ジャパンダートダービーを観に行った話

※ 携帯端末で撮影した画像の移動が面倒なため画像は割愛

こんにちは国崎です。何年前の話だっていう5日前の話をしましょう。

大井競馬場へジャパンダートダービーを見に行ってきました。漢字を「観→見」へ変更したのはずっと「観る」と表現するのが疲れそうだったから。こういう感覚でしか説明できないことを共有できる友人は非常に貴重だと思うので大事にしようね。

さて本題。JR京浜東北線を使用し辿り着いたのは大井町駅。

この時の時間が大体17:15前後、日中の気温が最近やばい(何がやばいってこれで梅雨明けしてないと※のたまう地球だよね。絶対明けてる)ので夕方に動いたところ、駅前の混雑は特に見られず。

【※ 調べたところ、のたまうは尊敬語らしい。尊敬する対象ってなんだろって考えた時に気象庁じゃないなって思った末の地球、いや、地球先輩。いつも住まわせてくれてありがとう。もうちょい気温下げてくれると嬉しいけど。】

調べたところ送迎バスが出ているらしく、目印となる西友へ。この西友大井町駅前店の脇にバス停があり、そこからおよそ15分間隔でバスが大井競馬場へと発車しているのだ。(乗客全員が同じ目的のバスってテンション上がるよね。上がらない?)しかしバス停に着いた私は、ちょっとだけビックリする。

いや列なっが。バス行ったばっかりだよね。

バス停から伸びる列は真っ直ぐ伸びては道路に沿って弧を描き、長蛇の列を形成していた。いや、どうなんだろ。多分50人は超えていたと思う。こりゃ早く並ばないとと思い最後尾に陣取るが、ここで1つの懸念が浮上した。

やべ。飲み物買ってねえ。

まだまだ暑さが残る時間帯、これから人の波に揉まれながら待機移動するのに水分が無いのはどうなの。自問自答した末に出した結論は「勿論無理」。

急ぎ足で列を離脱し西友で飲み物を購入。再度列へ。結果的にこれは大正解で、この時に買ってなかったらきっと後悔していただろう。それほどにこの日も暑かったのだ。んで導入長いねこれ。


そんなこんなで大井競馬場着。時刻は18時前。

ここからは久々の大井競馬場を満喫する時間だ。100円玉を握りしめ入場券を購入し中へ入ると、懐かしのモニュメントが顔を覗かせた。

また会ったな、と感慨深げに写真を撮りながら最後に来たのはいつだったろう、と記憶を探ってみると恐らくあれはノンコノユメが馬券内に飛んできた東京大賞典。

もう何年前の話だろう、随分と時間が経ってしまったものだ。

馬券の話をするとこの日は惨敗。一度だけ単勝が当たるも後はサッパリで、帰る頃には財布の中が随分と風通しが良くなっていた。仕方なし。

しかしお酒を入れ気分も上々な私はジャパンダートダービーのパドックを見るべくパドックエリアへ。正面の上段に構えると、時間を経て本日の主役達が続々と歩いて来た。興奮する瞬間である。

競馬には馬体を見て状態やテンションを判断できる方々がいるが、あいにく私にはそのような目は備わっていない。だがそれを踏まえた上で、どの馬も素晴らしく綺麗に仕上がっており、ジャパンダートダービーという大舞台への意気込みが感じられた。

いや、本当に綺麗だった。素人目だから実際のところは定かではないが、それでも準備万端!といった様子でどの馬も歩いており、馬体だけを見て予想を立てろと言われれば「全頭のBOXで!」とノータイムで返していただろう。それほどに、目の前を歩く馬達は素晴らしかった。

ここから騎手の方が騎乗されて馬場へ向かうまでシャッターを切る手が止まらなかった訳だが、残念ながら一番注目していたミックファイアは先入りとのことで正面の写真は撮れなかった。

だが、中央もあまり現地に行かない私からすれば武豊騎手を筆頭とした名騎手を目の前で見られたのは非常に満足度の高い時間だった。


そしてついにレースの時間へ。単勝人気は無敗の三冠を期待されるミックファイアが2.0倍と1番人気に支持され、現地の空気も三冠を期待するものが大半を占めていたと思う。私の馬券もミックファイアが1着のものばかりである。応援馬券もしっかり買った。マジで勝って欲しい。

レース直前から少量の雨が降り始めるも予定通りファンファーレが鳴り響き拍手と興奮が渦巻く中、最後の馬が収まり全馬がゲートから弾けた。

中央の人気馬が先頭、好位を確保する中ミックファイアは初めての4.5番手辺りからの競馬。内もしっかり抑えられ外々を回る苦しい展開の中、レジェンド武豊騎手が導く先頭ミトノオーが最後のコーナーで加速する。

やばい。これは千切られる。

日頃から競馬を見ている方ならそう感じただろう、それほどに絶好の手応えで後ろを突き放すミトノオー。連れてこれを追いかけるように後続のミックファイアと中央の上位ユティタムも加速を開始するが、その差は未だ大きい。

最後の直線の攻防が始まった。

ミトノオーのリードは3馬身~5馬身ほどと圧倒的。後ろから脚を伸ばすミックファイアはユティタムと競り合っており、この時点で見ていた方は「2着争いか。せめて2着には」そんな思いが頭をよぎったと思う。

牡馬牝馬共に最後の一冠が遠かった。関東オークスでもジャパンダートダービーでもその最後の一冠がどうしても遠く、これまで多くの三冠馬の誕生が夢と消えて来た。だがしかし、だがしかしである。

ここは大井競馬場。最後の直線の長さは地方最長を誇る。

200mを切ったところでミトノオーの脚が止まる。振り返れば前半をタフな時計で回っており、そのツケがここで噴出したのだろう。しかしそれは続く馬も同じようで、ユティタムも内から伸びてこれない。ならミックファイアも.....…?

否、ミックファイアは上がり最速の脚でミトノオーを追い詰めていた。

ユティタムを早々に振り切った同馬は一歩、また一歩とミトノオーの背中に近付いていく。現地のファンもそれに気付いたのか行け!行けミックファイア!無敗の三冠だ!そんな声が各所から聞こえ始め、あっという間にとてつもない歓声が最後の200mを埋め尽くす。

そして残り100m、その時を迎える。

ミックファイアが並ぶ間もなくミトノオーを捕らえた。食い下がる脚が残っていないミトノオーはそのまま後退、後ろから猛然と追い込むキリンジも先頭までは到底届きそうにない。地方の星が、今日一番の輝きを放った。

2 1/2身差。無敗の三冠馬が誕生した。

ここからの時間の為に現地へ見に行ったんだ、今の私は胸を張ってそう答えられる。凄まじい大歓声に喜びの声、そして始まる御神本コール。夢のような現実がそこにはあった。

何十年に一度あるか分からない地方馬の三冠、そして完璧な勝ち方。個人的には先頭での逃げ切りでなく、苦しい展開から上がり最速で差した内容。このすべてが人々の夢を、そして私の夢を更に駆り立てて行く。

この馬ならメイセイオペラの偉業をもう一度。中央の頂点まで。


来年からは中央馬が羽田盃から参戦することになっており、これまでより一層地方馬の三冠は難しくなるだろう。そんな中行われた今回のジャパンダートダービーは、未来へ大きな希望を届ける一戦になったに違いない。

秋以降はJBC、そしてチャンピオンズCへ向かうことが表明されたミックファイア。同世代には怪物デルマソトガケにヤマニンウルス、ペリエールと強力なライバルが並び、古馬には最強の6歳世代が控えている。

だけどミックファイアなら。そんな夢を私はいつまでも持ち続けるだろう。





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