Eric ClaptonのLaylaでテンスとかアスペクトとかを勉強してみる。

ここで学ぶ文法事項
進行形、完了形、時制

クラプトンがかつて、ジョージ・ハリスンの奥さんと不倫関係にあったときに、自分の気持ちを歌にしたといわれているLaylaを見ていきましょう。

What will you do when you get lonely
And Nobody is waiting by your side?
You've been running, hiding much too long
You know it's just your foolish pride

「ひとりぼっちになったらどうするつもりだい?」と問いかける最初の一文ですが、全体的にはこれからのこと(未来志向)について言及しています。接続詞when以下の節は副詞節で、未来志向の文であってもwillを使わずに現在形で代用するという、受験英語の鉄板表現です。つぎの、And Nobody is waiting by your sideまでがwhen節の支配が続きます。「だれもあなたのそばにいてくれないという状態になったときに」という意味ですね。現在進行形は何か動作が進行しているということも表しますが、ある状態の継続を表すことができます。

次の、You've been running, hiding much too longは現在完了進行形です。現在完了進行形とは、過去に始まった動作が現在まで継続していて、その動作が未来にまで及ぶことが暗示されていたり、少し前に終わった動作の結果がまだ明らかに残っているような様子を表します。

以下に例文を挙げて確認をしておきます。
①過去の動作が今でも継続していて、もう少し先まで継続されるだろうということを表す場合
He has been waiting to see you since this morning.という文であれば、彼は朝からずっとあなたに会うために待っていて、今でも待っているという意味を表します。
②少し前に終わった動作がもたらした結果が今なお残っていることを表す場合
I don't want to eat out with you tonight. I've been working all day.は今晩はあなたと外でご飯を食べたくない。一日中仕事をしていて、その疲れが残っているから。

この歌詞では、過去の動作である「逃げ、隠れてきた」というものが今でも継続していて、もう少し先まで継続されることを暗示するような意味を持っていますね。不倫をしていて、この先も人に隠れて会ったりしなきゃいけないことがまだ続くということを読み取ることもできるでしょう。しかもこの不倫関係はtoo long、相当長い間、関係性を持っていたのでしょうね。

英語では動詞の形で現在や過去を表すことを「テンス」といい、その動作が継続していたり、完了していたり、その動作や状態のありようを「アスペクト」と言います。テンスは動詞の形に反映される時間なので、現在形とか過去形という形と対応しています。そしてアスペクトは単純、進行、完了の3種類あり、進行の時はbe -ing、完了のときはhave ppという形、そして何も付けない単純形(またはdoを付ける)です。

Layla, you've got me on my knees
Layla, I'm begging, darling, please
Layla, darling, won't you ease my worried mind?

you've got me on my kneesは現在完了になっていますので、ここでは「君はボクを跪かせたことがある(君の前に跪いたことがある)」という経験を表しています。そしてI'm beggingと進行形で表されている文が続きます。begという「お願いをする」という一回限りの行動を進行形にすると、その動作の繰り返しを表すことになります。knockを進行形にすると、何度もノックする様子を想像することができますね。それとおんなじで、「繰り返し君にお願いをするよ」というような意味になります。何度も何度も、彼は彼女に何をお願いするのでしょうか?それは、won't you ease my worried mindと、ボクの心配する気持ちを楽にさせてよ、ということをお願いしているのです。

I tried to give you consolation
When your old man let you down
Like a fool I fell in love with you
You turned my whole world upside down

ボクは君を慰めようとしたんだ。try toは何か挑戦して、その結果が成功したかどうかわからない、とりあえずやってみるということを表しています。ですので、ボクは君を慰める努力は試みたけれど、結果としてそれは成功していないかもしれないのです。英語は、動詞が結果を表してしまうことがあるため、こうしたtry toという表現を借り、結果を含意しないように表現を工夫する必要があるのです。どんなときに慰めようと努力をしたのかというと、whenから始まる副詞節で説明されています。君の旦那(your old man)が君を失望させたときに。このoldには古いという意味はなく、親族を表す時にも使われます。ヘミングウェイの短編小説に"My Old Man"というのがあるのですが、これは「ボクのお父さん」という意味です。一方、"The Old Man and the Sea"は「老人と海」になります。

馬鹿みたいに(like a fool)、君に恋をしてしまった(I fell in love with you)。そして、君はボクの全ての世界(my whole world)をひっくり返してしまった(turned ... upside down)。ここは過去形で書かれていますので、過去の事実としてそういうことがあったことが述べられています。つまり、恋をしてしまい、自分の人生が180度変わってしまったんだ、ということなんですね。

Let's make the best of the situation
Before I finally go insane
Please don't say we'll never find a way
Or tell me all my love's in vain

make the best ofで〜を最大限に活用するという受験英語では覚えておかなければならない熟語ですね。ここでは「この状況で最大限の努力をしよう」という意味ですね。そして、どんなときかというとbeforeから始まる副詞節で説明されています。ボクが最終的におかしくなってしまう(go insane)前に。ここも時を表す副詞節で未来志向の文なのですが、willを使わずに現在形で表されていることを確認しておきましょう。

〜なんていわないで(Please don't say〜)と、さらに彼女にお願いをします。どんなことでしょうか?それは、わたしたちが決して打開策を見いだせない(never find a way)とか、ボクの全ての愛が無駄だ(in vain)なんてことを言わないで欲しいということを彼女に伝えています。



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