数ももちろん約3倍だ。当然斜め移動不可がそこでも足を引っ張る。
 敵が湧く頻度は、本作はランダムのためわかりにくいが、平均すると体感は3倍を上回っているように感じられる。少なくとも上記の理由で、戦闘に割かれるターン数の比率は、シレンの3倍を大きく上回っている。そして湧き方にかなりのムラがあるため、湧くときは連戦に次ぐ連戦を強いられ、ターン数をゴリゴリ消耗する。滞在限界間近でそれが回避不能な形で起きたら、戦闘自体はどんなに楽勝でも命取りになってしまう。

 まとめると、滞在限界はシレンの1/3程度だが、実際のゲームスピードは、あるいは経過するターン速度は、3倍どころか5倍くらいはあるように思えてしまうのが本作だ。
 粘る気がなくても溶けるようにターンが経過し、警告を見て慌てて移動を始めても、位置が悪いと既に手遅れという事態が発生しうる。そんな形の終わりがいきなり発生すると、無力感によるモチベーション消失が著しいものとなってしまう。
 対策として、階段付近に飛べるアイテムの所持があるが、400種近い大量のアイテムがあるのに、1種しかないそれをピンポイントにツモれというのも酷な話。実際私も持っていたが、しばらく前に、やはり滞在限界までの階段への到達が困難になって使用し、それ以降拾い直せていなかった。ゲームオーバーに直結する要素なのだから、有効な対策ももっと色々あっていいのでは。
 後半フロアのサイズ感膨張の見直し、ミニマップの実装、対策手段の追加。そういった何らかの調整が流石に必要であるように私には思える。


2.ターンオーバー危機の発生頻度が非常に高い

 1で既に散々上げている要素ではあるが、それを別にしても本作は、ギリギリまで粘って稼ぐのを強いられがちなゲーム性となっているように感じる。

 以前から既に伝えているが、本作は杖や消耗品の類が総じて弱く、シンプルに装備を鍛え、レベルを上げて、真っ向から殴り合って勝つ、が最も有効な戦術となっている。
 上記のように敵の湧きが多く、アイテムドロップ率も高く、ドロップを更に増加する印もあるため、長期滞在で得られるメリットがかなり大きい。戦闘を回避したいほどの強敵が基本的に存在せず、消耗品に頼れないため経験値を稼ぐしかなく、片っ端から積極的に戦い、成長し、それによって更に戦闘が楽になり、また積極的に戦って……というサイクルになりやすい。ゲームスピードが早いために、長期滞在によるプレイ時間の増大も(1フロア単位では)比較的負担になりにくいこと、食料も有り余るほど入手できてしまう調整となっていることが、更にそれを助長する。
 その結果、滞在限界の警告が出るまで稼ぐというスタイルが常態化し、500ターン前後の滞在が当たり前となってしまう。そこからさあ進むか、と思ったときには、階段まで200ターン以上も必要な状態だった、となっては、せっかくみっちり鍛え上げても全て無意味になってしまう。しかも終盤のフロアの広さは、そこまで粘る気がなくても自然と500ターンくらいは経過してしまうほどだった。長期滞在への抵抗が薄れるほど常態化しているところからのその広さは、引き際を見誤らせる意図的な罠であるかのようだ。
 見極めをミスした側が悪いと言えばそれまでだが、距離感もわからなくなるほど広大なフロア、間に合わなければ即氏という重いペナルティと、常に稼ぎ続けることを求められるようなゲーム性は相反している。かと言って、滞在限界に怯えて、まだ未探索エリアや大量の敵が残っているのにさっさと先に進むというのも、稼ぎが有効な本作においては縛りプレイに近い。

 ここまで稼ぎが有効なゲームバランスをあくまでも維持するとするならば、滞在限界も稼ぎ次第で緩和や対策ができたほうが、ゲーム性に一貫性があるように思う。
 滞在限界時も蘇生印等が機能する、滞在限界対策のアイテム増加&それを保険として確保しやすくする、等が考えられるか。
 あるいは、粘って稼ぐのがそこまで有効でない調整にするのもいい。敵の湧きを減らす、後半になるほど敵の経験値が飛躍的に増加する(1つのフロアで粘ってもすぐに誤差になる)、食料の出現率を抑える、等が考えられるか。最後のはそれはそれで嫌な事故の元になりそうだが、現状はちょっと食料が出すぎな印象も強い。粘って稼ぐ必要がなくなれば、ゲーム時間もその分抑えられて、次に語るペナルティの重さもいくらか軽減されるだろう。
 それかいっそのこと、滞在限界時のペナルティを別のものにする、というのも。それについては後々改めてまとめる。


3.1プレイ時間が長く、その分ゲームオーバーのペナルティが重い

 上述の通り、シレンでは滞在限界での即氏は早々起こらない。
 タクティカルダンジョンは、滞在限界と隣り合わせのゲーム性のように思えるが、こちらは1フロアが狭く、必然プレイ時間も短いため、1回のゲームオーバーが比較的軽いと言える。とは言え、それでも一周3時間以上はかかるらしいので、終盤のミスはあまり軽いとも言い切れなさそうだが。

 だが本作は、一周10時間前後はかかる。長期滞在が1フロア単位では比較的負担になりにくいと上では書いたが、それが100フロアも続けば膨大な時間となる。プレイが遅めの私は今回13時間弱が無に帰した。単純に重すぎる。これだけ時間を食われるのに、こんな事故が起こり得るとわかったら、もうおいそれと手が出せない。
 中盤、終盤と進むほど、フロアが大きくなって滞在限界に引っかかりやすくなるため、引っかかった場合の被害も今回のように大きなものとなりやすい。
 フリーゲームで10時間は結構なプレイ時間と言える。洞窟物語ならクリアしてお釣りが来る規模だ。ストーリー要素もなく、ただシステムのクリアを目指すフリーゲームの10時間は、市販ゲームの10時間より数段重い。
 金を出して買ったゲームなら、出した金が惜しいからそれでも続ける、に流れるかもしれないが、フリーゲームで10時間使ってこういう終わり方を食らったら、投げる人も相当出てきてしまうのでは。
 少なくとも私は、現状のままでもう一度挑戦するかと言われたら、友人が作ったゲームということを考慮してもなお、正直二の足を踏んでしまう。同じような展開になったら、おそらく同じように詰むことが目に見えているからやりたくない、というか既に萎えている、というのが本音と言わざるを得ない。
 再挑戦したところで、同じように黙々と鍛えて殴る作業の繰り返しになりそう、というのも足を引っ張っている。Lv&装備優遇、消耗品不遇のバランスは、どうしても脳筋戦法の単純作業に陥りがちで、何度も繰り返し遊べる調整にはまだ届いていないという印象が強い。

 なので、フロアサイズ膨張等の調整もさることながら、そもそも滞在限界で即氏というペナルティ自体を見直すべきではないかと個人的には考えている。見つけてもらうことすら難しいフリーゲームを、せっかく見つけて遊んでくれた人には、せめて一度は投げずにクリアしてもらえる調整にした方が良いのでは。
 ぬるいゲームにしろとは言わないが、この滞在限界と隣り合わせのゲーム性で、滞在限界=問答無用で即氏は、理不尽寄りの設定に思える。それで投げられては元も子もないので、ここは流石に意見しておこうと、今回長々と書き連ねるに至った。


☆滞在限界のペナルティについて

 初代トルネコは、滞在限界は強制フロア移動のみだった。もっと不思議以外ではハラヘラズの指輪も出るため、調子に乗って稼ぎすぎて、稀にその地震を食らっていたのを覚えている。初代もっと不思議は、未だに不思議のダンジョン系最高峰の完成度に思える。今日に至るまで、本当に4000回以上も飽きずに遊び続けている猛者がいるほどだ。
 チョコボ2では、一撃即氏攻撃を放つ氏に神が隣に湧いた。ただし、攻撃発動まで確か8ターンほどかかり、移動時にはそれも溜まらないため、まっすぐ階段を目指し続けさえすれば殴られず逃げ切れるというものだった。また、極限まで育てれば、攻撃発動前に氏に神を倒せたり、その攻撃に耐えることもできるようになったりもして、最終的には氏に神狩りなんて遊びすらできるようにもなった。
 不可思議2は……あれは何かあったかな。そもそも敵が強すぎて、粘ってもリスクしかないからさっさと進んだ記憶しかない。
 ディアボロの大冒険は、シレンと同様の即氏系だったか? あまり覚えていない。片道勇者は、そもそも進み続けるしかないというユニークなゲーム性だった。1プレイも軽いから、気軽に再挑戦もできたし。あれは名作の一つだな。

 滞在限界を設けるのは、粘って稼ぎ続けることでゲームバランスが崩れることを防止するのが主目的なので、無理に即終了なんて重いペナルティにする必要はないように思う。そもそも満腹度の縛りがある限り、過剰な滞在はそれ自体がリスクでもある。
 私はトルネコ派だったので、シレンも即終了だったという印象が全く残っておらず、今回調べて驚いた。まあ初代シレンはハラヘラズの腕輪がないので、粘って稼いだことがなかったのだろう。

 本作の場合、例えば、滞在限界以降はでび系の敵しか湧かなくなる、程度でも十分効果はあるように思える。
 でび系は基本的に経験値まず味、呪いが痛い、与ダメが6ダメ固定で固い、ドロップも全部呪われている、と、戦っても良いことなしなので、基本的に相手をしたくないし、滞在を続ける意味もほぼ消失するだろう。
 呪いアイテム所持数で強化される系の装備を使っている場合はメリットにもなり得るが、そもそもそれ自体が特殊なプレイになるので、それならそれで自由な遊び方の可能性にも繋がるかもしれない。
 雰囲気を出したいなら、BGMを変えたり、画面の色をおどろおどろしいものに変えてみたり。もう少しペナルティをつけるなら、でび系を何匹か一気に湧かせるとか、出現率が更に上昇するとか……。しかし、固いから倒しきれず、囲まれて身動きできず詰むというのも不快感が強くなりそうな終わり方なので、あまりやりすぎない方が良いように思う。
 それでも重めのペナルティを課したいと言うのであれば……、一歩ごとに最大HPが1ずつ減っていく、とかはどうか。確実に限界が迫ってくるし、後々にもかなり大きく響くけど、即終了でなければなんとかなり得るし、焦る気持ちも煽れて面白いかもしれない。まあ、それでもまだどうかと個人的には思わなくもないが。

 何にせよ、タロットカードの際にも主張したように、何かあったら問答無用で即終了、は著しくモチベーションを害する危険性が高いので、私はあまり良いとは思えない。
 原作のオマージュ部分があるとしても、ゲーム性が異なれば、プレイヤーの印象も大きく異なる可能性がある。一つのゲームとして見て、本当にその要素をそのまま持ってきていいのかどうか、は熟慮すべきだろう。
 そういう意味では、既に何度も主張しているが、本作に多いランダム杖も個人的にはどうかと思う。ガイコツまどうの杖オマージュなのは理解しているが、そもそもあれも特定の敵だけが落とす変な杖、という程度の認識で、私はほとんど使ったことがない。
 不思議のダンジョンで、不確定要素のあるアイテムは、有事の際には全く頼れない。望む効果が出なければ無駄振りでしかないし、ゲームスピードが3倍以上の本作では、そのロスも3倍以上になる。10回分のランダム杖よりも、1発使い切り型になった麻酔弓の方がまだ価値が高いくらいだ。どの効果が出てもとりあえず凌げるラインナップであれば、とりあえず雑に振っていく選択肢もなくはないが、リスクになる効果までが混じっていたりしたら、雑草にすら劣ると私は判断するだろう。


☆各種アイテムのバランスについて

 アイテムの話になったので余談を。
 現状、このゲームはとうがらしと麻酔弓の価値が飛び抜けて高すぎる。いっそこの2つさえあれば良いほどに。
 なので、一度クリアしたら今度はこの2つを縛ったプレイでもしてみようか、と考えていたところだったが、滞在限界で心が折れたのでどうなることやら。

 斜め移動と攻撃がない本作で、斜め攻撃が可能なとうがらしの価値は、私のプレイでも、既に最高難易度クリア済みの方も常に採用されている時点で言わずもがな。店主を無消費で完封する手段すらあるほどなので、流石に対策が必要かもしれない。
 麻酔弓も、1発リロード式にはなったものの、手間が増えただけで溜め込んだ銃弾が使えることには変わりないので、相変わらず猛威を振るっている。他の銃威力がいくら上がっても、眠らせて殴れば一方的にそれ以上のダメージを低コストで叩き出せてしまう以上、他の銃を食ってしまっていることに変わりはない。以前の4発で使い切りとか、何なら本当に1発使い切りでも下手なランダム杖よりはまだ使える。
 初代トルネコにはラリホーの杖があり、あれは5ターン絶対に目が覚めなかったので、外したり、殴ると起きることもある麻酔弓はそれの下位的な性能でしかないのだが、ランダム杖はそれ以上に使い道がないので……。睡眠が強いのではなく、他の杖が弱いのと、弾丸を何十発も溜め込めてしまう物量が原因。
 杖一振りで魅了確定等は強すぎるのでは、という懸念が以前されていたが、別にそんなこともないと思う。基本回数5回前後で、回数の増加手段も多くはない杖と、100発以上普通に溜め込める麻酔弓では比較にもならないし、そもそも杖は一振りで敵1体無力化するくらいの性能がないと頼れない。むしろそのレベルの杖を多用しないと厳しい、単純な真っ向勝負だと殴り負けかねないくらいの調整の方が、瞬間瞬間に適した違う対策を求められる、メリハリのあるゲーム性へとつながるように思える。
 杖を捨ててとうがらしで殴るだけ、それが怪しかったら麻酔弓で眠らせて殴るだけ、の現状は作業ゲー寄りで、あまり何度も遊ぼうという気にはならない、というのが現状の感想となる。1周10時間もかかるならなおさらだ。辛辣で申し訳ないが、奇譚のない意見ということでご容赦願う。

 以下、杖を中心に、思いつくアイテムへの雑感や、その他思ったこと等をつらつらと書いてみる。


・ランダム杖&カード全般
 効果がランダムな時点で序盤の数合わせ。どうでもいい場面で気まぐれに振ることもあるかな? くらいで、生氏を分けるような場面では絶対に使わない。たまたま回数が多いものは、一応お守り代わりに持っていたりもしたが、全く使う機会がないままインベントリを1枠食い続ける不良在庫化一直線となりがち。
 敵がもっと強く、真っ向勝負は基本的に避けたい、拾えるアイテムも潤沢ではないという調整であれば、危機になる前にとりあえず振って、少しでも有利に進めるという使い方も出てくるが、基本的に殴り勝ててしまう上、アイテムもあふれかえるほど拾えてしまう本作では、まずは雑に殴りに行き、イレギュラーな危機に陥った場合に確定で回避できる、選りすぐりの手段が少々残っていればいい、というプレイングになりがちなので、そういった場面で頼れないランダム系は真っ先に切り捨てられていく。そもそも麻酔弓がある時点でほぼ下位互換。
 それと、効果が微妙だから軽い追加効果も付けてしまえ、という調整はどうかと思う。ごちゃごちゃしてややこしくなるし、追加効果目当てで使える性能となるならば、結局元の効果が余分になるだけでは。あれこれ注ぎ足すより、シンプルな効果で揃えて、それで成り立つ敵の強さや全体のバランス調整を目指すほうが、ゲーム性として美しいように思える。個人の感覚なので、ここはなんとも言えなくはあるが。

・錬金杖
 火力は素殴りで事足りるので、殴り以外の搦め手要員として麻酔弓に次いで重要。足止めはとうがらしにはできない。とうがらしと併用して安置生成からの一方的攻撃、が非常に強力だが、仮にとうがらし抜きでも、MH遭遇時に左右背後を塞げるだけで助かるので一本はほしい。

・神速杖
 逃げたり距離を取ったりする敵に振って放置、が有効。いちいち追いかけて殴り倒してたら、滞在限界が厳しい本作ではターン数消費がボディブローのように効いてくる。封印杖等があれば、神速の代わりにそっちも使えそうだが、残念ながらランダム杖なので。

・ワープ杖
 今ここで殴り合いたくない、一時しのぎさえできればいい敵や状況というのはしばしば発生する。自爆するやつとか、周りのレベルを上げるやつとかは、麻酔弓では対処困難。なので割と有用。

・鈍足杖
 シレン系ではかなり強力だが、通路のない本作では、大量の敵を通路に引き込んで一対一しつつ引き殴り、ができないため意外と大きく有用性が落ちる。1対多が発生しやすい本作では、敵1体への鈍足よりも、自分を加速する方が強い。とはいえ効果が確定しているだけでも使える方。

・てぇてぇ杖
 殴り合いの強い敵と戦う際に使うこともなくはない、が優先度は低い。

・電撃杖
 1発20ちょいの半固定ダメージは序盤しか使い物にならない。適当に振り切って投げてさっさと枠を空けるか、最初から拾わない。威力が伸びるなら使えるが、そもそも銃系と役割が被っている。

・火柱杖
 これも同様に威力が伸びないようで、使い道が思いつかない。マシュマロ焼けるかなと使ってみたこともあったが、燃やし切っちゃうことの方が多かったので……。
 目の前に火柱を起こし、移動しようとしてきた敵はダメージと同時に押し戻される、といった性能ならもっと使えるかもしれない。火柱ではなく火の壁だな。

・投擲系
 枠が空いてたらとりあえず拾い、雑に使ってさっさと使い切る。火力が高く、戦闘ターンを短縮できる可能性がある点、壁をも越えて届く点、1マス隣の斜め方向にも届く点で、ランダム杖よりは数段上位。全力ブーメランは特に便利。それでも枠がなければ切り捨てられる程度。

・銃系
 麻酔弓一強。それ以外は枠が空いてたらとりあえず拾い、弾数分雑に使ってさっさと使い切り、リロードせず捨てる。一撃が軽い分投擲系よりも下位。
 シレンと違って、敵がなかなか軸を合わせてくれない動きをするのも、直線にしか届かない杖や銃が弱い原因の一つ。自分から軸を合わせに行くしかないが、その分敵に詰められて距離を確保しにくい。遠距離戦には期待せず、隣接後からでも確実に危機回避できるものが優位となる。

・草&飲料全般
 1枠専有するほどの価値がないので、満腹度の足しに即飲みが基本。最大HPアップ等はもちろん回復後に使う。終盤にトサカを飲んでオーバーキル→食いしばりで耐えたのには肝を冷やした。そこまで威力上がるのか
 自然回復が強すぎるため、回復アイテムの価値が相対的に低くなりすぎている印象。自然回復をもっと弱めれば、多少は価値が出てくるかもしれない。回復に限らず、せっかく色々アイテムを用意するのであれば、操作キャラ自体の性能はその分控えめでなければ、アイテムが活きてこないのでは。

・巻物全般
 シレンより大幅に弱体化しているものの、それでも結局危機回避に確保するのは聖域くらい。周囲暗闇や足止め等はそれなりに危機回避となるので、投擲系よりもまだ優先度は高めか。
 他に有効なのは、困ったときの巻物。事実上の食料&解呪用として最大限確保する。解呪アイテムは巻物なりクッキーなり1個は確保しておけば、装備の+値装備鑑定が非常に捗る。装備品強化系は無論迷わず使う。

・食料全般
 回復量の多いものや無敵カレーを中心に最大限確保する。回復量が少ないものを優先して食べて、持てない食料を食べ尽くすまでフロアに滞在して稼ぐ、が基本。育てて殴り合いで大体片付く現状、怖いのは食料不足と滞在限界くらい。
 あ、滞在限界を伸ばすアイテムとかないかな。あったら食料・階段ワープと並んで最優先で確保することになるはず。

・滞在限界対策案
 上記の滞在限界延長の他、穴を掘って下に落ちるとか、せめてHP1でも残すとか、そのフロアを最初からやり直せるとか、滞在限界への保険アイテムがもっと増えたら、今の即氏でもまだ飲めなくはない。現状では餓氏以上に最大のリスクなので、何かもう少し用意するなりしてほしい。

・装備全般
 +の多いもの、優秀な印があるものを中心に、合成材として食料に次いで最大限確保する。
 麻酔弓・食料・合成材・解呪・階段ワープ、あとは危機回避の聖域・錬金杖・ワープ杖辺りが3-4つあればいいというのが現状。食料や合成材を削ってでも持ち歩きたい消耗品が色々あれば、ゲーム性ももっと深みが出てきそうだが……。

・印
 とにかく三方向殴りが最重要、これの有無でゲーム性が一変する。各種テクニックによる一方的な殲滅も可能となり、バランスを崩しかねないほど強力なので、少々考えものではある。次いで必中、殴りや銃撃等がミスらないというのは、決定的な事故回避要素になる。麻酔弓の凶悪さにも拍車がかかる。
 あとは各種デバフ・アイテムロスト系の対策を詰めるだけ詰め込む。戦闘で事故る可能性はそのくらいなので、対策が完了すれば、あとは雑に殴るだけで大体突破可能。とは言え意図的に揃えるのも困難なので、+値強化を優先しつつ、タイミング良く拾えたら混ぜ込むくらいの感覚。
 ところで、アイテムロストと言えば、武器を弾き飛ばす敵も危うい存在では。弾かれた武器が背後の敵に当たる、水に沈む、宇宙に消える等でロストすれば、実質一発アウトに近い。たまたま弾かれただけで済んだが、これらが起きる可能性はあるのだろうか。

・全体的なバランスに関する個人的意見
 敵の湧きは抑えたほうがいいように思える。戦闘に時間を取られすぎること、通路もないため1対多の状況に陥りやすいこと、それもあってとうがらしが強すぎること、1体にしか効かない杖や銃の価値も相対的に低くなること、稼ぎに走りやすくなるため滞在限界リスクにつながりやすいこと、稼げすぎるために戦闘難易度の低下につながること等、様々な弊害を感じる。
 普段から多数との戦闘が発生しやすいため、それに慣れてしまい、MH遭遇時の緊張感が足りず、稼ぎ場が来たぞ程度にしか感じないのもよろしくない。MHに出会って冷や汗を流すのは醍醐味の一つなので、緊張を感じられるくらいの難易度ではあってほしい。現状では雑に殴るだけで片付いてしまう。
 合わせてアイテムの出現数も抑えたほうが良さそう。食料が出すぎて稼ぎに走りやすいと書いたが、そもそも出現数自体が多い。出現を抑え、その分1つ1つの価値や有効性を高めたほうが、バランスが良くなるのではと思える。

・このゲームの難易度について
 ここまで書いて、そもそもこのゲームの難易度に対する感覚の食い違いがあるように思える。
 高めの難易度を目指してあるとのことだが、正直、ハードでもほとんど苦戦を感じない。滞在限界の事故がなければ、問題なくクリアできていただろう。
 その原因が、稼ぎを助長しやすいゲーム性にあると思う。プレイヤーがどこまで稼ぐか、どこまで装備強化にリソースを割くかで、体感難易度が露骨に変わってしまうのでは。
 ぷらむ兄貴が先日ハードをクリアした際は、武器防具ともに+40程度だった。対する私は95F時点で両方+80を超えている。これでは難易度がまるで別物に思えても仕方がない。
 武器防具を積極的に強化していくようなゲーム性を目指してあると、半ば意図的な調整であるような発言が以前あったが、そうなると、プレイの仕方次第でこのような大きな差が発生しやすくなるように思う。稼ぎ寄りのゲーム性を目指すなら、それはそれでもいいのだが、不思議のダンジョンで稼ぎ寄りの調整、広いフロアが100Fまである長丁場となると、後半になるほど育成差による性能差が顕著となり、それだけ難易度調整は困難なものになるように思える。装備合成に特化した方が強くなる現状のバランスも、消耗品の価値低下に大きくつながっている。それをどうするかという点も、改めて考えてみても良いのでは。
 物足りなければ最高難易度に行け、と言われたらそれはそうなのだが、現状のゲーム性のままで、単純なステータスの強化だけされても、個人的にはあまり食指が動かない。仮にやるとすれば、ハードのままでとうがらし&麻酔弓縛りの方が先だな。


☆まとめ

 滞在限界ペナルティも含めて、全体的な再調整の必要を感じる。
 勝手なことばかりあれこれ言い連ねるのもおこがましいが、ここまで書いてしまった以上、個人的に考える調整の方向性は一応改めてまとめてみる。あくまでも私個人の感覚と印象なので、それを受けてどうされるかはお任せするが。
 とにかく現状では、何度も繰り返し遊べる調整とは思えず、かと言って、長丁場でありながら滞在限界で即氏のような仕様は、再挑戦の意欲を大きく削ぎ、一度のクリアすら放棄されてしまうかもしれない。その危惧だけは伝わればと思っている。


・後半のフロアサイズ膨張の緩和
 この滞在限界なら、最後まで序盤のサイズ感のままでも適切に思える。プレイ時間の肥大化も抑制でき、再挑戦へのモチベーション維持にもなり得る。

・滞在限界ペナルティの緩和、あるいは対策アイテムの増加
 滞在限界で即氏はクリア放棄に繋がりかねない。対策手段も複数ほしいが、フロアサイズ膨張がなくなるならそれでも可。

・とうがらしと麻酔弓の性能抑制と、他アイテムの価値向上
 三方向殴りは愛用しているので辛いが、現状の一強過ぎる状況は考えもの。麻酔弓も他の銃と杖を食ってしまっている。
 他アイテムの価値ももっとほしいが、半端な効果を3つも4つも注ぎ足す方針は感心しない。いくら大量に効果があっても、1つ1つが微妙なら結局微妙なまま。簡潔に使える効果と、それが使えるよう全体を整える方が好ましく思える。

・敵とアイテムの出現率の抑制
 稼ぎを助長しすぎる印象が強く、徹底的に稼ぐかどうかでの難易度変動も大きすぎる。滞在限界とのバランスもあまり良くない。
 稼げすぎる、拾えすぎる、が各種アイテムの価値を大きく落としている面もあるので、ここを調整するだけでもランダム杖等の価値が相対的に上がるかもしれない。個人的にはランダム杖自体がどうかと思わずにはいられないが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?