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アクティブ・ホームレス活動が『日経産業新聞』に取り上げられました!

風向計 川崎由香里(ジャーナリスト)

自分シェア 他者と時間共有、心豊かに

 週末農業や、複数の仕事を持つパラレルキャリアなど、自分を消耗させない働き方や、人とのつながりに人の関心が向き始めている。注目されるのはお金に振り回されない「人肌」感覚のネットワークだ。
 「誰かのために自分の時間をシェアするという温かい気持ちが必要です」。これは自分の時間を30分単位で他者と共有して報酬を得るサービス「タイムチケット」のユーザー登録に記された言葉だ。自分の好きなことを誰かにシェアして報酬を得る体験の楽しさで、登録者数は約3万5000人に上る。
 お金を介さず自分をシェアする生き方の実験も始まった。2011 年、本欄でお金を持たずに14年生活する元教師のドイツ人女性、ハイデマリー・シュヴェルマーさんの生活を紹介した。自分ができることをして必要なものを受け取り、お金の束縛から自由に生きる。日本でも同様の試みが現れネットで話題になった。
 写真家であり著作家の新井由己さん=写真=は、これまで20年近く東京で仕事をしてきた。しかし来春から定職定住を捨て、報酬を目的としない「自分シェアリング」を実践する予定だ。本業である文章と写真の仕事のほか、得意なウェブデザインや大工仕事、マッサージなど、求めに応じて自分のできることを無償で提供する。
 シュヴェルマーさんの実験が欧州で話題になったのは、賛同者の輪が広がり、お金を得る生活者よりも心豊かな生活が実現したからだった。日本ではどうなのか。新井さんの場合、「料金」は受け取らないが、活動を継続してほしいと思う人は寄付ができるというスタンス。「全体としてなんとか継続できればいい」と語る。
 住居兼移動の足として、ソーラー発電できるトラックハウスを製作。電動工具に使う電力も自給する。製作費用は賛同者から資金調達するクラウドファウンデイングで賄う予定だという。
 自らの試みを「アクティブホームレス」と呼ぶ新井さんは「定住しない生き方の選択肢を増やすこと」「お金がなくても生きてゆける実例となること」が、プロジェクトの最大の日標であると考えている。

『日経産業新聞』2016年11月29日掲載

トラックハウスをつくって、アクティブなホームレスになりたい! - CAMPFIRE(キャンプファイヤー) https://camp-fire.jp/projects/view/13719


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