世間から叩かれる事業に携わってしまった人は「いいこと」をしたいのよ

日曜ライターとして今、ノーベル賞関連の記事を書いています。

調べ物をする過程で見つけたこの記事が面白い。

11月27日はノーベル賞制定の日! 知っているようで意外と知らないノーベル賞ってどんな賞?

ノーベル賞の創設者であるスウェーデンのノーベルさん(ダイナマイトの発明により巨万の富を手にする)は、自分が死んだという誤報が流れたときのマスコミの反応を見て、多少なりとも衝撃を受けて、きと悪いイメージを払拭したかったんだね。

だって、「死の商人、死す」とメディアが報道したらしいですから。

ダイナマイトは発明後に大量殺戮の武器として各国に売り込まれたので、ノーベルが「死の商人」であることは確かなのですが、色々な発明家のヒストリーを読むと、自分の発明が戦争に使われた科学者はどの人もみんな悩むみたいです。

ちなみに、私は石灰石採掘の炭鉱を見学したことがありますが、ダイナマイトは決して人を不幸にするためだけの発明ではありません。肥料や土壌改良など、産業に必要な石灰石を掘り出すためには、爆破作業は必要不可欠なのです。

爆薬は戦争などの悲しい歴史に使われたツールですが、一方ではたぶん私たちも無意識のうちに多様な場面でダイナマイトの恩恵に深く預かっていると思います。

それでも当時の人たちはダイナマイトを人間を殺戮するためだけの道具と捉えて、後ろ指を指して非難したのだと思います。

叩かれやすい家業を継いでしまった経営者さんは

この件で思い出すのが、今年の3月・4月に同じお仕事(日曜ライター)でご訪問した庄内の事業者さんへのインタビューです。

一社は砂利採掘業、一社は養豚業。いずれも家業を引き継ぐ形で経営をなさっています。

こちらの二社様は庄内地方で風力発電事業にも取り組んでいらっしゃいますが、二社の社長さんから出てきた言葉の中で「地域に貢献したい」「(化石燃料に頼らない)クリーンな電気を供給してCO2削減に貢献したい」という熱いお話が印象的でした。

砂利採掘も養豚も、私たちのくらしに不可欠な事業であるのに、実際には自然破壊や環境悪化などで、批判を受けやすい事業でもあります。

その社長さんたちが話す「地域貢献」や「クリーンエネルギー」への思いは、スウェーデンのノーベルさんがノーベル賞を制定した気持ちと、根本は同じ源流ではなかったかと痛感しました。事業者であれば誰だって、世間から社会に役立つ企業として認められたいと思うんです。

承認欲求・・・

こう書いてしまえば簡単ですが、人の気持ちは奥が深くて複雑です。直接的な文章ではなくても、その辺の「匂い」みたいなものが、記事に込められたいいな、と思いながら、ただいま原稿作成中です。


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