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ナポリ人と暮らしてみれば

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大阪でナポリ料理レストランを営む僕のパートナーのモニちゃんとその父エンツォはナポリが故郷。ナポリに縁もゆかりもない僕がナポリに長期滞在してナポリ人と暮らしてみた率直な感想を淡々と…
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#ビーチ

【はじめに】ナポリ帰省・前日譚

「イタリア人にタイチみたいな髪型の人はいない!」エンツォは僕の髪型を見てそう断言した。僕はハハハと受け流しながら、肩の下まで伸びた髪を頭上で結んで、エンツォが作ってくれた白インゲン豆のパスタをスプーンですくってハフっと頬張った。 エンツォが主語を「イタリア人」にして話すときは脳内で「“ナポリに住む”イタリア人」に変換しなくてはいけない。彼にとっては地元のナポリこそ真のイタリアなのである。 同じく白インゲン豆のパスタを食べた僕のパートナーのモニカ(以下、モニちゃん)はエンツ

真っ黒日焼けはナポリマダムのステータス

12人の親戚が増えた夜、モニちゃんの叔母のマリアに「あなたたちふたりの寝室はここ」と案内されたのはまさかの玄関だった。 たしかに気になってはいたのだ。モニちゃんと大量の親戚たちが玄関で感動の再会をしているすぐ目の前には、不自然にダブルベッドが鎮座していたのだが、まさかこれが僕らの寝床になるとは。 しかもベッドの目の前にはトイレとシャワーもあるので、僕らはまるでアパートの管理人のように親戚たちの水回りの行動履歴を(不本意ながら)監視することができた。こんな環境で眠れるか!と