デュエプレ環境振り返り(5弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
デュエプレ環境の振り返りを行っていきます。
今回は5弾篇です。
4弾がまだの方はこちらからどうぞ。
第5弾パック概要
2020年8月20日にリリースされました。
目玉は二体の進化元を要求する新ギミック”進化V”です。
「エータナル・フェニックス」を除いて通称”五王(五大王)”と呼ばれるカードたちは、紙では使いづらさの目立ったものがほとんどです。
デュエプレでのリリースにあたっては進化元の制約が格段に緩み、効果についても大胆な改変がなされ、活躍させようという意気込みが窺えました。
それはサポートカードの優秀さからもよくわかり、一部は五王たちが環境落ちした後にも活躍を続けています。
地味な変化ですが、この5弾からゲーム起動時のタイトル画面が看板カードのシークレット仕様に変更になりましたね。
SRの5王に肩を並べるようにして、VRには”エターナル呪文”と称される友好色2文明の呪文群も実装されました。
これらは大小差はあれどいずれも紙で活躍した実績を持つ優秀なカードたちで、デュエプレでの登場にあたって強力すぎたものは下方修正を、逆に使いづらさがあったものは上方修正を受ける形となりました。
この記事を書く2021/11上旬に至るまで活躍をしており、様々なデッキで採用検討されることとなります。
その他のテーマで言うと、墓地を参照するカードが何枚か登場しました。
出た当初に活躍したカードはないものの、後に「クローン・スパイラル」が9弾環境序盤の『ドロマーテクノロジー』に採用、「クローン・バイス」がカジュアル向けのデッキに使用される等しています。
コンボ要素のあるカードとしては、後に6弾~7弾環境で「竜虎」の愛称で親しまれる2枚が登場しました。
これはグッドスタッフとしても活躍しましたが、6弾から『カチュア』によって特に注目を浴びることになります。
その他に環境で顔を見せたカードたちは以下のような感じです。
これを書く10弾EX環境まで活躍しているカードもありますね。
「爆輪男」はウェーブストライカーがいかに活躍していたかを思わせる1枚であり、「ファイアー・バレット」は当時のビートダウンの速度を窺い知ることができる、歴史が感じられるカードたちです。
これらのカードを加えて迎えた5弾がどのような環境変遷を経ていったかを以下で述べていきます。
少々長い記事ではありますが、この時期にプレイしていた人が懐かしめる、プレイしていなかった人には「こんな時代があったんだな」と楽しめる記事になれば幸いです。
環境前期
・青黒ハンデスボルバル
※空いている3枠には「ボルバル」が入ります。
前環境から続いて環境トップに君臨していたのは、青黒のハンデスを軸として「ボルバルザーク」をタッチした『青黒ハンデスボルバル』です。
ハンデス系コントロールデッキの”集大成”とも言えるデッキで、多少の有利不利はあれど、どの対面にも一定以上の強さを発揮できました。
この5弾では「口寄せの化身」を1~2枚程度入れた構築も見られるようになります。
・ブリザード
『青黒ハンデスボルバル』に相性が良かったのが、永続的にリソースを確保しながらビートできる『ブリザード』でした。
『白緑』がメインとなっていましたが『青緑』型もまだまだ健在で、テンポの良いビートデッキとして好まれます。
『青緑』型では「フォーチュン・ボール」を採用した形も見られました。
新規戦力は「薫風妖精コートニー」のみで、公開当初は”パワーラインを上げるためだけにVRなのか”、と疎らに批判を受けたものの、マナを5色化する効果の有用性はしっかりと認知されていきます。
余談ですが、個人的に『白緑』型はデュエプレ史上屈指の美しさを持った構築だと思います。
メインの「ブリザード」による攻めプランのサブとして「青銅の鎧」から「光器ペトローバ」への3→5の流れがあり、10枚以上のトリガーによる高いカウンター力を持ちます。
ビートデッキを組む際には未だにお手本として思い出すデッキです。
・ウェーブストライカー
『ブリザード』に相性が良く、3体並んだ時のハイスペックぶりと豊富なトリガーでビートに強いビートだったのが『ウェーブストライカー』でした。
ビートとは言いつつもコントロールもでき、その上デッキ構築は非常に安価に済むと、速い・安い・強いの三拍子で活躍を続けます。
玄人にはどちらかと言えば戦術に長けた『ネクラ』が好まれましたが、より研究が進んでいたのは『リース』だと感じています。
「ピーカ・プッピー」(「ピーカプ」でも可)を1~2枚採用した形はこの5弾頃に広まり始めました。
・5c天門ボルバル
※空いている3枠には「ボルバル」が入ります。
ほぼすべてのデッキに対して五分以上の戦いを見込める、デッキパワーの権化が『5c天門ボルバル』でした。
この5弾では「フェアリー・ライフ」とチャージャーを多めに採用したターボ型も登場します。
「ロスト・ソウル」は3枚と、多めに採用して同型や『ハンデスボルバル』相手に確実に叩き込むよう意識されました。
同じコストの新カード「英知と追撃の宝剣」を採用して、さらにデッキパワーを高めたものも見られます。
・赤黒デスフェニックス
5弾の新デッキとして登場したのが『赤黒デス・フェニックス」でした。
最速4ターンで着地する「デス・フェニックス」は、動き出しの遅い『天門』を仮想敵してデザインされたのだと考えられます。
たしかに『天門』に対して有利気味ではあったものの、リソースの細さと進化元の維持に課題があり、ビートにも弱いという特性がありました。
そのため、環境では見かけることはあるものの、実力があるとは言い難いデッキに収まります。
これを前期の最後に書いていることから察して欲しいのですが、5弾で登場して環境に食い込めるポテンシャルがあったのはこの『赤黒デス・フェニックス』のみであり、それすらせいぜい準環境と言う程度の活躍でした。
環境級と言える新デッキはなかなか出現せず、ほぼ4弾の延長としての環境形成がなされていきます。
解説が若干短いのも、基本前回の4弾の記事を読んでもらえれば足りる面があるからです。
環境中期
4弾環境の結論4強デッキの地位は依然として変わりませんが、その後もまったく環境の変化がなかったというわけではありません。
若干実力不足は気になるものの、少しずつですが新しいデッキが誕生していきます。
・5cボルバル
※空いている6枠には「魂と記憶の盾」が3枚と「ボルバルザーク」が3枚入ります。
新規として最も有力であったのは『5cボルバル』でした。
『青黒ハンデスボルバル』で抜いていた白を入れる意義は、新規戦力の「魂と記憶の盾」にあります。
コントロールをしながら「ボルバル」の到着まで粘る点は『青黒ハンデスボルバル』と変わりませんが、こちらは除去力が大きく向上していました。
今思えば、今日まで続く白を入れる意義やライブラリアウトを狙う除去コントロールの特性はここから始まったのだと感じます。
・青黒ナーガ
「デス・フェニックス」以外で活躍の見えない五王でしたが、ようやく2番手として「邪魂王ナーガ」の構築が確立します。
まとまった形は『青黒ハンデス』の純粋型といったところで、なかには「凶骨の邪将クエイクス」を採用した、2弾環境の『青黒バロム』を思わせるものもありました。
ハンデスという性質がどの対面に対しても強く、厚めのトリガーとナーガの除去効果で色の割に防御力が高かったことから、攻め方こそ難しいものの強い玄人向けのデッキとして広まっていきます。
・赤緑ブリザード
4弾環境からその陰の見られた、より速攻に近くしたビートダウンの『赤緑ブリザード』は、おあつらえ向きの「翔天妖精レチア」を獲得します。
純粋な速攻にこそ劣る面があるものの、リソースを枯らさない点でコントロールに対しても息切れしづらい強みがありました。
先に紹介した『白緑』『青緑』に加わって、3種類の『ブリザード』が活躍するあたり、ナーフされたと言えどの「ブリザード」の地力がさらに証明されることとなります。
・赤白速攻
負けじとなお強かった速攻の星が『赤白速攻』です。
今思えばトリガーが20枚近く入ったデッキがいくつもある環境でなぜ勝ててたのか不思議にも思えますが、とにかく4弾の頃から回転率の高さで一定の人気を保ち続けたデッキでした。
改めて書いておきたいのですが、この頃はまだまだ配布や資産の蓄積が少なく、課金額の少ない人にとっては構築の天井が明らかにありました。
それこそ、SRが20枚近い『5cボルバル天門』を作るにあたって他のカードをすべて分解するという人もいたほどです。
『ウェーブストライカー』にも共通しますが、いつか出会う本当に作りたいデッキのためにこの『赤白速攻』を使っていたという人も多かったことかと思います。
・ジャイアント
メタデッキ的な立ち位置で環境に留まっていたのが、4弾の看板でもあった「ドルゲーザ」を採用する『4cジャイアント』です。
マナを伸ばして「ロスト・ソウル」を『天門ボルバル』に対して早期に撃ちこみ、各種ビートダウンには赤を採用したことで除去して耐えていきます。
やはり『赤白速攻』の速さや『ブリザード』の止まらない展開には苦戦を強いられていましたが、ようやくデッキとしてまとまった強さを持つようになっていきます。
「英知と追撃の宝剣」はこちらでもパワーカードとして採用されることがありました。
今見るとゴリラみたいなマナカーブしたデッキですね。
…といくつかのデッキを紹介しましたが、前期の4強『青黒ハンデスボルバル』『ブリザード』『ウェーブストライカー』『5cボルバル天門』の牙城を崩すには至りません。
せいぜい『5cボルバル』と『赤白速攻』が上位に食らいつく程度で、メタゲームの大きな枠組みで言うと環境への変化はさほどありませんでした。
そして第一回の公式大会・BATTLE ARENAを経た後、運営もこの事態を重く見たのか、大規模なバランス調整が実施されることとなります。
本当は画像を引っ張りたいですが、さすがに記事内の画像が多すぎるので割愛です。
ざっと書くと、
・「ボルバルザーク」は初のデュエプレにおける殿堂入りに指定されつつ軽微な能力修正
・ハンデスデッキの骨子を支えていた「ゴースト・タッチ」と「汽車男」はランダムハンデスがセルフハンデスになる大幅弱体化
・「聖獣王ペガサス」はコストが6から5に下がり、能力も山上を捲ってクリーチャーなら出す効果が、デッキからランダムなクリーチャーを出す効果になる大幅強化
・「太陽王ソウル・フェニックス」は自軍すべてにSAを与える効果が追加
と大々的な変化が行われました。
詳しくはリンク先を見ていただけたらと思いますが、特に下記の一文における”閉塞感”という言葉は長らくデュエプレを皮肉る際の言い回しとして愛用?されるようになります。
このデッキの要素を分析したところ、《ゴースト・タッチ》《汽車男》といった手札破壊カードの使用率が高く、それがゲームの閉塞感を発生させる要因となっておりました。
歴史が繰り返された”ボルバル・マスターズ”がようやく終わりを迎え、環境の再構築に期待が膨らんでいきます。
環境後期
バランス調整によって最も打撃を受けたのは、「ボルバルザーク」への依存度が高く、とにかく”10ターン耐える”を標榜していた『青黒ハンデスボルバル』と『5cボルバル』でした。
「ボルバルザーク」のみならずハンデスカードも下方修正を受けたことで、文字通り壊滅的なダメージを受けてデッキは存続不可能となります。
一方「ボルバルザーク」に引導を渡す要因となったもう一つのデッキ『5c天門ボルバル』は、「ボルバルザーク」の殿堂入りもデッキパワーを大きく落とすことには結びつかず、リペアして存続しました。
後にこれを書く10弾EX環境まで形を変えて存続する『5c天門』の誕生です。
・5c天門
この後期では「アクアン」をドローソースにした構築も増加します。
『デス・フェニックス』対策に「アクア・リバイバー」が、フィニッシャーに「ボルメテウス」が、中盤の繋ぎにはハンデス系のカードやチャージャーが採用され、よりコントロールの性質を強めていきました。
「アクア・ポインター」は「ボルバルザーク」殿堂前には珍しい採用カードでしたが、流行にはBATTLE ARENA優勝のボルサリーノ@海軍大将選手のデッキに採用されていたことも影響していそうです。
『天門』以外では『ウェーブストライカー』、『白緑ブリザード』『赤白速攻』『赤黒デス・フェニックス』あたりの既存デッキは構築への影響が皆無であったため、変わらず環境で活躍することとなりました。
特筆すべきは『赤黒デス・フェニックス』の地位向上です。
・赤黒デス・フェニックス
前述した通り『5c天門ボルバル』に対しては序盤の準備を行う余裕があり、盾焼却効果があったことからトリガー「ヘブンズ・ゲート」にも安心して対処でき、環境最強デッキへの牽制約を担いました。
これもまた、後に続く『天門』に対して有利な「フェニックス」を採用したデッキの対立構造の始まりと言えるでしょう。
同じ進化Vで、中期から活躍の見られた『青黒ナーガ』も悪くない勢いを維持していたデッキでした。
・青黒ナーガ
「ゴースト・タッチ」が弱体化されたことで抜けていったものの、構築への影響はほとんどなく、中堅に位置付ける強さを持っていました。
これらの防御力に脆さのある進化Vデッキが台頭するならば、既に存在した優秀なビートデッキ『ウェーブストライカー』や『ブリザード』が再び幅を利かせるようになるかと言うと、簡単にはそうなりません。
ここに来て4弾環境からひっそり環境の隅にいた『シータメイデン』が環境トップの地位に大出世を遂げます。
・タッチ白シータメイデン
率直に言えば、この時の『シータメイデン』の台頭は不思議に感じるところがあります。
元来『シータメイデン』は『天門』と『ウェーブストライカー』に不利のつくデッキだからです。
『天門』はメタ対象にされていたことから勢いを抑えられたと言えますが、本来その際に環境に割り込んでくるのは『ウェーブストライカー』だったはずです。
それがまさか既存の『ウェーブストライカー』でなく、しかも『ウェーブストライカー』に不利をつけるデッキが来るとは…
まだ私も深く環境考察をしていなかった時期なだけに、今になってこの時に戻りたいと心の底から思います。
少し話が逸れてしまいましたが、一応は4弾から存在した『シータメイデン』が迎えた変化は「ホーリー・スパーク」をタッチするようになった点です。
これによって『天門』や同速に対してもカウンター力が増し、最後まで勝ちの目を残せる場面が増えました。
「メイデン」「レチア」「ウィンドアックス」のマナブーストによって、手打ち「スパーク」はもちろん、「スパーク」+「エグゼドライブ」の最後の押しなども可能と、粘り強さを持ったビートダウンでした。
『メイデン』と同じくこの環境後期で登場したのが『天門ペガサス』です。
・天門ペガサス
大幅な強化を受けた「ペガサス」から踏み倒すにふさわしい大型クリーチャーはこの頃限られており、それらは奇しくもブロッカーを持っていました。
それならばと「ヘブンズ・ゲート」も採用し、耐久性とデッキパワーを上げた構築がなされます。
「クレス・ドーベル」→「青銅の鎧」→「ペガサス」の理想ムーブはそう簡単に決まらなかったものの、回った時の楽しさとある程度の強さを兼ね備えたデッキでした。
『天門ペガサス』が上方修正を受けて誕生したデッキである一方で、下方修正を受けたことで誕生したデッキもあります。
デュエプレコントロールの元祖でもあった『クローシスボルコン』の再臨です。
・クローシスボルコン
ハンデスカードの弱体化と「ボルバルザーク」の殿堂入りで崩壊した『青黒ハンデスボルバル』の遺伝子を継いだデッキで、正統派のコントロールとして少なからず環境で見られました。
「憎悪と怒りの獄門」を採用している場合も多く、「マルドゥクス」と組み合わせて常にワンチャンスを狙う戦術も取り入れられます。
このデッキは次の6弾で大幅なテコ入れを受けて、中長期的に環境で見られるデッキへと変化していきました。
その点で見ていくと、同じく未来の6弾で活躍し、この5弾で萌芽が見られたのが『アウゼス』です。
・ドロマーアウゼス
※空いている2枠には「魂と記憶の盾」が入ります。
この時の『アウゼス』はドロマーカラーで構成されていました。
決定打に欠ける面はあったものの、ブロッカー、除去、ドロー、ハンデス、ロックと一通りの性能は備えており、ほぼどの対面とも戦える良デッキであったと評価できます。
後に研究が進み、6弾環境では『デイガ』がトップメタへと君臨することとなりました。
大胆なバランス調整によって一時はどうなるかと思われたメタゲームですが、この5弾環境後期はデュエプレ史上最大に多様なデッキが活躍した時だと言えます。
ここに列挙したデッキを数えただけでも11個もの環境デッキが共存しており、これほど群雄割拠した環境は後にも先にも、他のDCGを見ても早々ないでしょう。
紹介し切れなかったものとしては『タッチ白青単マーシャルクイーン』、『エールソニアス』、『スターマン』、両方を合わせた『ソニアスターマン』、『緑抜き4cコントロール』、『ソウル・フェニックス』…などなど、小さなものまで含めると計15以上のデッキが一つの環境に存在していました。
結論と大きな声で言えるデッキはなかったかと記憶しています。
4弾もかなりの良環境でしたが、5弾はまた別の意味での良環境であったと言えるでしょう。
「ボルバルザーク」が生まれ、去ることでもたらしたものは何だったのか。
そんなことを考える暇もないほどに多用なメタゲームが繰り広げられる中で、5弾環境は終わりを迎えていきます。
その他、当時あったこんなことやあんなこと
・SPルール「火文明限定戦」(2020/9/3~)
その名の通り、火文明のカードのみが使えるSPルールが開催されました。
ブロッカーなし、SAありということから、当初は速攻勝負が基本になると考えられました。
が、実際に走り出すと火文明の優秀なトリガーが注目され、『赤単コントロール』や『トリガービート』も注目されます。
確定除去がほぼ存在しないことと、火文明の除去が火力である点から、パワーラインを見極める絶妙なデッキ構築が求められました。
最も素直な『赤単ヴァルボーグ』はもちろん強かったものの、このカードを4枚持っている人がほとんどいなかったため、想像以上のメタゲームが展開されました。
余談ですがこのSPルールで使用されたBGM(クリックでyoutube動画に飛びます)は非常に人気が高く、未だに販売を望む声がちらほらと聞かれます。
作曲したのはTatshさんという音ゲー界の有名作曲家で、私も好きな代表曲の一つ『冥』は(別名義ですが)音ゲー・beatmaniaの知る人ぞ知る良曲かつ超高難易度の楽曲です。
・「BATTLE ARENA」開催(予選:2020/9/12、本戦:9/13)
来る2020/9/13、ついに第一回公式大会BATTLE ARENA(クリックで動画アーカイブが開きます)が開催されます。
ちなみにこの時の定員は1024名(この記事執筆次点の最新回5thは3328名)、予選への優先参加権は前月のバルホルスカップTOP200位内(5thは850位以内)で、今以上に選ばれた者が参加できる大会でした。
その結果はベスト8の内5名が『5c天門ボルバル』、2名が『白緑ブリザード』、1名が『ドロマーウェーブストライカー』という、あまりにも極端なものとなります。
さらに言えば、ベスト4はすべて『5c天門ボルバル』と、運営としては好ましくない事態でした。
使用率2位の『青黒ハンデスボルバル』は決勝に残ることができなかったものの、上位2つのデッキが大きな要因となって前述したバランス調整の実施へと繋がります。
注目すべきは1枠決勝進出をした『ドロマーウェーブストライカー』。
これまで述べてきた通り、メタゲーム上で目立っていたのは『リース』と『ネクラ』で、そのどちらでもない『ドロマー』の構築は脚光を浴びます。
特にウェーブストライカーの切り札であるはずなのに、『リース』と『ネクラ』に採用されなかった「キルスティン」「アドラス」を加えたデッキの活躍は熱いものがありました。
また、デッキタイプの偏りがあると言えど、公の場での上位プレイヤーの高度なプレイング・ミラーマッチは相当に見ごたえのあるものでした。
はるか過去の環境のものとはいえ、見たことがない方にはぜひ視聴を勧めたいです。
・ベストセレクション発売(2020/9/17発売)
汎用カードの多く収録された構築済みデッキ・ベストセレクションが発売されます。
1つ1200ゴールドor1200ジェムで購入でき、全ユーザに無償で1つと交換できるベストセレクションチケットも配布されました。
2種類を両方とも入手すると、「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン」が1枚プレゼントされるというサービスもあり、費用対効果は非常に大きい商品としてかなり好評だったと記憶しています。
ちなみに収録カードをすべて分解した場合の合計DMPは2020年に掛けてか2020ポイント。
1パックのDMP期待値が212DMPほどと言われているので、1200ゴールド=8パックの1696DMPと比較してもコスパがよかったことがわかります。(DMP期待値についてはこちらを参考にしました)
・第1回にじさんじコラボ(2020/9/17~)
記憶は定かではないですが、たしかデュエプレリリースからそれほど時間の経たない頃からコラボはアナウンスされていたかと思います。
前回のロックマンコラボの時同様、スキンやサプライの販売、レジェンドバトルなどのイベントが実施されました。
正直に言うと私は”にじさんじ”はおろかVtuberもよく理解していなかったので、なんかかわいいのが配布ぶら下げてきたな~ってくらいの感じでした。
ただ想定以上にスキンの使用者を見かけることは多く、また、再販が望まれた(後に2021/9に第2弾コラボ実施時に再販)ことからも魅力のあるコラボだったのだと振り返って思います。
・「ボルバルザーク」最後の足掻き、EXメンテ
ベストセレクション発売、にじさんじコラボの実施、「ボルバルザーク」をはじめとする大規模バランス調整などが一挙に実施されるメンテナンスにてシステム不具合が発覚し、9/17~9/19に渡ってゲームプレイ自体が不可となります。
長期間のメンテナンスはさすがにユーザの反感が大きいと受け止めたのか、補填としては破格の50パックが配布されることとなりました。
”合計50パック”という明示的な記述が訴求性を強めており、火消しを意識したところが感じられますね。
この19日にゲームプレイは可能となったものの、ジェム・コラボ商品の購入がさらに数日間できず、せっかくのイベントもコンテンツとして手痛いスタートとなりました。
5弾環境での当たりSR
・暗黒王デス・フェニックス
環境トップとはいかなかったものの、十分強かったデッキのキーカードということもあって、当たり枠でした。
『赤黒デス・フェニックス』自体が6弾でも戦えたのはもちろん、この後も8,9弾環境で『デイガグール』などに採用されることがあり、結果として当たって喜べるカードであったと言えます。
ただ、必要な枚数が2枚かせいぜい3枚くらいまでだったこともあって、あまり当たりすぎても困ってしまうカードでした。
・口寄せの化身
緑の貴重なドローソースとして、今に至るまで重宝されるカードです。
この5弾SRの中では最も汎用性が高いカードだと評価できるでしょう。
5弾環境では『青黒ハンデスボルバル』などに数枚採用され、後に『黒緑ドルバロム』や『青抜き4cアガピトス』など、青の入らないデッキのドローソースとしてしばしば採用されます。
ただ初期型の構築で採用されるものの後に抜けていくということが多く、4枚持っていて損のないカードでしたが、活躍は地味なものでした。
このあたりはデュエプレにおける自然カードの扱いづらさを物語っているのかもしれません。
ちなみに筆者はこのカードを生成0で7枚持っています。
・邪魂王ナーガ
特にバランス調整の実施後、『青黒ナーガ』が環境級の地位となったことで価値が上がります。
独特な効果にはファンも多く、これを書く10弾EX環境でもまだ擦る人を見かけられるほどです。
紙から原型を留めないほどの魔改造を受けたにもかかわらず、愛着を持たれているのは少々不思議でもあります。
デュエプレ版の効果は未実装に終わった「陰謀と計略の手」を模しているのだと思われます。
まあまあ枠のSR
・龍炎鳳エターナル・フェニックス
まあまあ枠にするか迷うラインですが。
『赤黒デス・フェニックス』や『ソウル・フェニックス』などの色の合うデッキで進化元が共通する場合に何枚か採用されるケースがありました。
将来的には「超神星アポロヌス・ドラゲリオン」の殿堂入りの後、「ヘリオライズ・ドラゴン」からのサーチを空振りさせないための2番目のフェニックスとして1枚採用されるケースが見られようになります。
書いてからやっぱりまあまあじゃないかな…という考えが拭いきれません。
一応「デス・フェニックス」と並ぶ今弾のシークレット枠だったのですが。
「鳳」の字を「凰」にしておいてもバレない説を唱えておきます。
・英霊王スターマン
環境級とは言い難かったものの、『青白スターマン』や『エールソニアス』などのデッキで採用されていきます。
後には9弾環境で『ラッカマルコ』に採用されるケースが見られ、『ガントラビート』や『アポロ』へのメタカードとして活躍することがありました。
効果自体は強力なものなので、進化元の種族の活躍に左右された王だと考えられます。
・聖獣王ペガサス
バランス調整実施前はハズレと言えるカードでした。
しかし上方修正に相当気合が入っており、『天門ペガサス』が準環境程度の位置で活躍を見せるほどになります。
踏み倒し系デッキの元祖として未だにロマンデッキが組まれることがありますね。
この5弾環境では最終的に準々環境かせいぜい準環境くらいのデッキが構築される程度でしたが、環境で見かけられた長さはひょっとすれば五王随一かもしれません。
余談ですが、「ペガサス」の進化元用にデザインされた「ウォルポニカ」は”コストに対してパワーが低すぎる””攻撃できてもよかった”などとカードパワーの低さを指摘される対象となります。
後に再評価されたSR
・マーシャルクイーン
これまた本当に再評価されたか?と言われると怪しいところですが…
6弾にて「インビンシブル・オーラ」が登場することによって、デュエプレで初のループが可能となります。(クリックで動画が開きます)
また、「ラッキーダーツ」がトリガーを持って実装されたことで「マーシャル」と組み合わせることが可能となり、『マーシャルダーツ』というロマンデッキも誕生します。
これについては2021/6/13に開催された公式番組・配信者王決定戦にてYoutuberのflat氏が使用し、見事なコンボを決めます。
詳しくはこちらの1:38:40あたりからご覧ください。
紙では常に悪用される可能性を抱えた危ういカードですが、デュエプレでは良い意味で常に可能性が探られるカードとなりました。
・護法の精霊アムシオン
こちらも評価が上がったかと言われると難しいですが…
味方のパンプと耐性付与自体は悪くない効果で、登場以来『天門』を中心にしばしば一考されるカードとなります。
結果的に抜けていく場合が多かったのが残念なところですが、まったく環境で見られることがなかったというだけマシでしょう。
「サンゾン」や「ミルザム」の登場時に少しだけ注目される、といったこともありました。
他に2枚紹介出来ていないカードがあるのですが、その内1枚は業を背負った”笑えないネタカード”と、どう調整しても活躍させられなかった悲しいカードです。
全体を見返しても、汎用性があって誰しも喜べる性能をしたSRは「口寄せの化身」程度で、他は好みも分かれれば性能も残念な点が多いものでした。
5弾がハズレ弾と言われるのはここに由来するのでしょう。
この反省を踏まえてか、6弾以降はSRに対するデザインも少々意識が変わっていくように感じられます。
ただ、冒頭のパック概要で述べたようにSR以外の部分では優秀なカードも多く、長きにわたって様々なデッキのいぶし銀・縁の下の力持ちとして活躍していきます。
この記事は10弾EX環境期に書いていますが、11弾の実装に伴ってND環境で5弾が使用できなくなることで、また一つ大きな環境変化が起こると予想されます。
まとめ
総括すると、”ボルバル・マスターズ”のピークから大規模なバランス調整、初の公式大会にコラボの裏で深刻なシステム障害が発生と、大波乱の時代でした。
同じく対戦環境の方も非常に多様であったことは述べてきた通りです。
この5弾が最も楽しい時期であったという人もそれなりにいることでしょう。
やっていた当時はなかなか素直にそう思えなかったりもするんですけどね。
そういった意味でも振り返っていくのは大事なのだなあ、とこの記事を3週間ほどかけて書きながら思います。
私と同じように当時プレイしていた方は一緒に感慨に浸ってもらえると、そうでない方には「そんな時代があったんだな」と思ってもらえれば幸いです。
では次は6弾環境篇で。
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