【随時更新!】SCP-JPざっくり解説【全文無料!】

のんびりペースで更新中!!!現在SCP-036-JPまで掲載しています。
(7月中までに100-JPまでは掲載することを目標にしています)

この記事は全文無料で読めますが、もしよろしければ恐縮ですがページ最下部から投げ銭していただければ励みになります。

共同怪奇創作サイト「SCP財団」に投稿されたSCP報告書のうち、日本支部(JP)で創作された記事をざっくりと解説するページです。

なおこの記事の解説や解釈はあくまで私個人のものであり、もしかしたら重大な解釈ミス、細かいミスや誤字脱字が含まれている可能性があります。ご了承ください。
またSCP財団は「ヘッドカノン」という形で多様な解釈・脳内設定が許容されている環境になっているので、同じ記事でも読む人の数だけ様々な解釈がありえます。この記事自体もあくまで1つのヘッドカノン、言わば二次創作としてお読みいただければ幸いです。

著者名は敬称略です。



超ざっくり基本的な用語解説

この記事を読む上で最低限知っておいた方がいい「SCP財団」の基本的な設定や用語です。
SCPオブジェクト/アノマリー
一般的に知られている物理法則に沿わない「異常」な性質を有する生物、物品、場所、現象などの総称。
財団はこれらの存在を安全に収容・管理するための「特別収容プロトコル(通称SCP)」を制定し、「SCP-040-JP」といった形で番号や支部コードを割り当てて管理している。

単に「オブジェクト」、または「異常存在(異常実体)」と表記される場合もある。


SCP財団
アノマリーを「確保」「収容」そして「保護」し、世間からアノマリーの存在を完全に隠蔽することで「正常な世界」を維持することを目的とした巨大組織。SCP記事は基本的にこの組織が作成した報告書(データベース)という体になっている。

数万人を越える優秀な研究者やエージェントを擁しており、世界中に「サイト」や「エリア」と呼称される収容・研究拠点を多数建設している。

政府機関や警察などの公共機関にも多くのエージェントを潜入されている上、記事によっては秘密裏に協力体制を取っていることも多いため、街1個を丸ごと封鎖したりといった事も普通にできる。

異常存在の実験や、収容に人的資源が必要な場合は基本的に死刑囚や極悪犯罪者や並行世界の地球から徴用された「Dクラス職員」が使用されるが、どうしても必要な場合は職員や一般市民を犠牲にする場合すらもある。財団は残酷ではないが、冷酷なのだ。

オブジェクトクラス
財団が管理しているSCPオブジェクトの収容難易度の目安を示す分類。SCPオブジェクト自体の爆発的な増加に伴いオブジェクトクラス自体の数もどんどん増えているが、頻出するのは以下の5つである。

Safe:比較的容易かつ安全に収容可能な存在。あくまで安全な収容方法が確立されているというだけで、必ずしもそのオブジェクト自体が安全という訳ではない。

Euclid:収容自体は出来ているものの、「性質が十分に解明されていない」、「性質に予測不可能な部分がある」、「多くの資源を必要とする」などの理由で予断を許さない状態にある存在。知性を持つ存在は通常このクラスに分類される。

Keter:確実な収容が極めて困難な存在。収容違反(収容下からの意図しない脱出)を度々起こしたり、何らかの理由でそもそも収容自体が不可能な存在などなこのクラスに分類される。Safeと同様、あくまで収容難易度の目安なのでオブジェクト自体が必ずしも危険というわけではない。

Thaumiel:財団が他のオブジェクトを収容するために特別に使用する存在や、財団の活動に有用な性質を持つ存在に割り当てられるクラス。このクラスの存在そのものが最高機密…とされているが、近年の記事ではあまりそうでもない。

Neutralized:何らかの要因で死亡・破壊されたか、異常性を失ったアノマリーに対して適用されるクラス。収容が継続されるかは場合による。

それ以外のオブジェクトクラスはその都度説明する予定です。

要注意団体
アノマリーの存在を認知しているのは財団だけではなく、他にもそれぞれの目的や理念のためにアノマリーを製作したり、所有したり、管理したり、破壊したりしている集団がある。財団はそれらの集団を「要注意団体(GOI)」と分類し、注視している。とはいえすべてのGOIが財団とは敵対しているわけでもなく、協力体制を取っている組織も割とある。

要注意団体の例としては平和維持のためにアノマリーの破壊を目的としている国連直属の組織「世界オカルト連合」、人工的に異常な生物を作成・販売する「日本生類創研」、異常な機械の製造を得意としている「東幣重工」などが挙げられる。

他にも様々な要注意団体がありますが、読んでいるうちに大体どのような組織なのかはわかると思います。

(都度追記予定)

それでは、SCP-JP記事のざっくり解説スタートです。


SCP-002-JP

著者:mary0228(2013年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

季節に関係なく常に種子を実らせた状態を保つ稲。感染したイネ食物に有毒な毒素を発生させる細菌を拡散させる。感染した食物を摂取すると消化器系に未知の油脂物質が発生し、猛烈な下痢と嘔吐の末に約24時間で死亡する。
最初の破壊実験以降、接近した生物や器物からの回避行動を取るようになった。


SCP-003-JP

タイトル:████████の秘密開発兵器
著者
:broken_bone(2013年作成)
オブジェクトクラス:Keter

東シナ海のとある島(収容エリア-8109に指定)に放置された、戦時中にとある国が開発した物質輸送装置。肉眼やカメラなどで監視されていない状態にある物品(生物や一部SCPオブジェクトを含む)を無秩序に周辺に転移させる。

SCP-004-JP

タイトル:矛盾なき電卓
著者
:hadhad(2013年作成)
オブジェクトクラス:Safe

どのような計算式でも正確に算出できる多機能電卓。四則演算や関数電卓機能に加えて自然言語での入力も可能。しかし途中式の意味を理解してしまうと、精神的・体調的な異常が発生する。

SCP-005-JP

タイトル:4羽の鳥の彫刻
著者
:Kwana(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

ペリカン目の鳥類を模した4羽の鳥の金属彫刻。破壊耐性と知性を有し、日本語での意志疎通が可能である。SCP-005-JP-4とナンバリングされている個体のみ、同じく金属製で破壊不能性質を持つ魚をクチバシに咥えている。
本人(本鳥?)たちは帝国出身の軍人を自称している。005-JP-4は特務技官らしい。

SCP-006-JP

タイトル:あけろ
著者
:locker(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

木製と思われる1枚のドア。不定期に直立し、ドアをノックしているかのような音を発生させる。

ノック音が開始されると半径23m以内の人間の死体が蘇生し、蘇生した死体は扉を押さえつけようとしているかのように006-JPの表面に群がりだす。ノック音は段々と激しくなるが、唐突に停止し、蘇生者も元の死体に戻る。もし半径23m以内に死体が存在しなかった場合は、影響範囲が徐々に拡大する。

あるエージェントは、006-JPの表面に群がる死者達を"押し込んでる"というより"縋り付いてる"ようにしか見えないとコメントしているが…?


SCP-007-JP

タイトル:廊下の男
著者
:SenkanY(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

ある洋館の構造、もしくはそれに類似する通行可能な廊下等の構造を認識した時に生じる異常思考。想起すると中央ホール部分にコーカソイド系の男性が立っている様子が思い浮かぶ。

一度この男性の姿を確認した者は例え洋館の内部構造が思い出せなくてもいつでも男性の姿を想起する事ができるようになり、被験者に対してアドバイスを送る。
記憶処理などは効果は無いが、精巧に順序だって想像された存在、たとえば製造工程を思考し製造した武器や、生態をよく知っている生物による捕食などの様子を想像することで無力化可能。

SCP-008-JP

タイトル:伝染性柱状節理
著者
:iPod_surgery(2013年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

体液を媒介とする感染力の非常に強い病原体。感染すると1週間から10日間の潜伏期間を経て骨や筋肉組織が徐々に硬質化し、皮下組織がエナメル状質に変質する。表面にはマグマが冷却固結する時に生じる「柱状節理」に似た一辺5mm~10mmほどの五角形~六角形に近い規則正しいひび割れが生じる。

その結果硬質化した部位が損傷しやすくなり、最終的に感染者は全身を分解して死亡し、六角柱状の砕片の山と中身の抜けた皮膚組織だけが残される。
なお内臓組織などが分解されても、脳組織が硬質化しひび割れるまでは感染者の意識は残り続ける。

SCP-009-JP

タイトル:閏秒
著者
:shinjimao(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

世界中の時計、主にセシウム原子時計に不定期に発生する異常現象。セシウム原子時計の誤差は1億年に1秒程度であるため、国際原子時(TAI)は世界各国の約300個のセシウム原子時計(数十個が財団の管理下にあるらしい)の加重平均によって定められている。

この現象が発生すると全てのセシウム原子時計はQ群とS群のいずれかに二分される。2群は正確に同じ秒数だけ狂い、常に"Q群の時計はS群の時計よりもX秒だけ早くなる"という結果になる。2014年1月までに発生した事例において、時差は最少で0.00000006秒、最大で0.21秒らしい。

…というのはカバーストーリー。009-JPは正確には巨大な質量を持つ何かしらの存在が空間を歪めて瞬間的に出現したことにより生じた重力異常による副次的な現象である。もし例の存在が長期的に存在した場合、最悪の事例では地球が潮汐分裂によって破壊される可能性があるとのシミュレーション結果が算出された。

SCP-010-JP

タイトル:"Mirai PC"
著者
:Kwana(2013年作成)
オブジェクトクラス:Safe

USBメモリ型の装置。コンピューターに接続するとプログラムが起動し、未来の計算結果を先取りして取得することが出来る。
「Mirai PC Project」なる謎の会社が製作したらしい。

SCP-011-JP

タイトル:俺達はスーパーボール
著者
:broken_bone(2013年作成)
オブジェクトクラス:Safe

全長5cmほどのゴム製の人形(200個以上存在)。人間が直接触れると人間男性型の生物に変質する。

この男性型実体(011-JP-B)は打撃に対してのみ強靭な耐性を持つ。011-JP-Bは仲間意識が強く、常に組体操のように腕や足を絡めあわせ、球体を作ろうとしている。
個体数が11体未満の場合は球体には隙間が生じるが、もし通常の人間が興味本位で隙間に身体を入れてしまうと手足をホールドされて抜け出せなくなってしまう。球が完成すると011-JP-B達が全身の筋肉を使って球をバウンドさせ、障害物にぶつかる度に球は加速する(当然組み込まれた生物は死亡する)。初期回収時には1000名を越える死者が出てしまった。

とはいえ本人(?)達に悪意はなく、あくまで反発心の強いだけのスーパーボールである。

SCP-012-JP

タイトル:金魚
著者
:ak1-yorunaga(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

多様な金属で構成された金魚型のロボット。水中に入れると活動を開始し、金属を食べると活発になる。一定量以上の金属を食べると未知の合金で作られた卵のような黒い球体を出産する。この球体は接触した金属を段階的に012-JPへと加工する機能を持つ。

元々はある人物が幼少期に要注意団体「東弊重工」の関係者につくってもらったおもちゃらしい。


SCP-013-JP

タイトル:ホームビデオの親戚
著者
:grejum(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

3人以上の血縁関係のある人物の映ったホームビデオにのみ登場する、高齢男性風のマスクを被った謎の人物。映像が最後まで再生されるか、記録された媒体が破壊されると別の映像へと転移する。

映像の中では家族と親しい仲のように見えるが、実際に撮影された場所に013-JPが存在していたという事実は一切無く、013-JPについての記憶も持たない。しかし013-JPが記録された映像が最後まで再生されると、撮影者と家族はSCP-013-JPを親戚か親しい仲の人物だと強く確信するようになる。

後に013-JPが映ったビデオを撮影した家族4名が何者かに惨殺される事件が発生。家に無理矢理押し入った形跡はなく、また机の上にはなぜか5人分の夕食が用意されていた。

SCP-014-JP

タイトル:ラストオーダー
著者
:Gin-X (2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

ボタンの付いたプラスチック製の開閉式の箱。食べ物の名前を書いた紙を入れてボタンを押すと、内部に該当する食品が出現する。

しかし出現した食品を食べてしまうと、以後それと同じ種類のものを除く全ての食品を食べられなくなってしまう。もし違う食品を食べた場合、摂食物を全て吐き戻すまで激しい嘔吐感に襲われるようになる。なお「違う食品」の中には飲料、つまり水も含まれる。

一応014-JPで生成したのと同じ料理を摂食すると、以前までより数段味わい深く美味なものと認識されるようになる副次的な性質も持つが、全然ありがたくない。

014-JPはある小学校の夏休みの工作展示場で発見された。製作したとされる生徒は不登校であり、実際にこれを作って学校に持っていった事を裏付ける記憶も記録も残されていなかった。

SCP-015-JP

タイトル:マグネッ人
著者
:zantou_t(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

██県██市山中の旧道に設置されたガードレール。強い衝突を受けたかのような凹みと傷があり40度ほど道路側に倒れているにもかかわらず、破壊耐性を持ち移動させることも不可能である。

毎年2月14日から生きた人間にのみ作用する引力を発生させる。引力は徐々に強まり11月頃になると致死的なレベルになる。多少前後はあるものの12月30日~2月13日の間は休止期に入り、異常性は無くなる。

199█年の12月中旬に015-JPの付近で20代の夫婦が乗った車と30代の男性が乗った車の衝突事故が発生して以来、この異常性が発生するようになったらしい。この事故は唯一生き残った夫の証言と現場検証により、30代男性側の不注意による事故として処理された。

なお200█年の12月中旬に侵入者が015-JPの異常性により死亡する事案が発生。遺体の損傷が激しいうえに所持物も僅かな現金と白い花束、粉ミルクだけだったので身元は特定できていないが、先述の事故の夫ではないかとの見方が有力視されてきる。

SCP-016-JP

タイトル:侵食性ピアス
著者
:mary0228(2013年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

金属製のボディピアス。装着すると30分に1個の割合で身体のどこかに様々な種類・形状のピアスが出現し、数ヶ月経過する頃には全身が完全にピアスに埋まってしまう。増殖したピアスも同じような性質を有しているため、オリジナルの016-JPの特定は困難である。

どれだけピアスが出現しても被害者は苦痛を感じるどころか逆に達成感や高揚感を感じるらしいが、体組織の破損や化膿により最終的にはほぼ死に至る。

SCP-017-JP

タイトル:ローカルルール
著者
:izhaya(2018年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

██県████郡近辺で行われたじゃんけんに用いられる、「ナー」「ナム」「ナン」と呼ばれる異常な手の形。この手を出した人が1人の場合は必ず勝利し、複数人の場合は逆に全員が敗者として扱われる。

じゃんけんの参加者全員が017-JPを出した場合、勝利者が得るはずだった賞品は消失し、地球から60億kmほど離れた星域へと転移する。なお、転移した物品は短周期彗星と似た軌道をとり、約40年ほど後に地球に再接近する。

SCP-018-JP

タイトル:斃れし女王の時計
著者
:locker(2014年作成)
オブジェクトクラス:Keter
備考:元々はAnomalousアイテム

裏面に血痕が付着した懐中時計。3月20日と9月23日に血痕の形状が変化する。変化した形状は北極圏海域内のとある海氷の最大海上面積と一致する。というよりは血痕の拡大に応じて海氷の面積も拡大すると言った方が正しいようで、大規模な気候変動およびSCPオブジェクトの存在が一般に露見するリスクがある。

時計部分を手動で移動させる実験を行ったところ、女性の悲鳴のような摩擦音・実験者への涙腺刺激・12時15分への各針の固定といった現象が発生し、更に4分間だけ以下のメッセージが出現した。

彼女の死を憐れみたまえ

凍えるまでの涙を、捧げ続けたまえ

哀悼せよ、最期の一欠片まで

SCP-018-JPより引用

元々の持ち主の死と前後してこの異常性が発生したらしい。
12時15分に処刑された「女王」といえば…?

SCP-019-JP

タイトル:普通のボノボ
著者
:tokage-otoko(2013年作成)
オブジェクトクラスKeter Neutralized(異常性喪失)

自身を救世主と自称する現実改変能力者。実際は現実改変能力を悪用した数多くの窃盗、暴行、殺人、強姦、[削除済]を行っていたことが確認されており、その事を指摘されると激しい癇癪を起こす。財団職員が参加していた結婚式場でやりたい放題やっていた所を発見され、財団に捕縛された。

さて、SCP財団は基本的に異常な存在でも極力破壊せずに収容するというスタンスを取っているが、現実改変者に対しては終了(破壊)という手段が取られることも多い。ただでさえ知性を有する異常存在はそれだけで予断を許さない存在と見なされ基本的にEuclidかKeterクラスに分類されるというのに、そのうえ(各々限度や得意・苦手分野があるとはいえ)現実の状態や人々の認識を思いのままに操作できる存在というのはリスクがあまりにも大きすぎるからだ。

019-JPも「危険」「実験対象としても不適切」「保護する利益が極めて少ない」と満場一致で判断され、終了処分が実施された。しかし019-JPは現実改変能力で近くに存在した実験動物のボノボと自分の首を入れ替えることで生存を図り、首から上はボノボ・首から下は019-JPの肉体を持つ存在が誕生した。

なおボノボは直後に現実改変能力で首から下を元々の自分の体に変化させ、事実上異常性は喪失した。どうやら現実改変能力の根源は頭ではなく首から下だったらしい。

SCP-020-JP

タイトル:翼人
著者
:mizuno(2013年作成)
オブジェクトクラス:Safe

両腕が鳥類の翼に置換されている、人間の少女のような姿の存在。数十%ほどタンチョウに近い遺伝子が含まれている。知能は4歳程度である。

衰弱しカラスに襲われているところをキャンプ中の大学生グループに発見され、助けられた。そのうちの1人への顕著な刷り込みが確認されたが、彼を飼育員として雇用する案は020-JPが本物と彼の仮面をつけただけの財団職員の区別がつかないという理由で却下された。

要注意団体「日本生類創研」によって作り出された存在の1つ。

SCP-021-JP

タイトル:規則正しいスリッパ
著者
:不明(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

スリッパ一足。外観では区別がつかないが左足用と右足用があり、逆に履くと足が021-JPに完全に固定され、時計回りか反時計回りに反転を開始する。結果的に装着者の腰から足首は完全に180°反転し、脚部機能はほぼ完全に破壊される。

021-JP自体が破壊された場合は別のスリッパに異常性が転移する。

SCP-022-JP

タイトル:すてきなせんせい
著者
:shinjimao(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

書籍で構成された頭部と若い女性の身体を持つ実体。「メイク」することで頭部も眼鏡をかけた女性の姿に擬態させることが出来る。「メイク」はブラックライトを照らすことで容易に解除できる。摂取した書物を炭水化物とタンパク質に分解して栄養源にすることが可能、というか逆にそれ以外の物質での栄養補給は不可能。

更に022-JPが身振りを伴う発話を行うと、それを認識した人物の知識や肉体に異常な影響(例としては何かしらの知識を完全に取得する代わりにアレルギーを発症するなど)をもたらす異常性も持つ。収容以前は「ホンナ先生」と名乗り各地の学校で奇妙な授業を行っていたため、多数の生徒が影響を受けてしまった。

022-JPへのインタビューによると異次元出身らしいのだが、普段のように出勤したはずなのになぜか現実世界の小学校に来ていたらしい。結構そそっかしい性格のようだ。ちなみに先述した授業も、あくまで摂食した書物の対価代わりに行っていたらしく、悪意があった訳ではないらしい。

SCP-023-JP

タイトル:影の鉄道路線
著者
:Kwana(2013年作成)
オブジェクトクラス:Keter

日本国内で営業中のあらゆる鉄道駅に前触れなく出現する未知の鉄道路線。この路線のホームへと繋がる通路や階段は瞬間的に出現し、短くて数分、長くて数年で消失する。この現象は1800年代から発生しており、当時は財団日本支部の前身団体にあたる組織が秘密裏に対応していた。

023-JPのホームに停車する電車に乗ってしまうと、「存在しないはずの駅に到着し奇妙な白い存在を見て失踪」、「車内で影のような人型実体に襲われ失踪」、「最高時速3600kmの次世代高速列車に迷い込む」といった不可解な現象に巻き込まれ、多くの場合は失踪するか悲惨な形で発見される。

なおこのオブジェクトの性質上収容は不可能なので、全鉄道会社の協力のもとに営業中の日本国内の全ての鉄道駅を常時監視し、023-JPが発生次第工事現場に見せかけて封鎖するという手段を取っている。ということは、SCP世界の鉄道会社の上層部はアノマリーの存在を認知しているのだろうか。

ナンバーの由来はおそらく「2月3日(きさらぎ駅→鬼→節分)」。

SCP-024-JP

タイトル:カラオケBOXES
著者
:ak1-yorunaga(2013年作成)
オブジェクトクラスEuclid Safe

液晶画面とキーボードが付いたコインロッカー全24箱。待機時の液晶画面には「東幣カラオケ(仮)へようこそ!」という文字と、現在の空きロッカーが表示されている。
以上の内容から察せられるように、これは要注意団体「東幣重工」が開発した携帯(?)カラオケルームの試作機である。

何かしらのキーを押すと起動し、利用人数、利用時間、利用する部屋を入力する画面が表示される。全て入力すると「基準料金」とされる金額が表示され、投入した金額が基準額よりも低いほど貧相に、高いほど豪華になる。支払いが終わると指定されたロッカーの内部に入力内容に応じたカラオケルームが生成され、カラオケを楽しむことが出来る。壁に備え付けられたインターフォンに退出の旨を伝えることでロッカーの外に出られる。

生成できる部屋のジャンルは幅広く、「ビジネスホテルの一室」、「スカイツリーの展望デッキ」、「エアーズロック山頂」、「ストレス解消専用の部屋」、さらには「サイト-8181のSCP-024-JPが保管されている部屋」まで生成できる。どうやら、利用者の思考を読み取ってそれに応じた部屋を生成する機能も持っているようだ。なお屋外の場合でもカラオケマシーンを中心として半径100mほどに見えない壁のようなものが存在し、それより外に行くことはできない。

利用時間終了後も退室しないと2回ほどインターホンから警告音声が流れ出す。それでも退出しないとカラオケの画面が真っ黒になり「サッサトデロ」と赤文字で表示され、その1分後にロッカーは「空いた状態」になる。

報告書に記載されているだけでも13件の実験が行われたほか、別ページの実験記録には更に24件(2024/7/8時点)の実験結果が記載されているが、ちょくちょく私的利用としか考えられない物も見受けられる。そのため当初は起動に必要な金銭は経費として計上されていたが、後にDクラス職員を用いた実験以外は自費で行うよう収容プロトコルが改訂された。
メタ視点から言うと024-JPの利用記録は合作ページになっていて、SCP財団日本支部サイトのメンバーなら自由に「実験結果」を書き込める仕様になっている。

SCP-025-JP

タイトル:みるきぃのそだてかた
著者
:kainndo(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

表紙に「みるきぃのそだてかた」と書かれた、非常に劣化した市販の学習用ノート。内容は子供が書いたかのような子猫に関する絵日記で内容自体に異常な点はないものの、特定のページを直接閲覧した人間が育成した動植物は閲覧した内容に沿った能力(発話能力、二足歩行能力、知能の上昇など)あるいは閲覧者への服従心を獲得し、最終的に閲覧者に近い能力・人格を得る。

ちなみに動植物と言ったものの、人間にも影響には及ぶ。娘が父親と全く同じ見た目になったりします。

SCP-026-JP

タイトル:現代のハイヌウェレ
著者
:tokage-otoko(2013年作成)
オブジェクトクラスSafe Euclid

10代の日本人女性。肉体から完全に離れた瞬間に涙液・尿・血液は何らかの飲料あるいは液体の食物に、吐瀉物・糞便・体組織は固体の食物に変化する。しかもこれらの食物は食器のような物質の上に調理され盛り付けられた状態で現れる。026-JPの健康状態が悪化するほど料理の質は劣化し、毒性や危険性が発生するようになる。

井沼博士の主導による研究が行われていたが、「026-JPを麻酔したうえで脚部にメスを入れ、歩行に支障がない程度に筋肉組織を摘除する」という実験が財団倫理委員会に問題視され、実験担当者の変更が通知された。ところが井沼博士は何を考えたのか直後に026-JPの収容室に入り、026-JPを拘束して脊髄の一部を麻酔無しで摘出。摘出された脊髄は即座に「自己増殖し触れた有機物を自身に置換する真黒なシチュー」に変化し、終息までに井沼博士を含む22人の財団職員が死亡した。

どうにか026-JPの治療は成功したものの、著しい対人恐怖症及び刃物恐怖症を発症しており、現在は週に1度のメンタルセラピーを受けている。

SCP-027-JP

タイトル:ギロチンマジック
著者
:ogakuzu(2018年作成)
オブジェクトクラス:Safe

マーシャル・カーター&ダーク株式会社の倉庫から回収されたマジック用ギロチン。

マーシャル・カーター&ダーク株式会社とは?
イギリス・ロンドンを拠点にしている企業で、裏社会ネットワークを通じて超富裕層を対象にアノマリーを高値で販売している。略称は「MC&D社」。
自らアノマリーを作り出すことは少なく、他の要注意団体からアノマリーを購入し、法外な利幅で転売している。

ミニ解説おわり

マジック用なのに何の仕掛けもなく、切れ味はかなり鋭利。それにも関わらずこれを使って人間の頭部を切断しようとすると、刃は被験者の首を切断せずにそのまま落下し、被験者が負傷及び死亡する事が無いという異常性を持っている。人間以外の動物には異常性は発揮されない。

後に財団が日本生類創研の拠点を襲撃した際に、027-JPの実験に利用されたDクラス職員や、MC&D社の顧客数名の頭部が発見された。この事案を受け再調査が行われ、実際には被験者の頭部が瞬時に消失し、新たな頭部が再生している事が判明した。消失した方の頭部は件の日生研拠点に転移される設定になっていたと見られている(現在は転移先が不明な場所に変更されている)。どうやらMC&D社と日本生類創研の間で、実験材料の提供に関する契約が行われていたようだ。

SCP-028-JP

タイトル:ぺったんこカー
著者
:Kowatari(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

縦方向に潰されたコンパクトカー。幅は2.7cmと薄くほぼ平面状態にもかかわらず直立が可能。正確には前方と後方で車種が異なっており、2台の潰れたコンパクトカーが融合して構成された存在のようだ。

飲酒や催眠などで意識レベルが低下している人物がこれを見ると潰れていない通常のコンパクトカーとして認識し、実際に028-JPに乗車することができる(外部からは吸い込まれて消失したかのように見える)。

028-JPに「乗車」した人間に無線通信機を持たせて行った実験によると028-JPに乗って夜間の道路を運転し、最終的に毎回同一の紺色のコンパクトカーとの衝突事故が起きる映像が記録されるが、実際には028-JPは一切移動していない。乗ってから約1時間経過すると突如車内前方と紺色車後方からそれぞれ2本の強い光が差し込み、強い衝撃とともに乗務員は消失し、通信も途絶する。

SCP-029-JP

タイトル:鉄道路線上の肉
著者
:broken_bone(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

夜間に日本国内の鉄道路線上に生肉のような質感の実体が出現する現象。この実体は大きさや形状は様々だが、照明器具が放つ光に向かって移動し、300ルクス以上の光に曝露されると融解・蒸発する点は共通している。

分析によれば大型の哺乳動物によく似たたんぱく質と脂肪で構成されており、筋繊維中のアミノ酸含有量から死後二日ほど経過していると推定されている。1.2mほどの概ね人型の実体として出現した例もある。

鉄道路線で発生した事件事故と029-JPの出現事例の関連性は見られず、詳細は不明。

SCP-030-JP

タイトル:石油喰らい
著者
:tokage-otoko(2013年作成)
オブジェクトクラス:Keter

日本生類創研が作り出した生物の一種。石油を食事にして爆発的に増える昆虫類の生物で、外観は白い毛で覆われ、翅や触覚はなく、脚の力も弱い。

見た目は可愛いが石油や石油を加工したあらゆる物品を摂食してしまう上に、繁殖力が異常に強く1度に300個の卵を産む。しかも産まれてから3日で繁殖ができるようになったり、多くの生物が不快に感じる味を持つ上に消化吸収できないため補食される事もなかったり、おまけに死骸の自然分解の速度が極めて遅く、800度以上の高温で焼却し適切な処理を行わなければダイオキシン類のガスを発生させたりと、厄介な性質ばかり持っている。

以上の性質から、もしも[編集済]日間石油や石油加工製品を十分に与えられた環境で放置された場合、地球上のすべての陸地が030-JPの死骸により埋め尽くされてしまうと予測されている。財団の懸命な活動にもかかわらず、今でも1万匹以上の030-JPが野生環境にいると推定されている。

地球を滅ぼすために作られたとしか思えない生物だが、実は「エコロジー・キャンペーン」用の廃棄物処理生物として作られたらしい。放棄された研究施設で脱走して1万匹以上に増殖した030-JPとともに以下のメモが発見された。

エコロジー・キャンペーン用試作

ポリクイくん ポリッコ 名前はプレゼンの時に考えよう。とりあえず「ポリクイガ(仮)」で。

これが売れれば更に我々の研究を先に進めることが出来るだろう!

現状サンプルを増やすため繁殖能力を強化

絶対に逃すな!

     ↑ごめん^^;

SCP-030-JPより引用

SCP-031-JP

タイトル:ヴォラレフィリア
著者
:tonootto(2018年作成)
オブジェクトクラス:Safe

京都市上京区に所在する4階建ての雑居ビル。定礎板によると要注意団体「如月工務店」が建設したらしい。

如月工務店とは?
いくつかの異常な建造物を建設したとされる正体不明の集団。依頼人の多種多様な要望に応じた建築物の施工を得意としているが、実際に完成した建造物はまるで依頼を曲解したかのような負の性質を有するシロモノが多い。しかし害意があるのか、一般社会との価値観の相違により生じたものなのかはハッキリしていない。
どうやら古来より「鬼」と呼ばれている存在と何かしら関係があるようだが…?

ミニ解説おわり

エレベーターには「1」から「5」までのボタンがある。1から3を押すとボタン通りの階に、5を押すと4階に到着するが、「4」のボタンを押すと3階から4階の間で停止し、タイル貼りの浴室のような異空間へと繋がる。エレベーターの扉が完全に閉じると通信は途絶し侵入者は失踪する。

通信途絶から約半日後に、京都市上京区の北野天満宮境内にウメの芽が出芽し、約2時間で成木になり季節に関係なく開花する。幹の内部には031-JPで失踪した者の所持品(特に金属・プラスチック製品)が陥没している場合があるが、侵入者自体の体組織や衣類などはほとんど発見されていない。

幹の内部から回収された記録装置(Dクラス職員を用いた実験時に使用された)に、通信途絶後の様子が記録されていた。それによると侵入者は内容が変化する張り紙にシャワーを浴びてから香水を付けるよう促され、指示に従うとエレベーターの扉が開くものの、扉の先は先程までのエレベーターではなく、薄暗い和室風の空間へと繋がっている。

和室には「ウメハル(梅春?)」と名乗る両目・両眉・両耳・鼻のない花魁風の女性型実体が存在する。ウメハルは以前は「セキリュウクラブ」なる組織で活動していたらしいが「上品ではないから」と追い出され、本人によれば自分の意思で031-JPに移り住んだが、代わりに口以外の身体中の穴を全て埋められてしまったらしい。しかし不思議なことに和室の中にある梅の木のことは見ることもできるし、匂いをかぐことも出来ると主張している。

・・・ところでウメハルの発言に出てきた「セキリュウクラブ」と同じ名前を持つ要注意団体を、財団は既に認知している。「石榴倶楽部」だ。

石榴倶楽部とは?
京都府京都市を中心に活動している秘密結社である。定員はたったの10名で、何らかの理由で欠員が出た場合のみ新たな会員を受け入れ、新人は先代のコードネームを襲名する。

何故そこまで徹底した秘密主義が敷かれているのかというと、「石榴倶楽部」は人肉嗜食者の集まりだからだ。「石榴倶楽部」という名前も、人肉を「ザクロ」と呼ぶことに由来している。といっても野蛮な存在という訳ではなく、むしろ気品を重要視している。ただし人肉食を好む理由や行動理念は各々異なっており、組織的な活動理念は明白になっていない。

カニバリズムの倫理的な良し悪しを除けば財団にとって脅威的な組織ではないものの、人肉食の過程でアノマリーや要注意団体と関与することもあるため、財団からは注視されている。

ミニ解説終わり

話を031-JPに戻すが、ウメハルも元石榴倶楽部のメンバーということは…?
加えて、タイトルの「ヴォラレフィリア」は「Vorarephilia」、つまり丸呑みフェチシズムのことを指している。
あとはお察しの通りである。

SCP-032-JP

タイトル:バッカスの紫水晶
著者
:ZZZZihanki(2014年作成)
オブジェクトクラス:Safe

とある村の鉱山から発掘された鉱物。外観や構成は紫水晶と酷似しているものの、未知の元素が含まれており、一般的な紫水晶よりも砕けやすい。

高品質なワインのような味を持つが、食べてしまってから24時間以上経過した人間は酒と葡萄以外を食べることに対して激しい嫌悪感を抱くようになり、酒以外の水分を摂取するとまるでアルコール摂取時のような酩酊感が発生するようになる。この症状は時間経過と共に悪化し、更に24時間後には自らの唾液や、空気中に存在する水分、水蒸気などにも酩酊感を感じるようになる。032-JPを摂取することでのみ、症状発生初期の状態に戻すことができる。

更に3日から21日ほど経過すると、被害者は身体の末端から徐々にワインに変化し、そのまま消失する。ワインがどこへ消失したのかは不明である。

なお032-JPが発見された鉱山内からは古代ギリシア語で書かれた文章が発見された。それによると、何らかの存在が食べ物が少ない村への「贈り物」として食べられる紫水晶(032-JP)を山に大量に発生させたようだ。文章の最後には「そして、私もワインに困る事は無くなるだろう!」と付け加えられている。

文章の内容やタイトルからすると、このアノマリーにはワインの神様として知られている「バッカス」が深く関与しているようだ。

SCP-033-JP

タイトル:スパイ七つ道具
著者
:broken_bone(2013年作成)
オブジェクトクラス:Safe

「博士のスパイなりきりセット!スパイ七つ道具!」と表記されたパッケージに入っていた7つのアイテムの総称。裏面には「博士が開発した、優秀なスパイのための七つ道具!これさえあれば君もスパイだ!楽しもうね!」と印刷されていたが、メーカー名・連絡先・商標といった製造元に関する情報は記述されていなかった。

033-JPは以下の7つのアイテムで構成されている。

  1. ボールペンピストル:1秒以内に2回ノックすると軸の金属部分が9mm拳銃弾の初速に匹敵する速度で発射されるボールペン。口径の小ささのため市販の防弾チョッキを貫くほどの貫通性能がある。

  2. 万能鍵ハリガネ:ステンレス製の針金。先端が曲がっており、鍵穴に挿入することで錠前を開くことができる。サイズさえ合っていれば南京錠や金庫の鍵すらも解錠可能。

  3. 腕時計型無線機:指示した時刻に対応した周波数のAMラジオ放送を送受信できる腕時計型の装置。腕時計としては機能しない。

  4. 超小型発信器:常に電磁波を放出している小豆サイズのカプセル。金属に吸い付き、簡単には外すことができない。これが送信する信号は腕時計型無線機の針の時刻を10:07に合わせることで追跡できる。

  5. 変装眼鏡:プラスチック製のフレームと度の入っていないレンズで構成された眼鏡。着用者を見た人間の認識に影響を与え、顔見知りでもとっさに名前が呼べなくなる。ただし子供サイズなので掛けられる人間は少ない。

  6. 秘密暗号手帳:後半に乱数表と暗号作成方法が印刷された手帳。これに書かれた方法で作成した暗号の解読には、財団の暗号解読チームですらも80時間掛かった。

  7. スパイなりきり大百科:全16ページの冊子。アイテムの使用方法を説明する漫画「ゴルゴタセブン危機一髪!」と、スパイに必要な知識が羅列された「スパイ大百科」が掲載されている。後半には政府機関への侵入方法や、機密保持者から情報を聞き出す方法、尾行術、逃走術、武器を奪われてもできる自決方法などが記載されている。他のアイテムにも言えるが明らかに子供向けではない

いくつかのアイテムは実際に財団エージェントによる活用が検討されたが、他にも033-JPが出回っている恐れがあることや、由来が不明なため信用性に難があるという理由で却下された。

033-JPは個人経営の中古玩具店を偶然訪れたエージェントが、パッケージの陰影を「ワンダーテインメント」という文字に見間違えたことで発見に至った。実際に商品名やパッケージ裏の解説からワンダーテインメント博士との関連が推測されたが、ワンダーテインメント博士関連製品のロゴや商標が無いため、パロディもしくは海賊版であると判断された。
記事では明記されていないが、恐らく「博士」が作成したアノマリーだと思われる。

ワンダーテインメント博士とは?
子供用の玩具としてアノマリーを製作・販売している個人または企業。子供向けに製作されている以上、きちんと説明書通りに遊べば危険なアノマリーは少ない。無い訳では無いけど。
解釈は記事によって大きく異なり、個人だったり襲名制だったり企業だったり、善人だったりマッドサイエンティストだったりする。いずれにせよ、良くも悪くも子供心を持ち続けている存在のようだ。
ワンダーテインメント博士の製品の説明書には必ずといっていいほど「楽しんでね!」というフレーズが含まれている。

「博士」とは?
ワンダーテインメント博士に成り済ましている謎の人物または集団。ワンダーテインメント博士と違い「博士」の製造するアノマリーは危険なものが多く、甚大な被害を発生させる恐れがあるものも少なからず存在する。おまけに消費者へのアフターフォローも最悪である。
目的は不明だが、愉快犯ではないかとの見方もある。
こちらの製品の説明書には「楽しもうね!」というフレーズが含まれているのが特徴的。

とはいえ033-JPの記事が書かれた当初はまだ「博士」の設定が固まっていなかったらしく、子供向けとは思えない性質を持つものの、「博士」製作のアノマリーにしては穏健な部類である。

ミニ解説おわり


SCP-034-JP

タイトル:矮雄
著者
:mary0228(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

子宮部周辺に最大約10cmほどの袋状の器官が6つ存在し、子宮内部と接続されている30代日本人女性。

034-JPと性交渉を行った男性は嘔吐と吐血を繰り返し、最終的に身体が約10cmまで縮小してしまう。034-JPは縮小した男性(034-JP-1)を体内に取り込んで先述した子宮周辺器官に運び、034-JP-1は定期的に精液を子宮に排出するようになる。なお不要になった034-JP-1を体外へと吐き出すことも出来るらしい。

034-JPは年に1度のペースで、現在取り込んでいる男性の数だけ多胎児妊娠する。財団が把握している限りでこれまで28名の男児と4名の女児を出産している。女児の方はいずれも034-JPと同じ身体的特徴を有していたため、子宮を摘出したうえで財団管理下の児童養護施設に移送された。

SCP-035-JP

タイトル:フラワープ
著者
:private_43(2013年作成)
オブジェクトクラス:Safe

側面に「フラワープ」とレタリングされているフラフープ。人間が一般的なフラフープと同様に使用すると、フープより上にある身体が様々な場所に転移する。

035-JPを回転している限り効果は持続するが、回転を止めてしまうとその時点でフープより上にあった身体はそのまま転移先に取り残され、その場にはフープより下にあった身体だけが残される。つまりは、使用者の身体が綺麗に両断されてしまう。なお回転を停止させずに地面まで落下させると、全身がその場所に転移する。どのみち元の場所に残り続ける方法は無い、と思いきや…?

転移先には「成人男性の足が生えた1.5m程の秋刀魚が徘徊している小部屋」や、「筋肉が異常に発達した2m程の二足歩行のリスが暴動を起こしているロンドン風の都市」といった明らかに異常な場所が含まれているため、異次元空間へと転移している可能性がある。

元フラフープのプロであるDクラス職員を実験に使用したところ、彼は見事に上半身を捻ってSCP-035-JPを投げ飛ばし、転移先からの脱出に成功した。

D-8556を月毎の解雇リストから外すように人事部に申請した。彼は天職を見つけたようだな。

SCP-035-JPの研究者のコメントより引用


SCP-036-JP

タイトル:Shock in 会議
著者
:shinjimao(2014年作成)
オブジェクトクラス:Euclid

現在は廃校となった、とある中学校の職員室。平日の午後4時になるとチャイムが鳴り響き、13体の人型実体が出現する。人型とは言うものの、頭部はトロフィー、三角定規、フラスコ、ラジカセなど、授業や学校活動と何らかの形で関係している物品に置換されている。

各実体は職員会議を行うが、その議題は「プールの消毒用塩素による健康被害が報告されたため、試験的に塩酸に置き換える」、「集団検診の生存率が2.7%だったため、次回からはギロチンを導入する」、「溶解部が県大会で準優勝し、全員が死亡したことの報告」といった、明らかに異常な内容のものが多く見受けられる。

午後6時になると全実体は職員室の出入口を通じて消滅するが、実際に実体が廊下側に出現することはない。

実体が出現中の036-JPに21才から35才までの人物が進入した場合、対象者はただちに実体達に拘束され、未知の手段により身体の自由を奪われる。進入者は教育実習生あるいは新任教諭として紹介され、会議の終わりに「歓迎」と称して実体全員に撲殺される。遺体の頭部は持ち去られ、代わりに国語辞典やホルマリン標本などのやはり学校に関係のある物品が取り付けられる。

20才以下、あるいは36才以上の人物が活性状態の036-JPに進入しても実体と遭遇することはない。財団は、036-JPが存在する県の教員採用条件が35才までであることと関係していると推測している。

生徒に対する4件の[編集済]で実刑判決を受けた元教員のDクラス職員(D-036-05)を用いて実験を行ったところ、通常とは異なる反応が観測された。(元記事より一部抜粋)

<録音開始>

(対象がSCP-036-JPに進入すると同時に会議が中断し、全実体が対象を向く)

SCP-036-JP-02: では次に、明日から着任される新しい先生を紹……。(沈黙)

D-036-05: えっ、な、何? 何だ? おい、お前らはもしかして……。

(全実体が立ち上がり、対象に向かってゆっくり歩み寄る)

D-036-05: やめろ! こっちに来るな! 来ないでくれ! 俺が、俺が悪かったんだ! やめてくれ! お願いだから!

SCP-036-JP全実体: お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前のせいで。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前じゃない。お前だ。

(絶叫と共に鈍い殴打音が繰り返される。以後録音終了まで変化なし)

<録音終了>

SCP-036-JPより引用

D-036-05は通常よりも遥かに執拗な攻撃を加えられ、DNA検査以外では身元を特定できないほど損傷が激しい状態で発見された。しかも頭部に物品は取り付けられなかった。

D-036-05の犯した罪が036-JPの成り立ちと関係しているのか、それとも異質な価値観を持つ彼らであっても、教師である以上生徒に犯罪を行う輩は許せないのか…答えは謎に包まれている。



【追記予定!!!】

クリエイティブ・コモンズに基づく表記

出典:SCP財団

著者名・作成年は各記事の項目に表記しています。

このページの内容は『 クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス 』に従います。


追記用テンプレート

SCP-002-JP

タイトル:
著者
:(2099年作成)
オブジェクトクラス
備考


さいごに

最後までお読みいただきありがとうございました!といっても、今この記事で紹介できているSCP-JPはまだまだほんの一部にすぎません。ゆっくりペースとなりますがナンバー順にどんどん紹介を増やす予定ですので、たまに覗きに来ていただけると嬉しいです。

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