死後の魂の仕様

魂の仕様を考え中...

前提1:魂は存在するが、超自然の存在であり、経験的に(あるいは科学的に)その存在を感知・観測できない。

科学的にその存在を観測できていないが、魂が存在しているとするためにこの前提が必要。

前提2:魂は生きている人間と1:1対応でリンクしている。

少なくとも、人間にリンクしている間は、魂は別の魂を認識できないなら、「1:多」でもよい。タイムシェアリングで生きている人間とリンクを持ち、その瞬間はリンクした人間以外を認識できなければ「多:1」でもよい。これらをあわせて「多:多」でもよい。しかし、ここでは「1:1」に限定する。

前提3:魂の働きは、リンクしている脳の働きに制約される。すなわち、記録・思考・感情は脳と同じ。(魂が脳よりずっと優れたものだとしても、生きている人間とリンクしている間は脳のいわば同期状態)

魂は記憶しているのに、脳に記憶されている範囲でしか、出力(口に出す、行動する)できないという状況を避けるため、この前提を置く。ただし、そのような状況が実際に起きていても、本人の魂以外に、その状況を知り得ない。したがって、実際には起きているとしても、経験的事実には反しない。その場合、魂は肉体という牢獄に捕らわれた存在ということになる。それはそれで一つの論点となりうるが、ここでは「死後」に論点を限定するため、この前提を置く。

前提4:肉体の死とともに、魂は人間とのリンクを切断されて、「死後世界」へ移動する。

課題1:「死後世界」に到達した瞬間の魂が持つ記憶・思考力などはどうなるのか?

課題補足11:老いて失われた記憶は、そのままなのか復活するのか?

復活しないなら、記憶力の衰えの小さかった脳とリンクしていた魂は多くを覚えていて、痴呆症が進行して若い頃の記憶しか残っていない脳とリンクしていた魂は人生の多くを覚えていないことになる。

であれば、「魂から記憶を奪う」ために脳にダメージを与える行為が、死後にまで影響を及ぼす攻撃という、脅しの手段に使えることになる。

回復するなら、いつの時点の記憶を回復するか?記憶は変容していくため、最初のイベント時点から死の瞬間まで、変化し続ける。全か無かではないため、いつの時点を回復するかが論点となる。しかも、変容した記憶と、その時点の感情や思考が関連していた場合、関連は断ち切られることになる。断ち切らないとしたら、変容した少なくとも一つのバージョンの記憶が、オリジナル時点の記憶とともに、回復されることになる。

課題補足12:アルツハイマー型認知症などにより機能を大きく損なわれた場合、死後の魂も同じ状態なのか?

そうなら、ぎりぎりまで脳を衰えさせてから死ねば、魂もまた衰え、何も覚えておらず、何も考えられなくなるだろう。意図的に拷問の手段として、そう、魂への拷問として、脳機能を衰えさせてから死なせるという方法が使えるようになる。

痴呆症になろうとも魂が健全であるなら(すなわち前提3をはずすと)、その魂は痴呆の脳という牢獄に捕らわれた状態になる。覚えているのに、思い出すことを妨げられ、考えられるのに、考えることを妨げられ、その状況を死まで逃れられない。その状況を利用した魂の拷問も可能になる。衰えた脳を人為的に生存させ続ければ、魂は衰えた脳に捕らわれたままだ。逃れようもない。

いずれでもなければ、死のときまでは脳と同期して、魂も痴呆状態にあり、死とともに、健全なる思考力と記憶を取り戻すというパターンになるだろう。

課題補足13:老いて、衰えた脳により、学習能力を失い、保守化した思考は、死後もそのままなのか?

思考力は健全な状態を回復したとして、そのときの価値観はどうなるだろうか?衰えた思考力と記憶に基づいて形成されていた価値・思想は、健全な魂とは相応しないが、違和感を感じるのだろうか?それとも気にならないだろうか?

課題2:ニセの記憶が脳に形成されるとき、魂からは、そのニセの記憶はどう見えるのか?

課題補足21: 魂には存在しない記憶が脳に出現するとき、魂は記憶が模造だれたと認識するのか、それとも脳と同期していて、魂も「ニセの記憶」を思い出すのか?

もし魂が「記憶を模造だと認識」しているなら(すなわち前提3をはずすと)、魂と脳は異なる記憶を持つことになる。魂は脳と別の思考と持つことになり、魂は肉体という牢獄に捕らわれた存在となる。

あるいは、魂は脳と同期しているので、魂もまた「ニセの記憶」を思い出すだろうか?そうであるなら、魂にも「ニセの記憶」が作られたのだろうか?

課題補足22: 魂に「ニセの記憶」を作られてしまったとしよう。この場合、魂は「ニセの記憶」をニセとは認識していない。したがって、死によって脳から解き放たれたとき、魂は「ニセの記憶」を真正だと認識し続けるだろうか?それとも、死とともに、ニセの記憶であると「知る」だろうか?


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