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§4 to不定詞の絡む厄介な英文2種類

〈to+動詞の原形〉をto不定詞と呼びますが、見た目からしてわかりやすいのでto不定詞を見抜くことはそれほど問題はないと思います。
 ですが、§2で見た問題をもう一度見てみましょう。
In order for there to be peace, our Palestinian neighbors must recognize the right of the Jewish People to a state in its homeland.
ベンジャミン・ネタニヤフ氏(イスラエルの首相)の2:45 PM · Nov 3, 2013.ツイートから

to be peaceは不定詞句になっているのは「見た目」ですぐにわかるのですが、その前にthereがあるとわからなくなってしまう人もいます。そんなときはfor there to doという不定詞の意味上の主語をfor〜という形で表していることから判断して、there is peaceというS-P関係を読み取ればよかったですよね。

それでは次の文を見てください。

I will be there to help you.

ここでのthereとhelpの間にはS-Pの関係はありませんね。ですので、I will be there(私はそこにいます)という文に「目的」を表すto不定詞をつなげて「あなたを助けるためにそこにいます」という意味でよさそうです。

つぎの文はどうでしょうか?

I expect there to be an opportunity for you to come to Japan.

thereを「そこに」という意味で捉えてしまうと全くわからない文になってしまいます。
expectは〈expect O +to do〉という形をとり「Oが〜することを期待する」という意味になります。〈Oがto doする〉というところからわかるように、Oとto不定詞の間にはS-Pの関係があります。
たとえば、I expect him to come on time.であれば「彼が時間通りに来る」ことを期待しているという意味ですね。
そこで、例文を見てみるとOにthere、そしてto beとto不定詞が続いています。to不定詞の意味上の主語がOになるのです。
あれ、「意味上の主語はfor thereにするんじゃないの?」と思うかも知れません。その疑問は正しいです。ですが、文法の規則を考えてください。
expect [目的語] to[動詞の原形]
という[目的語]の箱の中にはfor thereという前置詞句を入れることができません。〈前置詞+目的語〉ですので、前置詞を取り除いたthereのみを[目的語]の箱の中に入れてあげればよいのです。
expect [there] to[動詞の原形]
となるのです。

そうすると、there is an opportunity for you to come to Japanという文を読み取ることができますね。意味は「あなたが日本にやってくる機会がある」となります。
ここでto come というto 不定詞の前にfor youがありますが、there is an opportunityと文型が完結しているため、その後ろに来るのは副詞的要素です。ですからfor youという前置詞+名詞というかたまりがきています。そして、これがto comeの意味上の主語となっていますね。

point 11
there to doの形を見たら
①there と to doの間にS-Pの関係があれば、to不定詞の意味上の主語の可能性を考える。
②there後ろで区切って「そこに」という意味で捉える。to不定詞は「〜するために」となる。

もう一つto不定詞が絡む厄介な英文を見ていきます。

He prepared the blueberry sauce with which to flavor the pancake.

この英文では〈前置詞+関係代名詞+to不定詞〉というものが出てきました。これはどうしましょうか?
〈前置詞+関係代名詞〉の意味の取り方は「関係代名詞の前にある名詞を関係詞と入れ替える」ということで対応できます。
He prepared the blueberry sauce まで読んで「彼はブルーベリーソースを準備した」
 with which to flavor the duck
のwhichに「ブルーベリーソース」を入れてあげます。
with the blueberry sauce to flavor the pancake. 
意味を「そして、そのブルーベリーソースで(を使って)」と前置詞の意味を捉えながら訳してあげます。その後to不定詞の部分を「パンケーキを味付けする」と読めばぎこちないながらも「彼はブルーベリーソースを準備した、そのブルーベリーソースでパンケーキの味付けをする」となります。そこで、to不定詞を名詞にかけて「パンケーキを味付けをするためのブルーベリーソースを準備した」とすればよいでしょう。

Point 12
前置詞+関係代名詞+to不定詞は
先行詞の名詞を関係代名詞に入れる。そしてto不定詞は名詞を修飾させる読みをし、前置詞の意味を付けてあげればなんとかなります。



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