6.執筆手順 -『三つ編み眼鏡ネットスラング:創作ノート』
★★★ 目次 https://note.mu/kumoi/n/na992601ebdc8
今回は、「部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ」(以下、三つ編み眼鏡ネットスラング)の、「執筆手順」について書きます。
■ 部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ
http://ncode.syosetu.com/n9324by/
(note版)
https://note.mu/kumoi/n/nfab6fd71e1c0
各話だいたい、原稿用紙に文字をぎゅうぎゅうに詰めて、12.5枚ぐらいです。普通にレイアウトすると、15枚ぐらいです。
この量の原稿を、以下の手順で書きます。
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● 1. 紹介する単語を決める
ネットスラングのストックを大量に用意しています。その中から、前後のバランスや、読者の好みそうなもの、話として転がしやすいものなどから、単語を1つ選びます。
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● 2. 単語について調べる
選んだ単語について、ネットで調べます。また、周辺知識や、ネタの裏取りなど、可能な範囲でおこないます。
調べたWebページやメモは、作業用のテキストファイルに、コピペしてまとめておきます。
この作業に、だいたい10分から1時間ぐらいかかります。内容によっては、資料を読むのに、かなりの時間が必要です。
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● 3. 冒頭部分を作成する
冒頭部分とは、「~って何?」と楓先輩が質問するまでです。1つ前の話の冒頭部分をコピペして、それをテンプレートして、書き始めます。
なぜ、1つ前かと言うと、なるべく1つ前と内容や言い回しが被らないようにするためです。
この冒頭部分に、20分から40分ほどかかります。パズルを当てはめるようにして情報を調べて埋めていくのですが、上手くパズルのピースが見つからない場合は、時間がかかります。
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● 4. ピンチを設計する
紹介における、サカキくんのピンチを考えます。エロい単語は「エッチだから」と、一瞬で決まるので楽です。そうでない場合は、一生懸命ピンチのポイントを考えます。
このピンチは、外出中でも考えられるので、外に出ているときに考えたりします。
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● 5. 敗北やオチを設計する
サカキくんが自滅する理由を考えます。エロい単語は「エッチな言葉であることがばれてしまう」と、一瞬で決まるので楽です。そうでない場合は、一生懸命敗北のポイントを考えます。
ついでに、話全体のオチも考えます。
この敗北やオチも、外出中に考えられるので、外に出ているときに考えたりします。
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● 6. 本文を書く
ピンチ、説明、敗北、オチと、順に内容を埋めていきます。必要に応じて、調べ物をしながら書きます。この部分で、40分から4時間ぐらいかかります。
時間がかかる理由は、資料を読む時間がかかるからです。執筆時間自体は、だいたいどの話も同じです。
この時点で、第1稿が完成します。
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● 7. 推敲作業1
ここからは、文章を整える作業です。「三つ編み眼鏡ネットスラング」は、テンプレートがきっちりきまっているので、大きな直しは、ほとんど発生しません。
頭に入りやすい文章構造や、論理展開になっているかを考えながら、文章を頭から順に手直ししていきます。誤字脱字の修正もおこないます。
この作業はだいたい30分かかります。
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● 8. 推敲作業2
推敲作業1と同じ作業を、もう1回します。
この作業はだいたい20分かかります。推敲作業1の、だいたい2/3ぐらいの時間で終わります。
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● 9. 機械校正
ジャストシステムの、校正支援ソフト「Just Right!」で誤字脱字や、慣用句の誤用、表記ゆれなどをチェックして、修正します。
「Just Right!」は、完璧ではないですが、それでも、かなり間違いが見つかります。この作業は、10分ぐらいかかります。
また、この作業で見つけた過去の話数の表記ゆれは、「小説家になろう」に反映します。
多いときは、20話ぐらい修正するので大変です。この時間は、上記の10分には、含めていません。
……実は、この機械校正には、落とし穴があります。「Just Right!」は、最新版の5でも100万字までしか「表記ゆれ」のチェックはしてくれません。
そして、「三つ編み眼鏡ネットスラング」は、編集ファイルが100万字を超えています。
ただ、強引な迂回方法はあります。私が持っていたのは、「Just Right! 3」だったのですが、3ではその方法ができず、「Just Right! 5」にバージョンアップしました。バージョンアップ費用は2万7000円です……orz(「Just Right! 5」は4万円のソフト)
「Just Right! 5」からは、複数ファイルを対象にした校正ができます。ただし、複数ファイルで合計100万字です。
そこで、100万字を超えたファイルを、ABCの3つに分けます。ABで表記ゆれチェックをして、BCで表記ゆれチェックをして、ACで表記ゆれチェックをする。そうすれば、強引に100万字の制限を回避できます。
ただ、死ぬほど面倒です。
この強引な方法で、機械校正の時間が10分→20分と爆増です。うーん。ジャストシステムには、こんなアホな制限を解除してもらいたいところです。
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● 10. 推敲作業3
推敲作業1と同じ作業を、もう1回します。
この作業はだいたい10分かかります。推敲作業1の、だいたい1/3ぐらいの時間で終わります。
この時点で公開します。
感想に、誤字脱字が報告された場合は、その都度アップデートします。
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● 11. 推敲作業4
1週間から2週間ほど置いて、推敲作業1と同じ作業を、もう1回します。
この作業はだいたい7~10分ほどかかります。書いた日には気付かなかった間違いに気付きます。
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● 執筆時間のまとめ
だいたい、以下の感じです。
予備調査:10分~1時間
第1稿:1時間45分~5時間
第2稿:20~30分
第3稿:20分
機械校正:10分
第4稿:10分
合計で、3時間弱から6時間強かかります。
最初の頃は2時間強で終わっていたのですが、200話近くになった時点で、5~6時間がデフォルトになってきました。
調査の量がどんどん増えているのですね。
最初の頃は、毎日アップしていたのに、最近は2~3日に一度なのは、実はそのせいです。執筆時間自体は、そんなに変わっていません。
というわけで、200話前後ぐらいから、どうにかして2時間台でかけるようにできないかと、いろいろと作業の効率化を検討しています。
ちなみに、文章を書くときは、ストップウォッチで計りながら書くと、速くなります。なので、ストップウォッチを手元に置いておくとよいです。
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というわけで、今回は「執筆手順」について書きました。
※ この作品の初出は「小説家になろう」です。元の原稿は以下になります。
『三つ編み眼鏡ネットスラング:創作ノート』
http://ncode.syosetu.com/n2473cj/
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