Appleの脱"インテル入ってる"の「期待4選」と「懸念2選」

脱"インテル入ってる"

このキャッチコピーは、誰でも聞いたことがあると思う。

実は、この「インテル入ってる」の韻の踏み方は結構すごくい。英語だと"Inside Intel"で頭の"In"が連続している。しかし日本語では、頭の部分で連続させるのは無理だったので、語尾の"テル"で韻を踏むという高等テクニックが使われている。

このキャッチコピーと共に一斉を風靡したインテルから、アップルが2年を掛けて移行すると、先日発表された。そして約10年前にジョブス が発表したMacOSのバージョンも10から、いよいよ11に繰り上がった。アイコンは全てデザインし直され、iPhoneやiPadのUXがMacに移植され、益々使い勝手が良くなる見込みだ。

Apple Siliconの期待

まず期待4選をご紹介しよう。

①バッテリー:iPhone製造で培われた技術なので超省エネになる。これによりバッテリーの持ち時間の増加が見込める。

②性能:実は最近のインテルは性能面での進化のスピードが遅く、アップルがiPhoneやiPad向けに作っているチップの方が進化のスピードが早くなってきていた。これに苛立ちを覚えたのが今回の移行の一因とも言われている。Macの処理スピードと電池持ちを左右するキーテクノロジーを他社の進化のスピードに委ねるのはそもそもリスキーだ。自社でもできることであれば切り替えるのは、ユーザーにとってもメリットが大きい。

③アプリ:iPhoneアプリやiPadアプリが、Macで使えるようになる。Webの細々した文字のサイトではなく、iPhoneアプリのスッキリしたUIのアプリをMac内でも使えるようになる。これはiPhoneアプリを開発している自分としても市場が格段に広がるのでとても嬉しい。

④利益率:株主的な観点では、アップルの利益率が高くなると予測される。ティムクックは元々、ジョブス の右腕として長年、アップルの調達周りの責任者だった人間で、ジョブス 亡き後、その手腕をCEOとして発揮し、企業価値を世界一まで上げた辣腕の持ち主だ。今回、他社製から自社製にすることで、インテルのマージン費用がカットできたり、正確な原価把握ができコストカットも可能になるなど、アップルの利益率が今以上に上がることを見越して戦略的に切り替えを判断していると思われるので、決算での利益の数値が今後、数年かけて徐々に良くなっていくと思われる。


Apple Siliconの懸念

続いて、懸念2選をご紹介しよう。

①直近での利益減少:2年を掛けてMacがインテル入りから、アップルシリコン入りに変更されるので、そろそろ買い換えようかなと思っているMacユーザーは当然買い控えを起こす。そうすると直近2年のMacの売上は例年よりも鈍化することが見込まれる。しかし、2020年の第1Qのアップルの決算の資料を見てみたところ、全体の売上が918億ドルで、その中でMacは71.6億ドルで約8%だったので、影響は限定的かもしれないのは好都合なのかもしれない。逆に、中期的に見れば、この移行期間を終えた後は、Macを買い換える予定の無かった人が買い換える可能性も出てくるので、2022年以降のMacの売上は中々期待できる。また、ある予測によればWindowマシンを使っているiPhoneユーザーがMacにエントリーしやすいようにMacをiPhoneに近づけるとの見方もあるので、そういった戦略に基づいた切り替えだと、中期的に見れば期待を持つこともできる。

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②アプリの対応問題:今までインテルに対応していたアプリがすぐには対応しない可能性は高い。既に開発者向けにアップルシリコン入りのMacが500ドルで先行販売されると予告されているが、アップルの仕様変更は過激なものが多く、私も含め、世界中の開発者は毎年のOS更新で大変な修正を強いられているため、今回はそれ以上の苦難の改修が予想される。そのため、最初にアップルシリコン製のMacが出ても、いつも使っているソフトが全て正常に動くとは思えない。


最後に

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