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徒然雲 「白くてよかったね」

冷たい風が吹く寒い一日でした。

どんより曇っていたのが、風で雲が流れ青空が見えては
また雲がやってきては曇る、太陽が隠れるとブルっと寒い。
そんな12月のスタート。


少し前の駅やら電車での話。

ここ奈良での生活はほぼ公共の交通機関で移動になる。

電車やバスで移動中、イヤホンで音楽を聞くこともなく、スマフォを見続けることもまずなく
目も耳もいつもオープンにしている、口は閉じてますよ笑。

そうすると色々なことが見えたり聞こえたりする。
それが面白かったり、時には笑えない内容だったりで、目が点になったり三角になったり垂れたり・・・・

もちろん人様の様子だけでなく、街の様子や景色もしっかり見ている。


少し前の駅のフォームのベンチで電車待ちに聞こえた話。

白毫寺に行くときだったと思うので、もうだいぶ前になるのか
天理駅で近鉄からJR に乗り換え、本数少ない万葉まほろば線を待っていた。
同じベンチのいくつかシートが離れた横に座っていた老夫婦の会話が耳に入ってきた。
どうやら大阪からここ天理の病院に検査だか何かで通院されているようで
患者はご主人様。
ご主人はだいぶ耳が遠いようで声が大きい、また耳が遠いご主人のために
奥様も大きめな声で話している、なので十分ワタシのところにも聞こえてくるわけで、ご主人には聞こえてなくてもワタシには聞こえてるという状況だった。

そんなお二人の話はあまり噛み合っていないが、でもたまに合う。

その日は検査の結果を聞いたようで、その時の病院の話をされている中
レントゲンかMRI か何かの画像の結果のことであろう話で

ご主人 「まあとにかく白くてよかったよ、赤とか黒とかじゃなくって」

奥さん 「そうですねぇ、白くてよかったですね」


ワタシ ・・・・・白ですよ。


これは大阪人の笑いのセンスなのか?
おそらく半分はそうだったかもしれない。
そして半分は人生達観した余裕からの言葉だったのかもしれない。
いや、そんなたいそうなことではないかもしれない様子のご主人。

これが40代、50代の働き盛りのお父さんが肺だかなんだかの画像が
真っ白と言われたら、それはまた反応も話も変わってくると思う。
しかし80歳を超え余生を送っているとなると、色々な覚悟や諦めや
いや、そんな深刻な思いすらないかもしれない受け取り方ができるのかも。
もちろん人によって大きく違うとは思うが。

でもワタシもその歳になって、何か大きな病気などが発覚したときには
ジタバタせず天命と受け止める余裕が持てたらいいとは思うが・・・


それにしても、「白くてよかった」はかなり上級者のセリフだわ。

検査の話から、大阪への電車の乗り換えの話に変わって
これまたトンチンカンなこと言っていたお二人さん。

無事帰られたことを祈りながら、
人生の先輩の面白い話として書き留めておきます。


ローカル色満載の
万葉まほろば線の駅のベンチ








やっと冬らしくなってきた、師走初日。
















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