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【叙述トリックに引っ掛かった気持ち】バターマーマレード「スプートニクの恋人」で1.3倍やられたぜって思うnote

こんにちは!
アキレスと亀のともきです!

今回は3か月連続リリースの最終作となる

バターマーマレード「スプートニクの恋人」

について

スプートニクの恋人
ライカが見た光景
連続リリース最終章

3つのキーワード勝手に深読みしていきます!


スプートニクの恋人


「スプートニクの恋人」はもしかすると村上春樹の同名小説が元になっているのかもしれない。少なくともアキレスと亀の「スプートニク」とは(それがぼくにとって嬉しいことか悲しいことかは別として)そんなに関係がないように思う。
この曲について僕に語れることがあるとするならば、まるで天使が描いた絵画のようにロマンティックで、砂糖を入れすぎたコーヒーのようにざらりとした甘い切なさがあるということだろう。

あひぃ!この文体疲れる!!ここからは!スプートニクの恋人の文庫を買って帰ったら自分の本棚にも置いてあったアホのともきがお送りします!いぇい!

「スプートニクの恋人」は落ち着いたミドルテンポの楽曲。
バタママらしいけだるげなのにロマンチックな、まさに音楽通好みの一曲じゃないでしょうか?

この楽曲を象徴するのはやっぱりサビの歌詞

宇宙に駆けていく 強い灯りを見た
まるで君はスプートニクのような恋人さ
君の言葉をまだ信じている
それだけでいいはずなんだ

「君の言葉をまだ信じている、それだけでいいはずなんだ」意味深な言葉ですよね。君がいなくなってしまったとも解釈できるし、君が今もそこにいるとしても違和感ない言葉です。

そしてさ、さっきは関係ないといったものの、やっぱりアキ亀の「スプートニク」とくらべてしまうんですよ。
言っていることは結構似ていて、でも作詞者でこんなに変わるのかって感じ。

宇宙に駆けていく強い灯りを見たとか君の言葉をまだ信じているをうちのヨシダが書くと君が上げた声で夜を裂いてになるんだなぁって。面白いよね。

もう一つのサビも美しくってですね

宇宙を過ぎていく 強い灯りを見た
きっと双子座も赤らめるような恋だった
一瞬の尊さと美しさ
それだけでいいはずなんだ

スプートニクのような恋人は遂に宇宙を過ぎてしまう。歌いだしで春は君をこの街へ運んだという歌詞があるのですが、双子座が見えるのはだいたい5月半ばから6月いっぱいくらいまで。つまり春に出会って、すぐに熱烈な恋に落ちた。という風に考えられると思います。

そんで恋だったって過去形よね。やはり過去のものとなってしまっていたのでしょうか。

んー切なさ香ってきましたね・・・


ライカが見た光景


さてここで村上春樹の小説の表紙にあるあらすじから一部引用させていただきます。

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。

作中でもこのすみれさんはものすごくパワフルなわけなんです。ネタバレ無しで行きたいのでざっくりとした書き方になりますが、作中では主人公のすみれのほかに「ぼく」という一人称を持った語り手が登場します。
つまりすみれが所謂「君」の立場になるわけです。

楽曲の中での「君」は人類が初めて宇宙に打ち上げたスプートニクのように強い光を放っていた。そして宇宙へ飛び去ってしまった。

そこで見ていただきたいのがこの歌詞

私は夢の中へ旅立つわ 眺めたいの
so take me higher ライカが見た光景を

so take me higherだからより高いところへ連れて行ってみたいな意味。
ライカが見た光景ってなーんだ!?ってとこだと思うのですが、ライカっていうのはスプートニク2号に乗せられた犬の名前で、初めて衛星軌道を周回した哺乳類なんだそうな。

つまりライカが見た光景っていうのはスプートニクが見た景色であり、スプートニクと一緒にいた者が見た光景なわけですよ。

そしてにはその光景を見るすべが夢の中しかない。あまりのパワーについていけなかったのか、そいつの間にかふっと消えてしまったのか。
これもある意味関係が過去のものだったと示唆する言葉に思えます。

にしても歌詞が一つ一つ洗練されて文学的なんよな・・・


連続リリース最終章


「二人だけのムード」「ゆうくれない」に続く三か月連続リリースの最後を飾る「スプートニクの恋人」

君と出会えたシーズンは四季にないやと「君」との出会いを歌う1作目「二人だけのムード」

バス停の影 二人の間に線を引くと「君」との別れの瞬間を切り取った2作目「ゆうくれない」

そしてきっと双子座も赤らめるような恋だったと「君」との恋を過去のものとして綴る3作目「スプートニクの恋人」

「君」との関係を時系列で追いかけている一編の物語のようだと思いませんか?

「スプートニクの恋人」では「私」という言葉が登場するのですが、なんかこれがもう叙述トリックに見事引っ掛かったような気持ちよさがあります。
僕が男だからなのか、安達さんがボーカルをしていたイメージからか、勝手に主人公は男の子に、設定していたんですよ。
今まで勝手に男性だと思っていた主人公が女性である可能性も生まれたわけで、なんかなんでだろうすごくびっくりした。
もちろん「私」という一人称は男女どちらも使う言葉なのだけど、詩的な歌詞にもマッチしてます!

※3作品で一人称出てきたの初めてじゃね…?と思って見返したら「ゆうくれない」「僕」が登場してた。
3作かけた一人称トリックじゃね!?と1人で興奮してたことを思い出して顔から出火。

とはいえ「スプートニクの恋人」に向かって2曲が作られていたといわれても納得してしまうくらいの美しさ。
一人称が「僕」じゃないっていうのが主人公が男女どちらでも感情移入出来ちゃって最高だし、「スプートニクの恋人」ってタイトルで「私」っていう一人称を出すのにもなんかやられたなってカンジです。何言ってるかわからん人は小説読んでみて!

ただでさえ超ハードな3か月連続のリリースこんなストーリーまで持たせてくるバタママさん・・・かっけぇぜ・・・

そんなバターマーマレード「スプートニクの恋人」聞いてみてください!是非に!

単体でも素晴らしいし、3曲続けて聴くのもいろんな発見があって面白いと思います。試してみてくださいね!

バターマーマレードの皆さん!連続リリース本当におめでとうございます!!!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!ばいばい!






おいしいビールが飲みたいのです・・・