こういう感じの道具、眠ってませんか?
茶櫃(ちゃびつ)とか、丸取込(まるとりこみ)と呼ばれるもの。
中にお茶淹れ道具一式を収めるものです。
これは母の嫁入り道具だったのをもらいうけました。
煎茶道では、ここから道具を順次出して茶を淹れて片付けて仕舞っていく点前があります。
この蓋、くるっとひっくり返すと盆になる優れもの。
中にはこんな道具が入ってます。
小さいですねー。おままごとみたい。
上から時計まわりに
●茶入
蓋つきで、中に茶葉を入れておきます。
ここには写ってませんが、茶則とか茶合という半割りの竹みたいな道具に茶を出して急須に入れます。
すかすかで気密性はないので茶の保管には不向き。
●宝瓶(ほうひん) 泡瓶とも書く
取手のない急須です。
煎茶とか玉露はちょっと温めの湯で淹れるので、握りこむように持っても熱くない。
●茶托
木のものや錫や銀やいろんな素材のものあり。
●湯冷まし
その名の通り湯を冷ます道具。わたし煎茶のお稽古では使ったことないんですよね。とはいえふだん煎茶淹れるときには湯冷ましあったら便利。
●巾筒(きんとう)
茶碗を拭き清める茶巾を入れておくつつ。
これらの道具は、煎茶道を習ってなくても、そして煎茶じゃないお茶を淹れるのにも使えるのです。
小さい茶碗は、何煎も重ねる烏龍茶などにもってこい。
宝瓶は、熱湯で淹れる烏龍茶にも使える。とっても熱いのさえ気をつければ。
湯冷ましは、茶葉を入れて拝見する茶荷(ちゃか)として使える。
なので、小さすぎて一体なにに使うのか?と処分してしまわないで活用してほしいのです。
わたしたちのお爺さんかひい爺さんくらいの頃、男性がこのように小さな道具で煎茶を喫するのが流行っていたようです。夏目漱石の小説にも玉露を滴滴と味わう様子が描かれていた。
ご実家や、田舎や、親戚んちや、蔵や、倉庫に、ひい爺さんやひい婆さんが使っていた茶道具が眠っていませんか。
ぜひ、仕舞い込むのではなく、湯を注いであげてほしいのです。きっと使われていたご先祖も喜ばれるはず。
使い方わからなければお教えします。持ってきてみてください。
どうしても処分してしまうなら雲間にお預けください。新たな使い手に橋渡しします。
昔の道具や、今の道具や、高名な作家の道具や、100均のものや、自分の好きなように組み合わせて、のびのびお茶淹れたらいいんです。
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