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デュエプレ13弾環境考察(NEW)

※全文無料です。気兼ねなく。

こんばんははじめまして。海月です。

書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。

自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。

とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。

以下にて13弾環境の推移と簡単な解説を記していきます。

環境の変化に合わせて更新していく予定ですので、適宜参照していただければ幸いです。

全体外観

”超次元解放”と銘打たれたタイトルではあるが、その解放という言葉はあくまで序章という意味合いも含んでいる。

プールの不足する超次元ギミックが本格的にゲームの基盤を担っていくとは、その事前情報からも考え難いことであった。

専ら環境を動かす要因となり得たのは、インフレの最盛を迎えた12弾の主要デッキへの調整だ。

以下は筆者が12弾環境が成熟した頃に終わりを迎えた、ボルシャック・NEXカップで最終レジェンドに残った方々の報告結果をまとめたものである。

『リースNEX』の割合は37%に上り、記録を取り出したドラゲリオンカップ以来の約1年間を振り返っても異質なものであった。

続く『赤青剣誠』や『デイガナイト』の値でさえ普段の最大シェアに匹敵するほどの件数であり、この12弾環境の三強っぷりが窺える。

そこに上記の下方修正は大打撃であった。

『NEX』は展開力を、『剣誠』は速度を大きく失い、『ナイト』に関しては調整こそなかったものの、これら2種によって抑えつけられていたデッキに対して不利を被りやすい。

この調整のみでも環境変化がガラッと変わることが期待されたが、ここに13弾リリースというイレギュラーが重なったことで、環境変化は予測が難しいものとなった。

リリース後の流れとして、まずは超次元を採用したコントロールデッキが流行を見せる。

「シャイニー・ホール」「ボルシャック・ホール」をメインとして、『リース』『青抜き4c』『緑抜き4c』『5c』などのグッドスタッフコントロールデッキの使用者が多く見受けられた。

これは超次元ギミックをすんなり採用できたからということもあるが、長らく抑圧されていたコントロールの復権を期待して手に取った人も多かったのだと推測できる。

紙の活躍の歴史に思いを馳せた人も、経験者には多いことだろう。

「リバイヴ・ホール」「エナジー・ホール」に関しても『ドロマー』『緑抜き4c』『ナイト』などのコントロールで使用され、いずれも一定の評価を受けた。

想定通りと言えばそうであるが、それにしても超次元呪文とサイキック・クリーチャーの有用性はこれらのデッキに新たな勝利ルートを見せる良カードとして機能している。

この後述べる成果が出たかとは別の話とはなってしまうが、こと可能性とプレイの多様性という観点から述べるならば、超次元呪文が期待通り、あるいはそれ以上の役割を担ってスタートを切ったと述べることができる。

ほどなくして頭角を現すのが、これらのコントロール殺しとして高い性能を持つ『Bロマノフ』だ。

元来「Bロマノフ」は呪文系コントロールに強く「DEATHドラ」はクリーチャーコントロールに強い。

二種のデッキタイプに対応可能な『黒緑Bロマノフ』は高いポテンシャルを秘めていたが、成立した12弾環境では規制を受けた強デッキたちとの間に壁があり、準環境という位置にあった。

それらが一線を退き、新しく台頭するデッキも相性上有利が取れることが判明すれば、増加するのもまた必然である。

同じコントロール殺しといえば忘れてはならないのが『ライゾウ』だ。

こちらも『Bロマノフ』ほぼ同じタイミングで勢力を伸ばし、低速化する環境で猛威を振るうデッキとして常に意識する必要がある。

「ギフト」のND落ちも低速化した環境では相対的に大打撃とならず、再び遭遇頻度の高いデッキとなってきた。

『5cフュージョン』もまた同じポジションにあり、これらと顔を並べるビッグアクションを持ったデッキの古参だ。

先の二つと比較すれば構築の自由度がポイントとなり、多様なデッキが蠢く環境初期の中で、コントロールが多いという方向性を掴めていれば良い回答であった。

これらのいわゆる”タイムリミット系”のデッキが速度の天井を規定する流れの中で、下からの追い上げも黙っていなかった。

『赤白速攻』『黒緑速攻』はこの13弾で3ターンキルルートを確保し、低速化に待ったをかけるが如く活躍を見せていく。

『速攻』は得てして構築が収束しやすいが、この13弾では細かなチューニングも光るデッキタイプとなってきた。

3ターンキルこそ実現可能となったものの、継戦力は低めで一旦躓くと巻き返しが難しくなることも多い。

対策の定番であるトリガーを増量したデッキが増えることで、ほど良くメタゲームを回す位置に定まって行った。

『Bロマノフ』と『速攻』への回答を見つけたデッキの一つが『キリコ』だ。

「薔薇の使者」の下方修正はなかなかに手痛いものであったものの、デッキの根本的な強さが衰えたわけではない。

「オリジナル・サイン」による踏み倒し術との併用や、あるいは1枚も採用しない構築も見られた。

大敵である『速攻』には、「エンフォーサー」とトリガーで対処する。

「エンフォーサー」はブーストからの3ターン目着地はもちろん、「アマテラス」を介して4ターン目に出すこともできる。

「戦祭」はトリガーすれば『速攻』に対して高確率で2面以上の処理を可能とし、オリジンという点でも「キリコ」の進化元、「オリサイ」トリガーから出して2面止めと活きることが多い。

「戦祭」の評価見直しの影響は『キリコ』に留まらず、リペアされた『NEX』や『青抜き4cコン』などにも採用が見られていった。

『キリコ』以外に環境の突破口となったもう一つのデッキが『5cミラクル』である。

『Bロマノフ』には「お清め」、『黒緑速攻』には厚めにしたトリガーでメタを張り、有象無象の『コントロール』には各種ゴッドや「デリンダー」、その他のデッキには「キング」で先んじることが可能だ。

”『5c』が応用力を売りに出来るようになった”という点は、何よりも環境の変化を感じられる点だと言える。

こうしたメタゲームの移ろいを13弾リリース後の1週間程度で経ていった。

その結果がどうなったか、この次で見て行こう。


エンペラーキリコカップ最終TOP100

※すべてTwitter上で順位を提示した自己申告の使用デッキをカウントした結果です
※1名で複数のデッキを使用していた場合、そのすべてをカウントしています
※よって、75件=75名分の情報ではありませんので、参考程度としてください

最大の母数となったのは『黒緑速攻』であった。

この月末においては、他デッキと比較してもやはり一つ抜けたデッキパワーを持っていた。

そこに『速攻』というデッキタイプの回転率の良さと、もう一つのトップメタである『Bロマノフ』に対して構造から優位を付けやすいという理由が加われば、20%の最大入賞数も定石通りだと言えるだろう。

構築では「ゴワルスキー」「モッフル」「怒髪」を調整枠として、他主要1・2コストと「キリン」をフル採用し、トリガー枠を2~4枚程度採用するものが多く見られた。

「ナスオ」によって墓地に黒のカードを落とす戦術が重要性を帯び、探索の仕様を利用してトリガー枠を散らす(黒の探索率を向上させる)工夫も一般化している。

今後も常に上位の使用率となることが約束されたデッキだ。

二番手に付けた『Bロマノフ』は、12弾環境の立場を考えれば大出世も大出世だ。

『黒緑速攻』にこそ不利だが、その他のデッキに関して明確な不利を付ける対面はほとんどない。

黒緑というカラーリングこそ出力が安定しづらく守りが薄いという難点を抱えるが、やはり「Bロマノフ」と「DEATH・ドラ」の網羅範囲は広かった。

2色であるものの採用カードの幅は広く、意外と使用者の個性がよく出て来るデッキでもある。

たとえば初動、「ハルベルド」、「ヴィルジニア」、「グール」、「ゲーネフ」、「デスマーチ」などの枚数は基本構築の中でもなかなか定まらない。

人によってはここに「進化設計図」や「トリプルマウス」、「ヤミノザンジ」など、選択肢は十分なほどに多くある。

今後どのように研究されていくかが楽しみなデッキタイプだ。

三番手の『5cフュージョン』は、実はここまで入賞数を伸ばした実績のないデッキタイプである。

『速攻』対策には「ジャック」を3~4枚、「スクラッパー」を2枚~投入し、『Bロマノフ』には「お清め」を2~3枚ほど投入して対策を打った構築が多く見られた。

広範なコントロールには「フュージョン」による強行突破が可能であり、対応力を売りとする『5cコントロール』と比較して大鉈を振るうが如き押し付けを強みとする。

その強み故に圧迫された枠でメタカードの入る余地は小さいと思われていたが、それが覆されたのは前述の通りだ。

『5cミラクル』に1~2枚秘策として取り入れる構築も見られ、「フュージョン」の採用によるメリットが今環境では高く評価されていると判断できる。

四番手の入賞数は『キリコ』であった。

12弾環境の3強デッキに続く4番目のデッキであったが、この13弾環境でそれら3つを退けて最大の入賞数となるとは皮肉なものだ。

大敵の『速攻』を「エンフォーサー」「スクラッパー」「戦祭」で意識する構築が多々見られた。

「エンフォーサー」は『速攻』のみならず、小型獣を打点やブロッカーとして数える『Bロマノフ』や『5c』にも以外に刺さる。

その他速度を引き上げるために2コストのブースト枠を増量したものも見られ、ある程度固まった12弾環境よりも構築個性の見られるデッキタイプとなった。

同じ四番手に『5cミラクル』が並ぶ。

中堅の入賞数であるものの、『5cフュージョン』と併せれば『5c』全体の総数は15件と、『黒緑速攻』を抜く最大入賞数である。

この”見方によっては『5c』が最多”という点は注目すべきだろう。

こちらもメタカードの採用は『5cフュージョン』とさして変わらないが、「キング」と「デルフィン」を採用する余裕が生まれる点で異なる。

直近の『5cミラクル』では一刻も早い「キング」着地のために「ギフト」の採用がほぼ必須となっていた。

その「ギフト」がNDから落ちたために打撃を受けたかと思われたが、環境の後退化に伴ってそれも杞憂となった。

「デルフィン」はミラーから必殺技を持つ『5cフュージョン』の対策、各種超次元呪文を採用したデッキに対して広く効力を発揮する。

このエンペラーキリコカップ終盤においては、”回答”を一通り持っていたデッキタイプであったと言える。

『5cフュージョン』と共に、今後も環境の中心となっていくと予想される。



それ以下、件数の少ない中でも特徴のある入賞デッキタイプに触れて行こう。

3件入賞の『NEX』は未だ環境で十分戦える強さがあることを証明した。

規制に伴って登場した「ボルシャック・ルピア」を採用した構築も当初は見られたが、やはりそちらは単体パワーの不足と何より緑を持たないことが痛手だ。

この手の2コストからカードをプレイするデッキでは、先行2ターン目までにその色を引く枚数が8割を超える17枚を下限に、18~19枚の採用が現実として必要になってくる。

『NEX』にとって「ブレイブ・ルピア」が突出した性能以上に重要なパーツであったことが浮き彫りになるだろう。

その点「戦祭」は緑単色である上に、五分から若干不利に寄っていた『速攻』対策を兼ねる良カードとなった。

『速攻』『Bロマノフ』『5cコントロール』を環境上位として捉えた際、いずれに対しても対等に戦えて、かつ有象無象に意表を突かれづらかったデッキの一つが『NEX』だったと言える。

日ごとにメタが移ろう混迷とした環境の中、一位に輝いたのは入賞数2件のまさかの『白騎士』であった。

『白騎士』は単色のテーマデッキということで露骨にデザインされたデッキであり、単体性能も粒揃いであることから当初活躍が期待されたデッキでもある。

だが、リリース当初はこの手のデッキが苦手としやすいコントロールデッキが台頭したことで逆境から始まり、その後は一部の上位帯で使われていたものの影を潜めていた。

私の許にもエンペラーキリコカップ終了前から一位のデッキ情報はいくつも入ってきたが、その中には「白騎士ってマジ?」と疑念を持つ声も多くあった。

端的に言えば『白騎士』というデッキは難しい。

環境上のトップメタにはクリーチャーコントロールの大敵「DEATH・ドラ」を要する『Bロマノフ』が君臨し、もう一つのトップデッキである『黒緑速攻』さえ、本来有利対面であるにも関わらず引きとトリガー次第であっさりと負けてしまうことがある。

それでいてTier上で次にやってくる『5cコントロール』の「ゼンアク」を越えるのは難しく、「キング」などもよく刺さると来る。

デッキの特徴を並べても、

  • 単色故に触れるゾーンに限界がある

  • 「ピラー」、ドローソースへの依存度が高い

  • ターン1枚プレイが基本の構造

といったネガティブな要素を多く持つ。

しかし、かの高完成度デッキ『白青メカオー』が環境上で特別有利な対面を持たずとも長寿の活躍を見せた(何なら、ほぼどの環境でも個別の相性を見れば微不利~五分の方が多かった)ことを鑑みても、このデッキには同種のにおいを感じ取ることができる。

レート1800到達、最終一位という結果が今後どう影響して来るかは未だわからないが、後に振り返ってこの成果がモニュメントとなる可能性は秘めているだろう。

『キリコ』『NEX』以外の12弾環境のデッキの行く末も見て行こう。

『ナイト』は『デイガ』2件と『白黒』1件の計3件が入賞している。

どちらにも共通する注目要素は「リバイヴ・ホール」だ。

「ランブル」の覚醒条件は「アヴァラルド」や「グローリー」とシナジーがある上に、そうでなくとも1/3のクイズは珍しくなく当たる確率だ。

「チャクラ」と違ってブロッカー除去を受け付けない「ランブル」は除去にほぼ確定除去カードを必要とし、覚醒後はバトルでの対処を受け付けない耐性持ちフィニッシャーとなる。

『ナイト』におけるフィニッシャーとして「シーザー」の突破力は時間を経る毎に評価されて続けていったが、「ランブル」はそこに競ってくるほどに『ナイト』の攻撃力を補強した。

また、「リバイヴ」の回収効果も、クリーチャーの不足しがちで、ナイトマジックの性質上除去がされやすいこのデッキでは重宝される。

『ライゾウ』『Bロマノフ』といった対面は変わらず不利寄りであるが、練度を高めたプレイヤーが扱った時の強靭さは一級品だ。

『赤青剣誠』は下方修正による打撃を最大に受けたデッキといっても差し支えない。

12弾環境までの主流であった前寄せ型は明確にキルターンが遅くなったことが痛手で、「モノノフ」に関しては0~2枚の構築が模索された。

不遇に見舞われたかと思いきや、クロスギア対策が減ったという朗報がしっかりとあるのは救いだ。

主だったカードは「龍神メタル」のみで、前寄せであればその着地前に、後ろ寄せであれば「ソウジ」や各種侍流ジェネートによる展開、「ザンゲキ」をキープする工夫などによって抵抗可能な範囲である。

極端に不利を付ける対面もなく、前ほどの出力はないものの一定の対面に有利を取れる優秀なビートダウンとしての力は未だ持つ。

最新のカードこそなくとも、「ボルット」「ソウジ」「ツバエガエシ」「ザンゲキ」「ゴエモン」「剣誠」など、名目コスト以上の役割を果たすパワーカードは多い。

今後も環境で見かけ得るポテンシャルは持っていると言えるだろう。


マイナーなデッキの入賞にも目を向けてみる。

12弾の数少ないユーザデッキの一つである『リーフコントロール』は、1件ながら高順位で実績を残している。

「リーフ」+「ガブラ」の強力なアドバンテージ稼ぎを武器として、些細だが「キュート・ウィスパー」による強化も入った。

ハンデスがほとんど警戒されずに各種マッドネスが姿を消したことも追い風となって、コントロールの地力を見せつけてくれた。

『5c』にも共通することだが、フィニッシャーの枠をゴッドで補った構築はまだまだ健在だとここからもわかる。

クローシスカラーは得てして『速攻』やビートダウンに弱い構造となるが、厚めのトリガーでそこも対策されており、見られる対面も多いだろう。

ALLでは白を加えた構築も入賞しており、「ベガ」「キング」「デルフィン」などのより対応範囲を広げた構築が可能なのも魅力である。

2件の入賞が見られたのが、継続的な強化パーツを得ている『ジャイアント』だ。

『速攻』と「DEATH・ドラ」が弱点になる=環境上位のデッキに対して不利を付けるというのは難点だが、怒涛の打点展開はコントロール殺しとして光るものがある。

この13弾では「ユキハナ」「アスラ」「ダヴィンチ」と、同種族内でも優秀なカードを多数獲得した。

特に「アスラ」の評価は高く、『ジャイアント』における必須パーツとして採用が広まっている。

初動のみがいつまでも苦境のデッキではあるが、そこを乗り越えた時の爆発力は環境トップと言ってもいいほどだ。

異色のデッキとして目を引いたのは「ブリザード・ムーン」を採用したデッキである。

『青黒』が2件と『青単』の1件がそれぞれ採用しているが、特に『青単』はこのエンペラーキリコカップの遺産とも言える特徴的なデッキだ。

テンポビートと銘打たれたように、バウンスで妨害を挟みながらドローで展開を止めずにビートダウンを続けるデッキだ。

バウンスはクリーチャーコントロール全般に有効で、多量のドローによる継戦力と進化獣の連投は多少のトリガーをもろともしない。

単色故の単調なデッキかと思いきや、多様な戦術を取れる優秀なデッキに仕上がっている。

プランの多さはこの手のデッキを評価する時のポイントだ。

  • 「エボリューター」→「ウィスパー」+「リーフ」→「神羅ブリザード」

  • 「エボリューター」→「クウリャン」→「マルコ」

  • 「トリア」→「エボリューター」→「羅月ブリザード」

相手依存でない理想・準理想プランがいくつも挙がってくるのは、完成度の高いユーザデッキにしばしば見られる特徴でもある。

大きく不利を付ける対面が現状ないことからも、これからの躍進が期待されるデッキタイプだ。

特にカード単位で見た際に、「リーフ」「マルコ」「ブリザード・ムーン」は今後も新たなデッキ誕生のキーとなり得る、知識の宝庫としての水文明を体現したカードである。


ボルシャックメビウスカップ最終TOP100

エンペラーキリコカップは13弾リリースから一週間ほどで終わりを迎え、可能性のすべてを明らかにすることはなかった。

結果は以下の通り前月の結果を引き継ぐ形となったが、ここに至るまでの経緯は単純なものではなかった。

特筆すべきデッキの一つが、今回1位の使用デッキとなっていた『ドロマー超次元』だ。

大まかにバトルアリーナを目前とした4月中旬頃から兆しを見せ、アリーナ直後から一挙にその存在を知られることなる。

ナイトの強固な基盤を共有しており、ハンデスに対する警戒が緩む中で的確にその隙を突いてきた。

防御も並以上に固く、サイキック・クリーチャーのわずか5コストで出せるフィニッシャーとしての性質を存分に活かしている。

また、ナイトの本家である『デイガナイト』も同時期にその強さを再認識されてきたデッキであった。

もはやNDにおける使用者の練度の差が出やすいデッキとしての知名度は十分であるが、『Bロマノフ』『ライゾウ』『5cフュージョン』が跋扈する環境ではさすがに苦しいかと思われていた。

だが、実際には不利は不利なものの、その差を埋めることができないということはなく、強者であれば一定の勝率が出せることが判明した。

そうしたプレイヤーにとっては、相性が並以上のデッキに対しての勝率はさらに高いものとなる。

奇しくもこのデッキがアリーナで優勝したことから、それ以降はハンデス対策のカード・デッキも流行り始めたが、総じて最上位層で好まれたデッキタイプであった。

一方、まったくの新生ではないが、この13弾環境の中心である『Bロマノフ』は大きな構築変化を迎える。

それまでの初動定番であった「フェアリー・ライフ」は大方の構築で抜け、その枠に「進化設計図」が入り、ブーストと肥やしは「ボーンおどり・チャージャー」や「ボーン・アミーゴ」に譲って「ハルヴェルト」やトリガーの枠が抜けていった。

特に「進化設計図」の評価向上は著しく、このカードが現在の『Bロマノフ』の構築方針を規定していると言っても差し支えない。

ある程度のマナがたまった状態から毎ターンのように進化獣を投げ続けることも可能となり、高い攻撃性を持つようになった。

「デスマーチ」も4枚投入がすっかり板につき、このデッキの縁の下の力持ちとして縦横無尽に活躍している。

トリガーの枚数は減少したが、そこにもこの「デスマーチ」の活躍が起因していると言えるだろう。

前月と比べて活躍の目覚ましかったデッキには『キリコ』もある。

構築は「オリサイ」4と「薔薇の使者」2、各クロスギアが1といった形でテンプレートが確立している。

5~6ターンでの「キリコ」着地はかなり安定しており、捲りが悪くとも立て直せるだけの力と余裕が今環境ではある。

入賞数は大きく増え、最上位のデッキと言っていい存在になった。

肩を並べる位置には『黒緑速攻』がある。

デッキの性質上環境の煽りを受けやすく、このボルシャックメビウスカップ中にも好天と悪天を繰り返していた。

最終的にはメタ構築をされていた『5c』系統や『白騎士』が減少し、幾分恵まれた状況でフィニッシュを迎えることができた。

『速攻』という追い込みに使いやすいデッキタイプも影響するだろうが、この月末では特に増加が顕著であったと感じる。

構築の変化は少ないものの、こちらでも「進化設計図」を採用し、高コストトリガー枠を闇の進化獣に変えるユニークな派生が登場している。

本来正反対とも言える性質を持つ『Bロマノフ』と『黒緑速攻』が、「デスマーチ」を介した末に「進化設計図」でつながるのは非常に面白く感じられるところだ。

一方で前月から大きく使用率を下げたのが『5cフュージョン』と『5cミラクル』だ。

あらゆる対面にメタを張れるのがエンペラーキリコカップでは強みとなった。

だが、環境が固まる中でそれは器用貧乏となり、構築が割れたことからプレイ面での対策もされやすくなっていった。

途中『黒緑速攻』『白騎士』『ナイト』といった分のいい対面が増えた時もあったものの、最終的に環境上で優位を付けられる対面は少なくなってしまった。

この結果もある程度納得の行ってしまうところである。

その他好調な活躍を見せたデッキを見て行こう。

『リースNEX』は前回の3件から今回6件と、少数ながらも堅実な増加が見られた。

一か月間の様々な環境変化の中でも、”特別な不利対面がない”というアイデンティティが活きた結果になったと感じられる。

「バルキリー・ルピア」や「クロスNEX」の入ったチューニングが見られるようになった点も面白い。

また、同ツイート内にある『武者NEX』は環境外の刺客であり、5/1に実施されたユーザー大会では優勝という輝かしい成果を収めた。

5件入賞の『ジャイアント』は、もはやマイナーデッキの域を抜けてきたと言ってもいいだろう。

構築は多様化しており、2コストに「幻緑の双月」を入れたものや白のトリガー枠を工夫したもの、「バリアント・バデス」を銀の弾丸として採用したもの、白を切って青緑に振り切ったものまで見られる。

『キリコ』が不利な対面となるものの、『Bロマノフ』に対する活路もあり、コントロール殺しとしての性質は変わらず強みとして活きている。

『青単サイバー』はエンペラーキリコカップで彗星の如く現れたデッキであったが、このボルシャックメビウスカップでも始終メタゲームに加わってその強さを証明した。

タッチ白として「コルテオ」を入れた構築が一般的となり、次第に「エンペラー・キンタ」や「レジェンダリー・デスペラード」をアレンジしたものが見られるようになる。

今期最大の成績を収めた構築では「ル・ギラ・レシール」が採用されていたが、これは不利対面の『ライゾウ』や、環境に多い進化獣に対して時間を稼げる良カードとして様々なデッキで機能していた。

ことこのデッキに関しては、リソースをふんだんに稼げる点で少ない採用枚数が気になりづらく、1ターン稼げれば勝利し得るというところで上手い採用だったと感じられる。

また、この独創的なデッキはさらなる派生も生み出した。

コントロール色の強い黒が加わって”リソースを稼ぎながらビートする”というコンセプトが強まっているのは面白いところだ。

前述の「ル・ギラ・レシール」の役割を、攻撃も可能でわずか1コストの「バインド・シャドウ」が担っている。

デッキのほとんどのカードのコストを下げる「ロミュナス」も面白いカードである。

華々しい『Bロマノフ』たちの活躍する表舞台の裏で、『青単サイバー』の遺伝子はしっかり過ぎ行く13弾環境の墓標にその名を刻んだと言えそうだ。


環境デッキリスト

記載順は環境上でのTier(総合的な強さと流行度)を加味している。

だが、現環境はデッキ間の強さが比較的拮抗しており、12弾の頃の3強環境のような排他性はない。

相性も含めてTierの下位のデッキでも十分勝ちうる環境だと評価でき、今後の新デッキの登場も期待できる。

なるべく客観性を意識しているが、個人視点のため、参考程度に。


速攻

NDのランクマッチでは最も意識しなければならないデッキタイプの一つ。

だが、メジャーな『黒緑』に関しては以前のように暴力的な打点を並べることはなく、低コストとスピードアタッカーで序盤から攻撃していく、従来通りの『速攻』に回帰してきた。

そのため、序盤であれば「スクラッパー」「グレンオー」などの全体除去トリガーでなくとも「ジャック」などの汎用トリガーを少し踏んだだけで足踏みしてしまうケースも多い。

進化速攻による詰め性能強化の代償とも言えるだろう。

環境のトリガーも多様化したことで、攻撃順による裏目の読みがシビアになってきている。

構築はほぼ固定化されているが、トリガー枠と一部2コスト帯には個性も見られる。

『赤白』『赤緑』もそれぞれ「カゲキリ」による3ターンキルルートを獲得しており、カウンターができることや「エンフォーサー」を乗り越えやすい点など、それぞれに強みがある。


Bロマノフ

『黒緑速攻』と並ぶ環境トップメタデッキ。

本来苦手な速攻に対してもトリガーの増量で抵抗でき、環境上に目立って不利となるデッキはない。

安定性に欠ける部分もあるが、緑によるブーストと墓地肥やし、ほとんどドローソースを持たないという点を鑑みればそれでも十分すぎるほどに安定した強さがあると言えるだろう。

「デスマーチ」は序盤の攻撃から防御に最終段階での詰め、時には「スカル・ムーン」の進化元や相手の「キング」に対する生贄としても活用可能な万能札だ。

そのポテンシャルを評価して枚数を増やし、デッキの進化獣枚数が増えたことで「進化設計図」を採用する構築も増えている。

トリガー枠では「ヤミノザンジ」を投入するものも見られるようになってきた。

「ヤミノサザン」とは別種の除去トリガーカードであるが、ここでも”死神”の名称を持つ「デスマーチ」がシナジーに一役買って来るのは面白い点だろう。

より死神に寄せた「ボーン・アミーゴ」も、単体で「Bロマノフ」の召喚コストを用意し得る性能に、攻撃可能な中パワーのブロッカーと便利なカードだ。

構築多様性を持った、多少のメタを跳ね除けるだけの力を有するデッキだと言える。


キリコ

理不尽系のデッキとしては出力が抑えられた分、『ライゾウ』以上の安定感を持つ。

下方修正された「薔薇の使者」を採用する場合は「オリジナル・サイン」との併用が、採用しない場合はその分初動を厚くした構築が多々見られる。

トリガーを厚くする形は、だんだんと「エンフォーサー」の方に重きを置かれるようになってきた。

『キリコ』のデッキ速度的に中速はまだ間に合うが、『速攻』をノーガードで凌ぐことは極めて困難だ。

「エンフォーサー」は『黒緑速攻』に対して「キリコ」着地を間に合わせる時間稼ぎができるだけでなく、「サファイア」を阻む小型クリーチャーも貫通できる。

「サファイア」が出せなかった時の立ち回りなどはプレイングが要求するところであり、意外な奥深さもあるデッキだ。


5cフュージョン

メインとなる2種類の「フュージョン」の枚数は2~4枚と幅が広い。

『5cミラクル』のような遅い対面やミラーが増加した時には増量を検討したい。

『5ミラクル』ほどではないとはいえ、5色のグッドスタッフとして多様なトリガーとコントロールカードの採用が可能だ。

対面時は各コスト帯にどのようなカードがあるかは常に念頭に置いたプレイが求められる。

「サンダー・ムーン」の採用はどちらかと言えば少数派であるが、決して珍しいということもない。

マナから「フュージョン」を使用できるメリットはもちろん、場に進化元さえいれば計12コストと「フュージョン」の手打ちより早く、「キング」などの進化獣を踏み台にすれば10コストで出てきて意表を突く。

対面によっては「羅月」の状態で除去に窮することも多く、「ミラクル」→「デリンダー」→「羅月」→「神羅」の動きは対処不可能なデッキも多い。

白単色である点はデメリットであるが、採用に値するだけの強みを持ったカードだと言える。


5cミラクル

デュエプレにおける『5cミラクル』は加速してパワーカードのゴッドを投げつける『ターボゴッド』という別名(場合によっては蔑称)を持っていたが、この13弾では様相を変えてきている。

環境上で有効なメタカードを採用できる点が強みとなり、コントロールとしての性質を回復していると言えるだろう。

トップに位置する二大黒緑への対抗策を持っているのはもちろん、不利気味となる『5cフュージョン』に対しても「デルフィン」などで抗うことができる。

広範に突き刺さる「キング」を採用できるのも大きな利点だ。

『5cフュージョン』と比較した場合、その他では「フュージョン」周りのスペースには除去カードや超次元呪文、5コスト2000サイクルが採用されるケースが多い。

「執拗なる鎧亜の牢獄」は一定数いる超次元に対して高いパフォーマンスを発揮する上に、色基盤としても非常に優秀だ。

超次元呪文は「ボルシャック・ホール」が3000除去と覚醒条件がビートダウンへの牽制となり、「シャイニー・ホール」は単体で脅威かつ『黒緑速攻』に対して優秀なブロッカーとなる「チャクラ」を使え、「エナジー・ホール」はコントロール対面にリソース面とLOで圧を掛けられる。

5コスト2000サイクルは警戒の緩んだハンデスで意表が付けるだけでなく、「ベガ」であれば盾追加でビートへの耐性強化、「トリプルマウス」であれば緑を確保しながら5→7で「キング」に繋がるムーブを作ることができる。

いずれも1枚で複数の役割を期待できるカードの候補が多く、今後も上級者ほど最適なチューニングを図って好んでいくデッキになると考えられるだろう。

新進気鋭の『青単ビート』に対しても「翔天」などを詰めるのは、このデッキならではの長所だと言える。


ライゾウ

タイムリミットを定めるデッキとしては『フュージョン』のお株をすっかり奪ってきた。

この13弾では「バベルギヌス」を獲得し、「ギフト」を失った。

『5c』は環境の後退化によって「ギフト」がなくとも「キング」が間に合うようになったと書いたが、こちらも同じ恩恵は享受している。

環境上で評価の高まっている「ゼンアク」や「キング」に対して、「ネオングライド」や「ドルボラン」といった青の除去カードを採用する構築も見られるようになってきた。

ランクマッチ・大会ともに11弾環境に続いて台風の目となると予測されるデッキだ。


ナイト

12弾3強デッキの中では唯一の無規制デッキであった。

13弾では低速化によるコントロール殺しデッキが息を吹き返したことで立場を悪くしている。

構築の変化は12弾からさほどなく、前述したように不要となった「幻獣砲」を抜いて、そこに「リバイヴ・ホール」あたりが入ってくる構築が一般的だ。

他のコントロールデッキと比較した場合に、この「リバイヴ・ホール」と「シーザー」による突然のリーサル形成が強みと言えるだろう。

12弾では高いプレイング力を以てすれば最強とも言われたデッキであるが、この13弾でも通用し続けるかは見物である。


NEX

「ブレイブ」の弱体化後もそのまま採用する構築と、「ボルシャック・ルピア」でリペアを図った形が見られる。

リソース面での補給こそ弱くなったものの、回った時の動きは以前と比べてもさほど弱ったわけではない。

12弾の『NEX』が『速攻』から『コントロール』まで一通り網羅できたように、出力が落ちてもその性質はまだ残している。

『速攻』と『Bロマノフ』を見た時に、これまでのデッキであれば『ガントラビート』が良い候補として挙がってくるが、『NEX』は12弾にて『ガントラ』の上位互換とまで言われたデッキだ。

コントロール殺しの「ライジング」をサーチする手段が乏しくなったのは痛手だが、ようやく適切な強さに調整されたとも言える。


青単サイバー

単色デッキ故にチューニングの幅広くはないが、元の形からいけば「アクア・バースター」と「ブリザード・ムーン」の増量は視野に入ってくる。

それ以外で行けば「クリスタル・アックス」もよくデッキに適合したカードだ。

軽減の乗った「トリア」+「マルコ」と同コストになってくる点は気になるが、アンブロッカブルが活きる環境変化があった時には採用を検討したい。

単色であることに意味を持っているデッキではないため、「スパーク」「コルテオ」「グレンオー」などのトリガーをタッチする構築も考えられる。

バウンスによるテンポ型のデッキが環境進出を果たしたのは『ラッカマルコ』『テクノロジー』(前者はともかく後者はビートですらない)、さらに遡ればデュエプレ黎明期にまで辿ることとなる。

今後の行く末が楽しみだ。


ジャイアント

ADが本領発揮の場となっているが、パーツ強化によってNDでも活躍可能な域に到達してきた。

最大の戦力は「アスラ」で、リソース補充、使用可能マナの生成、盾追加、進化による即時攻撃可という複数のメリットが高く評価されている。

デッキを3枚削る点は気になるものの、3枚ほどの採用が一般化してきた。

同期のカードでは「ユキハナ」も1~2枚の採用が多く、「アスラ」にマナカーブが繋がる点でも併せて組み込まれる場合が多い。

それぞれ使用可能マナを増やせる点から、「ユキムラ」を絡めた急な打点を生成できる点が魅力だ。

ジャイアント意外のトリガーの枠は「スパーク」がよく見られるが、新カードの「セレスト」や「スクラッパー」にしているものも見かけられる。

色の合う部分では超次元にも有効な「サーファー」は今環境で評価の高いトリガーカードとなり、不利対面となる『黒緑速攻』への対策にも有効だ。

また、「バリアント・バデス」も高パワーのジャイアントに相性がよく、急なリーサルを形成するカードとして1枚採用する構築がまれに見られる。


赤青剣誠

いわゆる前寄せ型、後ろ寄せ型、共に未だチャンスを持っているデッキと言える。

環境上位の『速攻』『ロマノフ』こそ重くなるが、ギア破壊カードが減ったことで『コントロール』や速度勝ちできる『ライゾウ』などには戦いやすい。

前寄せ型は「モノノフ」はほとんど見られなくなり、空いた枠を「ツバメ」や「グレンオー」で補う。

後ろ寄せ型は根本的に初期の『剣誠』の形に回帰し、そこに「トモエ」を加える程度で形を成す。

ランクマッチ視点で見た場合には上位2デッキへの対策は考えなければならないが、大会視点であれば増加しやすい『コントロール』と『ライゾウ』に有利を付けやすい。

失墜したと思われたところでガードも低くなっており、サムライの反撃が期待できる。


白騎士

デザイナーズ故構築はほとんど固定化されてきている。

高コスト帯の「ウッズ」「白騎士スパーク」「ウルフェリオス」「ミルザム」あたりのカードの採用枚数が個性の出て来るところとなる。

中でも「ウッズ」は3~4枚ほどと多く採用するのが定番化してきており、『白騎士』の打点力を補強するカードとなっている。

「白騎士スパーク」は現状「スパーク」自体がそこまで強くない環境ということもあって2枚積みが多いが、ミラー等への需要が上がれば今後採用が増えることもあるだろう。

「ウルフェリオス」は1~2枚の少なめの採用が多くみられるが、ターン1プレイが基本となるこのデッキで横展開ができる点はアイデンティティがある。

「ミルザム」は唯一に近くカテゴリー外のカードとなるが、単体パワーは屈指で「ステリオス」を採用しない場合は唯一の盾追加カードでもある。

その他では「シャイニー・ホール」「ル・ギラ・レシール」あたりは環境を見て採用を検討できるカードだろう。

プレイが肝要となってくるデッキではあるが、取れる戦略が限られているからこそ構築は一層重要だ。


トリガーHDM

極端なデッキタイプであるが、環境での活躍はそれなりに長い。

ALLでは『黒緑速攻』に対して構造から有利に立ちやすく、しばしば見かけられるデッキタイプであった。

『黒緑速攻』がNDでも躍進を遂げるなら、こちらにも分があるだろう。

『Bロマノフ』に対しても、一方的な攻めを受ける形にはなるが、耐えうるだけの力は持っている。

構築に関しては、トリガーを20枚前後として意外に拡張性を持っているところで「ゼンアク」や「デルフィン」などの採用も検討できる。

LOを勝ち筋に見据えている都合上、『5cフュージョン』『キリコ』『ライゾウ』の受けが不可能に近いまでの押し付けがある環境では適しているとは言い難い。

しかし、これらに目を瞑れば一定数のデッキに対して優位を取りやすいという点は抑えておくべきだろう。


4cコントロール

青抜きの場合は兼ねてより”ギフトキング”の相性で親しまれたデッキタイプから「ギフト」が抜けた形となる。

強みを一つ失ったとはなるが、その分他のカードにスペースを割く枠もできた。

「お清め」「ジャック」「戦祭」「キング」などの、これまでに述べてきた上位デッキメタカードは一通り採用でき、呪文ロックの「デルフィン」と最強フィニッシャーの「破壊龍神」もあって、理論上全方位外交が可能という利点は失っていない。

超次元呪文を一定数採用する枠があるのも強みとなってきた。

その場合は相性の良い「ボルシャリオ」と、そこから派生して「ヘブバイ」も構築に織り交ぜやすくなっている。

黒を抜いて超次元呪文を増やした『リース超次元』も、理論上は多くのデッキタイプを見る構築が可能だ。

緑抜きの方は序盤の超次元の流行によって純正の除去コントロールとして組まれる傾向が見られたが、環境の移ろいによって『カウンターHDM』に近い構築へと変化してきた。

今は少々下火となってきたが、超次元対策として最も適性のある「執拗なる鎧亜の牢獄」を歓迎して採用できるデッキでもある。

超次元呪文を採用する場合は「シャイニー」「リバイヴ」「ボルシャック」に加えて「エナジー・ホール」もLO戦術を取る上で採用候補となってくる。

青抜きに比べると速度が出ない点で対面の理不尽な動きを咎めづらい難点ところがあるが、環境の後退化は朗報だ。

対面不利は多いが、派生も含めて今後も環境上で一定数見られると考えられる。



おわりに

12弾から一転して13弾の環境は非常に多様なものとなりました。

13弾リリース二日後に取ったアンケートでは、概ねこの環境を好意的に受け止めている人が多くいるようです。

また環境が成熟してきた段階で再アンケートを取りたいと考えていますが、未だその時は来ていないと思われます。

12弾環境が環境外のデッキが付け入る隙の小さいものであったのに対して、13弾の多様性がどこまでユーザの工夫が入り込む余地があるのか、まだまだ楽しみです。

この記事がその創意の一助に、あるいは執筆次点で間もなく開催されるBATTLE ARENA考察の参考なれば幸いです。


最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。

無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけると大変嬉しいです。

いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。

それではまた。


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