新カード解説⑨(デュエプレ22弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
22弾の新カードの考察第9弾です。
⑧についてはこちらをどうぞ。
指標はこんな感じ。
9~10 環境トップレベルのキーカード。
7~8 優秀。環境でもよく見かけるレベル。
5~6 悪くはない。デッキや環境次第で使われる。
3~4 環境外。地雷枠や限定構築向け。
0~2 見なかったことにしていい。
基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。
また、評価はするものの、用途の紹介や背景ストーリーでの活躍を適宜織り交ぜていきます。
それでは以下、本題です。
龍素遊戯
事前評価:4
紙からの変更点はありません。
読みは「ドラグメントスロット」ですが、名前とイラストの通り「フォーチュン・スロット」を模したカードです。
最近はめっきり見なくなってしまいましたが、ドローソースの基本は
・3コスト→公開平均2枚回収+α or 非公開2枚回収
・4コスト→公開平均2枚回収+α+トリガー or 公開平均3回収
となります。
+αはパワー1000のクリーチャーが付いてくるなどですね。
この原則に当てはめると、《龍素遊戯》は比較的2枚回収が安定し、ドラゴンが多めのデッキで3枚がそれなりに見込めると言った感じです。
実際のところ、4コストで不確定なドローを使うには難しい環境速度になってきていますが、最低限ドローソースの要件を満たしている点は理解しておきましょう。
ドラゴンサーガを経て様々なデッキでドラゴン比率が増えていくので、【白青天門】などでは候補とできるかもしれません。
単純なドローではなく「手札に加える」なので、《ベニジシ・スパイダー》などを避けられる点も一応の差別化点です。
スペルブック・チャージャー
事前評価:7
FT:未来の秘術をもたらす書物。
紙からの変更点はありません。
言うまでもないでしょうが、《ライフプラン・チャージャー》の呪文版です。
4→6の動きに繋ぐことから《ヘブンズ・ゲート》や《ウェディング・ゲート》などの呪文を軸とするデッキにはうってつけとなります。
今現在の【ビッグマナ】でも《リュウセイ・ホール》や《ダンシング・フィーバー》を拾いに行け、手撃ちであれば《フェアリー・シャワー》以上と言っても過言ではありません。
逆を言えば、これくらいの性能でようやくトリガー付きと勝負できるとも言えるので、なかなかに4コストブースト帯のハードルは高いです。
青単色である点で差別化ができるので、ドローソースと色バランスを見ながらそれらのデッキで候補となって来るでしょう。
【青緑ターボゼニス】のようなデッキでは、青緑によるターボの安定に強く貢献します。
TCGではこの青緑系のデッキが度々環境入りしたため、そこで使われてちらほらと環境入りすることがありました。
また、だいぶ先にはなってしまいますが、クリーチャーと呪文が一体になったカードが登場した際にはそれらもサーチ対象となって評価が上がります。
4コストの汎用的なブーストカードとして、堅調な活躍が期待できるカードです。
龍素解析
事前評価:4
FT:古くからリキッド・ピープル閃の中では、ドラゴンを構成する本質的な素材があるとは考えられていた。その研究がドラグハートの登場によって一気に進んだのだった。
紙からの変更点は、効果で出せるコストが7から8に上がった点です。
クリスタル・コマンド・ドラゴンはそれ自身癖の強い効果のカードが多いですが、一部呪文にもその影響が見られます。
手札を全リセットする効果は0枚時に使えば実質4ドローのため、トップ解決の性質は高いです。
そこから踏み倒しが行えれば更にアドバンテージを稼ぎ、逆転の一手にもなり得えます。
この後紹介するクリスタル・コマンド・ドラゴンや、汎用性の高い《デッド・リュウセイ》はじめとするリュウセイシリーズは狙い目です。
動きとして派手なカードを評価する時は、できるだけコスト論に置き換えることが大事です。
このカードは最大4ドローなことから、ドローが1枚1.5コスト×4=6コスト+踏み倒しクリーチャーのコストとなります。
最大14コスト分の踏み倒しになりますが、これは手札が《龍素解析》1枚の状況で使ってのことです。
元の手札の枚数ごとに効果は低減し、5枚以上の手札ではアド損にすらなり得ます。
加えて、ランダムなドロー4枚の中にコマンド・ドラゴンがが入らなければその時点でコスト以下のカードとなってしまいます。
《吸い込む》や《ゴッド・ゲート》を見てきたプレイヤーならば、生半可な構築では不発になるシーンが容易に想像できるでしょう。
多量に当たり札を入れれば、その分事故率が上がるのもまた必然です。
面白いカードですが、構築における高いハードルを越えてようやく活躍の可能性を考えられるカードとなります。
基本はこのカードの代わりに7コストのコマンド・ドラゴンを入れる方が有用です。
龍素記号Sr スペルサイクリカ
事前評価:9
FT:龍素実験中に偶然発見された龍素記号Sr。その結晶体であるスペルサイクリカは、失った知識を取り戻す力を持っていた。
紙からの変更点は、《サイクリカ》自体の効果がターン1に限定された点です。
呪文を墓地から唱えるという汎用性の非常に高い効果に加えて、なんとそれが手札に返ってきます。
7コストのカードを使用してW・ブレイカーが残るだけでもコスト相応であるのに、それが手札に返って来るならば異様な動きをしていることがわかるでしょう。
実質的なハンデス対策にもなり、雑にコストの高い呪文を撃っているだけでも十分な強さなのですが、相性の良いものをいくつか紹介しておきます。
①超次元呪文
最も汎用的なアドバンテージ取得カードであり、サイキックリンクの圧を掛けることができます。
《フェアリー・ホール》《リュウセイ・ホール》がマナカーブが繋がる点も合っており、グッドスタッフ間でのシナジーが結べる理想的な組み合わせです。
②踏み倒し呪文
いわゆるガチャデッキでは踏み倒し呪文から《サイクリカ》がヒットした時に再度それを唱えることができ、手札に返るので次の抽選も約束されます。実質的なカサ増し以上の役割を期待可能です。
③防御呪文
1ターン耐える効果のあるカードを手撃ち→《サイクリカ》で唱える→回収されて再度手撃ちとすることで、計3ターンの耐久が約束されます。
画像を貼った《調和と繁栄の罠》はエターナル呪文のハズレ枠と長年されていたカードでしたが、《サイクリカ》登場以降に単色環境が訪れたことで【刃鬼】にセットで採用され、爆発的に評価を上げました。
呪文カードの改変によって、TCGから弱体化したと言える点は以下の通り。
・《ミステリー・キューブ》が6コストになったことで、外れても5→7で繋がると言えなくなった
・好相性の組み合わせ筆頭であるランデスカードが実装されていない
・《英知と追撃の宝剣》《ガンヴィート・ブラスター》などの最高パフォーマンスだった7コスト呪文が8コストにされている
有力な組み合わせが減り、ターン1の制限が課されたところを見ればかなり大人しくされたという印象です。
TCGでは専らコンボデッキで使用され、しばらくしてから致死率の高いループデッキで活躍し、2023年現在でも直近で度々環境で見られるパワーを持ったカードでした。
たしかに目立って活躍はしたものの、当初は勝ちに直結する使い方がなく、マイナーコンボデッキでの活躍がメインだった印象です。
デュエプレでは悪用手段として最も有力なループがほぼ禁止されており、グッドスタッフ的な運用が半ば強引に求められます。
強力すぎるカードに変わりはないものの、環境を定義するほどの強さは持ちえない気がするというのが現状の感想です。
まずは【ビッグマナ】に2枚程度採用するようなところから始まるでしょうか。
一時期は「いつ殿堂してもおかしくない」と言われたカードが、デュエプレでどう立ち回るかは見ものです。
熱血龍 バクアドルガン
事前評価:3
FT:文明間の争いが激化し、各文明の被害は甚大なものとなった。そんな中、10年に1度の武闘レースの勝者が世界を支配するという空気が生まれていった。モルトはトップを目指す!
紙からの変更点はありません。
《バルガザルムス》の火文明版といった性能です。
SAによって即座に効果を使える点は勝っているものの、8弾EXの《バルガザルムス》と比較するカードパワーが高いとはお世辞にも言えません。
アドバンテージが取れるかも不確定で、まず使われることはないでしょう。
TCGではドラゴンサーガの次の「革命編」のさらに次の「革命編ファイナル」というシリーズで、コスト5以上のSAドラゴンという点で使われた経緯があります。
この先何回これらのカード画像を貼るんでしょうね。
こんなスペックのカードでも環境進出するくらいに強力すぎたカードとして、頭の片隅に置いておければと思います。
爆鏡ヒビキ
事前評価:7
FT:相手の力を利用して、相手の力をそぐ!それが、爆流剣術鏡の舞!――爆鏡 ヒビキ
紙からの変更点は、ランデスがランダムになり、パワーが1000上がった点です。
先に紹介していた闇の《ドテラバラ》と同じ、鏡サイクルの火文明担当です。
TCGからはランデスカードを選べなくなったので、狙ったカードを落とすことはもちろん、そのターン中の使用可能マナを減らすようなこともできなくなりました。
とはいえ、呪文を撃つというかなり低い条件でランデスを飛ばせるのは極めて強力なシステムクリーチャーです。
このカードのランデスがランダムになる調整は多くの人が想像できたでしょうが、パワーが上がる上方修正を受けると思った人はいるんですかね。
2000と3000では《サンダー・ティガー》などの範囲から逃れるだけでなく、序盤のクリーチャーの殴り合いでも優位に出やすい数値です。
その効果と相まって、ハンデスを行う《ドテラバラ》以上に【ビッグマナ】等の呪文で動いていくデッキを拘束できます。
3コスト故に先手後手関係なく2コストブーストは使われるものの、このカードを出されただけでその後の《フェアリー・シャワー》や《リュウセイ・ホール》は各段に使用しづらくなるでしょう。
赤の入ったビートダウンでは積極的に採用ができ、メタクリーチャーの基本となるだけのポテンシャルを持っているカードです。
具体的には【赤緑モルト】では先に場にアタッカーを出しておく以上、実質的な呪文耐性を持つ《ヒビキ》は好相性です。
《龍覇の天啓》を絡めれば3→4のマナカーブが繋がるのも良いでしょう。
その他【墓地ソース】や【赤黒ブルース】では《エンターテイナー》と似た立ち位置でメタ枠のアタッカーとして立ち回れ、それを特化させた【デイガイエス】のようなメタビートでも候補です。
TCGでは当初敷居の低いランデス効果に評判を呼びましたが、蓋を開けてみればほど良いメタの位置に落ち着き、クリーチャー主体の環境ではあまり見ないということもありました。
デュエプレでは期待された《タイムトリッパー》がほとんど環境で使われていないところを見ると、こちらがどう評価されていくかは見えないところがあります。
色やパワーの違い、効果の影響範囲や重複の有無など、特性をしっかり理解しておきたいですね。
熱血龍 バトクロス・バトル
事前評価:7
FT:よぉ、目が合ったな!じゃあ、バトルを始めるか!――熱血龍 バトクロス・バトル
紙からの変更点はありません。
受けになるドラゴンであり、TCGでは最も古いドラゴンの受け札の1枚です。
デュエプレでは未来から来ていた《アカギ》《イージス・ブースト》があったので、新鮮感が薄れますね。
《メデルス・ゾーン》などの成功率を上げられる受け札ということは今更言うまでもないでしょう。
相手ターン中に出た場合はボトムに行ってしまいますが、【バルガライゾウ】をはじめ、今後のドラゴンデッキでは受け札の候補となるカードです。
このカードならではの強みを言えば、先の2枚では不可能だったW・ブレイカー級を取れる点にあります。
《5000GT》下でも出せるのは多くのトリガー獣と差別化できる点で、セットで出される《クロスファイア》を除去可能な点は特筆すべきでしょう。
バトルを介することから、スレイヤー付与ができれば確定除去として機能させることもできます。
7500以上を取ることはできませんが、《ショパン》のように横に《ヴィオラ・ソナタ》がいれば自爆を仕掛けて無限耐久もできますね。
ドラゴンデッキ以外の用途を考えると【マーシャル・クイーン】では受け札兼、自分ターン中に出せば除去と打点をこなせます。
8コストが場に残ることになるので、《ヒラメキ・プログラム》でのコンボも視野に入れられます。
コマンド・ドラゴンかつ2打点持ちという特性の光るカードです。
注意すべきカードには、《母なる大地》《父なる大地》があります。
除去効果こそ使えるものの、ターン終了時に《バトクロス・バトル》はボトムに行ってしまうため、実質的なランデスを狙われてしまうので気を付けましょう。
ジャスティス・プラン
事前評価:5
FT:光文明は、「正義」の元に、団結し、計画をたて、世界を統一しようと考えている。だが、彼らの「正義」がなんなのかは天命王しか知らない。
紙からの変更点は、表向きにするカードが3から4枚になった点です。
《龍素遊戯》のところで触れた基準でみれば、構築次第で3枚程度が安定し、上振れで4枚ドローも見えるので一定の評価ができます。
光単色では貴重なドローソースとなり、これ1枚通せれば十分ということも多くなります。
4マナの動きをドローに回すのは後ろ寄りのデッキになるため、【白単天門】などが成立するのであれば候補とできるでしょう。
TCGではさほど活躍した歴があるわけではないですが、少しした後に現れる1コスト軽いドローソースでより立場が危うくなっていました。
最大4ドローは《ストリーミング・ビジョン》並の性能となるため、使われることがあればと思います。
提督の精霊龍 ボンソワール
事前評価:6
FT:ボンソワール?――提督の精霊龍 ボンソワール
紙からの変更点はありません。
ブロッカー版の提督で、提督の名は関するものの《永遠リュウ》と同じターンに関係なく、相手のカードにのみ反応するタイプです。
手札コンボであることからハンデスに弱い【天門】の構造的な弱点を補うカードであり、時代が時代であれば非常に脅威となり得たカードでしょう。
実際のところ、【天門】に搭載するブロッカーは通常10枚前後であり、3枚捲っての回収はまったく安定せずに採用は難しいです。
《ジャスティス・プラン》同様に白のドローソースになるため、【白単天門】が成立した際のハンデス対策や、今回フィーチャーされる低コストブロッカーのデッキでの役割がメインとなります。
TCGでは前回の《バトリベンジ》同様、コマンド・ドラゴンが踏み倒しで出てくる点が評価点となって環境カードへと出世することがありました。
種族・コストの重要性が増していくということは覚えておきたいですね。
トロワ・チャージャー
事前評価:5
FT:『デュエル・マスターズ』とやらはわかんねぇけど、そんなことより、このイカの出来を見てくれよ!!――創造の翼 クリティブ
紙からの変更点はありません。
光の3コストチャージャーとしては《ソーラー・チャージャー》に続く2枚目のカードです。
それだけで意味はありますね。
踏み倒しを行えるものの、対象は手札からの3コスト以下光限定のため、範囲は狭いです。
手札2枚消費はかなり重いので、それを補うだけの使い方が求められます。
コンボ的な使い方としては、《アヴァラルド公》や《クゥリャン》などが候補です。
前者は即座にリソース補充ができ、後者はマナカーブを繋ぎながら《マルコ》の進化元にできます。
他にはオラクルの《カリーナ》を出しつつ、《ラシャ》で即座にタップさせるといった芸当もできますね。
この後紹介していく光の低コストデッキが候補になりますが、これがなくとも基本的には問題ないため、入らない場合も多いです。
チャージャーというだけで十分なので、おまけの部分がかみ合うならば環境でも見る可能性はあります。
聖龍の翼 コッコルア
事前評価:7
FT:聖龍の翼 コッコルアは、ドラゴンを助けることで正義を貫く。その証が彼の周りの4つのオーブだ。
紙からの変更点は、パワーが1000下がった代わりに軽減が1から2に増え、ドラグナーも対象になった点です。
先ほどの《トロワ・チャージャー》から出せば実質3コスト軽減として機能し、3→7で繋がるので驚異的なマナカーブとなります。
同じサイクルの《コッコ・ドッコ》の調整を考えると少し泣ける格差ですね…
おまけに、《コッコ・ルピア》が2コスト以下にならないのに対して、《コッコルア》は1まで下げることが可能です。
この後紹介していくカードに如何に期待が寄せられているかが窺えます。
今回効果範囲にドラグナーが追加されたのは大きく、《不滅槍》の龍解こそ条件を満たさない者の、《エバーローズ》に3→4で繋がるのは優秀です。
エンコマドラゴン主体のデッキの初動としても考えられ、白単色の構築でもできるというところに注目したいですね。
3コストで2500のパワーは《リュウセイ・ホール》の火力範囲になるのが心許ないですが、《コッコ・ルピア》と比べるとまだ場持ちは良く、【速攻】への対策としても使えそうです。
共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス
事前評価:8
FT:聖歌を響かせるには、一流の指揮者が必要だ。
紙からの変更点はありません。
光の低コストデッキのメインエンジンであり、TCGでもそれなりに長い期間活躍をした実績のあるカードです。
そうです、一見構築制限が強く、効果もドローのみとハズレアのように見えるカードですが、実はしっかり環境入りしています。
このカードを優秀なVRの代表のように思う人もそれなりにいるでしょう。
小型を並べてからの大量ドローを行うデッキになりますが、意外に単調ではなく、デッキとしての幅があります。
①《クルト》や《アクロアイト》を並べて、【白単速攻】のように動くタイプ。
②踏み倒し対策の《オリオティス》や呪文対策の《シュライバー》を並べてコントロール的に動くタイプ。
③青を入れた2色にして《ゴーゴン》や《ジェスタールーペ》も加えていくタイプ。
といった感じで、環境によって色々と試され、VRなことから格安デッキのエースとして環境を戦いました。
ブロッカーを並べる型の場合には、最後ダイヤモンド化して攻撃するのが基本です。
このカードもおそらくは出てくれることでしょう。
デュエプレでも似たようなデッキタイプが考案されていくと考えられます。
ビートでありながらブロッカーが多数存在するというのがビートに大して優位に立ちやすく、「ビートに強いビート」という個性は光文明らしいです。
メタクリーチャーが使えることや《サザン》がドローをすることからコントロールにも一定の耐性があり、柔軟な戦い方ができます。
また、《ボンソワール》で触れたように、コストの高いコマンド・ドラゴンはそれだけで将来用途が増えるのも忘れてはなりません。
現時点で懸念になるのは、それぞれの構築で小さくない役割を担ったカードが不在なことです。
トリガーを封じた《サグラダ・ファミリア》、白青多色の優秀なウィニー、ランデスの《ハイドロ・ハリケーン》など、いずれもデュエプレにはありません。
多色低コストについては未来のカードなので時を待てばいいでしょうが、他二つはどうでしょうね。
また、デュエプレには盤面上限という横に広げるデッキの宿命のような課題と、低コストの収録次期がバラけることによるND落ちの危機があります。
先ほどの《コッコルア》からは1枚でマナカーブが繋がるなど、新たな路線は示されているので、デュエプレならではの活躍ができることが願われます。
聖霊龍王 アガピトス
事前評価:8
FT:共に行きましょう。皆さん、力を貸してください!――聖霊龍王 アガピトス
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
リメイク元の《アガピトス》自体オリカだったので、オリカのオリカという形での実装です。
ただ、このカードほどオリカをリメイクするのにふさわしいカードもそうないのかもしれません。
性能は先ほどの《サザン》などから出すことが想定されたデザインです。
名目コストこそ8なものの、《サザン》が出た後を考えればシンパシーによって4コスト前後で出ることとなります。
《サザン》同様《コッコルア》1枚で3の軽減が入るので、さながら【ジャイアント】の《西南の超人》+《ドルゲーザ》+《ユキムラ》のように展開する道が見えます。
《コッコルア》が絡まずとも、《アクロアイト》や《トロワ・チャージャー》を使うことで4ターン目の着地ルートは複数考えられますね。
定番のブーストからの《ヴォイジャー》も最速着地の一つです。
着地は容易で、展開し切ってからは1コスト近くまで下がり、召喚酔いの解除や打点役としても期待できそうです。
二つ目の攻撃時の踏み倒しの効果がメインで、不確定なものの6コスト以下を追加展開できます。
3枚見ればある程度は良いカードを狙うことができ、出てくるコスト範囲を考えると《ジャッキー》よりは《パンダネルラ将軍》などに近くなります。
《エバーローズ》は当たり枠で、横展開が《不滅槍》の龍解条件ともシナジーしてきますね。
横展開→《サザン》着地→《聖霊龍王アガピトス》着地→効果で《エバーローズ》+《不滅槍》→ターン終了時《不滅槍》が龍解が基本の流れとなりそうです。
三つ目のマナ武装達成時の効果はタップで、最速着地以外の状況ではたいてい発動してきます。
踏み倒しが攻撃トリガーなのでそれとはタイミングが合わないものの、他クリーチャーによるタップキルや、次ターン以降の攻撃先作りとしては役立つものです。
このカードの着地時点でマナが余っていれば即発動でき、ADならば《ウェビウス》と組み合わせても良いでしょう。
カード特性と導線の引かれたデッキが見えてきたところで、「実際強いのか?」という問題です。
懸念事項は多く考えられ、それは《サザン》のところで書いたものと共通しています。
追加で述べると、一つはそもそもこのカードが必要なのか?という問題があります。
先ほどの《サザン》がもし【白単速攻】のような動きをする場合、シンパシーで出るにしても打点として出てくるには遅めで、それも進化元を要します。
《サザン》からの《ダイヤモンドソード》で十分となるならば、わざわざこのカードを出す必要もありません。
ただ、この点は《サザン》が引けない時の5枚目以降の切り札としてみることで相殺できます。
二つ目は踏み倒しが不確定かつ候補が不十分ということ。
最適な踏み倒し候補が《エバーローズ》と述べましたが、では次点は?と言われると詰まってしまいます。
NDなら《ヨーデルワイス》、ADなら《デストラーデ》や本家《アガピトス》が候補となりますが、17弾収録の《ヨーデル》もじきにND落ちするとなると難しいです。
序盤であれば低コストを広げるのでも十分と言えるかもしれませんが、2点盾に行かなければならない時ではリスクとリターンが見合わないという状況も多くあると想像されます。
白単で組む場合には、山札を仕込む手段も用意しづらく、運任せになる可能性は高いです。
性能的には5コスト程度で出るなら十分な能力であり、それ以下となって着地することも容易だと考えられます。
そのため、カードとしての強さは十分だと言えますが、焦点はデッキとして強いかということです。
《サザン》のところで書いたように、デッキ自体が「ビートに強いビート」となるため、ビートダウンが強くなりがちなデュエプレでは構造的に優遇された性質があると言えます。
近頃の環境でビートに強いデッキの地位を確立していた【祝門】に対してもメインとなるカードがエンコマなために《スター・イン・ザ・ラブ》による破壊を避けることができ、ハンデスには《ボンソワール》やおそらく実装されるであろうメタカードで抗うことが可能です。
ほぼ活躍が約束される《グレンモルト》+《ガイギンガ》のパッケージにもブロッカーが対策となり、《サザン》は相打ちで止められる7000のパワーを持ちます。
環境での立ち位置はかなり良いことが想像され、デッキパワー次第で活躍できる可能性は大いにありそうです。
弱点になりそうなのは小型が並ぶことによる全体除去や、ブロッカーがメインなことによるブロッカー除去、基本のパワーラインが低いことによる《5000GT》などです。
《サザン》や《聖霊龍王アガピトス》が名目コスト以下で出ることから、《オリオティス》も嫌なカードとなります。
また、《不滅槍》を龍解させて《エバーラスト》にすることによる耐性付与を除いては、トリガーケアする手段を用意しづらいです。
《ガガアルカ》なども採用候補ですが、《聖霊龍王アガピトス》が進化を出せないことから引いてくる必要があり、そのスペースも十分にあるとは言えません。
あるいはトリガーケア手段を用意せずに殴るデッキとなることもありそうです。
これはプレイングの難しさにも繋がり、使用者を選ぶデッキとしての弱点に数えることもできるでしょう。
前述した《オリオティス》が刺さるほか、それに対処する札もあったりして、ミラーはなかなかに難しくなりそうです。
よく【赤青ジャッキー】と比較されているようですが、
・ブロッカーによる防御力の高さ
・ドローソースの存在
・メタクリーチャーの存在
・ハンデス耐性
・【祝門】への耐性
などを考慮すると、結構別物のデッキとなると考えます。
【赤青ジャッキー】がどれだけ自分の動きのことにのみ特化した、弱点の多いデッキであったかも反証的に浮かび上がりますね。
公式配信で述べられていたように、あるいは【グレートメカオー】のような深みのあるデッキとなる可能性もあるかもしれません。
アガピトスが再び伝説を作るのか、楽しみにしましょう。
おわりに
ようやくすべて紹介し切ることができました。
動画よりは手間が省けるとはいえ、やはり日に日に公開されていくカードについてすべて書いていくのはかなり大変です。
どうにか終えられて安堵しています。
《聖霊龍王アガピトス》はどうでしょうね。
雑感は上記した通り、活躍する土壌はあると考えますが、それでも活躍できるかはやはり始まってみないとわかりません。
期待と不安を抱きながら、新環境を迎えたいですね。
またリリース後に環境考察の記事や動画を出していくと思います。
Youtube共々、お付き合いいただけますと幸いです。
ここまでご覧になって下さり、ありがとうございました。
それではまた。
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