何かのせいにするのも良い。

 占いは良い結果だけを信じて、悪い結果が出れば信じなければいいという話をよく聞く。けど私は逆だと思う。悪い占い結果が出て、それが当たってたら「ホラねッ!やっぱり!」と舌なめずりして膝を叩くのが良い。

 突然だが、私は最近失恋をした。来月には29歳になるもはやおじさんだが、失恋はきつい。きつすぎて日課のNetflix閲覧も2週間はできなかったくらいだ。その間は、サカナクションとRADWIMPSを聞きながら、恋をしていたこの1年間を振り返っていた。おじさんなのに。


 そんな、気持ちの悪い生活を送っていたある日、たまたまアマチュアで占いができるという人と知り合った。試しに占ってくれるというので、生年月日と出生時間を伝えると、数日後、結果が送られてきた。その中には、私が理念を人に伝えるのが得意で教師に向いているとか、眉唾な内容や、そうでなければ、誰にでも当てはまるような内容が記載されていた。元来、私は占いやスピリチュアルなものは信じていないため「まぁこんな感じなんだ」と特に感慨もなく読み進めていった。すると最後に、この一年は恋愛はあんまりうまくいかないかもとの記載があった。その一文を読んだ瞬間、なんだか一瞬で心が軽くなっていくような感じがした。
 失恋からの日々、私はずっと後悔を繰り返していた。「あのとき、もっと頑張って話を盛り上げられていたら」「あの誘い方じゃなく、もっと他の誘い方をしていたら」と自らの行動を振り返り、どのようにするのが正解なのかと考え、苦しんでいた。しかし、占いで「この一年は恋愛うまくいかない」と言われると、なんだか肩の荷が下りた気がしたのだ。


 この体験で、この期間の苦しみが、自分に責任があると考えているため生じているのだと気が付いた。できなかったこと、悪かったことをすべて自分の責任のせいにするのきついのだ。特に恋愛のような、相手次第で答えのない問題は。
 だから、どうしても辛い時や、時間薬(時間がたって傷がいえること)がなかなか効いてこないときは、私のように何かのせいにしてしまうのが良いと思う(人のせいは除いて)。今回の私みたいに占いのせいにするのもいいし、運のせいや、環境のせいでもいい、あと行き過ぎるのはよくないけど遺伝のせいとかもありかも。(少し脱線しますが、橘玲氏の『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』では、できない方法がある現実に対しての対処法が述べられており、オススメです。)

 これとは反対に、うまくできたことは自分の責任である。来週、私が女の子とデートに行くのも私がうまくトークを続け、誘ったからである。こう考えないと人生はつまらない。肩の荷は、何かのせいにして降ろし、意気揚々と新しいことにチャレンジしていきたいものである。


 ちなみに、占いには去年の結果しかなかったため、今年一年はどう?と聞いたら、返信に恋愛の文章がなくなっていた。きっと、モテモテの相が出ていて、嫉妬して書けなかったんだろうと思う。

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