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§1 主語と動詞をみつける

少し前に何かの原稿を書こうと思って書いていた下書き原稿を供養のために公開しておきます。

 英語を読むときに大切なことは、主語(だれが・なにが)[これからSと書きます]と動詞(どうする・です)[これからVと書きます]をちゃんとつかみ取らないと次に進めません。動詞がわかると、その次にどのような形が続くか判断できるようになります。まずは、SとVをどうやって見つけるか、形から判断できるようにします。

point 1 
 Sは名詞の役割を担っているもの
 ☞名詞、代名詞
 ☞to不定詞の一部、動名詞
 ☞名詞句(「冠詞+副詞+形容詞+名詞」のような名詞の前にいくつかの要素が付いて1つの意味的なまとまりをつくるもの)、名詞節(thatやwhatから始まる節)

Point 2
文頭の〈前置詞+名詞〉はSにはならない

Point 3
V になるには「現在形」と「過去形」になっているもの。
1つのSにたいして1つのVが対応する。
Sが1つなのにVが2つ以上ある場合は
 ★接続詞がある
誤読している可能性もあるので以下の点に注意する。
 ★Vが動詞の過去形と過去分詞形が同じ形をしているための混同
 ★Vが現在形と原形不定詞で同じ形のため混同している場合
Sが2つなのにVが1つしかない場合は
 ★接続詞でSが並列されている
誤読している可能性もあるので以下の点に注意する。
 ★もうひとつのVに気づいていない場合
 ★Sだと思っている語の品詞を取り違えている。 

つまり、接続詞がない状態でSとVの数が一致しないときは誤読の可能性がある。

[練習問題 SとVを見つけましょう]
(1) SとVを指摘してみましょう。
中英語(古い時代の英語)を解説した英文からの引用です。
With this text, readers have the language that Chaucer wrote, but without the frustration of trying to master the vagaries of Middle English spelling.

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With this text, readers have the language that Chaucer wrote, but without the frustration of trying to master the vagaries of Middle English spelling.

Sはreaders
Vはhave

Point 2
文頭の〈前置詞+名詞〉はSにはならない
より
With this textはSになりません。意味は「このテキストを使えば」となります。

後ろにwroteが出てきますが、
the 名詞+that S Vとなっているときのthatは①同格のthat②関係代名詞のthat③関係副詞のthatです。関係代名詞の場合は動詞の目的語が欠けています。関係副詞の場合はthatが省略されることが多いのですが、基本はthatの前の名詞が時、場所、wayが来たときぐらいです。ここではwroteの後ろに目的語がなければならないので、関係代名詞のthatになります。

without以下は「〜することなしに」という意味で文の要素にはなりませんので、今の段階では詳しく考えないことにします。

意味)このテキストをでは、中世英語のスペルをマスターしようとするフラストレーションを感じることなく、読者のみなさんはチョーサーが書いた言語を経験します。

(2) SとVを指摘してみましょう。
Wall Street Journalの2018年2月1日のツイートから
In some parts of the world, bankers tell companies to delay bond sales.

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In some parts of the world, bankers tell companies to delay bond sales.

Sはbankers
Vはtell

Point 2
文頭の〈前置詞+名詞〉はSにはならない
より
In some parts of the worldはSにはなれませんね。

名詞のbankersがS、tellがVとなります。

tell O to doで「Oに〜するように言う」という意味です。

意味)世界の一部の地域では、銀行員が企業に債権の売却を遅らせるように言うことがある(指示することがある)。



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