なににもつながらない
“なににもつながらない仕事はしていてもしんどいし、空しい”
定期的に考えるのは「この仕事はなににつながっているのか」ということ。 これはなにも「この案件を入口にして大きな仕事に繋げるぞ!」ということではなくて、これはなにに向かっているのか、これをやることによってどうなるのか、誰に、どこに、なににつながっていくのか、ということが自分のなかで考えられるかどうか。
昔、フリーになったばかりのときは制作者として単発の公演制作や運営のみのお仕事も受けていたけれど、「ああ、この団体の2~3年後のことを考えたら、こうした方が、一時的には負荷がかかるけど結果は出るのに」とか「次回公演も自分が制作することがわかっていたら、こういう下準備をしておくんだけどな」と感じることがあってそれがもどかしく、でもそういったことをその劇団からは求められてはいなくて(むしろ、余計なことは云ってくれるなという雰囲気で)、「制作ってなんだろう」と自問自答することが多々あった。
いくつかの劇団や劇場でのお仕事を経ていまは制作だけではなく、小さいながらも自主事業のこと、マネージメントのこと、他者と共同で進めていく案件などカタチはさまざまだけど全体的な流れを共に考えてつくっていける状態で仕事をさせてもらっていてほんとうにありがたいなと思う。 アーティストのありかたや、自分の動き方といまの社会の動き・起こっていることとは切り離しては考えられないけれど、自分がひとつ大事にしたいフックというかイメージを持つことで、そしてそれを更新し続けることで進んでいける。 そして、先のことを話すことはわたしにとってはとても重要なことなんだな。
そこをゆっくり考えた、この数年だった。