剣のガーディアン 4

ハァハァ‥
息が切れる

鉄平は走るのは割と好きな方だったが
あくまでも、走りやすい格好をしている時に限る
通学用のバッグも今は邪魔だ

ようやく星霜学院に着いたが
時計は無常にも8時32分を指していた
門が閉まるという事は無いので、校舎まで
また走ったが、ついに鉄平は開き直って、歩き始めた

校舎は三階建てで、屋上がある
最も落下事故や自殺防止の為に、解放されることは
殆ど無い
もう、出席確認が始まった頃だろうな
と鉄平が思うとほぼ同時に、2年B組の窓が開き
無駄にデカい声で、煽られた

堀田 陽平(ほった ようへい)
もう間に合わないけどーー
大丈夫ですかーー!?

うるさい

拡声器でも使っているんじゃないかと思うぐらいに
デカい声を出したので、担任の千葉 泰明 
(ちば やすあき)先生に注意されたのだろうか
陽平は、一瞬教室を振り返った
が、良くも悪くもムードメーカーな陽平はおかまいなしに更に煽ってくる

陽平 元気ですかー!!?

鉄平 (元気だよ馬鹿野郎)
心の中だけで反応して、軽く左手を振る

ガラガラ
とうとう何事かと、A組とC組の窓も開いて
同級生が顔を覗かせた

千葉 静かにしなさい!
ここは小学校じゃないんだぞ!

とうとう担任の怒声が響き渡り
流石の陽平も、舌を出しつつ教室に戻った

鉄平 しょうがない奴だな
と、思うのだがしょうがないだけが、陽平の全てではない事を鉄平は知っていた

後でお灸はすえるとして

続く

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