「巨額の利益を取り逃がした」という結末につながるかもしれない

「2009年の記事。『西田社長は置き土産として、悪化した財務と肥大化した半導体事業という『負の遺産』、『正の遺産」として世界で戦える原子力事業を残した。』」とブクマしていたが、既に記事本体は消滅して、archiveも残っていない「2009年の記事[[東芝が悩む西田改革の代償 (3ページ目):日経ビジネスオンライン」という記事。しかし、コピペが残っていて...

西田社長は置き土産として、悪化した財務と肥大化した半導体事業という「負の遺産」、「正の遺産」として世界で戦える原子力事業を残した。しかし、前者は佐々木新社長が得意とする原子力に比べて短期間で経営環境が激変する。原子力の果実を得るには、未知の課題をまず解消せざるを得ないわけだ。西田社長の呪縛から自らをどう解き放つか。佐々木新社長は就任早々、正念場を迎えることになる。(日経ビジネス2009年3月30日号10ページより) [東芝(したらば掲示板]

この記事「原子力畑の佐々木新社長が直面する財務・半導体」には、当時の日立の川村新社長就任が、良い演出効果となったと記されていた。

発表翌日の新聞紙面は、今回の人事を、選択と集中を進めてきた西田改革路線の継続として、おおむね前向きに報じた。古川一夫社長から7歳年上の川村隆・日立マクセル会長へ交代する日立製作所の異例の人事も、東芝の社長交代をより美しく見せる演出効果となった。西室氏も「本当によかった。皆さんに好意的に受け止めてもらえたみたいで」と笑みをこぼした。(日経ビジネス2009年3月30日号10ページより) [東芝(したらば掲示板]

いずれも、結果は真逆となった。原子力で危機的状況に陥り、半導体事業を売却して生きのびた。日立は川村体制で甦り、東芝は西田体制が現在の苦境の起点となった。

そして、今度は、経営危機の巨大要因と見なされ、売却されたLNG事業。

LNG事業は販売価格の変動リスクが大きいうえ、東芝には安定的にLNGを供給する顧客基盤や発電所がない。東芝が参入した13年当時は東日本大震災後で、日本では原子力発電所が停止し、火力発電に依存する形でLNGの需要が高まっていた。ただ中長期的に資源価格は乱高下する恐れがある。東芝のLNG事業は、最大で1兆円近い巨額損失が発生する可能性があるとされてきた。(「東芝、爆弾・LNG事業を9百億円払って他社に売却…経営危機再燃を寸前で回避」2019/06/05)

西側世界は安全保障の都合により、LNGへの眼を向けるようなってきた。これは「巨額の利益を取り逃がした」という結末につながるかもしれない。

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