【純文学】水咲加奈「水色になる」で1.3倍愛について考えてしまうnote
こんにちは!
アキレスと亀のともきです!
今回は
水咲加奈「水色になる」
について
純情のかけひきの終わり
水色になる
愛だの恋だと言ってきたけど
の3つのキーワードで勝手に深読みしていきます!よ!
純情のかけひきの終わり
さて、この「水色になる」という楽曲は加奈さんらしい詩的な歌詞と超絶ピアノが大暴れな楽曲です。声の深みも半端ない。
そんな文学的な詩をどうにかこうにか読み解いていきたい!とおもってんのよ。どうしたらこの知的で美しい文章を読み取れるか。とりあえず雰囲気作りで眼鏡をかけて記事を書いてみます。
まずは歌詞を少しずつ見ていきましょう。まずは歌いだし。
朝方は一人にならせて
重ねる肌より大切なこと
静かな風に揺られて
想像の中で君をあたためる
「朝方は一人にならせて」もう小説始まるかと思うくらい美しい言葉から楽曲が始まります。
朝方はということは朝方以外は一緒にいたいんやな・・・みたいなおじさんの邪推は置いといて、ずっと一緒にいるだけでなく一人相手を思う時間も愛おしい。というきゃぴきゃぴ恋愛ソングとは一線を画す楽曲だということがすでに伝わってきます。
まだ暗い部屋の片隅に重ねる肌
気が遠くなってしまう
君といると私は奇麗だ
そう錯覚させられる
幸せとか楽しいとか
言葉にするのは素敵さ
喋らなくても十分だけど
「君といると私は奇麗だ」恋は女性をきれいにする。なんてよく聞きますよね。そう錯覚させられると続くのが水咲曲すべてに感じるどこか陰のある空気感にマッチしています。
「幸せとか楽しいとか言葉にするのは素敵さ」なんだか僕は俵万智さんの「寒いねと・・・」の短歌を思い出しています・・・
後に続く喋らなくても十分だけどというフレーズがもう多幸感。穏やかな幸せの空気です。
君の美しさに私は無理やりにでも
蕩けた顔して離させない
純情のかけひきの終わりを考えること
もうしない
こちらがサビ。もう純文学なんよ。
君の美しさにというフレーズ。勝手なイメージかもしれませんが、女性のラブソングで相手のことを美しいと表現することってあんまりない気がします。
無理やりにでも蕩(とろ)けた顔して離させないと。離さないではなく離させないと言っているあたりに自己肯定感の低さというか若干のメンヘラ感というか、主人公の内面的な部分が現れて楽曲の味付けに寄与しています。
さて現れました純情のかけひきの終わり
これについて勝手に深読みしていきます!
そもそも純情のかけひきって何なのか?
これはおそらく先にも書いてある無理やりにでも蕩けた顔して離させないみたいなかけひきのこと。
「これで気になるあのコもイチコロ♡オトメの恋愛テクニック!」である。こいつのレベルを最大まで育てると純情のかけひきに進化するわけです。育成ゲー。最初からレベルMAX水咲加奈(字余り)ともき心の一句です。水咲加奈と水咲かなの掛詞がポイントです。
それの終わり、つまりKAKEHIKI NO OWARIとはいったい何のことなのでしょう?
相手に好かれようとする、もしくは嫌われないようにするかけひきの終わりは大きく二つ考えられます。
失恋と惰性です。
失恋はわかりやすいですよね。そんなかけひきができないような関係になってしまう。かけひきすること自体にNOを突き付けられてしまう状況も考えられますし、自分の気持ちがさめてしまうというのも失恋の一種かもしれません。
惰性については、そんなかけひきが必要ないほどに気の置けない仲になってしまう。例えば結婚して子供を育てて、そして老後。そのころになってもバリバリに恋愛のかけひきをしている夫婦は少数派なのかもしれません。惰性って言葉が正しいのかは微妙ですが漢字二文字が並んだらかっこいいかなと思ってのチョイスです笑
この二つの可能性を考えることはもうしない。
涼しげなサウンドの奥にとんでもない情熱が隠れていました。
失恋が待っているかもしれないなんてことは考えずに、そして惰性的になってしまうことなんてありえないと思って蕩け続けてしまうことでしょう。ニヤついちゃうね!
水色になる
さて、曲名にもなっている印書的なフレーズ「水色になる」歌詞にも登場するので見てみましょう!
普通でいい どこでもいい
二人でいるなら素敵さ
雨も好きになる
水色になる
何が水色になったかって雨ですよ!
二人でいれば雨も水色になってしまう。
例えば雨の風景画を描けと言われたとして、僕は水色で書きたくなってしまうと思うんですよ。
それは今まで見てきた絵のステレオタイプというのもあるかもしれませんが、絵にするならきれいにしたいとかそういう心からだと思うんですね。
絵については全く詳しくないですが、イメージの大本の水色の雨って、雨がやんで青空がのぞいて、それを映して水滴が水色に見える。みたいな瞬間なんじゃないかって思うんですよ。知らんけど。
だからもし葉っぱの近くの水滴なら緑でもいいかもしれないし、花の近くなら赤でも黄色でもいいかもしれないですよね。
話を戻すと、二人でいれば雨も水色になる。世界がきれいに見える。君といると私は奇麗だと錯覚し二人でいれば雨が水色になるんですよ。
幸せとか好きとかその手の言葉を使わずに鮮やかに感情を描写する力はすさまじいですよね。
さらに鬼のようなこじつけをしてしまえば、水色になるってことは空の色。だから「君」は花でも海でも鏡でも太陽でもなくて青空のようだ。というような言い方もできます。
青空に対するイメージはそれぞれでしょうが、優しくておおらかで、それでいてさわやかな人なのでしょう・・・
愛だ恋だ言ってきたけど
さて、ここまで「水色になる」について愛だの恋だの好き勝手に言ってきたわけなのですが、改めて楽曲を聞くとそんなことを言っている自分がなんだかあさましく思えてきてしまうくらい深いわけですよ。
いや別に愛とか恋とかをバカにしているわけではなくて。ただ僕の言語能力ではこの深さをうまく伝えることができていないような気がしてしまっているのも確かなんですよ。愛の歌であることは間違いないと思うのですが。
しかもね。この楽曲。「君」は人間でなくても成立すると思っているのです。例えば音楽とか、文学とかなんでも。
君の鼓動を感じて
永遠に抱きしめ合っていたい
純情のかけひきの終わりをかんがえること
もうしない
これが一番最後の結びのサビなのですが、例えば「君」を音楽と考えてみましょう。純情のかけひきの見え方が変わってきます。
学生時代に聞いた音楽ってずっと覚えているものなんですよ。
もちろん大人になって聞く音楽も素晴らしいものですが、あの頃聞いた時のときめきや感動は特別なものだったと思います。
その初々しい感情をこの先も忘れずに永遠に付き合っていきたい。そんな受け取り方だってありだと思うんです。そんな余白と余裕がこの楽曲にはあります。
そんな深いところの愛を冷静と情熱を同時に存在させて演奏する水咲加奈さんはもう、なんかほんと。オバケです(最後の最後で語彙力がアホ)
そんな心の深いところにある愛の歌「水色になる」をどうぞお聞きください。ライブ映像でお送りします。前列のお客さんの表情がすべてお物語ります。目の前で見たら僕も多分その顔する。音源版はこちらから。サウンドクラウドのページに飛びます。
スパっと締める終わり方も素敵です。しばし放心してしまいますね。
そんな水咲加奈さんも参加するジョイミューことEnjoy Musicから
コンピレーションアルバムEnjoy Music New Wave Generations vol.2のリリースも発表されています!ご期待ください!
それではまた次回の記事でお会いしましょう!バイバイ!
おいしいビールが飲みたいのです・・・