キング・アルカディアスカップ最終ND24位、AD4位・77位【ラッカマルコ】解説
※全文無料です。気兼ねなく。
こんばんははじめまして。海月です。
書いているのがたいてい夜なのでこんばんはとしておきます。
自己紹介はあまり意味を成さないと思うので省略します。
とりあえずデュエプレはサービス開始当初からプレイしていて、毎月マスター到達するくらいです。
今回はキング・アルカディアスカップにて、りろ(@Relo2nd)と私が使用した『ラッカマルコ』について解説していきます。
今期の実績は以下の通りです。
・前期 NDレート1704・17位 ADレート1705・3位(りろ)
・前期 ADレート1675・83位(海月)
・後期 NDレート1704・24位 ADレート1722・4位(りろ)
・後期 ADレート1683・77位(海月)
・15連勝以上2回(りろ)
・10連勝以上1回(りろ)
・10連勝以上3回(海月)
最終日に使用していた構築は以下です。(上がりろ、下が海月使用)
構築解説
■電磁星樹アマリンα
このデッキの初動兼アタッカー兼「マルコ」の進化元兼「アガピトス」からの呼び出し先です。
3500のパワーラインが非常に優秀で、速攻プランを取る際には「魂と記憶の盾」までトリガーを踏まなければ除去されないアタッカー、中盤以降は「アガピトス」のタップキルと組み合わせて「ヴォイジャー」を超えるパワーで貢献します。
現環境でこのカードは序盤から終盤まで簡単に処理されないため、ある意味このデッキ最強のビートカードと言えます。
軽量なことから7マナ時の「マルコ」進化速攻として使える点も優秀です。
■クゥリャン
キャントリップ(1ドローする能力を持ったカード)の「マルコ」進化元ということで、「マルコ」実装時に最も想定される進化元です。
リソースを失わないアタッカーということで強力ですが、速攻プランを取る場合には「烈流神」や「アマリン」を優先する場合も多く、「ジャック・アルカディアス」の除去範囲である点がネックです。
基本4枚運用していたものの、調整枠として終盤私は2枚「ブレイン・チャージャー」や「アクア・サーファー」に変更していました。
「アクア・ハルカス」の同型再販が微妙に感じようになるとはデュエプレも進化したものだと思わされます…
■コメット・チャージャー
現環境最強のチャージャーです。
「アマリン」→「コメチャ」→「マルコ」や、「コメチャ」→「トリア」→「マルコ」、普通に使っても「アガピトス」の最速着地に貢献します。
除去効果も速攻プランを取る時に出される「エル・カイオウ」、「ムルムル」、「ジャックアルカ」「ボルシャリオ」を除去でき、中盤~終盤も「アガピトス」やお供のブロッカーを除去できて非常に優秀です。
このデッキの唯一単色の赤としても重宝します。
■ブレイン・チャージャー
りろの発案で終盤のみ、「クゥリャン」2枠と入れ替えて採用していました。
このデッキはビートプランを取らない場合に「アガピトス」スタートや「トリア」「マルコ」スタートをすることがあるので、そこに繋ぐカードとして白羽の矢が立ちました。
リソースを確保して6マナに繋ぐという点で元々優秀な「コメチャ」以上の活躍が見込める、悪くないカードだと考えます。
また、これによって強力な動きの一つである「ヘブンズ・ゲート」からの「アガピトス」2体出しも実現性が高まります。
紙を知っている方向けの例えになってしまいますが、『シータバーンメア』に「ガチャマリン・チャージャー」が採用されていたのと同じ感覚だと感じています。
■聖騎士ヴォイジャー
メインの軽減効果で「アガピトス」を早出しするのが主な用途なのは説明不要でしょう。
相手の除去を誘うデコイ力が強く、サイバーロード+「ヴォイジャー」という盤面を作るとかなりの率で「ヴォイジャー」が除去対象にされるため、次ターン残ったサイバーロードを進化元に「マルコ」を着地させることができます。
速攻プランを取る際に「アガピトス」の影を見せつつ「ジャックアルカ」に焼かれないパワーを持ったキャントリップ持ちで強力な上に、コントロールプランを取る際にもリソースを失わない除去札の的として有用です。
このデッキは多色がそれなりにあるために「アマリン」→「クゥリャン」→「ヴォイジャー」と234で動けることは少なく、それでいて除去のされづらさから「クゥリャン」より「アマリン」を優先することも多いです。
これは後に1ドローできる「ヴォイジャー」が控えていることも影響していると感じるので、逆説的に「クゥリャン」の価値を下げてしまったカードです。
ただ、それでもりろの構築が3枚採用なように、以下の理由から枚数を減らしていたことがあります。
・軽減対象が結局「アガピトス」のみ
・「マルコ」の着地が見える際、除去対策としてサイバーロード2体を置いておきたく、「ヴォイジャー」を出す暇がない
・基本的に1枚プレイできれば十分
強力なカードには変わりませんが、減らしてもよいカードだとは言えます。
■ジャック・アルカディアス
言わずと知れた最強トリガー獣です。
基本的に他デッキでの運用と変わりません。
トリガーして強く、「ヘブンズ・ゲート」から出せて強く、システムクリーチャーを除去できて強く、速攻プランを取る際に除去と打点を兼ねて強いです。
特に『黒緑速攻』対面ではこのカードをどれだけ手札と盾に持ってこられるかが勝負の分かれ目にもなり得ます。
このデッキでは(他デッキでもしばしばですが)少ない赤持ちということで重宝します。
先攻後攻にも寄ってきますが、マナ埋めするタイミングが非常に難しいカードの一枚です。
■エンペラー・マルコ
このデッキの切り札兼エンジン兼妨害札で、あらゆる意味でデッキの核です。
初手に引けた場合は、このカードをどうやって着地させるかのプランニングがゲームの流れを左右します。
着地後はたいてい手札が潤沢になるので、後述する様々なプランから最適なものを選択してビートダウンしていきます。
手札補充に目が行きますが、バウンス効果もやはり強力です。
先行を取った場合に4ターン「マルコ」着地すれば相手の盤面は大体の場合で1体なので、バウンスしてそのまま2点入れてトリガーを踏まずに次ターン再度「マルコ」を出せればほとんど勝利が確定します。
3枚ドローは本当に大きく、数々のプランを机上の空論に留めなくする力があることを、使用すれば実感できます。
■トリア
このカードが最軽量でありながら最初に書いていないのは、主な活用が6マナ時に「マルコ」と併用して進化速攻の種とするからです。
1体目の「マルコ」着地後に次ターン2体目の「マルコ」着地成功率を上げるために3枚入っています。
ADでは『黒緑速攻』もいるため、序盤から牽制する役割も果たします。
また、終盤に軽量ブロッカーとしても活用でき、「マルコ」でバウンス+「トリア」の展開などで、並べて来る対面のリーサル狂わせを狙うことができます。
この手のデッキが絶望的な「キング・アルカディアス」の着地後も、「トリア」を犠牲にすることで打開可能な可能性があるため、非常に用途の多いカードです。
■連珠の精霊アガピトス
こちらも説明不要の強カードです。
「アマリン」を出して3点揃えることが重要で、余裕を持った着地ができると一気に形成を有利にできます。
ゲーム中盤(6~7マナ帯)までは「アガピトス」+「アマリン」を一挙に除去する手段は「コメチャ」+「魂と記憶の盾」くらいの組合せになってくるため、着地させればたいていはどちらかを次ターン場に残すことができるでしょう。
「アガピトス」が残ればシステム効果持ちの2点、「アマリン」が残れば「マルコ」の進化元となるため、とにかく「アガピトス」に関しては出すだけ得なカードと言えます。
どんな対面の際にもほとんどマナ埋めしたくない、「マルコ」と並ぶかそれ以上のキーカードです。
■ヘブンズ・ゲート
「ヘブンズ・ゲート」には”守る「ヘブンズ・ゲート」”と”攻める「ヘブンズ・ゲート」”があると常々考えています。
もちろんどのデッキで使用する場合にも両方の意味合いを持ってくるのですが、このデッキは特に後者が強いと感じます。
チャージャーを使用した場合の詠唱ターンは5ターン目になりますが、そこで「アガピトス」「アガピトス」「アマリン」「アマリン」と並べることができれば、返せるデッキはそうありません。
この4体で攻め切れる場合も多いですが、仮に失敗しても後に説明する「烈流神」でとどめを刺すことができます。
盾を割り切ってしまうことが第一の目標であるため、その目的にかなった展開を実現するカードです。
また、このデッキはあくまでビートダウンです。
特に『ガントラビート』対面では「烈流神」や「マルコ」を駆使して積極的に殴った後、盾「ヘブンズ・ゲート」から余裕を持った打点を揃えてカウンターできるのは、攻守の両方をこなしていると言えるでしょう。
半面、デッキの白のブロッカーが8体のため、せっかくトリガーしても使えないという点は諸刃の剣として理解しておく必要があります。
4枚積んでいるもののゲーム中に2枚以上プレイすることはほとんどないため、割り切った使い方をしていきましょう。
■アクア・サーファー
色合わせ兼トリガー嵩増し枠です。
色合わせとして考えるべきは、このデッキの理想ムーブの一つが4ターン目の「マルコ」着地で、主に以下の2つのルートがあるということです。
・「アマリン」→「コメチャ」→「マルコ」
・「コメチャ」+「トリア」→「マルコ」
これを成功させるために、1つ目のルートの場合、先行だと6枚ドローするうちに「マルコ」+進化元+青マナの計3枚が必要になります。
青が18枚の時に3枚引いて来られる確率が57%、青が20枚なら67%です。
6割を切るとせっかく「マルコ」と進化元を引けても着地できない可能性が高くなるため、7割近くの安定性を期待できる20枚入れた方が良いと思います。
もちろん、この動きには「コメチャ」が入ってくるので赤の枚数も気にする必要がありますが、何百回とこのデッキを使う中での体感で、とりあえず”青は可能なら20枚”という結論にたどりつきました。
トリガーの枠としても重要で、ADで特に多い『黒緑速攻』対面に安定して勝ちたければ、「ヘブンズ・ゲート」以外のトリガー2枚くらいか「ヘブンズ・ゲート」1枚のトリガーが欲しいです。
4枚積みの「ヘブンズ・ゲート」がトリガーする確率が43%、6枚積みの「ジャックアルカ」と「サーファー」が2枚以上トリガーする確率が15%なので、合計して58%・約6割になるここが『黒緑速攻』に勝ちやすくなるラインだと考えます。
『黒緑速攻』に対しての総合的な相性は微有利程度と感じるため、このラインを保つべきです。
この対面を重く見るならば、「クゥリャン」や「ブレイン・チャージャー」とトレードオフで増量してもよいカードだと言えます。
他にも『メカオー』相手に「ヘブンズ・ゲート」をちらつかせて出てきた「ギガブリザード」のバウンスや『5c』の「ゼンアク」のバウンスなどにも使用できますが、「マルコ」で事足りることが多いため、基本的には引いてしまうとマナに送られてしまいます。
プレイ率は低いものの、抜きがたいカードです。
■烈流神
このデッキが赤を採用する大きな理由となったカードです。
主な利用法は「マルコ」や「アガピトス」で盾を割っていった後の7マナ即時リンクで、詰めとして使用します。
「マルコ」の進化速攻と併せた実質SA2点7枚体制のため、一度「マルコ」を着地させられれば攻め続けていくこともしばしば可能です。
速攻プランを取る際にもモヤシ効果を持った打点として序盤にプレイしやすいカードです。
『ガントラビート』対面では先行を取った際に早期に攻めていくことが重要となり、序盤のマナ帯で「アラゴナイト」の相打ち以外で処理されないリンク速攻は相手に圧を掛けることができます。
また、「マルコ」の早期着地を狙う場合には「魂と記憶の盾」のデコイとしても使え、サイバーロードを守ることも可能です。
このカードを出されて放置できるデッキは現状存在しないため、機を見て積極的にプレイしていくべきカードだと言えます。
ゲーム中1枚のプレイが基本のために3枚としていますが、色も優秀なため、4枚目の採用を視野に入れてよいカードです。
このデッキの行動パターンについて
あなたは自分が使っているデッキがどのように動く選択肢を持っているか、きちんとイメージできていますか?
これの如何がそのデッキを最低限理解できているか、勝負のスタートラインに立てているかどうかの分かれ目だと常々感じています。
この『ラッカマルコ』は最大コストも6で、デッキパワーが高いデッキではありません。
が、回す際の選択肢の多さは他デッキと比べても群を抜いていて、それがこのデッキの最大の強さだと感じます。
以下にざっと列挙してみます。
■5マナ・6マナ(「マルコ」着地前)までのルート
・2コスト「アマリン」→3コスト「コメチャ」→5コスト「マルコ」
・3コスト「コメチャ」+「トリア」→5コスト「マルコ」
・4コスト「ブレチャ」or「コメチャ」→6コスト「トリア」「マルコ」or「ヘブンズ・ゲート」or「アガピトス」
・2コスト「アマリン」→3コスト「烈流神」or「クゥリャン」→4コストリンクor「ジャックアルカ」or「ヴォイジャー」or「アマリン」「アマリン」(速攻プラン)
・2コスト「アマリン」→3コスト「クゥリャン」or「烈流神」→4コスト「ヴォイジャー」→5コスト「マルコ」or「アガピトス」(速攻中速切り替え可能プラン)
■6マナ(「マルコ」着地後)のルート
・「トリア」+「マルコ」
・「アガピトス」
・(「ヴォイジャー」を先に出していれば)「ヴォイジャー」+「アガピトス」
・「ヘブンズ・ゲート」ブロッカー×2
・「サーファー」
・「コメチャ」+「ジャックアルカ」or「アギョウ」or「ヴォイジャー」or「アマリン」×2
7マナ以降になれば「烈流神」のリンク速攻をはじめ、「アマリン」「マルコ」、8マナで「コメチャ」+「アガピトス」、「コメチャ」+「トリア」+「マルコ」などの動きも見えてきます。
これだけのルートを相手要因(シールドをブレイクされる)なしで実現できることが、「マルコ」の可能性を無限に感じさせる最大の強みです。
ランクマッチはもちろん、CPU相手に一人回しをしても次々に新たなプレイルートに気づける点で、私がこれまで触ってきた多くのデッキと比べても一線を画していると感じます。
このデッキの弱点
コスト順に適正なカードをプレイしていくデッキ、かつ白青赤という妨害性の薄いカラーリングのため、理不尽ムーブに対して何もできないということがあります。
3ターン「カチュア」や4,5ターン目の「メツ」や「ゼンアク」、ガン周り『フュージョン』や『5cランデス』などのビッグムーブにはどう足掻いても勝てないということがあります。
また、環境からは減りつつあるものの、序盤のハンデスや除去普段が豊富なデッキ相手がきつく、『ドロマーザマル』などは大敵とも言える対面です。
除去についてさらに言えば、継続して火力を飛ばし続けてくる「ボルガウル・ジャック」も除去手段が限られる、相手にしたくないカードです。
が、上記の行動を行うデッキがメジャーデッキとは言い難い部分もあるため、対面した際には割り切りが重要です。
裏を返せばこのデッキは堅実な動きに定評があり、それはこれまでの環境デッキとも比肩するものです。
『メカオー』が苦手とする動きが共通してくるあたり、このデッキの性質は『メカオー』に近いものがあるのだと感じます。
不採用カード(採用候補カード)
■英霊王スターマン
元々は「マルコ」と「スターマン」が両立するデッキでしたが、抜けてしまいました。
理由は『アポロ』の失墜に伴って活躍先が『ガントラ』など限定的で、それも「ガルベリアス」のアンタップに貢献したり「烈流神」に押し切られたりするところで、価値が高いとは言い難い面があるからです。
多色枚数にも気を配っていたこともあって、採用するなら2枚くらいはほしくなるこのカードは割とあっさりと抜けていってしまいました。
ただ、現状でも着地すれば少々相性の悪い『ツヴァイ』に活躍したりと、悪くない活躍を見せることがあります。
環境を見て思い出したいカードです。
■予言者キュベラ
使ってわかる器用カードです。
普通に出して1枚で2面止めることはもちろん、トリガー「ヘブンズ・ゲート」の「アガピトス」から出せば4面を止められます。
タップしているクリーチャーに自爆特攻を仕掛けて盤面をこじ開けたり、「スターマン」を採用している場合には1コストの進化元になったりと、とにかく器用さが目立つカードです。
が、枠を見いだせなかったことや、色々とシナジーが狙える「スターマン」が抜けたこと、単純に低コストが増えてデッキパワーが落ちる点で抜けることとなりました。
不採用後も大きく困ったことはなかったため、抜けっぱなしとなっています。
■光陣の使徒ムルムル
状況によってピン挿ししたりしなかったりしていたカードです。
主な用途はもちろん「アガピトス」からの踏み倒しで、組み合わせてパワー9000の「アガピトス」で広い範囲のクリーチャーをタップキル可能になります。
このデッキの弱点は高パワーが相手盤面に並んだ時に対処しづらい点なのですが、「ムルムル」のために解決するということがあります。
加えて、このデッキは「アガピトス」を1ゲーム中2回出すところまでは想定しておきたいデッキです。
通常構築が「アマリン」4枚で、このうち1枚は引く、2枚リクルートすると考えると、「アマリン」計2枚盾落ちor3枚以上公開ゾーンに見えてしまうのは痛手となります。
その事故をケアできる5枚目以降の2コストカードが「ムルムル」です。
また、『黒緑速攻』相手では「トリア」や「ジャックアルカ」を強固な壁にするほか、「ヴィネス」によるブロッカー破壊のデコイとして「アガピトス」を守ることにも貢献します。
複数枚割いても良いスペックは持ったカードですが、白単色である点で枠を割けずに抜いている場合が多かったです。
■雲上の精霊オービスγ
「ヘブンズ・ゲート」から出せるブロッカーが8枚は少なめなこともあって、カードパワーの高さから目を付けました。
もちろん悪くない強さを持ったカードなのですが、
・「マルコ」の次ターンに「ヘブンズ・ゲート」を使わないと素出しできない
・「ヴォイジャー」の次に出すにも単色埋めする余裕がない場合が多い
・このカードを入れるために削れる色がキツイ
・少なくともこのデッキでは「アガピトス」の下位互換
という4つの理由から、何度か採用を試すうちに不採用が固定化されました。
「アマリン」を採用していることから最低限のシナジーが期待できるのは悪くない点です。
■血風聖霊ザーディア
「オービス」とトレードオフなカードですが、「オービス」が枠を見出せなかったことからこちらも不採用となりました。
共通するのは、トリガー「ヘブンズ・ゲート」をした時に2面以上を守れるという点です。
ADにいる『黒緑速攻』や『白緑ブリザード』、『ガントラビート』を見た時に盾追加と自ターンで出した場合の火力が強力な一方で、多色である点と素出しが難しい点がネックとなります。
「オービス」よりは基本こちらに軍配が上がると考えますが、それでも他のカードに枠を割く都合で抜けました。
このカードに救われる勝負があったことも少なくない、良い選択肢の一つです。
■ボルメテウス・武者・ドラゴン
このデッキの強力な動きの一つが5マナで「マルコ」着地後の6マナ「トリア」+「マルコ」です。
「ボル武者」は除去で疑似的にその動きを再現でき、プランを増やせる点で優秀なカードです。
が、どうしてもスーサイド効果がビートダウンの多いAD環境できつく、抜けていくこととなりました。
不遇をかこっていたヒーロー性の高いカードなので、どうにかして使いたいという思いはあったのですが…
「ボル武者」を採用するならば、若干のシナジー兼「アガピトス」から出せる打点として「アシガ・ルピア」も採用圏内となります。
■ガルベリアス・ドラゴン
現環境6コスト火文明の最大のパワーカードだと思います。
が、能動的に効果の使用を狙いづらい、マナカーブ上に生存率の高い火のクリーチャーがいないデッキの場合は慎重になるべきだと考えます。(私は『ドリームメイト』に採用するのも否定的です。)
通しやすい2点としての役割も「トリア」+「マルコ」、「烈流神」で十分だと感じたため、不採用としました。
このデッキでは「ジャックアルカ」「マルコ」「アガピ」で盤面を整理することも多い点で、なお効果を発動させづらいです。
『ガントラビート』が環境に多かったという点は効果が発動しやすくプラスだったので、まったく可能性がないカードではありません。
■勇騎聖者ジェット・アール・イー
使用率こそ低いものの、非常に優秀なカードです。
が、ブロッカー除去効果が効きやすい『天門』系のデッキがADに少なく、盾追加をメインに使用する相手にはブロッカー除去が効きづらいです。
最もフルパフォーマンスを発揮できるシーンが『ガントラ』に対して「ジャックアルカ」に返しでぶつけるか、『黒緑速攻』の「ボーンスライム」にぶつけるかくらいでした。(前者は余裕があるか怪しく、後者は間に合わない)
結果、環境に適していないと考えて不採用となりました。
■電脳勇騎マグナス
採用に至らなかった最たる理由は、悲しいですがこのカードへの”信頼がなかった”という点かもしれません。
「コメチャ」→「マグナス」と繋いでブロッカーを並べる相手に継続してアドバンテージを取る絵は想像できましたが、限定的で「烈流神」と比較した場合に優先して採用すべきだと思えませんでした。
試していないカードのため、環境を見てテストしてみたいとは思います。
■クリムゾン・チャージャー
このデッキのチャージャーは6マナの黄金ムーブに繋ぐために重要な役割を果たします。
「コメチャ」が最強なのに次いで2番手は何かと考えた際、「ブレチャ」とこの「クリチャ」が上がってきます。
「ブレチャ」はこのデッキが苦手なコントロール対面に対してその差を埋めることができ、「クリチャ」は五分以上で戦いやすいビート対面により強く出られます。
私の考え方的に前者を優先すべきだと考え、「ブレチャ」を2番手のチャージャーと位置付けました。
構築解説の「サーファー」の項でも触れましたが、色配分に気を遣っていたことからも、「クリチャ」を入れる場合に抜けていく青が許容できませんでした。
赤も心もとない枚数であるため、赤のカードを優先して使いたいシーンが多い場合や、『ツヴァイ』対面の相性を良くしたければ採用できるカードです。
■クラゲン
「マルコ」との組み合わせがデザインされたカードですが、手札に直接くるか山上かの差は大きく、多色によってマナ置きがシビアになるデッキ性質からもすぐにアドバンテージを稼ぐ「クゥリャン」に軍配が上がりました。
4マナ時に「アマリン」+「クラゲン」の盤面を作れれば両方が除去される可能性は低いため、これも採用が全くあり得ないカードではありません。
ですが、使用するならば「ピピッピ」などを採用したシナジーも考慮したい、今一歩足りないカードという評価です。
個人的には私のHNが”海月”なので採用したかったです…
対面解説
現AD環境で無視してならない対面は『黒緑速攻』『メカオー』『ブリザード』『ガントラ』『ツヴァイ』の5種類の速攻~中速デッキだと考えます。
『ラッカマルコ』は速いデッキに強く、中速に五分で、遅いデッキに弱いという性質が基本です。
以下で説明する通り、上記デッキのいずれにも良好な相性で戦えることから、このデッキは正解の一つであったと考えます。
特別有利な対面がないことと引き換えに極端な不利対面も存在しないため、練度があれば混沌としたAD環境でも自信を持って使えるデッキです。
■黒緑速攻
相性:微有利~有利
「サーファー」の項などで説明しましたが、基本微有利対面で、トリガーを増やすほどに優位性が上がります。
ブロッカーが手札にある状態で「ヘブンズ・ゲート」をトリガーすれば勝ちはほぼ確定します。
基本は軽量クリーチャーを展開しつつ、トリガーによるカウンターです。
「アマリン」「トリア」「コメチャ」で足止めができる場合は「マルコ」が着地してコントロールできる場合もあり、6マナに無事到達できれば勝ちという場合がほとんどです。
とは言え最低1枚はトリガーを踏んでもらう必要はあるので、『黒緑速攻』の特性を考えても運頼りな部分はある対面です。
「ヤット・パウル」を不用心にプレイしてきた際は「アマリン」などでビートして押し切れてしまう場合もあるので、数ターンのゲーム中に何度でもプランを変更する柔軟性と慣れが求められます。
■メカオー
相性:五分~微有利
互いに理想ムーブを取る場合に先手後手が非常に重要となる対面です。
「アマリン」+「コメチャ」+「マルコ」で2点を安全に決められれば、かなり勝ちが近づきます。
が、これができない場合に先行で2,3,4と展開されてしまうと不利寄りの状況となってしまいます。
ただ、仮に流れが相手に傾いたとしても、「マザー」に対してはトリガー天門からのリーサル形成、「ギガブリザード」に対しては「サーファー」や「マルコ」からのカウンターができるため、可能性が残せるデッキだとは言えます。
「アポカリプス・デイ」は採用していない構築も多いので割り切りです。
他デッキが絶望的になる「マザー」「ギガブリザード」「ミリオンパーツ」という盤面を作らせる余裕を与えることはほとんどなく、その点でも戦いやすさはあります。
ブロッカーがいない場合は序盤の1点なども積極的に入れて、盾を割り切る状況に持っていくことも重要です。
■緑抜き4c全般
相性:微不利~五分
まとめるのは乱暴かもしれませんが、概ねトリガー10枚弱、初動除去が「魂と記憶の盾」という点で一致してきます。
手札に寄ってきますが、「アマリン」が除去されづらいアタッカーとなるため、特に先行で複数枚引けている場合や低コストカードが寄っている場合には速攻プランを取って積極的に割っていきます。
「マルコ」を引けている場合はそこまでブレイクしない選択もありです。
引けていない場合は「ヴォイジャー」発進かチャージャーを優先して使って6マナのムーブから入っていきましょう。
また、可能であれば序盤に1点入れて相手のシールドを偶数にしておくことも重要です。
その後の「マルコ」「アガピトス」で割り切って、「烈流神」でとどめを刺せる流れを作るためにも、どうしてもトリガーを踏みたくない状況を除いては「マルコ」着地までに1点いれておきましょう。
「ヘブンズ・ゲート」だけは踏んでしまうとどうしようもないところがありますが、それでも「烈流神」やトリガーから返せる状況はあるため、その状況までに如何に盾を減らしておけるかにかかってきます。
■ブリザード
相性:五分~微有利
基本は速攻の動きをしてくる対面なので、トリガー「ヘブンズ・ゲート」で一気に楽になれます。
始動は相手の方が早いものの、こちらのクリーチャーのパワーラインは強く出やすいため、展開しつつ攻めていきましょう。
「ソーラー・コミューン」による逆転は許し得るものの、「アガピトス」「マルコ」で盤面処理をしてケア可能な点はやりやすいところです。
「ブリザード」を何枚も連打されない限りは有利寄りの対面と言えます。
他の対面にも言えることですが、「ヘブンズ・ゲート」や「マルコ」や「アマリン」以外の進化元を見せなければ、相手がデッキタイプを判断できない可能性があるため、虚を突いていくこともできます。
■ツヴァイ
相性:微不利~五分
4ターン「ツヴァイ」着地をされると回答がトリガー「ヘブンズ・ゲート」からの過剰打点形成や「サーファー」からの返しターンで除去をするくらいしかないのできつい相手です。
順調に伸ばして「アガピトス」を立てた場合もデッキの2コストの少なさから継続的な除去は行えないため、完全に安心という状況を作るのは難しいです。
「コメチャ」「ジャックアルカ」「マルコ」で盤面を開けながら打点を用意していきましょう。
「スパーク」が入っていない青単ならば五分以上も見込めますが、逆に言えばタッチ白対面に「スパーク」を踏んでしまえばどんな状況からも負け得る点で不利です。
「ギガブリザード」が着地した場合は盤面が減るのでありがたいという状況も多いです。
■サバイバー
(画像は下記ゴンティアさんの記事より拝借しています)
相性:微有利
最もオーソドックスと思われるトリーヴァ型は「ヘブンズ・ゲート」や「シータ」を都合悪くトリガーさせてしまわない限り有利寄りに戦えます。
相手は過剰打点を組みづらく、トリガーケア手段も乏しいため、こちらから攻めていけばリーサルを組まれてもトリガーで返せると言う場合が多々あるからです。
「烈流神」に対抗する手段を持っていない点でもこちらに分があります。
「ムー」や「オービス」を介した盤面除去力がこちらの展開力と除去力を上回る前に過剰打点を形成して攻めていきましょう。
若干ネックなのはまだ構築が完成途上であることから、不定形な構築に出会う場合があることです。
小型サバイバーでビートされてトリガーを引けない場合や、「ダーク・ティアラ」によるハンデスをされるときつくなってくるため、油断ならない対面です。
■赤白ボルフェウス
相性:微不利~五分
先手を取られた理想ムーブ(「ラルック」「ライドウ」レベル)に対応できない場合がほとんどのため不利寄りです。
「コメチャ」で「ボルシャリオ」、「ジャックアルカ」で「ラルック」を取りつつ、「マルコ」や「アガピトス」でテンポを確保しつつ横に広げていきます。
「スパーク」が入っていない構築が一般化したため、過剰打点を形成すれば貫通しやすいのは救いです。
「ボルフェウス」が着地してしまうとこのデッキの若干強めのトリガーも活かしづらく、効果で焼かれてしまう範囲も広いため、着地させないor着地しても逆転可能な盤面を意識して作ることが重要です。(「トリア」撒きなど)
■5cミラクル
相性:不利
ランデス型やフュージョン型などありますが、「ミラクル」から理想的に動かれてしまうと「裁き」「ゲキメツ」「ゼンアク」「ラスバイ」「宝剣」などきついカードがすべて間に合ってしまうため、かなり苦しい状況になります。
「フュージョン」まで繋がれてしまうという場合も少なくありません。
守りが薄いのは共通しているため、速攻プランを軸にせめていきましょう。
「マルコ」で無事リソース確保しながら盾を割れていれば勝ちも近づくため、7,8コスト帯の強力なカードを計算しながら立ち回っていきます。
豪快で楽しめる(幅広いランク・レート帯で使われやすい)このデッキに対して優位性を保ちづらい点が、このデッキの弱みの一つと言えます。
■リーフメビウス
相性:有利
元々ビートに弱い対面なので有利寄りです。
「コメチャ」があることから「リーフ」の進化元や終盤の「コスモビュー」にも対処しやすく、「烈流神」による押しも通しやすいです。
相手の手札枚数に気を配りつつ、手痛い「宝剣」や「竜極神」、「霊鳥と水晶の庭園」に注意しながらビートダウンしていきましょう。
「マルコ」の強制バウンスによって「コスモビュー」の条件を達成させてしまう場合もあるので、それらには注意すべきです。
逆にバウンスによって手札から溢れさせる手段もあるため、状況を冷静に見て判断していく必要があります。
■カチュア
相性:微不利~五分
3ターン「ギフト」+「カチュア」や4ターン「ギフト」+「メツ」は9割9分負けです。
ほとんど発生しないパターンとして割り切りましょう。
先行を取った場合は4ターン「カチュア」は5ターン「マルコ」で返せるため、そこからビートしていけば優勢になります。
『カチュア』は白抜き4cや5cなど様々な構築がありますが、共通しているのは守りが薄いということです。
手札と相談しながら速攻プランを取るか、「マルコ」からの打点形成プラン化を選択していきます。
最近は「アガピトス」のみならず「スペース・クロウラー」や「ビューティシャン」などのブロッカーも採用されているため、除去札はある程度キープして立ち回ります。
■ガントラビート
相性:五分~微有利
先攻後攻・盾勝負になってくるので不利とも有利とも言い難い対面です。
キーカードとなるのは「烈流神」で、特に先行を取れた場合には積極的に出しましょう。
4ターン目にリンクして2点入れると、相手の対応手段はトリガー「サーファー」or「花籠」か、合わせで出してきた「烈流神」「アラゴナイト」で取るのみです。
トリガーは仕方ないですが、「アラゴナイト」の相打ちは相手のテンポを大きく落とせるため、こちらにとって痛手となりません。
『ガントラビート』はビートダウンでありながら初動が3マナと動き出しが遅いデッキのため、早期に盾を割っていてプレッシャーをかけましょう。
「マルコ」「アガピトス」を用いた盤面掃除も状況をみて必要ですが、相手のSAによる攻めプランは豊富なため、時には無視して盾に行くことも重要です。
相手のリーサルを常に計算しながら、こちらはリーサル+2くらいを狙った盤面形成をしましょう。
『メカオー』や『黒緑速攻』対策として「スパーク」よりも「ミューズ」が優先されている場合が多いため、すり抜けやすいこのデッキにとっては朗報と言えます。
とはいえ、「ヘブンズ・ゲート」をはじめ、トリガーを上手く引ければ容易に勝てる相手ですが、引けない場合は苦しくなるため多少の運ゲー感は拭えません。
■ゼロフェニックス
相性:有利
4c型を除いた赤黒の速攻型やクローシスの自壊型を指します。
いずれもタイミングさえ悪くなければ「ゼロフェニ」に進化元処理に困らないため、戦いやすい対面です。
仮に着地させたとしてもこちらの盾が割られたり、自壊でアドバンテージを稼がれるより先に相手の盾を割っていける場合が多いため、積極的にビートしていきましょう。
ここでも「アマリン」のパワーラインの高さが際立ち、「ジルコン」以外は苦になりません。
「コメチャ」はその「ジルコン」も「ロノヴェル」も除去できるため、引けた際は大事に扱っていきましょう。
3ターン「ゼロフェニ」の動きをされた場合は対応できないデッキの方が多いので、それは諦めるとして基本は勝てる対面です。
おわりに
今回は簡素な解説記事としてみましたが、きちんと読み込んでいただければこのデッキの強み・弱みは理解できるかと思います。
「マルコ」は当初注目されたものの目立った活躍ができてこなかったカードですが、このデッキは現状最も「マルコ」を有効に活用できているデッキの一つで、環境デッキに名を連ねる力を十分に持っています。
「マルコ」を使いたい方もそうですが、既存のデッキとは一味違うデッキを使いたいという方は、ぜひ一度使用してみて下さい。
それだけの魅力があるデッキだと私は思います。
また、デッキパワーが低いとは書いたものの、選択肢の多さはデッキの強さと言い換えることができます。
極端な有利対面こそ作りづらいデッキですが、環境を見てチューニングしていけば長く活躍可能な素質を持ったデッキです。
今すぐ使わずとも頭の片隅に置いて、機を見て使ったり、このデッキの成分を今後のデッキ制作に活かしたりしていただければ幸いです。
最後に投げ銭方式で、内容とは関係ない文章を残します。
無理をする必要はありませんが、この記事や過去記事も含め、見合う価値があったと思ったらご購入いただけるととても嬉しいです。(今回はりろと2人分ということでいつもの倍となっています、すみません…)
いただけなくても、少しでもこの記事があなたの日々の楽しみにつながれば幸いです。
それではまた。
スペシャルサンクス:同種のデッキを7月上旬に研究していた3名
・くーぼーさん(@soranaki00)
・ミョガちゃんさん(@myondamin)
・SO.Sさん(@SOSduel1125)
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