見出し画像

アートマネージャー・ラボ、活動中!

最近、やっと自分なりにやりたいことが整理されてきて、いつものように周りの素晴らしい人達の力を借りて、なんとか実現しようとしている。

アートマネージャー・ラボはアートに関わる人を支援し、その価値を社会とつないでいくために始めた活動で、特にアートマネージャーたちで集まり、悩みを共有し、現場の問題を整理し、それを解決するためのネットワークを作ることを一旦の目的としている。

そもそもアートマネージャー・ラボを立ち上げた直接のきっかけは、新型コロナの影響をアート分野のあらゆる人が手ひどく受けてしまったことだ。1回目の緊急事態宣言が出たころから、多くのプロジェクトが中止や延期を余儀なくされ、先が全く見通せなくなってしまったのだ。今もそれは続いており、私も例外ではなく、2020年の上半期には、一度ほぼ仕事がなくなってしまった。時間ができたことはありがたかったし、比較的のんびり構えていたけれど、危機感は募っていった。そこで、何らかのアクションを起こし、窮状を分析して伝えることで、文化芸術分野への公的支援を求めるべきだろうと考えたのだった。

幸い、私は文化事業の評価の仕事をしているので、誰が政策の何を決めているかがなんとなくわかった。また、昨年のあいちトリエンナーレの一件以来、どのようにアクションをすべきかを相談できる、政策に詳しい知人もいた。だから、声を伝えるべきときには、問題点をクリアにし、なおかつその解決につながるように、エビデンスをベースに提言をして、状況の変化を促すべきだと考えるようになった。

なにせ、根本的には「Personal is Political」なのである。私の課題は、私個人のものではなく、社会の問題でもあるのだ。個人は社会に規定され、その構造の中で生み出される歪の影響を受ける。アート分野に関わる人間は、もともと不安定な雇用、もしくは雇用されていない状況の中で、必死に仕事を生み出し、生き方自体を切り開いてきていることが多い。そんな不安定な私達は、社会情勢の不安定さに、まっさきに影響を受けざるを得ないのだ。

しかも、アートの世界は日々拡張していて、いろいろなタイプの働き手がいる。そのため、誰が何をして、プロジェクトが成立しているか、業界内部の人以外に、ほとんど見えなくなってきていると思う。

例えば、私はアートマネージャーという文化芸術の事業を担う専門職ではあるものの、中では事業評価などを特に専門としている。とはいえ、なんでも屋でもあって、企画もやるし、運営もやる。名刺にはいろいろな肩書が書いてあり、会う相手によって、仕事のパートナーの求める内容によって、自分の立場を変化させながら、一緒にやる活動にとって最も必要だろう価値を提供することとしている。

そんな自分の性質はおせっかいではあるけれど、一人だとあまり何もできない人間だから、いろいろな異質で才能ある人をつないで、物事の流れをスムースにしたり、何かを立ち上げたりするのが得意なんだと思う。そしてアートマネージャーとはまさに、一人だと動けないアーティストや活動を、何かにつないでその世界を拡張し、よりワクワクする姿で実現することを支援する職能なのだ、と思う。

私の周りのアートマネージャーや現代アートに関わる人達の多くはそういう人たちで、何かを始めると実現までは、ゴールが見えない中で進むので、それはそれは苦しいけれど、とてつもなく楽しい。

そういう人たちがいる社会は豊かだと思うので、もっとアートのおもしろさやアートマネージャーの存在価値をアピールしていきたいな、仲間を増やしたいなと思う。

この1年間、いろんなオンラインイベントを開催してきて、だいぶコミュニティが可視化やその課題が可視化されてきたし、またパートナーになってくれそうな人たちも見えてきた。この財産をどうつなげていくか、策を練りつつ、どんどんできることはやっていきたい!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?