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久遠のTDA解釈Part1『#1:フロアの決定』

こんにちは。久遠光(くおんひかる)と申します。
#久遠光のポーカーマガジン を開いてくださってありがとうございます!🙏

今回は #久遠のTDA解釈 のコーナーの第1弾になります!
今回取り上げる項目は、TDAルール2019の一番基本的な部分であるRule1(#1)について解釈を述べていきたいと思います!
※以後、TDA2019のRule番号のことを『#○』と記載します。
是非最後までご覧ください!

注)執筆にあたって、先輩方にチェックしてはもらいますが、一部ハウスルールや一般的な使われ方と異なる内容を紹介することがあるかもしれません。その時はコメントなりTwitter ( @kuon_poker )のDMなりで教えていただけましたら大変勉強になります。

1,#1の文章の確認

それでは、TDAルール1の文章を確認してみましょう!
【ルール1 フロアの決定】
意思決定における最優先事項は、ゲームにおける徹底した利益と公平性である。通常とは異なる状況では、公平性を考慮した常識的な決定が、技術的なルールよりも優先されることがある。フロアの決定は最終となる。
(原文:1: Floor Decisions
The best interest of the game and fairness are top priorities in decision-making. Unusual circumstances occasionally dictate that common-sense decisions in the interest of fairness take priority over technical rules. Floor decisions are final.)
【用語解説】
フロア→トーナメントにおいて、生じた問題を解決する判断を下したり、シート移動などトーナメント運営に関する仕事をする役職のことです。大会によってはプレイヤーにペナルティを課すことができます。
(一部で言われる『TD:Tournament Director』はフロアと連携してトーナメント運営の全権を担う役職。また、プレイヤーの失格も含めた裁定の最終決定者です。簡単に言うとフロアの上位職にあたります。店舗クラスでのトーナメントだといきなりTDと呼ばれることもありますが、特に大きな大会だと直接裁定を下すのは稀なので、ここでは一般的な『フロア』という呼称で統一します。)

2,文章の意味解釈

少し簡単に言うと、『何かを決める場面では、ゲームにおける利益と公平性を最優先で考えます。通常じゃないことが起こったときは決められた手順よりも、より公平性を考慮した別の裁定になることもあります。フロアの決定が最終決定です。』といったとこでしょうか?
ちょっと難しいのは『利益』という言葉なのですが、原文だとinterestという単語に当たります。英和辞典を見ると、利益という言葉と並んで『利害関係』という言葉があることから、平たく言うと『ゲーム内における損得』のことを言っているものと考えます。
つまり、意思決定のときには
・ ゲーム内のやり取り(プレイヤーやディーラーの行動や発声など)で、誰が得をして誰が損をしたか
・それが公平であったかどうか
この2点が最優先に考えられるという意味に解釈できます。

3,何のために作られた?

このルールの存在理由には、前回の記事で述べたポーカーのゲームの特性が大きく関係してくると解釈します。
↓前回記事からの引用
【ポーカーというのは様々なことが起こりうるゲームで、全てのシチュエーションに対して、全世界統一して使えるルールを明文化するのは本当に大変だし、不可能に近いと思います。】
このうちの必要と判断された部分はTDAルールとして統一すると書きましたが、残る他の部分は基本的にフロアが判断するというのが合理的と考えます。昨今規模の大小を問わずたくさんの大会が開催されていますが、それぞれの大会には参加人数、時間、プレイヤーのターゲット層などが設定されているはずです。それこそ、日本のアミューズメントの初心者向けのトーナメントから、WSOPなどの世界規模のトーナメントまで多岐にわたります。それらを全て同じ基準で進めていくのは現実的ではありません。そこで、各々のハウス(店舗や大会などトーナメントを開催しているもの)は現場のフロアの判断やハウスが独自に設けたルール(ハウスルール)を優先することが合理的であると言えます。
TDAの最初の一文にも、【Poker TDAルールは、ハウスルールを補足する。ハウスルールとの競合があったときは、ハウスルールを適用する。】というものがあります。これと#1のルールを組み合わせると
(優先順位)
1、フロアの裁定
2、ハウスルール
3、TDAルール

となることがわかります。

4,実際にはどういう使われ方してるの?

この#1は、フロアの判断の最も大切な基準になっていると思います。
フロアは、ディーラーには解決できない案件が発生した時に呼び出され裁定を下すわけですが、その前にディーラーやプレイヤーにヒアリングをして、詳しく状況を確認します。そしてこの#1のルールに則って、ゲーム内での損得や公平性のある裁定を下すという仕組みです。
フロアを務める方には、短時間で正確に情報を集めて、TDA含めたルールを正しく理解して、それを正しく適用するということが要求されるわけです。
そんなフロアを目指す方々にもこの記事を読んでいただいて、一緒に勉強していきたいと思います。

本日の投稿は以上になります!

それでは、良きポーカーライフを!
著:久遠光
@kuon_poker
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