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あの本の翻訳はまだですか #2

Ghost Dustersシリーズ

 こんにちは。
 勢い込んで始めてはみたものの、紹介したいものはつぎつぎと思いつくのに、書くほうはなかなかすすみません(´・ω・`)
 目指せ月2~3回更新!

【著者】Wendy Roberts
【出版社】Berkley、Intermix
【出版年】2007~2013(全5作品)
【ジャンル】コージーミステリ(パラノーマル)

【基本設定】
 主人公のセイディは、兄が自殺したことがきっかけで、凄惨な事件・事故現場の後片付けをする特殊清掃業を始めた。当時はそのような業者がなく、兄の遺体が運び出された後の現場を被害者家族が片づけるしかなかった。事件や事故は毎日のように起きているのに、家族がそんなつらい仕事をしなくてはならないなんて、あんまりだと痛感したからだ。
 人が亡くなった現場を掃除する中で、セイディは自分にだけその現場で亡くなった人の霊が見え、会話もできることに気づいた。もちろん最初は信じられず無視しようとしていたが、やがて、彼らが現れるのは思い残したことがあるからだ、と知って話を聞いてあげるようになる。自分が死んだということに戸惑い、受け入れられずにいる彼らの話を聞き、ときには誰かへの伝言を預かったり、心残りに思っていることに解決策を提案したりすると、彼らは安心して〝あちらの世界″へ旅立っていく。
 ただし、自殺した人の霊だけはぜったいに現れない。兄が自殺した理由こそ、聞いてみたいのに。

【おすすめポイント】
 いわゆるパラノーマルというジャンルに入るもの。殺人事件で、被害者の霊と話ができるなら一発で解決じゃないか、というとそうでもない。犯人が被害者の知らない人物だったり、後ろからいきなり襲われたりしていたら、被害者自身にもわからないからだ。それでも、直前の行動とか人間関係について聞きだしたりはできるわけで、そうやって霊から聞きだした情報をいかに警察に信じさせるか、というのが次なる課題となってくる。

 幽霊が捜査を手伝ってくれるミステリと言えば、コッパーマン〈海辺の幽霊ゲストハウス〉シリーズやキンバリー〈ミステリ書店〉シリーズ、ペリー『ガイコツは眠らず捜査する』なんかがあるが、被害者の霊と話せる探偵は初めてじゃないだろうか。特定の幽霊が探偵役とコンビになって事件を解決する上記のような作品では、全体のトーンがユーモラスになりがちだが、このシリーズはわりとシリアス寄り。セイディも妹や仕事仲間と冗談をかわしたりはするけれど、被害者たちと向きあうときはいたって真摯な態度で接している。彼らの想いを受け止め、安らかに旅立ってもらうのが自分にできることだとセイディは捉えている。1作目の最後のシーンは思わず泣けてしまう。3作目では兄の自殺理由も判明。
 AmazonでもGoodreadsでも評価はおおむね★4つ。

 著者のウェンディ・ロバーツはカナダ在住。このシリーズ完結後、Bodies of Evidenceという新しいシリーズを書き始めた。こちらも評判はよさそう。

【レジュメの有無】1作目のみ有り。手直しして10日程度で提供可能。
【試訳の有無】有。

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