人をものにたとえる

今日は良い天気だった!暑かったけど暑すぎなくてよかった。髪の毛を束ねようと思ったけれど、これくらいの暑さならば髪をおろしていても大丈夫かなと思った。なんとなく髪の毛をおろしていたい日がある。今日はそんな気持ちの日だった。

私はガスの検針をしているので、仕事の時はいつも1人だ。だから車内では独り言と口笛のオンパレードだ。ひとりで仕事をしていると、仕事中だけどプライベートな時間のようでいい。
ここ最近は姉と感覚の話を多くしていたので、今日はその感覚を主にして過ごしてみようと思った。

超駅近の70世帯あるマンションは、私が検針している集合住宅の中で一番大きいものだ。
そのマンションのエントランスにゴミ袋が3つ置いてあって、そこはゴミの悪臭で充満していた。マンションの住人である60歳くらいの女性がゴミ置き場からそのゴミを回収してきたようで、ゴミに張り紙をしていた。その女性が「見て、これ。あなた郵便屋さん?あのね、鍋も生ゴミも全部一緒に混ぜてるのよ。ゴミ収集車の人がね、ここのマンションの人はだらしがないって言ってたの。恥ずかしいでしょ、だから私こうやって時々ここに持ってくるの。」と眉間にシワを寄せながら言った。私は「これはひどいですね、ちゃんと分別してほしいですね。暑い中大変でしたね」と言いながらも、その女性のことを「黄緑色のキッチンマットと和菓子についている桜の葉のにおいの味がしそうな人だな」と思った。

私はそのマンションの検針を終えて、コインパーキングまで歩いていく途中に、コンビニの近くで隠れている白バイ隊員を見かけた。その白バイ隊員は、シャー芯のケースそのものだった。
シャー芯のケースだったから、私が見ても眼球1つ動かすわけもなく、ただ真っ直ぐと少し先の道路を見ていた。そうかと思ったら、突然サイレンを鳴らして猛スピードで、横断歩道に人がいるのに止まらないでそのまま進んでしまったプリウスを追いかけた。〇〇-〇〇、止まって下さい。というシャー芯のケースの声は、カツオだし顆粒の声だった。

コインパーキングの精算機の前に37歳くらいのお母さんと小学生の女の子がいた。彼女たちは、ディズニーランドのお土産のぬいぐるみとホットケーキミックスとしまむらのにおいがした。
お母さんの声はプリマハムの香熏で、女の子の方は洋食屋さんのトロトロオムライスの卵の声だった。

においの味というと、においはにおいで味は味じゃん?と思う人もいるかもしれませんが、これらがミックスされるとすごく感覚の幅が広がるというか、世界が広がる気がしています。
私にはこれが日常茶飯事ですが、面白いかもと思った方は感覚のずっと奥の方を感じるようにして試してみてください!

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