デュエプレコラム~カードパワーを考えよう~

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

気が向いたので短めの記事を書きます。


はじめに:カードパワーとは?

突然ですが皆さん、カードパワーという言葉を完全に理解していますか。

私は知らないです。終わりです。




…古のブログのような始まり方で失礼しました。

実際のところ、この「カードパワー」という言葉の定義は存在しないと言っても過言でないくらいに人によって使い方がブレていて、私はあまり好んでいません。

たまに使うことがありますが、それも仕方なく使っている感が強くて、自分でぴたりと嵌る納得感は持てずに使っています。

同じような疑問・違和感をカードパワーやデッキパワーという言葉に抱いている人は、実は結構いるのではないでしょうか。

数日後にPLAY’S CHRONICLE PACKが発売するにあたって、この言葉の本質の理解に近づくための好例をチームメンバーとの会話で一つ見つけたので、ふと紹介してみようと思った次第です。

さっくり読んでちょっぴり役立てば幸いです。


ガチャカード、どれが一番強い?

新手のガチャカードが出ます。

TCGではプレミアム殿堂に指定されたこともあるカードです(現在は殿堂入りに緩和)。

TCGより1コスト重くされるという調整をされました。

これでガチャ御三家がデュエプレに揃うことになります。

この3枚をフル投入したデッキは、ADで頻繁に見ることになるかもしれません。

では、この3枚の中で一番強いカードはどれでしょうか?

4枚見られるからミラミス?

何が捲れても踏み倒せるからホーガン?

色的にブーストから最速で撃ちやすいからミスキュー?

どれもそれぞれのカード特性であり、比較して差別化する際の要素となるのは間違いないでしょう。

ですが、それらは二の次で、最も素直に着目すべきポイントがあります。

それは、「これらのカードが平均してどれくらいの出力が出せるか?」という点です。

出力とはつまり、払ったコストに対して何コストのカードを平均してプレイできるかということです。

前提となるデッキを用意して、それを基に考えてみましょう。

《執拗なる鎧亜の牢獄》は《ニコル・ボーラス》に、
《策略と魅了の花籠》は《ミラクルとミステリーの扉》に
置き換えてください

・ガチャカード3種4枚フル投入
・クリーチャー17枚
・残りを初動枠

で埋めました。

これ以外のクリーチャーの質などはあまり深く考えて組んでいないので、形だけを参考にしてください。

なぜクリーチャーが17枚かは、《ミラクルとミステリーの扉》からクリーチャーを捲る確率が単純計算で90%を超えるところに据えています。

この構築を前提にして、3種のガチャカードの出力をそれぞれ計算してみます。

なお、以下の計算はすべて様々な難しい要素を省いて検討したものとなります。

筆者は数学の知識が一次関数を理解していないレベルなので、多少間違っていても優しく見てあげてください。


・《ミラクルとミステリーの扉》

計算式としては以下となります。

①クリーチャーの平均コスト×②クリーチャーが1枚以上捲れる確率

①は《サイクリカ》《ニコル・ボーラス》《ヴィルヘルム》《完全不明》各4枚、《鬼丸「覇」》1枚の平均コストは8.8コストです。

②は前述の計算ツール通り90%とします。

①8.8×②0.9=7.92コスト

7.92コストが《ミラクルとミステリーの扉》の平均出力です。


・《ホーガン・ブラスター》

計算式としては以下となります。

①デッキのコストの総計÷②デッキの枚数

つまり、デッキの平均コストです。

「唱えた《ホーガン・ブラスター》分を省く」とかは面倒なので39枚でなく40枚で考えます。

①251÷②40=6.275

6.275コストが《ホーガン・ブラスター》の平均出力です。


・《ミステリー・キューブ》

計算式としては以下になります。

(①クリーチャーのコストの総計+②2コスト×非クリーチャーの総数)÷③デッキの枚数

②は《ミステリー・キューブ》で非クリーチャーが捲れた時にマナブーストとなることから、1ブーストの呪文である《フェアリー・ライフ》の2コストと同じと見ています

(①150+②46)÷③40=4.9

4.9コストが《ミステリー・キューブ》の平均出力です。


比較の結果、単純な出力コストで見れば《ミラクルとミステリーの扉》が最も出力が高く、《ミステリー・キューブ》が最も出力が低いと言えます。

6コストで7.92コスト、約8コストの出力が出せるカードとは他に何があるでしょうか?

身近にありましたね。

構築制限を代償に、それなりに高い出力≒カードパワーは持っていると論理的に言えるでしょう。

加えて《ミラクルとミステリーの扉》はトリガーを持っているので、更に期待できる部分もありそうです。

もちろん、実際に環境を見た構築をした時に、上記のようなバランスになるとは限りません。

それでも、出力を意識することで適切な構築ができていくとは思いませんか?

なんとなくで増減されていた採用カードが、理由を持って調整できるようになるかもしれません。

ガチャカードを採用する時は、ぜひ念頭に置いてみてください。


おまけ:ガチャカードのTCGからの1コスト増は相当重い

ガチャカード3種はいずれもTCGで5コストでした。

1コスト増えたことで、3→5の動きで4ターン目に撃つことができず、2→4→6でないと4ターン目に撃てない点がしばしば弱体化として指摘されます。

ですが、先ほどの出力の計算を踏まえてみるともう一歩先が見えます。

改めて各ガチャカードのサンプル出力を記載しましょう。

・《ミラクルとミステリーの扉》:7.92コスト
・《ホーガン・ブラスター》:6.275コスト
・《ミステリー・キューブ》:4.9コスト

各カードを手撃ちした時に払うコストは6です。

6コスト払った時に、最低どれくらいのコストのリターンがほしいですか?

6コスト払ったら、6コスト以上のリターンは最低限欲しいでしょう。

至極当たり前のことです。

つまり、平均6.275コストの《ホーガン・ブラスター》でほぼトントンで、平均4.9コストしか出力が出せない《ミステリー・キューブ》は負ける確率の方が高いカードということです。

公営ギャンブルみたいですね。

では、もしガチャカードたちがTCGと同じ5コストだったらどうでしょうか?

《ミステリー・キューブ》ですらトントンのレベルになり、《ホーガン・ブラスター》《ミラクルとミステリーの扉》は一気にボロいギャンブルになります。

もう一つ考えたいのは、《ホーガン・ブラスター》《ミステリー・キューブ》の計算要素にあった「デッキの平均コスト」です。

先ほどのサンプルデッキを再掲します。

これだけ構築を歪めていて、ようやく平均コストは6.275の水準を維持できます。

実はデュエマのビッグマナ系は、まともに組むと概ねしてデッキの平均コストが4強~6弱になる場合が多いのです。

たとえば以下のようなどこかで見るような5cのリストは、平均5.525コストです。

《ホーガン・ブラスター》《ミステリー・キューブ》は、もうこの時点で構築を歪ませないと出力期待値が入力に見合わない、癖の強いカードだと判断できてしまうんですよね。

5→6のたった1コストの調整が、実は使いやすさ以上の重みを持っているのです。


おわりに

普段は1万字単位の重い記事ばかり書いているので、こうした3000字程度の記事は私にしてはかなり珍しいです。

気まぐれに書いたので次はいつ書くかわかりません。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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