見出し画像

今更だけどゲームモデルについて考え直してみたりした_(:3」z)_

「ゲームモデルの赤本(見た目)」こと拙著が世に放たれてからはや2年以上の月日が流れました。いやはや、あれから本当に色々ありました・・タイミングとして正しいかはさておき、拙著の書評を自ら書いてみようかなという話からまずは「ゲームモデルをめぐるあれこれ」についてちょっとまとめてみようというのが今回の趣旨になるかなと思われます_(:3」z)_

ざくっと要点
・出版して変化したこと
・本当のところ
・結局ゲームモデルってなんなの?

こんなところでしょうかね。

ではいってみましょう。

【出版して変化したこと】
諸般の事情(?)によりTwitterの前アカウントが凍結されてしまい、半年ほど前に新アカウントで活動を再開した訳ですが、前アカウントのフォロワーだった皆さまの半数くらい?は出版やそれに関わる諸発信をきっかけに関心を持っていただいたと理解しています。確か「ゲームモデル作ってみた」発信をしたのが2018年の秋あたりだったかな。その頃のフォロワー数が1000程度で、年末には2000に迫る感じになったと思います。

年が明けてゲームモデル関連の発信を続けていましたが、出版の話がオープンになったことでさらに多くの方々に目を向けていただくこととなりました。そこから出版、それに関する発信の積み重ねの結果、6000人に迫る数の皆さまにフォローしていただいたわけです。まぁそのアカウントは永久凍土の下に埋もれてしまったんですけどね(・_・;

その過程で多くの繋がりを得ることができました。おそらく普通に地方の公立高校でサッカー部顧問をしている人生では出会うことのなかった皆さんとの繋がりでした。それはもちろん元プロ選手のような方、現在プロの世界で尽力されている方、いわゆるインフルエンサーのような方、といった「すごいな」と誰もが思えるであろう方だけではなく、同じように地方の公立学校で部活動顧問をしている方、サッカーがただただ好きなだけという方、熱狂的なサポーターの方、そもそもサッカーとは関係ない方、熱意あふれる若者たち、などなど言い始めればキリがないほどに多くの方達と出会うことができました。

人との繋がりは人生において最も価値ある財産の一つ、と考える自分自身にとって、何よりこの「繋がり」を手に入れられたことが大きかったです。

今も仲良くしてくれる皆さん、時々声を掛け合う程度であっても接点を大切にしてくれている皆さん、オレの存在自体を記憶に留めてくれている皆さん、兎にも角にも感謝です。

よく下世話な話ですが、出版って儲かるの?みたいなことは聞かれたりします。だけど、お金以上の価値として「繋がり」を与えてくれたことがある意味「大儲け」なのかもしれませんね。


【本当のところ】
さて、これはちょっと外向け?の綺麗なお話でした。もうちょっと現実的な変化についてまとめてみましょう。

これもまた「繋がり」からの話になるのですが、想像していた以上に多くの方からお声掛けいただく中、「ゲームモデルの実例」のようなものに触れる機会は多かったと思います。

自分自身でも作成し、改良し、試行錯誤を繰り返す日々でした(今もです)が、自分ではない人が、それぞれの状況の中で試行錯誤して作成したゲームモデルを共有していただく機会に多く恵まれました。

書籍を書いたからといって自論が正しいと固着する気は一切なく、むしろそこを起点として色々な議論や試行錯誤の積み重ねをこそ望んでいたので、これは嬉しい話でした。「わっきーさんの本を参考に作ってみました」と言っていただくときの複雑な気持ち(嬉しいような恥ずかしいような)は押し殺し、それこそ最初の頃はDM等でのやり取りだったのがコロナのこともあってZOOMなんかも活用できるようになり、よりアクティブに意見交換を重ねてこれました。

実はそんな中「ゲームモデルってほんまに必要なん?」って思うことも少なからずありました。「で、そもそもゲームモデルって何?」というのも常に呪いのように付き纏いました。じゃあ現時点ではどう思っているのか、と聞かれたら「必要か不要かで答えるなら必要」「必須かと言われるとちょっと違う」「ゲームモデルってそもそも何なのかの明言については求めないでくれると助かる」という感じです。

おい、逃げるなよ??

さて、なんのことでしょう??


【結局ゲームモデルってなんなの?】
とはいえ、ぼやかしたまんま終わる訳にもいかないので、「現時点での理解」としてちょっとまとめてみましょう。

①そもそも論としてのゲームモデル
我が師曰く、ではないんですが「ゲームモデルとは意思決定基準」というのが一つの軸であるのは現時点でも変わらずです。けどこの「ゲームモデルとは」というやつ、拙著でも「チームのIDカード」だの「目的地」だの何だのと書いている訳ですが、規定する対象の階層整理ができていなかったなぁと今更ながら思っていたりします。要は階層を無視すれば「ゲームモデルとは○○」って、どうとでも言えてしまうよなと。

とりあえず色々一旦横に置いておきまして、まずは「意思決定基準」としての軸から話をしてみましょう。

意思決定基準というのは「やるべきことのため」に整理されるものだと位置付けたとします。そうすると、「ゲームモデルを作ってみました」という作業の果てに誕生するのは大体ものすごい情報量の塊になってしまいます。で、流石にそのままでは良くないとなって「情報の階層整理」が始まります。原則、準原則、準々原則・・といった具合にですね。そうすると、これはこれできちんと整理された形でのまとまりが誕生する訳です。

しかし、その運用を実際に行っていこうとすると、その「やるべきこと」の情報量が足枷になる可能性が顔を出します。つまり、「こういう時はこうする」が網羅されているほどに「答え」を参照できてしまう訳です。そうすると、その情報量が「窮屈」と感じることに繋がってしまいます。

もちろん、その時々のことに対して「答え」が存在するというのはある意味安心ではあるのですが、サッカーというスポーツはそういった「答え」が多様に存在していることもまた事実です。「最適解」という表現を使うこともありますが、その「最適」って何?もまた多様だったりして大変です_(:3」z)_

実際の試合において、選手たちが時系列、戦況軸の中で一体どれ程の情報を参照し処理してプレーできるのだろう??これは選手としての経験が無い自分にとってはなかなか高いハードルです。だけど、きっとそこはシンプルなほど良くて、それを実現するために意思決定基準を明確にし、交通整理をするためのものがゲームモデルだとして、けどそれを整理しようとするほどに自縄自縛の罠にもハマりかねないというリスクもある。この辺りをグルグルしている頃に「ゲームモデルって必要なのか?」となった訳です。

そこで少し視点を変えてみました。「やるべきこと」のために整理しようとすると「じゃあこれは?」が次々と出現してきて結果「あれもこれも」のようになりがちだなと。だったら、「やるべきこと」を整理するという意味を「それ以外は各自判断する」という部分、これを「余白」と捉え、その余白を選手に明示するためのものと考えたらどうだろう??試合の各所で発生し続ける様々な状況に対し、「やるべきこと」と「各自で判断すること」の境界線を明確に示し、その配合率によって「自分たちのサッカー」の表現、体現をするためのガイドラインのように位置付ける、そういう考え方はできないだろうかと。

と言うことで、現時点ではその「余白を整理するためのもの」のような位置付けでゲームモデルを捉えています。もちろんこれが正解ということではなく、自分自身の思考過程における通過点としてのお話です。

個人的には、ピッチ内における選手たちの「決断」というのはとても大切に考えています。判断基準を提示、理解、共有したとしても最後にそれを「決断」するのは選手たちです。そこに「迷い」というブレーキが関与しないようにしたい、という意味でも「意思決定基準」が必要なのは間違い無いです。だけど、場合によってはその基準が選手たちに不要なブレーキをかける可能性もあるんだろうなと。

とまあ、思ったことを書き連ねてみましたが、これと言った結論には至っていないのが正直なところです_(:3」z)_待って、殴らないで!


②ゲームモデルの守備範囲
これもまたそもそも論なのかもしれませんが、ゲームモデルという言葉の守備範囲もまたよく分からないんですよね。日本における2大論争として、「きのこ派vsたけのこ派」「ゲームモデル派vsプレーモデル派」というのがあります(?)が、このあたりについても一時随分と頭を悩ませました(・_・;

かつて軽く記事にしたか呟いたかした記憶があるんですが、ゲームモデルがチームのフィロソフィにまで及ぶとすればそれは「チームモデル」のようなものではないのか?とか、プレーモデルと表現すればそれは「プレー原則の集合体」なのではないのか?とか、じゃあゲームモデルの「ゲーム」ってどこからどこまでのことだよとか、マジでグルグルどかーんでした。

ちなみにこの辺りに関してはあまり結論は考えずにいます笑。ただ、言語化をしてしまえば当然それが「何を示すのか」は紐付けられないといけないとは思うので、知らないふりはできないんですが、これを定義するのはオレではないのだけは確実なのでご容赦ください(・_・;

ただ、ゲームモデルがそのチームにおいてどのような文脈から誕生し、何を目指すためにどのようなヴィジョンやミッションを持って歩もうとしているのか、というロードマップとしての側面を持つことは現時点の理解として納得しているので、大きくはそういうものと捉えて今後も作成やアップデートに携わって行けたらな、と思っています。


【最後に】
取り留めのない話にここまでお付き合いいただきありがとうございます。ご覧のように、取り立てて「これだ!」という何かに行き着いた訳ではございません。だけど、確実にゲームモデルと出会ってからサッカーに対して少しは近付けた気がします。

今回の記事も「思考過程」の開示と、言語化による自分自身へのフィードバックというのが趣旨なんだと思います。ただ、それが皆さんに何かを投げかけ、次の一歩に至る何かしらの「きっかけ」になることを願っております。


ではまた_(:3」z)_

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?