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何もない家。

かつて生活していた土地や、働いていた場所を訪ねる。

過去の記憶が蓄積されていかないわたしにとって、むかし居た場所で抱いていた感情を思い出すことは、前に進むきっかけになるからだ。

空間、景色、におい、音、それらを感じて、あぁわたしはかつてここで実際に命を燃やしていたのだ!たのしかった!悲しかった!うれしかった!がんばった!と自分の中でことばにされず、もやもやしていた感情を、整理する。

過去を思い出すことで、今を感じる。

そう、もうここはわたしの居場所ではない。かつての過去、執着にさようならを。

そして、これからのわたし。

また過去になってしまう今の儚い瞬間をかんじる。




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