新カード解説①(デュエプレ15弾)
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
15弾の新カードの考察第1弾です。
指標はこんな感じ。
9点~10点 → 壊れ性能。環境トップレベル。
7~8点 → 優秀。環境でもよく見かける。
5~6点 → 悪くはない。癖があったり、デッキや環境次第で採用される。
3~4点 → おそらく環境では見ない。地雷枠や限定構築に活路を見出す。
0~2点 → 見なかったことにしていい。
基本的にはグッドスタッフ性とカードパワーを焦点にしているため、コンボ前提のカードはこの評価の限りではありません。
また、評価はするものの、用途の紹介や背景ストーリーでの活躍を中心としていきます。
それでは以下、本題です。
聖黒獣アシュライガー
事前評価:7
FT:二つの姿を持った獣は一つの口で肉を食らい、別の口では魂さえも貪る。
紙からの変更点はありません。
このカードのFTを見て「トリプルマウス」を思い出す人はどれくらいいるんでしょうね。
特に関連性はありませんが、「トリプルマウス」が落ちるタイミングで登場するのは面白いところです。
…と思ったのに、先日発売されたスーパーデッキ・『マスター・オブ・ロマノフ』にしっかり再録されているようです。
「口寄せ化身」もNDで使えれば夢の”口デュエル”デッキが作れたかもしれません。
くだらないことはほどほどに。
ただ、この3種のカードを取り入れたとした場合の白黒緑のネクラカラーで組むこと自体は悪くありません。
コスト軽減は早期に出すほど費用対効果が大きく、2コストブーストから3ターン目に出せる動きが理想となります。
エンコマ・デモコマ共に7コストからが本番の重量級カードが多いので、このカードによって2→4→5の動きができるようになるのは朗報です。
特に注目されるであろうカードは「キング」。
「アシュライガー」が多色であることから、進化元にしながら最速4ターン目で着地させることが可能です。
「キング」はターン1制限を受けたデュエプレでも強力で、未だに着地さえ間に合えば勝利に繋がるという対面も少なくありません。
もちろん相方である「クイーン」の早期着地にも貢献し、こちらは6コストであることから多色濁りコミでも可能です。
そう簡単にできる動きではないでしょうが、一つ遭遇し得る脅威ムーブとして意識する必要は出て来るでしょう。
また、これらの動きは4ターンの最速を意識したものですが、仮に2コストブーストが引けないといった場合にあっても4ターン目に「アシュライガー」を出して5ターン目の着地ができます。
5ターン着地は今までの最速と同じ速度なので、これをテーマとしたデッキと対面した際には仮に3ターンパスが続いたとしても安心できない状態が続くでしょう。
5ターン着地で十分と見るならば、わざわざブーストに8枠以上を取られてしまう自然を採用せずにドロマー・デイガカラーで組むといったことも可能です。
3コストに優秀なカードが増えてきたので、3ターン目に「ジェニーダーツ」を撃ってから4ターン目に「アシュライガー」を召喚したり、3ターン目に「ミルアーマ」を立ててから4ターン目に5コストホール呪文との分岐を作るのも面白いでしょう。
「キング」「クイーン」にこだわらずとも、優秀なエンコマ・デモコマは多く、今後も継続的に新規の登場が期待できます。
このカードによって株を上げるカードも出てきそうですね。
パワーも4500と高く、呪文で除去するにはほぼほぼ確定除去カードが必要となってきます。
「ストーム・ホール」あたりの火力が流行ってくると立場は悪くなってくるかもしれませんが、現状かなりの強みとできる点です。
「ドラヴィタ」にバトル負けこそしますが、それもデッキがクリーチャーコントロールに寄るならばさほど気にならず、「ハンゾウ」での除去も狙えます。
システムクリーチャーとしては総じて強力な性能をしており、エンコマ軽減の先達「ヴォイジャー」にも劣らない活躍の期待できるカードです。
ちなみに、このカードが紙で登場したのは2010/12/18で、「キング・アルカディアス」がプレミアム殿堂入り(禁止)になったのは2010/5/15です。
紙では不可能だった4ターン「キング」がデュエプレでどう実現されるのか、見物と言えるでしょう。
死神明王ガブリエル・XENOM
事前評価:6
FT:Zに操られ、光の力を手に入れた白くも禍々しきXENOM。かつての矜持は失われていた。
紙からの変更点は、1コスト下がった点とレアリティがUCからRに上がった点です。
普段はレアリティには触れないのですが、このカードは性能の高さに反してレアリティが低いことが魅力の一つだったカードでした。
Rに昇格してしまったことを残念と感じるか栄誉と感じるかは人それぞれですが、FTではショッキングな事実が判明しています。
このカードが死神名称を持っているにもかかわらず、進化元や効果が死神カテゴリーに関係ないことは当時から不思議な点でした。
再録時も含めてFTがなかったことからその詳細は語られていなかったものの、今回「ディアボロスZ」率いるZ軍によって籠絡され、あまつさえ背反する光の力を与えられていたことが判明しました。
ちなみに、この後紹介するカードが光文明を持つように、当初連合軍側だった光文明の一部は反逆してZ軍についています。
14弾の「ヤミノストライク」の解説で触れていたように、死神は次第にZ軍に屈するようになることはわかっていましたが、そのトップである「XENOM」がこれほどの辱めを受けていたとは…
死神ファンからするとZが憎くてたまらなくなるかもしれません。
性能の評価に移ります。
進化獣を評価する際はその効果を分解することで強さが解析しやすいです。
このカードの効果はちょうど該当するカードに分解ができます。
合計8コスト相当の効果を発揮できるのはなかなかのもので、墓地肥やしとハンドリソースの確保が黒という色にも相性が良く、コスト論以上の活躍を考えることができます。
攻撃と効果で2回破壊を行えるのはタップクリーチャーへの攻撃時に特に強く、「GENJI」の如く「チャクラ」を完全破壊することも可能です。
直近で活躍の見られた進化獣とも比較してみましょう。
「XENOM」は1コスト上がるものの、条件を満たすことで「チェインスラッシュ」(5コスト)+「タッチ」(2コスト)×3=11コスト分
「アスラ」は同コストでシールド追加(2~3コスト)+マナブースト(2コスト)+1ドロー(1~2コスト)=6~7コスト分だが、すべて見て選ぶことが可能かつ攻撃の必要なし
といったものなので、6コストで8コストの効果を得る「ガブリエル・XENOM」に関してもそう悪くない効果だと判断することができます。
黒の入るエンコマ・デモコマデッキでは採用を検討できるカードとなるでしょう。
ネックとなってくるのは、回収対象がエンコマ・デモコマに限定されるという点です。
これによってほぼ種族デッキでの活躍が限定されるので、特定デッキ以外ではパフォーマンスが悪く、活躍が難しくなります。
また、何と言っても今が超次元による呪文主体の環境となっているため、先ほどの「アシュライガー」も含めてデッキが成り立つかどうかは評価の分かれ目になると考えられます。
余談ですが、思わぬところからエンコマを種族元に持つことが判明したものの、紙ではもう少し進むと(デュエプレでは18,9弾あたり?)闇のエンコマもテーマとして登場します。
「アシュライガー」のところでも書きましたが、エンコマ・デモコマ共に優秀な種族であるため、種族デッキとしてこれらが環境進出する際には採用考慮できるカードとなりそうです。
悪魔神王バルカディアス
事前評価:8.5
FT:聖霊王と悪魔神の力を持つ絶対なる破壊神。真なる混沌と破滅の時が訪れる。
紙からの変更点はコスト2下がった点です。
先ほど「ガブリエル・XENOM」のところで貼った14弾の「GENJI」の評価記事に書いた通り、背景ストーリーでは「ロマノフZ」が「バロム」と「アルカディアス」を融合した中ボス的な位置づけのクリーチャーであり、「ファイナル・ストームXX」を打ち破っています。
「ファイナル・ストームXX」の後を継いだのが「GENJI」であり、水・自然を併せた3文明連合軍の結束でどうにか「バルカディアス」を討伐します。
数々の苦難を乗り越え、実際のカードとしてもかなりパワーの高い「ファイナル・ストームXX」を倒しただけあって、「バルカディアス」も派手な強さを持ったカードです。
効果も「バロム」の闇以外破壊から全破壊、「アルカディアス」の光以外の呪文封じから呪文全封じへと強化されました。
盤面リセット効果は極めて強力で、呪文を封じることからも14弾環境流行りの超次元コントロール系を完封し得る性能をしています。
紙では踏み倒し手段を持ったカードを「ドラヴィタ・ホール」で回収しながら、進化元とできるサイキッククリーチャーを出す動きができました。
デュエプレではこれらのカードは登場していないこともあって、コストが減少したことは妥当だと言えるでしょう。
ほとんどの場合で8コストを払って出す必要が出てきそうです。
種族デッキで組む場合は、デザインされているように「アシュライガー」を噛ませて5ターン程度の着地を目指すことが可能です。
このサイズの呪文封殺カードが5ターンで着地すれば機能不全に陥るデッキは一定数存在するので、これだけ見てもある程度環境で戦う力はあると想像されます。
早期の「キング」「クイーン」着地に次ぐカードとなりますが、これらより着地難度が高い点は考慮すべき点です。
グッドスタッフとして使う場合には、コントロール系デッキでハンデスなどを行い切った詰めとしてサイキッククリーチャーなどを進化元として着地を狙う使い方が考えられます。
こちらは『除去コントロール』系で「HEAVEN」が使われたのと同種の使い方になるでしょうか。
除去に加えて呪文封殺が付いてくるので、制圧力は「バルカディアス」よりも高いと言えます。
一度着地を許すと、その影響力は「ドルバロム」「アルファディオス」に劣らないものであるため、着地可能なマナ帯となった際には対面側は常に注意する必要が出て来るカードです。
ただ、どういった使い方をするにしても注意しなければならないのは、このカードが自軍まで含めて盤面を更地にしてしまう点です。
フィニッシャーとして運用する場合は折角築いた盤面を全リセットしてしまうので、諸刃の刃として自身へのデメリットにもなりかねません。
特に色が合う「キング」などと併用する際には、ロックの共存のためにコストの高いこちらを先に出さねばならなくなる点で取り回しの難しさがあると考えられます。
また、近頃見る機会はめっきり減ったものの「ガルザーク」のようなpigで除去を撃つカードは天敵になり、盤面が必然的に1体になることから返しの「ヘヴィ」なども厄介なカードとなります。
「HDM」が苦手としたように、「スカルムーン」も弱点になりますね。
ただ、これらのいずれも14弾環境で超次元の波に押されて採用率が落ちているのは朗報です。
使用の際には同種族の「パーフェクト・ギャラクシー」や「ハンゾウ」、各種解除持ちのサイキックなど、耐性持ちとの組み合わせも考えたいところです。
ただし、サイキッククリーチャーを進化元にすると、「サーファー」などでバウンス除去を受けた際に進化元が不在となってしまう点は注意しましょう。
総合的に判断すると、窮地からの逆転の一手になり得るものの、攻めの手段としては癖のあるカードです。
このカードの特性のどこに重きを置くかで、構築も早出しを狙うか、コントロールの果てに出すのを狙うか、構築のサブとして扱うか、メインとして扱うかなど変わってくるでしょう。
汎用性という言葉からは少し離れますが、こうした多面性を持ったカードは貴重な存在です。
バルカディアス・チャージャー
事前評価:7
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
イラストはティザームービーにも映っていた通り、「ロマノフZ」が「バルカディアス」を召喚する様子を描いたものですね。
マナブーストは2コスト相当なので、3コストのチャージャーは空撃ちするだけでも最低限の仕事をこなし、一定の評価をすることができます。
特に白黒という色はマナブーストから最も遠いところにあるため、それだけを以てしてもこの効果は貴重です。
「アシュライガー」のところでネクラやドロマー型の構築が基本になると書きましたが、このカードと他のカードでリソースを確保できるなら白黒の2色でも成立可能と考えられます。
疑似ドロー効果はエンコマorデモコマという縛りを持つので、採用するデッキがどれほどこれらの比率を高められるかが評価の底上げに貢献してきそうです。
普通に種族デッキを組めば限界値は28枚くらいになるので、ドロー率はそこまでやって単純計算70%。
実際はもっと減るでしょうし、エンコマ・デモコマが重量級で枚数を積みづらい点を鑑みても、回収率50%くらいが関の山でしょうか。
「ハンゾウ」は回収対象でありながら手打ち・トリガー共に一定の活躍が期待できるので、このカードを採用するデッキでは半ば必須と化して来るかもしれません。
マナカーブから考えるならば、3→5の動きにちょうどいい有用な5コストのエンコマorデモコマが実装されるかもしれませんね。
先ほどの「アシュライガー」に繋げても8コスト以上のカードを続けて出せるようになるので、多色濁りをケアでる点で悪くないです。
5コストの「リバイブ・ホール」に繋げば、回収効果を外していた場合でも「ランブル」の覚醒補助にできます。
いくら貴重なブースト手段とはいえ、あまり回収に期待できない構築での採用は難しいと考えられるので、今回追加されるカードプールに期待がかかります。
熱湯グレンガル
事前評価:6
FT:疾風の如く、グレンオーに力を与える大切な盟友!
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
元となったのは紙の優良カード「熱湯グレンニャー」でしょう。
効果はまったく違うものになっていますね。
効果自体はSA付与と強力な効果ですが、対象は”モンスター”限定。
別カードゲームと混ざりそうですが、デュエマで場に出す生き物は”クリーチャー”なので、この”モンスター”とは種族にモンスターという言葉が入るものを指します。
対象となるのは各文明に存在する以下。
全文明にいれば…と思うかもしれませんが、多くの人が聞きなじみのないと感じるように、かなりのマイナー種族ばかりです。
デュエプレでは14弾時点でこの効果の対象になる3コスト以下は計14枚。
その内4枚は攻撃できず、1枚は素でSAを持っています。
将来性のある種族でもないのでこの弾でいかに対象のカードが追加されるかにかかりますが…「ケングレンオー」をサポートするためだけに存在するのではあまりに味気ないです。
書いてあることは悪くないのに、というのはマイナー種族によくあることですが、このカードは1年以上前の「スウザ」よりも雲行きが怪しく感じられます。
シンカイペロ
事前評価:6
FT:グレンオーの成長を傍で見守る、優しき友達。
デュエプレオリジナルカードとして登場しました。
これも先ほどの「グレンガル」同様に「ケングレンオー」をサポートするカードです。
一つ目の効果はささやかな墓地メタで、このカードとデザイナーズコンボの組まれている「ケングレンオー」を墓地からデッキに戻すこともできます。
一番下に置くのはシャッフルしてしまうので意味のない挙動ですが、これは山上に置いてからシャッフルした紙の「エクストラ・ホール」を思わせますね。
メインとなるのはドロー効果で、このカード自体でも1ドローは保証されています。
「ケングレンオー」はタップスキルによって進化していくカードなので、このカードを出したターン中に横の「ケングレンオー」が進化できれば、1ターンで2枚ドローを狙うことができます。
それなりのパフォーマンスだとは言えるでしょう。
気になってくるのは「ケングレンオー」を成長させていく中で、横でやることがドローなのか?ということ。
当然これを主体としたデッキは「ケングレンオー」の育成に重きを置くため、どちらかといえばやりたいことは相手の妨害や耐久です。
ドローはそこからかなり遠いところにある効果で、シナジーは薄いと判断できます。
そんなことは開発側も百も承知のはずなのですが…現状思いつく設計意図がありません。
「アクア・ハルカス」が1コスト重くなった代わりに墓地メタを持っていると思えば、単体でまったく活躍しないカードというわけでもないですが…
基本的には『ケングレンオー』デッキ専門となると考えられるので、まったく見かけないということもざらにあるかもしれません。
ケングレンオー~出発=
事前評価:5
FT:どんな困難が待っていようとも、全て乗り越えれば成長の糧となる。決意を込めて歩き出す、今が出発の時。
紙からの変更点はありません。
「ケングレンオー」という自身の効果で進化していくテーマの第1形態です。
遊戯王がわかる人に言えばレベルアップモンスターといったところでしょうか。
名前もややこしいので、初見の人はまず面食らってなかなか覚えられないと思います。
とりあえず5段階ある内の1段階目がこのカードと次に紹介するカードです。
紙に存在するものを一覧にするとこんな感じ。
基本的には上から下の任意のカードに進化できます。
といっても青の5コストとPSマークのないものは今回おそらく登場しないので、左側縦一列+横一行目の「水遊び」だけになると思われますが。
当然ですが、紙ではこのテーマを組むのに1~5段階のすべてのパーツを複数枚入れる必要があったので、デッキの枠の食い具合が尋常ではありませんでした。
デュエプレでは1段階こそ単体カードなものの、2段階目以降は1枚のカードに集約されたので、最大でも12枠で済むようになりました。
第1段階の「出発」はバニラカードな上に標準以下のパワーで、実質起動が3ターンとかなり脆く悠長です。
順調に2ターン目にプレイできるか、あるいは先ほどの「グレンガル」のようなサポートでSA付与して運用する必要があります。
ケングレンオー~水遊び~
事前評価:5
FT:炎の熱さを知るために、水の冷たさを知る。そのための水遊び。
紙からの変更点はありません。
先ほどの「出発」と同じ第1段階です。
勘違いしやすいですが、「出発」も「水遊び」も進化先は同じなので、初動が8枚使えると思いましょう。
「グレンガル」を先に立てられればこれも最速の3ターン目に進化を起動することが可能です。
「出発」と比較すると些細ながらルーター効果を持ち、手札の上位カードを山に戻すことができます。
また、パワーも2000あるので「ローズ・キャッスル」を回避できたりと、コストが増えるものの差別化のできる性能です。
ワンケングレンオー~月下咆哮~
事前評価:6
FT:月下咆哮。幼き勇士は勇敢な戦士を目指し月夜に叫ぶ。
紙からの変更点は、進化元にモンスターが追加された点です。
これによって第1段階の効果からでなく、このカードから始発させることも可能となりました。
手札から進化して出した場合は即タップスキルで次の「天地鳴動」に進化できるので、第1段階を構築に含めずに済む点で活躍の可能性を思わせます。
ただし、名称指定の進化となるため、「無垢の宝剣」などの何にでも進化できるカードでも進化元にすることはできません。
汎用性の高い所で言えばサイキックの「ヤヌス」などがいるので、このSRカード4枚のみで構築する際は重要となるかもしれませんね。
性能自体はバニラなので特筆する点はないですが、ここからは前の段階から効果で出された場合にタップして場に出ることとなります。
「メタルコックのタイマー」を使えばそのまま次の形態に進化できるので、ロマンよりのコンボですが覚えておきましょう。
ケンゴウグレンオー~天地鳴動~
事前評価:6
FT:天地鳴動。敵を薙ぎ払う剣の音が天地に響く。
紙からの変更点は、ソウルシフトという進化元のコスト分だけ自身のコストを下げるキーワード能力が削除され、そのまま記載されるようになった点です。
このソウルシフトという能力は有用なカードも多く、期待した人も多かったと思われますが…若干希望が絶たれてしまいました。
まあ、先発してる「ダヴィンチ」も同じくソウルシフトではなくなっているので、そこを見ればまだ期待できるのかもしれませんが。
ややこしくなってきますが、これによってこの形態からタップスキルの他にコストを払っても進化ができるようになります。
つまり、5コスト払えばタップスキルでなくとも場に出すことができ、その後タップする気を使えば1ターン中に2度進化ができるようになります。
(ただし、ルナティック進化やゴッドのように1枚から効果で進化できるわけではなく、手札からもう1枚を乗せる必要があります。公開された動画のみからではわからなかったので要検証ですが。)
順調にマナカーブを描くならば、
といった感じで、最速5ターンで第5段階の最終形態まで持っていくことができます。
消費するカードは1枚の「①」と2枚の「②~⑤」と、1枚のブーストor軽減カードの計4枚コンボです。
3ターン目に「①」を出して動く場合は3枚消費に抑えて6ターン目の完成となります。
3枚のカードを使う5ターンのコンボと言えば常に「アポロ」が比較対象となってきますが、1年半前に登場したあちらがゲームセットまで持っていくのに対してこちらは少々優しい気がします。
6ターン目の完成も、14弾環境の多くのデッキが6ターン前後にキルターンを据えていることからも悠長です。
ここから「ケングレンオー」自体はあまり大した強さではないのではないか、と推測することができます。
この形態からタップスキルにオマケ効果が付くので、それとサポートが合わさった時の活躍に期待したいですね。
ただし、先ほど「月下咆哮」で述べたように、第1段階を経由しないことも可能で、これによって使用の幅は広がっていると考えられます。
また、現実的かは別として、「イカズチ」と組み合わせることで1ターン中に第5段階まで進化することも可能です。
ゴウケンオー~剣々轟々~
事前評価:6
FT:剣々轟々。数多の剣が立ちはだかる敵を粉砕する。
紙からの変更点はありません。
コストが17と異様に高くなります。
ただし、実際はコスト軽減効果を持つので場に出す際に必要なコストは7で済みます。
性能はブロッカー破壊と割かし活躍の場が限定的なものです。
一応この後の第5段階で攻撃を通していくために場を切り開くことは可能ですが、理想的に動いてこのカードが早期着地する場合はブロッカーがさほどおらず、ゲーム終盤で着地させる時には自分の敗北がかかっているという状況が想定されます。
次の第5段階が耐性を持つのでこの第4段階までの弱点が、除去に何の耐性も持っていないという点です。
特にティザームービーから判明している通り、非常に汎用性の高い除去カードの「ガンヴィート」がこの15弾で登場することとなっています。
せっかく育てていた「ケングレンオー」をあっさり除去されてしまうと悲しいものです。
幸いにしてか、今回「ワンケン」以降が1枚のカードにまとめられたのでアドバンテージ損失はある程度少なく済みますが、それでも失うテンポを考えるとなかなかにきついものがあります。
それ込みで「シンカイペロ」によるやり直しが想定されているのならかなり悠長にも感じられてしまいますが…
公式動画で紹介されていたように、進化する横で「クシナダ」などによるサポートを添える必要はありそうです。
「天地鳴動」同様、オマケの効果としては環境によって刺さることもあるかもしれません。
ケンゲキオージャ~究極火焔~
事前評価:6
紙からの変更点は、攻撃時のバトル効果が追加された点と、EXウィンの条件が相手の”バトルゾーンにあるクリーチャーの能力”から”相手のクリーチャーの能力”に変えられたです。
後半の意味は伝わりづらいですが、この修正によってバトルゾーン以外のゾーンで発動する効果による除去でもEXウィンできるようになりました。
コストは25と途方もないほどのサイズになります。
「HDM」でも22だったので、なんだかかなり遠くまで来てしまった気がします。
もちろん25コストそのまま払って出すことはなく、「剣々轟々」を進化元にして手札から出す場合は実質8コストです。
デュエプレ初のEXウィン持ちとなりましたが、実装されなかった先輩には「ユニバース」、同世代には「アレフティナ」や「J・イレブン」といったカードが紙には存在します。
まさかデュエプレでは…と思われていたところでの登場だったので、今後これらの登場も期待できるかもしれません。
性能は着地の難度に見合ってさすがに破格で、22500火力を放ちながら実質的なアンタッチャブル効果持ちとして相手を追い詰めていくことができます。
早期に着地した場合はそのまま攻撃を続けていってもいいでしょうし、コンボ的に使うなら公式が紹介していたように「イモータル・ブレード」によるスレイヤー付与などを活用することとなるでしょう。
特殊な効果故にルールもややこしいので、扱う場合や環境で見かけられる場合は処理を把握しておく必要があります。
・自分のカードの効果によって能力を付与された相手のクリーチャーに破壊されてもEXウィンは発動する
これは公式が先んじて解説していましたね。
「ケンゲキオージャ」に攻撃時バトル効果が追加されたことからも、これがデザインされた使い方なのだと想定できます。
・「ランブル」による置換破壊を受けてもEXウィンできる
「ランブル」は置換効果によってどんな相手でも粉砕可能ですが、「ケンゲキオージャ」の効果は”離れた際に勝利する”ものであり、効果の範囲があくまでバトルの「ランブル」効果の範囲外です。
・相手の「オルゼキア」などによって自身で選んで破壊する場合もEXできる
効果の発生元がどこにあるかに着目すると、このあたりは迷わずに済みそうです。
ここまではEXウィンができる場合で、以下はできない場合です。
・バトルに負けた場合はEXウィンできない
パワー23500以上に負けることはもちろん、「マルシアス」などによって無敵クリーチャーに敗北した場合も発動はしません。
・クリーチャーおよび呪文以外による効果の破壊ではEXウィンできない
数は限られますが、城やクロスギアによる除去が対象となります。
・パワーマイナスによる破壊ではEXウィンできない
そうそうないことですが、パワーを0にされたことによる破壊は効果でなくルールによるものです。
「デンデン・パーカッション」が「ファントム・バイツ」で破壊されてしまうのと同じ道理になります。
根底のルールを理解してしっかりテキストを読んでいれば迷わないでしょうが、初見だと面食らうこともあると思うので注意しましょう。
5段階の過程を経るカードの5段階目ということで、さすがに出せれば勝利が見えるカードです。
なので評価の軸はやはりこのカードよりも出す過程の方に注目すべきですが、その難しさとリターンは「天地鳴動」のところで触れた通り。
このままでは環境入りは難しいと考えられるので、「天地鳴動」のみを採用した形がどこまで現実的かも事後評価では重要となってきそうです。
いわゆるネタ枠やカジュアルコンボ向けとして収録するには、だいぶ収録枠を食っているので死にテーマとならないことを願いたいです。
まとめ
覚醒編の最終弾がメインとなるということで、この15弾は「バルカディアス」はじめ印象の強いカードが多く登場することでしょう。
「ケングレンオー」はまさかと思った人も多いでしょうが、デュエプレ初のEXウィンは期待と不安の両方を抱かせるものです。
開発としても試金石としている部分はあると思われるので、まずは正常に動作するといいですね。
よろしければ次回の②もどうぞ。
それではまた。